今回は北海道。「シーニックバイウェイ＝秀逸な道」に選ばれた12の道のうち、日本最北端を走る2つのドライブコースをご紹介。カープレミアマガジン編集長宇野が実際に走った道をお伝えする連載企画「絶景ドライブコース」です。
シーニックバイウェイとは？
英語表記では「Scenic Byway」日本語で「秀逸な道」となる、北海道の景観が特に優れる12の道を地域が選出、またシーニックバイウェイ支援センターが、北海道の素晴らしさを、ホームページなどを通じてさまざまな情報発信をしています。このセンターは、全国に先駆けて、道をきっかけに地域住民の方々と行政とが連携し、景観をはじめとする環境資源の保全や改善に取り組むべく、平成17年7月に設立されました。
シーニックバイウェイ＝秀逸な道は、全16コースがあり、No.1は「支笏湖ブルーに出逢う道」からNo.16「日本一のそば畑を走る道」などとナンバリングとタイトルがつけられています。
北海道には素晴らしい景観の道が無数にありますが、シーニックバイウェイに選ばれた道は、その中でもトップクラスの景観を誇ります。今回は、日本最北端の宗谷岬周辺を走る、「宗谷シーニックバイウェイ」のNo.6 ・宗谷ヒストリーロード「秀峰・利尻山を望む道」と、No.7 宗谷周氷河ロード「大地の息吹を感じる宗谷周氷河の道」の2コースを紹介します。
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【秀逸な道路 No.6】宗谷ヒストリーロード「秀峰・利尻山を望む道」
宗谷ヒストリーロード「秀峰・利尻山を望む道」は、稚内空港のそばの海岸線を通る国道238号線、通称「宗谷ヒストリーロード」のうち、稚内市宗谷村富磯から稚内市声問までの約8kmの区間。
このコースでは、日本百名山の1つ、利尻山が望めます。走る方向は、北側の宗谷村富磯からがベスト。利尻山は別名、利尻富士とも呼ばれる標高1,721mの単独山で稚内の西側の日本海に浮かぶほぼ円形の利尻島の中心部分に鎮座しています。利尻島は、利尻山とその麓だけで形成されるという珍しい地形で、北海道本土側から見たときの独特で美しい山の形が印象的です。
「秀峰・利尻山を望む道」を宗谷村富磯から南進すると、利尻山が目の前に見えたり、海の向こう側に見えたり、はたまた丘の向こうに見えたり、さまざまなアングルで目を楽しませてくれます。また、季節ごとに豊かに表情を変えていくので、どの季節に行っても、たとえ厳しい冬に行っても、雄大で美しい景観を見せてくれます。
南進したコースをさらに少し足を伸ばし、稚内市街地のほうへ向かうと、北海道遺産の「稚内港北防波堤ドーム」を見ることができます。コースを逆に北進した少し先には、日本最北端の宗谷岬があり、シーニックバイウェイNo.7の宗谷周氷河ロード「大地の息吹を感じる宗谷周氷河の道」につながります。
宗谷丘陵にある「宗谷ウィンドファーム」。1,000kWを発電する風車が57基ある。
【秀逸な道 No.7】宗谷周氷河ロード「大地の息吹を感じる宗谷周氷河の道」
宗谷周氷河ロード「大地の息吹を感じる宗谷周氷河の道」は、宗谷岬の東側の国道238号線、稚内市宗谷村峰岡からスタートした場合、海岸線に沿って北上し宗谷岬を経由、内陸部の宗谷丘陵地帯へ南進、「白い道」を通って西側海岸へ到達するルートです。このルートは全方向が絶景。往復で楽しんでください。
宗谷岬の東側の国道238号線、稚内市宗谷村峰岡から北上すると、右手は海、左手は丘陵地帯の絶景が広がる中、天気が良ければ正面にサハリンの島影を望むことができます。また、宗谷村峰岡からすぐ北は、北海道遺産となる宗谷丘陵の周氷河地形のエリアとなります。周氷河地形とは、約1万年前まで続いた氷河期に地盤の凍結と融解を繰り返すことで土がゆっくりと動いてできた地形のことで、ここでしか見られない独特の景観を形成しています。
宗谷丘陵には、無数の風力発電用の白い巨大風車が立ち並び、夏は緑と白のコントラストが素晴らしい景観となります。また、のどかな放牧地もあり変化に富んだ景色が愉しめます。
「白い道」は、稚内名産のホタテの貝殻を砕いて小路に敷き詰めた観光道路で、青い海と緑の丘陵、白い道の見事なコントラストで見る者を圧倒させます。幅の狭い道ですが、車両通行は可能。ただ、一方通行ではなく幅員が狭いので、すれ違いは難しく、お互い譲り合いの心と速度を落とした走行が必要です。
宗谷に行くなら食べたい海鮮
利尻島といえば利尻昆布。稚内の名産は、ホタテ。ウニもですね。稚内市内には、安くておいしい海鮮屋さんが何軒かありますが、筆者のおすすめはノシャップ岬の近くにある「漁師の店」。ウニ丼、イクラ丼、海鮮丼がメインのお店で安価。筆者がいただいたのは、ウニ丼。そのときの価格は2,000円（おそらく時期によって変動するかと）。都内でこんな量のウニを食べたら、2倍じゃ足りないでしょうね。
次号も、シーニックバイウェイ北海道をお届けします。どうぞお楽しみに。
ドライブ動画
アイキャッチ画像は「白い道」。クルマは筆者が北海道名寄のディーラーで購入したスバル自社生産最後のサンバーバン。その納車の足でシーニックバイウェイ北海道の半分を走破した。
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（文・撮影：宇野 智）
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※この記事は、2022年8月時点での情報を元に執筆しています。
