ライバル比較「トヨタ アクア(2代目・2021〜) vs 日産 ノート(3代目・2020〜)」人気のハイブリッドコンパクト、買いはどっち?

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ハイブリッド専用車として誕生したトヨタのコンパクトカー、アクア。その2代目が2021年7月にデビューしました。その前年に登場した3代目日産 ノートは、シリーズハイブリッドのe-POWERのみの設定で登場。つまりこの2台、いずれもハイブリッドモデルのみの設定となるライバル車と言えます。今回は、ボディサイズや価格が近い両モデルを比較してみようと思います。

【外観スタイル】全長×全幅は非常に近いが、全高の違いで印象は大きく異なる

▲トヨタ アクア

▲日産 ノート

2021年7月に発売された2代目アクアは人気を博した先代の正常進化モデルで、ボンネットからルーフまでなだからな弧を描くワンモーションフォルムを踏襲。ひと目で新型アクアだと分かるデザインに仕上がっています。

なお、トヨタには同クラスのコンパクトカーにキャビンを後退させてスポーティさを強調したヤリスがありますが、アクアは伸びやかさや安定感を感じさせる、誰にでも愛されるデザインであり、さらに室内空間の広さの点でヤリスを上回ります。

アクアのボディカラーは9色をラインナップしていますが、いずれもルーフ同色のモノトーンとなります。

一方、2020年11月発表のノートは、エッジを立てたシャープなスタイリングが特徴です。フロントまわりでは、日産車の個性であるVモーショングリルと薄型ヘッドライトを組み合わせ、リアも流行の横基調テールランプを採用。先代よりも全長や全高、ホイールベースを短縮しており、グッと引き締まった印象に仕上げられています。

また、同社の新型EV(電気自動車)、アリアとデザインの共通性を持たせることによって、ハイブリッド専用車として先進性をアピールする狙いもあったと思われます。

そんなノートには、モノトーン11色、ルーフを黒としたツートーン2色の計13色のボディカラーが用意されています。

丸みを帯びた柔らかなデザインのアクアと、各部のエッジが塊感を感じさせるノート。ボディサイズはアクアが4,050mm×1,695mm×1,485mm、ノートは4,045mm×1,695mm×1,520mmと、全長と全幅はほぼ同じながら全高は35mmも異なります。これにより、アクアは低く安定感があり、ノートはクロスオーバーSUVのような押し出しの強さを感じさせます。

【インテリア】質感はどちらも満足できるもの。全高の差ほどの居住性の違いはなし

▲トヨタ アクア

▲日産 ノート

両車とも、大型のセンターディスプレイを配した現代風のインテリアを採用。いずれも左右への広がりを感じさせるデザインで、質感もこのクラスとしては十分と言えます。

大きな違いはセンターコンソール。アクアは電子式のシフトレバーをセンタークラスター下部に装備してコンソールを下げたオーソドックスな形状ですが、ノートはコンソールを高い位置に配置し、そこに電子式シフトレバーを搭載するというコックピット的なスタイルとなっています。なお、ノートのセンターコンソール下には小物入れが備わります。

居住性は、全高の高いノートのほうが有利そうですが、実際はそれほどの違いはありません。ノートは先代よりもホイールベースを20mm短縮し、アクアは逆に50mm伸ばしたことで後席のニースペースはほぼ同等。ただし、ノートは後席足元にセンタートンネルがあるため、中央席の足元の余裕ではアクアに分があります。

内装色は、アクアが黒を基本に最上級のグレードZにのみブラック×ダークネイビーを用意。シート素材はファブリックで、ZとGグレードには合成皮革×ストライプ柄ファブリックもオプション設定しています。ノートのシート地はトリコットで、トップグレードのXには本革をオプションで設定。カラーはブラックのみとなっています。

【ラゲッジ】使い勝手はほぼ同じ。広さはノートが僅かに勝る

▲トヨタ アクア

ラゲッジスペースはノートのほうが僅かに広いですが、ほぼ同等と言えます。両車とも6:4分割可倒式リアシートを備えており、乗車人数に合わせたアレンジが可能です。

後席背もたれを倒すと段差ができるのも同じですが、オプションのアジャスタブルデッキボード(アクア、4WDは標準装備)やラゲッジアンダーボックス(ノートのFF車)を使ってフロアをかさ上げすればフラットにできます。

【装備】アクアは非常時に給電できる100V電源ソケットを全車標準装備

▲トヨタ アクア

▲日産 ノート

アクアの装備で最も特徴的なのが、災害などの停電時に重宝する給電システムでしょう。AC100V・最大消費電力1,500Wの家庭用コンセントを標準装備しており、ガソリン満タン・消費電力400Wなら約5日間も電力を供給するとしています。また、窓を閉めたままで電源コードを外部に出せる外部給電アタッチメントも備わるので、キャンプなどアウトドアレジャーでも活躍しそうです。

ノートの装備ではアドバンスドドライブアシストディスプレイに注目です。これは大型の7インチTFTディスプレイを採用したメーターで、エネルギーモニターや走行支援機能、各種設定のほか、オーディオやナビゲーションコンパスなど多彩な表示を可能としています。しかもバイザーレスとすることでナビ画面と一体のデザインとするなど、ノートの先進性をアピールする装備と言えます。

両モデルに共通した装備では、いわゆる「ワンペダル制御」と呼ばれる加減速コントロールも見逃せません。アクアではドライブモードスイッチを「POWER+」に設定するとアクセルオフ時の減速度が強くなり、アクセルペダル操作のみで加減速の調整がしやすくなります。一方ノートは、エコモードまたはスポーツモードを選ぶと、アクセルペダルから足を離すことで回生ブレーキの効率が上がり、強い減速が得られるeペダルステップとなります。いずれもペダルの踏み替え頻度を減らすことができる、特徴的な装備と言えます。

【先進安全装備】アクアはトヨタセーフティセンスを全車標準装備。ノートのプロパイロットは最上級グレードにオプション設定

▲トヨタ アクア

▲日産 ノート

アクアは、昼夜の歩行者や昼間の自転車、交差点右折時の対向車や横断する歩行者にも対応する緊急自動ブレーキや、車線中央維持機能、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、オートハイビーム、標識検知機能を備えたトヨタセーフティセンスや緊急時に自動的にオペレーターにつながるエマージェンシーコールは全車標準装備。

さらに、ブラインドスポットモニターや後方接近車両にも対応するパーキングサポートブレーキ、スイッチ操作で駐車を支援してくれるトヨタチームメイトなどもオプションで用意します。

なお、アクセルの踏み間違い時に前後や周囲の静止物への衝突被害を軽減するパーキングサポートブレーキは中上級グレードに標準、下位グレードはオプションとなっています。

ノートは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応する緊急自動ブレーキ、2台前を走る車両をモニターして早めのブレーキ操作を促すインテリジェントFCW、オートハイビーム、標識検知機能、車線逸脱防止装置、踏み間違い防止機能などは標準。

さらに、高速道路上の渋滞時などでは前走車に合わせて停止しても約30秒までは追加操作なく追従走行を継続できる全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールや、車線中央維持機能、ナビと連動したカーブの速度コントロール機能、エマージェンシーコールなどを備えたナビリンク機能付きプロパイロットをオプションで用意します。

ただしプロパイロットを装着できるのは最上級グレードのXのみです。

【パワートレイン】同じハイブリッドカーでも、そのシステムはまったく異なる

▲トヨタ アクア

▲日産 ノート

アクアとノートはいずれもハイブリッド専用車ですが、搭載されるハイブリッドシステムはまったく異なります。

アクアのハイブリッドシステムは、プリウスなどと基本的に同じTHS(トヨタハイブリッドシステム)IIです。これは、1.5L直3エンジンを駆動と発電の両方で使い、バッテリー容量に余裕があるときはモーター走行、速度が上がったりバッテリー残量が少なくなるとエンジン走行、そして加速時などではエンジンをモーターがアシストするというシリーズ・パラレルハイブリッドと呼ばれるもの。言葉にすると複雑ですが、ドライバーはモーターの存在を意識せずに走行できるのも特徴です。

また、駆動用車載電池として世界で初めてバイポーラ型ニッケル水素電池を採用したのもトピック。このバッテリーはコンパクト化が可能なため先代アクアの約2倍の高出力を達成し、より高い速度域までEV走行が可能になりました。

それは燃費性能にも表れており、FF車は33.6〜35.9km/L、4WDでも30.0〜30.1km/Lという国内トップレベルのWLTCモード燃費を実現。なお、エンジンは91ps/12.2kgm、モーターは80ps/14.4kgmの性能を持ち、4WDはリアにも6.4ps/5.3kgm(Z、G、Xグレード)のモーターを搭載しています。

ノートは、走行のための動力は116ps/28.6kgmを発揮するモーターが担い、1.2L直3エンジンは発電に徹するシリーズハイブリッド、e-POWERを採用しています。バッテリー容量が十分なときはモーターのみで走行しますが、容量が減ってきた場合や加速が必要な場合はエンジンが始動して発電します。

新型ノートではロードノイズが大きい路面の走行時を中心にエンジンを始動してエンジンノイズを隠すという、巧みな制御を導入しました。これにより走行中全般での静粛性が高められています。

また、FFモデルから1ヵ月遅れの2020年12月に発表された4WD車は、後輪の駆動用に先代モデルの約14倍という68ps/10.2kgmの性能を持つモーターを搭載。さらに前後のモーターを緻密に制御することで、ドライ路面では力強い加速を、雪道などではより安定した走りが得られます。

なおWLTCモード燃費は、FF車が28.4〜29.5km/L、4WDは23.8km/Lで、アクアよりもやや劣ります。

【価格】ノートの最上級グレードは220万円ほどだが、プロパイロットを装備すると高額に

▲トヨタ アクア

▲日産 ノート

アクアの価格帯は198万円(FF・Bグレード)から259万8000円(4WD・Zグレード)までとなります。ただしBグレードは装備がやや貧弱で、ボディカラーも3色しか選べないなどビジネス向けとなるので、実質的には209万円(FF・Xグレード)からと考えた方がいいでしょう。

なお人気グレードは、アルミホイールやBi-BeamLEDヘッドランプ、ライン発光のLEDテールランプ、10.5インチディスプレイオーディオ(ほかのグレードは7インチ)、USBタイプC充電端子などが備わる最上級のZグレードになります。

ノートは205万4800円(FF・Fグレード)から244万5300円(4WD・X FOURグレード)までとなりますが、X/X FOURグレード以外にはプロパイロット(インテリジェントアラウンドビューモニターや日産コネクトナビなどとセットで約44万円)がオプション設定されません。街乗り中心であれば問題ないかもしれませんが、高速道路を使った長距離移動をされる方はグレード選びにも注意してください。

人気グレードは、後席のリクライニング機構やインテリジェントキー、合皮製のアームレストやピアノブラック調シフトベースなどが標準のXです。このほか、内外装の質感を高めた「オーテック」(250万4700〜276万3200円)と、車高をアップしてSUVテイストを持たせた「オーテック クロスオーバー」(253万7700〜279万6200円)といったカスタムモデルもラインナップされています。

【アクアがおすすめなのはこんな人】トヨタ車らしい隙のない作りは多くの人に勧められる

▲トヨタ アクア

燃費がよく、力強さも備え、居住性も十分。さらに全車速追従クルーズコントロールなどの先進安全装備を備えるなど、アクアに大きな欠点は見つかりません。

燃費性能は同門のヤリスのほうが上ですが、リアスペースや荷室の広さはアクアが勝ります。

つまり、コンパクトカーでも後席の利用が多く、街乗りだけでなく快適かつエコなロングドライブも楽しみたいという人にはアクアがピッタリと言えるでしょう。

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【ノートがおすすめなのはこんな人】コンパクトカーでも所有する喜びがほしい、ダウンサイザーに

▲日産 ノート

コンパクトカーらしからぬスタイリッシュなデザインを持つノート。張りのある面構成は欧州車などと比較しても個性的で、遠目にもノートだとすぐに分かります。

加えて、パワートレーンをe-POWERのみとし、プロパイロットを搭載したことで先進性も持ち合わせました。

あらゆる面で新しさを感じるノートは、上級車種からのダウンサイジングに適しているのではないでしょうか。居住性やラゲッジ容量も十分で、モーター駆動による静けさも魅力的。ノートなら目の肥えたドライバーでも満足できると思います。

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小さなクルマと侮るなかれ。国内では最も使いやすく、完成度も高い2台

▲トヨタ アクア

▲日産 ノート

いずれも先代がヒットモデルのためその代替えが相当数あるとは想像できますが、アクア、ノートともに販売は好調なようです。

燃費と走りを両立するハイブリッド専用車で、狭い日本の道でも使い勝手がよく、居住性も十分で先進安全装備も備わるとなれば人気が出るのは当然。となると、デザインの好き嫌いで選んでもいいのではないでしょうか。ワンモーションの柔らかなフォルムを持つアクアか、エッジを利かせ凝縮感があるノートか。あなたはどちらを選びますか?

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