シートのガタつき 原因を解決する方法

シートのガタつきのイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員/一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • シートのガタつきは、シートメインフレーム、シートレール、シート本体の不具合が主な原因
  • シートのメインフレームは分解修理が難しいため、ガタつきが発生した場合はシート本体(一式)交換になることが多い
  • シートレールがガタつきの原因となった場合は、新品のシートレールに交換
  • 日頃からシートを乱暴に扱っているとガタつきの原因となるので注意が必要

【原因】シートのガタつきの原因は?

シートのガタつきは、シートメインフレーム、シートレール、シート本体の不具合が主な原因となります。

乗用車用シートを大別すると、独立型のセパレートシート(バケットシート)と一体式のベンチシートがあります。セパレートシートは主にセダンやスポーツカーのフロントシートとして装着され、ベンチシートは軽自動車や商用車などのフロントシートと乗用車のリアシートに主に装着されます。また、シート表皮には布製とレザー製があり、布製表皮には平織物のジャージ、糸をループ式に編み込んだトリコット、化学繊維やウールの起毛を織りだしたモケットがあります。

シートメインフレームとは、パイプフレームを溶接して製造されたシートの骨格で、事故の際にドライバーやパッセンジャーを守るために極めて丈夫に作られています。

シートレールとは、シートを車体に固定されるために作られたフレームで、丈夫な超高張力鋼板(ハイテンションスチール)をプレス加工した部材を溶接して組み立てられます。手動調整式のシートの場合はシートレールのスライドレバーを押し上げ、パワーシートの場合はパワーシートスイッチを操作することで前後にシートをスライドできます。

シートとシートレールはボルトとナットを使って装着し、車体との固定はシートレールの四隅に開いた穴とネジが切られた車体の穴との位置合わせをした上で、頑丈なシートレール取りつけボルトで接合します。

【解決方法】修理はシート本体(一式)となることが多いが、日頃からシートを丁寧に扱うことで不具合を防げる

シートメインフレームの不具合でシートのガタつきが発生した場合は、シート本体(ASSY=アッセンブリー:複数のパーツが一式組み上がった状態で交換するパーツ)交換による修理が必要になります。シートは乱暴に扱うとガタつきを起こす恐れがあります。特に2ドア車の場合は、リアシートへのアクセスでシートバックを倒すことが多くなりますが、そのときに力任せに倒すとシートメインフレームにストレスがかかり、ガタが出やすくなるので注意が必要です。

シートレールからガタつきが発生した場合は、シートとシートレール、シートレールと車体との取りつけボルトの緩みが疑われます。固定ボルトを規定トルクで増し締めすることでガタが直ることがほとんどなのですが、シートレールの歪みや破損でガタが出ている場合には、その場合はシートレールを新品に交換することになります。

車種によっても異なりますが、部品代と工賃を合わせたシートレールの交換費用は4万円以上になります。また、一部の輸入車では補修部品としてシートレールの単品購入ができないことがあり、その場合はシート本体(一式)交換になります。

(山崎 龍)

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※修理内容は修理工場での作業事例を説明するもので自己修理を推奨するものではありません。

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