【保存版】エンジンオイルの交換時期とは?目安と確認・判断方法から交換しなかったときのリスクまで

カーライフを賢く楽しむ クルマの故障・修理・整備

「エンジンオイルの交換っていつしたらいいの?」そんな質問にお答えするのが、この記事です。なぜ交換しないといけないのかも解説。エンジンオイルの役割を知っておくことも大切です。

エンジンオイル交換時期の基本

まずは、基本中の基本となるエンジンオイルの交換時期についてしっかりと確認しましょう。

取扱説明書に準じるのが基本

当たり前のお話ですが、クルマに備え付けられている取扱説明書に記載されている、エンジンオイルの交換時期に準じるのが基本です。

その項には、どんな種類のエンジンオイルを使用すれば良いかが記載されていまます。

「クルマに取扱説明書を取りに行くのがめんどくさい」「今はクルマの近くにいない」という方は『車名 取説』でググるとだいたい出てきます。

通常の使用では15,000kmまたは1年ごとが多い

エンジンオイルの交換時期は、車種によって変わってきますが、一般的な使用で15,000km走行ごと、ないしは1年ごとが多い傾向です。なお、ターボ車、スーパーチャージャー車は、エンジンオイルへの負荷が高いことから、交換頻度を短く設定しています。

また、取扱説明書には「シビアコンディションは、この限りではない」旨が記載されていることでしょう。この点については、次項で解説します。

カー用品店やガソリンスタンドでは5,000kmごとの交換を推奨

大手カー用品店やガソリンスタンドでは、エンジンオイルの交換時期は、前回の交換から5,000kmないしは6ヵ月、ターボ車・スーパーチャージャー車で2,500kmないしは3ヵ月を推奨しています。

メーカーが言っていることと、カー用品店・ガソリンスタンドが言っていることが異なっています。

どちらも間違いではありません。

目安として、前回の交換からNA(自然吸気)車で5,000kmないしは半年、ターボ車・スーパーチャージャー車では2,500kmないしは3ヵ月を超えたら「そろそろ交換時期」と認識して、取扱説明書に書かれている交換時期までには、必ずオイル交換を済ませる、また、シビアコンディションになったらすみやかに交換、と覚えておきましょう。

エンジンオイル交換時期のイレギュラー

シビアコンディションとは、

悪路走行が多い
走行距離が多い
山岳路の走行が多い
大人数乗車、重たい荷物を積んで走ることが多い

など指します。

また、短い走行距離(エンジンが温まる前に駐車してしまうなど)を頻繁に繰り返す車の使い方も、シビアコンディションです。

ただ、自分のクルマの使い方が、シビアコンディションに該当するかどうかを判断する一定の基準はありません。

クルマの走行履歴などを記録して、シビアコンディションに該当したかどうかを判断する、いうのは難しいですから、「シビアコンディションで使われたかどうかを、エンジンオイルで判断する」ほうがやさしいでしょう。

この点について、次の項で解説します。

エンジンオイル交換時期の確認・判断方法

エンジンオイルの交換時期の判断は、「オイルレベルゲージ」で確認することができます。その手順を解説します。

用意するものは、乾いた白いウエスのみです。ウエスの素材はなんでもいいですが、タオル生地のようなものは、糸くずがオイルレベルゲージに付着しやすいため、注意してください。白色以外のウエスを使うと、オイルの汚れ具合が確認しづらくなります。

1. クルマを水平な場所に止めてエンジンを切る

坂道や段差があるところにクルマを止めると、エンジンオイルを貯めているオイルパンが傾き、オイルの量を正しく知ることができなくなります。

2. エンジンが冷えていることを確認

当たり前ですが、エンジンが冷えていないまま、エンジンルームを開けて作業するとやけどをするおそれがあります。

3. オイルレベルゲージを引き出す

エンジンルーム内に、オレンジ色のリングがついたオイルレベルゲージがどこかにあります(リングが白色、黄色などの場合があります)。だいたいエンジンのすぐ脇にあります。

乾いたウエスを用意してから、オイルレベルゲージを静かに抜き、ゲージの先端についたオイルをいったん拭き取って、ゲージに差し戻します。

4. オイルの量を確認

ゲージを一番奥まで差し込んでから、再び静かに抜き、ゲージの先端をウエスの上に置きます。このとき、ゲージの先端部分に刻まれているレベル(量)が「F」と「L」の範囲内になっているかどうかを確認します。

5. オイルの汚れを確認

ウエスに付着したオイルが濁った褐色〜黒色になっていると、オイルが汚れています。新しいエンジンオイルは、透明感のある赤茶色や黄色系です。ただ、エンジンオイル交換直後でも、エンジン内部の汚れが多少あるので、まったく透明感がないからといって、オイルが傷んだことにはならないので安心してください。

なぜエンジンオイルは交換しないといけないのか?

エンジンオイルの役目は、エンジン内部の金属どうしを円滑に動作させる(それも相当なスピードで)ことと、エンジン内部を冷却するという2つの大きな目的があります。

エンジンオイルは、高温になり、激しく動くため劣化していきます。また、空気にふれるため(エンジン内部は真空ではない)オイルが酸化し変質していきます。

劣化・酸化は本来のエンジンオイルの性能を引き出せず、潤滑油としての役割が果たせなくなってしまいます。

また、熱いエンジンを冷やすのはラジエーターの水だけではなく、エンジンオイルも重要な役割をもっています。

さらに詳しくは、本記事最後の項「エンジンオイルの役割」で解説します。

エンジンオイル交換をしなかったら車はどうなるのか?

エンジンオイルが傷んだまま走行を続けると、金属どうしの摩耗が増え、正常な動作ができなくなり、壊れます。

また、オイル量が減ったままの走行は、オーバーヒートやエンジンブローの原因となります。

エンジンオイル交換をさぼったまま走行したことが原因となるエンジンの故障は、修理してなおせるようなレベルでないことが多々あります。

さらに、燃費の悪化や、エンジン出力の低下、振動や音の増大、走行フィーリングの低下などといったことも引き起こします。

逆にエンジンオイルの交換頻度が高いとどうなる?

仮に毎日、エンジンオイルを交換しても、車が故障する原因にはなりません。

エンジンオイルは新しいほうが本来の性能を発揮しますが、通常の使用の範囲では、交換時期が来る前まで、エンジンに悪影響を及ぼすようなオイルの品質低下は発生しません。

エンジンオイルの役割

エンジンオイルには次の5つの役割があります。

潤滑

エンジン内部は、クランクシャフト、シリンダーなど高速かつ高温状態で動く金属パーツで構成されています。エンジンオイルは、激しくこすれ合うことから発生する金属の表面をコーティングし、摩耗を低減する役割をもっています。

冷却

エンジン内部は約800℃の高温になります。エンジンオイルは超高温の金属に直接ふれているため、ダイレクトに冷却することができます。ちなみに、ラジエターの冷却水は、エンジン内部可動部分を直接冷却することができません。

密閉

ピストンとピストンリングのあいだには、ごくわずかですが隙間があります(隙間がないとピストンが動かない)。エンジンオイルは、この隙間に浸透して密閉し、パワーロスを防いでいます。

洗浄

エンジン内部には、スラッジ(燃料の残りカス、削れた微細な金属粉など)とよばれる汚れが蓄積してきます。エンジンオイルは汚れを吸着し、洗浄する役割もあります。

防錆

高温になるエンジン内部は、外気との温度差が大きく水蒸気が発生しやすくなります。エンジンオイルは内部に油膜を張り、錆を防止する役割があります。

エンジンオイルを人間で例えるなら、血液です。エンジンオイルの点検、交換はしっかりとしましょう。

※この記事の情報は、2021年11月時点のものです。

カープレミアならクルマの検索や故障の症状検索ができる

関連記事

カテゴリ週間ランキング

中古車検索は月額比較のカープレミアがおすすめ!

愛車の修理は安心のカープレミアがおすすめ!