1988年の初代デビュー以来、時代のニーズに応じて、自らの立ち位置を少しずつ変化させながら進化し続けてきたエスクード。4代目はハンガリーにあるスズキの子会社で製造し、日本に輸入しているモデルになります。そんなエスクードがどのようなクルマかを紹介します。
【サマリー】ライトクロカンの先駆け的存在としてデビュー
パートタイム4WDを搭載する本格的クロカンが全盛だった1980年代後半、初代エスクードはコンパクトで街中でも運転しやすいライトクロカンとしてデビュー。スタイル重視の人たちから支持されました。
その後RVがSUVと呼ばれるようになり、乗用車並みの乗り心地を実現したクロスオーバーSUVが全盛になるなかで存在感は薄れてしまいましたが、コアなファンをしっかり取り込んで4代目まで進化しました。
【外観スタイル】伝統と新しさが融合し、洗練されたイメージに
スズキは代々、ジムニーをはじめとするSUVに“クラムシェル”と呼ばれる形状を採用してきました。これはボンネットフードが二枚貝のようにボディに覆いかぶさる構造のことで、コストはかかりますがボンネットフードの強度を高められるというメリットがあります。
エスクードもこのデザインを採用してスズキらしさを強調。さらにLEDライトや迫力あるメッキグリル、切削加工とガンメタリック塗装で都会的なイメージを出したアルミホイールなどが、クロスオーバーSUVらしい洗練されたイメージを与えています。3サイズは全長4,175mm×全幅1,775mm×全高1,610mm。
【インテリア】シンプルで力強いデザイン
インテリアデザインはシンプルで、インパネ中央にある金属調のガーニッシュがつけられた2つのエアコンルーバーとアナログ時計が印象的な造形をしています。シートはロングドライブでの疲労を軽減するホールド性の高いものが採用されました。表皮には高級感のある本革とスエードが使われています。4WD車の前席にはシートヒーターが標準装備になっています。
【走り・燃費】低燃費を実現したパワートレインを採用
デビュー時のパワートレインは1.6Lガソリンエンジンに6速ATの組み合わせで、駆動方式はFFと4WDが用意されていました。燃費はFFが18.2km/L、4WDが17.4km/L(ともにJC08モード)と低燃費を実現。4WDシステムは「電子制御4WDシステム」「4モード走行切替機能」「車両運動協調制御システム」を組み合わせて走破性を高めたALL GRIPを搭載しています。
その後、パワートレインは1.4L直噴ターボ+パドルシフト付きの6速AT、1.5Lデュアルジェットエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド+6速AGS(オートギアシフト:2ペルMT)に変更されていきました。
【安全装備】デビュー時からアダプティブクルーズコントロールを搭載
デビュー時はミリ波レーダーを使って先行車などを検知するレーダーブレーキサポートIIを搭載。衝突被害軽減ブレーキの対応速度域は自車速度約5km/h〜約30km/hで、移動している車両に対しては約5km/h〜約100km/hまで対応。先行車両との速度差が約15km/h未満であれば衝突を回避できる場合があるというものでした。また、約40 km/h~約100km/hの範囲で作動するアダプティブクルーズコントロールも搭載されました。
その後、2018年12月、2022年4月に先進安全装備の性能を向上させた仕様変更が行われています。
4WD車にはロックモード選択時に滑りやすい急な下り坂で車速を自動で抑えて下りることができるヒルディセントコントロールが搭載されています。
【グレード構成】1グレードのみのシンプルな構成
4代目エスクードのグレード構成はシンプルで、基本的には単一グレードのみの展開。デビュー時はFFと4WDが用意されましたが、2018年11月以降は4WDのみのラインナップとなっています。
【マイナーチェンジ&改良一覧】デビュー後しばらくは3代目と併売
2015年10月に登場した4代目エスクードですが、実はデビュー時は少し複雑な状況になっていました。というのも、4代目が登場した段階では3代目も併売されていて、3代目と4代目が同じモデルという位置づけだったのです。そのため、デビュー時は1.6Lエンジン搭載のFFと4WD(これが4代目)、2.4Lエンジン搭載の4WD(これが3代目で5速MTと4速ATをラインナップ)という構成になっていました。
3代目の2.4Lエンジン搭載車は2017年に生産終了。その少し前、2016年11月には1.6LのFFが廃止されています。
そして2017年7月には1.4Lターボを搭載したグレードが登場。機種構成は1.6Lと1.4Lターボ(ともに4WD)の2種類になりました。
2018年12月の仕様変更で1.6Lエンジンを廃止
2018年12月に行われた仕様変更では1.6Lエンジンを廃止。グレードは1.4Lターボ1種類のみになります。
このタイミングで先進安全装備の内容を強化。単眼カメラと赤外線レーザーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ“デュアルセンサーブレーキサポート”が採用されます。これにより動作範囲が拡大するとともに、誤発進抑制機能、車線逸脱抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能も搭載されました。
併せてアダプティブクルーズコントロールは0km/Lから作動するようになり、渋滞で先行車が停止すると自車も停止し、動き出すと追従走行を再開する機能が追加されました。他にもブラインドスポットモニターやリアクロストラフィックアラートも標準装備になっています。
外観ではグリルやアンダーガーニッシュなどのデザインが変更されています。
2022年4月の仕様変更でハイブリッドシステムを搭載
2022年4月には1.4Lターボを廃止し、新たに1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。燃費がWLTCモードで19.6km/L(JC08モード:23.5km/L)まで向上しています。
トランスミッションは6速ATから6速AGSに変更。これはマニュアルトランスミッションのシフト操作やクラッチ操作を自動で行うシステムです。
一般的に2ペダルMTと呼ばれるシステムはシフトチェンジ時にトルクの抜けが生じますが、スズキのハイブリッド+AGSはシフトチェンジにモーターがアシストを行うため、トルクの抜けをほとんど感じずAT車と変わらない感覚で運転できるのが特徴です。
このタイミングでヘッドライトやアルミホイールのデザインを変更。また、予防安全装備では標識認識機能が追加されています。
【エスクードのおすすめモデル#1】1.4Lターボ
もしエスクードのデザインが好きで手に入れたら長く乗りたいと思っているのでしたら、1.4Lターボ搭載車をおすすめします。このエンジンはスイフトスポーツにも搭載されるもので(セッティングは異なります)、スポーティさには定評があります。車両重量もハイブリッドより100kg軽いので、SUVらしい力強い走りを堪能できるはずです。予防安全装備も十分満足できるものが搭載されています。年式はなるべく新しいものを選びたいところ。
【エスクードのおすすめモデル#2】1.6LのFF
コンパクトSUVを選ぶ人の中には、街乗りしかしないから4WDは必要ないという人もいます。それならデビュー時の1.6L FFを探してみましょう。前期型は1.4Lターボやハイブリッドに比べると落ち着いたデザインになっているので、飽きずに長く乗れるはずです。ただ、エスクードのFFは流通量が少ないため、ここに固執すると条件に合うものを見つけられない可能性もあります。FFでいいなと思う中古車がなかったら、無理せず4WDで探してください。
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【まとめ】人と違うSUVに乗りたい人は要注目
コンパクトSUVはSUV市場の中でも激戦区で、各社が魅力的なモデルを多数投入しています。スズキもクロスビー、ジムニーシエラ、イグニスというキャラクターが際立ったモデルを投入。その中でエスクードはやや目立たない存在かもしれません。
それだけに街で同じクルマとすれ違う機会はなかなかないはず。人と違うクルマに乗りたい人にとって狙い目のモデルです。もちろん歴史あるSUVですから性能は折り紙付きです。
この記事は2022年7月の情現在報に基づいています。