ライバル比較「トヨタ ヤリス(2020年〜)vsマツダ MAZDA2(2019年〜)」人気のベーシックコンパクト、買いはどっち?

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トヨタ ヴィッツから改名されたヤリスは2020年2月の発売以降、国内の販売台数で常に上位を獲得するコンパクトハッチです。一方、MAZDA2は2014年デビューの4代目デミオをルーツとするベーシックカーで、2019年7月に現在の車名に変更されました。

いずれもスタイリングを重視しており、室内は前席に座る大人2人が満足できる空間としたモデルといえます。コンセプトが似た2車には、どのような違いがあるのでしょうか。

【外観スタイル】前席優先とすることでスタイリッシュなデザインに仕上げる

トヨタ ヤリス

マツダ MAZDA2

Bセグメントと呼ばれるこのクラスは実用性を重視したモデルが多く、コンパクトなボディでも大人4人がしっかりと乗れるよう全高を高めに取り、Aピラーを前に出してボンネットを短くするのが一般的です。

しかしヤリス、MAZDA2ともに全高はやや低めでボンネットも長い、伸びやかなスタイリングを採用しています。後席の居住性はやや犠牲になっていますが、パーソナル感が高まっており、実用車ながら贅沢さも併せ持つといってもいいでしょう。

MAZDA2のサイズは全長4,065mm×全幅1,695mm×全高1,500mm、ヤリスは同じく3,940mm×1,695mm×1,500mmと全長を除き同数値ですが、スタイルから受ける印象は異なります。MAZDA2は滑らかな面を用いたシンプルなデザインを特徴としています。一方ヤリスは、タイヤを張り出させた躍動感あるスタイリングを採用しています。ボディサイドにキャラクターラインも入り、スポーティさを感じさせます。

ボディカラーは、MAZDA2が11色、ヤリスは12色を用意。さらにヤリスには2トーンルーフもラインアップされており、合計すると18色から選ぶことができます。

【インテリア】カジュアルなヤリス、上質なMAZDA2と正反対な仕上がり

トヨタ ヤリス

マツダ MAZDA2

インテリアのイメージは外観以上に異なります。一言でいえば、ヤリスはカジュアル、MAZDA2は上質と表現できるでしょう。

ヤリスのインテリアは樹脂感が強いもので、高級な印象はありませんがクラス相応の質感といえます。インパネの上部と下部を明確に分け、そのあいだにトレーなどを設けて使い勝手を向上。メーターは2眼式でそのあいだに様々な情報を表示するディスプレイを装備しています。

グレードにより、メーターやシート形状、素材などが異なり、上級グレードにはTFT液晶メーターやヘッドレスト別体式シート、ソフト素材なども採用されます。後席の居住性は必要十分といった程度で、特にドア開口部が狭いため乗り降りはややしにくい印象です。ただし、後席でもシートサイズは十分で、乗り心地は悪くありません。

MAZDA2はエクステリア同様、シンプルで上質なインテリアが特徴です。グレードによりブラックやシルバーの加飾を用い、さらに上級グレードには合成皮革や本革も採用するなど、このクラスではダントツの質感を実現しています。内装色もブラックのほかネイビーブルーやブルーグレーといったシックなカラーを用意しています。

メーターは中央に速度計を配置した1眼タイプ。その左右にタコメーターや、各種表示機能を持つ液晶を配置しています。後席周りは、ベルトラインが高いためやや閉塞感があるのはヤリスと同じで、スペースはヤリスよりもやや狭い印象。シートサイズも比較すると少々小さめです。

【ラゲッジ】サイズはどちらも小さめだが、ヤリスは高さ調整が可能

トヨタ ヤリス

ラゲッジスペースの容量はヤリスが270L、MAZDA2が280Lとほぼ同等ですが、300Lを超える日産ノートやホンダ フィットなどのライバルと比べると小さめです。サイズも、ヤリスは幅1,000mm×奥行き630mm、MAZDA2は同じく1,000mm×700mmと大差ありません。

ただし、両車ともに後席背もたれの6:4分割可倒機構を備えているので、2〜3人乗車であれば大きな荷物を積むことができます。

なお、ヤリスの上級グレードには、ラゲッジフロアの高さを2段階に変更できるアジャスタブルデッキボードを装備しています。これを下段にすれば荷室高を117mm増やせるので、通常は荷物の載せ下ろしがしやすい上段、高さのある荷物を載せるときは下段とフレキシブルに調整可能です。

【装備】ヤリスは100Vの給電機構や乗降性を高める装備を用意

トヨタ ヤリス

マツダ MAZDA2

ハイブリッド車にAC100V・1,500Wのアクセサリーコンセントを積極的に採用しているトヨタですが、ヤリスのハイブリッドモデルにもオプションで設定されています。ハイブリッドの駆動用バッテリーから電力を得るためエンジンが掛かりっぱなしにならず、災害で停電になったときなどでも家電製品を使うことができます。

日常的な利便性を高めてくれるのが、最上級のZグレードに標準の運転席イージーリターン機能や、中級グレード以下にオプション設定される前席のターンチルトシートです。イージーリターン機能は、メモリーレバーを引くことで設定した位置にシートポジションを合わせられる機能で、乗り降りしやすい位置に簡単に移動することができるので足腰の弱い方にもおすすめです。

一方ターンチルトシートは、中間のスライド位置に合わせると回転レバーがポップアップし、それを引くことでシートが外側に向く機能で、スカートをはいた女性でもスマートに乗り降りすることができます。

MAZDA2の注目装備は、オーディオやナビ、ハンズフリーでの電話操作や各種設定をセンター画面のタッチ操作や音声認識、センターコンソールのコマンダースイッチで操作するマツダコネクトです。

このうちコマンダースイッチは回す、傾ける、押すなどの操作ができ、慣れればブラインドタッチで操作できるようになります。またボリュームダイヤルが別設定されているので、前方から視線を外すことなく音量調整が可能と、安全性も考慮されています。

【先進安全装備】基本的な先進安全装備は両車とも標準

トヨタ ヤリス

マツダ MAZDA2

両車とも、追突被害軽減ブレーキや前後の誤発進抑制機構、オートマチックハイビームなどは標準装備されています。また、停止保持機能はありませんが全車速に対応する追従クルーズコントロール、車線維持機能もグレードにより設定があります。

追従クルーズコントロールは、MAZDA2は中上級グレードのAT車に標準またはオプション設定されています。ヤリスの初期モデルは全車速ではなく速度が25km/h以下になると自動解除されるものですが、2021年5月の改良で全車速追従機能にアップデートされハイブリッド車と1.5LのCVT車に標準装備されています。

なお、MT車については低速域で解除になるものの前走車に追従するクルーズコントロールが用意されます(MAZDA2は上級グレードに標準またはオプション)。

ヤリスには右折時に対向直進車や右左折時の横断歩行者検知機能をトヨタ車として初採用しました。また、縦列駐車や並列駐車、区画線がない場所での駐車時にステアリングとアクセル、ブレーキ操作を制御して駐車をアシストするトヨタチームメイトのアドバンストパークもハイブリッドモデルにオプション設定されています。

MAZDA2には、ハイビームとロービームを自動で切り替えるだけでなく、対向車や先行車の状況を判断しヘッドライトの照射範囲、明るさなどを自動で調整するアダプティブLEDヘッドライトを採用しました。上級グレードに標準装備され、一部を除きそのほかのグレードにもオプションで用意されます。

【パワートレイン】ヤリスはハイブリッド、MAZDA2はクリーンディーゼルをラインアップ

トヨタ ヤリス

マツダ MAZDA2

この2車で最も異なるのがパワートレインです。

ヤリスは、69馬力/9.4kgmの性能を持つ1Lと120馬力/14.8kgmを発揮する1.5Lの直列3気筒エンジン車のほか、91馬力/12.2kgmの1.5L3気筒エンジンに80馬力/14.4kgmのモーターを組み合わせたハイブリッドをラインナップ。

ハイブリッド車は必要に応じてモーター走行、エンジン走行、モーターアシスト走行を自動で切り替えるTHSIIで、低速域・短距離のEV走行モードを備えています。4WDは1.5Lガソリン車のほか、ハイブリッドモデルにも5.3馬力/5.3kgmのモーターで後輪を駆動する電気式4WDが用意されます。

燃費は、1Lガソリン車が20.2km/L、1.5LはFF車が19.6〜21.4km/L、4WDは19.2km/L。ハイブリッド車は大幅に向上し、FF車は35.4〜36.0km/L、4WDでも30.2km/Lという驚異的なWLTCモード燃費を実現しています。

MAZDA2の特徴はクラス唯一のディーゼル車を用意すること。この1.5L直列4気筒直噴ディーゼルターボエンジンは105馬力/25.5kgm(MT車は22.4kgm)の性能を持ち、コンパクトカーとは思えない力強い加速が可能です。ハイブリッド車ほどではありませんが燃費性能も優れており、FF車は21.6〜25.2km/L、4WDも19.2〜19.4km/Lとなっています。

ガソリンモデルは1.5L直列4気筒で、性能は110馬力/14.4kgm。スペックではヤリスに分がありますが、ノイズや振動の小ささは4気筒のMAZDA2の方が優れています。燃費はFF車が20.2〜20.3km/L、4WDは18.1km/Lなので、ガソリンエンジン車同士であればヤリスとの差はほとんどないといえます。

組み合わされるトランスミッションは、ヤリスはCVT(ハイブリッドは電気式)、MAZDA2はこのクラスの日本車には珍しい6速ATです。MAZDA2はガソリン、ディーゼル両エンジン、ヤリスはガソリンエンジンに6速MT車をラインアップしているのも注目点と言えるでしょう。

なお、MAZDA2には専用チューン(116馬力/15.2kgm)の1.5L直4ガソリンエンジンと6速MTの組み合わせとなるモータースポーツのベース車、15MBグレードが設定されています。

MAZDA2で特筆すべきは、ドライビングポジションの自然さとGベクタリングコントロールプラスと名付けられた、自然な挙動を実現する技術。ハンドルの修正が少なく安定性も向上するので、疲労の少ないドライブが楽しめます。

【価格】パワートレインにより価格帯が異なるヤリスと、特別仕様車を数多く用意するMAZDA2

トヨタ ヤリス

マツダ MAZDA2

1Lからハイブリッドまで揃うヤリスはパワートレインによる価格帯が異なります。1Lは全車FFで、ビジネス向けモデルとなる最廉価のX Bパッケージの139万5000円からGの163万円まで。1.5LガソリンはXの6速MT車の154万3,000円から4WDのZの216万9,000円まで。ハイブリッドはFFのXの199万8,000円から4WDのZの252万2,000円までとなります。

人気グレードは1.5LガソリンのX(159万8,000円)。基本的な安全装備は上位モデルと同じですが、ディスプレイオーディオのモニターがやや小さい7インチ(G以上は8インチ)で、エアコンがマニュアルタイプになるなど実用性を重視したグレードです。

MAZDA2は、ガソリン車がFFの15Cの150万8,650円から4WDの15S Lパッケージの231万円まで。ディーゼル車はFFのXDの190万3,000円から4WDのXD Lパッケージの267万8,500円まで。このほかにも、内装色や素材を変更した特別仕様車が多数用意されおり、人気グレードもこうした特別仕様車になるようです。

【ヤリスがおすすめなのはこんな人】燃費性能を重視しつつも走りを楽しみたい人に

トヨタ ヤリス

ヤリスはハイブリッド車なら30km/Lに迫る燃費も引き出せます。乗り心地にやや荒さを感じるシーンもありますがその分キビキビとした走りが楽しく、基本的にはコンパクトカーでも走りを重視したい人に向く1台です。

1.5L以上のグレードなら追従機能付きアダプティブクルーズコントロールなど先進安全装備が充実しており、長距離のドライブも余裕でこなす性能を持っています。一方で後席周りは広いとはいえないため、4〜5人乗車が多い人は同じトヨタのアクアなどの方が向いています。

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【MAZDA2がおすすめなのはこんな人】ダウンサイジングユーザーも満足できる高い質感

マツダ MAZDA2

MAZDA2の内外装の高い質感は、モデルによってはより大きなCセグメントモデルと比較しても勝てるほど。そのため、ダウンサイジングを考えている人でも不満に感じることは少ないと思います。

また、クラス唯一のディーゼルエンジンはトルクが太く、高速走行中でも速度キープが容易なので高速道路を使った長距離走行が多い人にもおすすめできます。走りにこだわるマツダ車らしく運転の楽しさも感じられますが、後席の狭さはヤリスと同様ですので多人数乗車の機会が多い人は注意が必要です。

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【まとめ】パーソナルユース、またはセカンドカーに適した2台

トヨタ ヤリス

マツダ MAZDA2

走りが楽しいこの2台はファミリー向けとしてももちろん十分な性能を持ちますが、独身者のパーソナルカーや、多人数乗車ができるクルマを持つ家族のセカンドカーと考えた方がその魅力を理解しやすいかもしれません。

欧州車と比べても見劣りしないスポーティなデザインは、ほかの国産Bセグメントモデルとは一線を画します。実用性が何より重視されるコンパクトカーでも個性を主張でき、こだわりも感じさせるのがヤリスとMAZDA2といえるでしょう。

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※この記事は2022年7月現在の情報に基づいています。

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