ライバル対決「スズキ スペーシアベース(2022年〜)vs ホンダ N-VAN(2018年〜)」軽スーパーハイトワゴンベースの遊べる4ナンバー車、買いはどっち?

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これまで軽商用車といえば、エンジンの上にシートを配置したキャブオーバータイプが主流でした。しかし、2018年に登場したホンダのN-VANは、ベストセラー軽自動車のN-BOXをベースに商用モデル化し、オシャレな軽商用車として人気を博しました。そのライバルといえるモデルが、2022年に発売されたスペーシアベースです。両車の違いはどこにあるか、じっくりと比較してみましょう。

【外観スタイル】ベース車の雰囲気を継承するN-VANとベース車そのもののスペーシアベース

スズキ スペーシアベース

スズキ スペーシアベース

スズキのスーパーハイトワゴン、スペーシアを商用車化したスペーシアベースは、発売当初のスペーシアカスタムと同じタイプのフロントグリルを採用、     リアクオーターガラスを廃止しパネル化したスタイルが特徴的なモデルです。

メッキを使わずブラックのパーツを多用し     ており、これらにより商用車感はあまり感じず、実用性に優れるアクティブなイメージを高めています。

一方のN-VANは、こちらもホンダのスーパーハイトワゴン、N-BOXをベースとしていますが各パーツはN-VAN専用です。これは、左側をセンターピラーレス構造としたことも関係しており、N-BOXのイメージを上手に使いつつ、商用車として必要な『高さ』や使い勝手をさらに高めたモデルといえます。

そのため、両車は全高が大きく異なります。規格としてサイズの制約がある軽自動車なので3,395mmの全長と1,475mmの全幅は変わりませんが、全高はスペーシアベースの1,785mmに対し、N-VANは1,945〜1,960mmもあります。

この200mm弱の差が、スペーシアベースは乗用車ライクに、N-VANは商用車らしく見せているともいえるでしょう。なお、N-VANの初期モデルには全高が1,850〜1,865mmのロールーフ仕様が設定されていましたが、2021年2月の改良時に廃止となっています。

【インテリア】外観同様、スペーシアと同形のベースに対し、N-VANはオリジナルデザインを採用

スズキ スペーシアベース

スズキ スペーシアベース

ホンダ N-VAN

ホンダ N-VAN

エクステリアのデザインと同じく、スペーシアベースのインパネまわりの造形は基本的にスペーシアと同じです。小物入れなども豊富に用意されるなど使い勝手に優れています。

一方、グレーイッシュブルーのアクセントカラーを採用したことで、高級感や上質感ではなく『道具感』をさらに高めたのも特徴でしょう。前席にはスペーシアと同様のシートを採用しますが、後席はヘッドレストがなく平坦な商用車らしいものとなります。快適に座れるのは2人までといえます。

N-VANは、N-BOXとは異なる専用のインテリアデザインを採用。上下に分けたインパネは小物入れをさらに増やしました。高めの着座位置に対しステアリングやダッシュボードは低めのため、前方視界は良好ですが、N-BOXなどの乗用モデルとは異なるドライビングポジションとなっています。

シートは、運転席以外は座面や背もたれが平坦で、特に後席の座り心地はイマイチ。1〜2人乗りが基本で、後席は非常用と考えた方が良さそうです。なお、上級グレードの+スタイルファンにはリアシートピローが装備されます。ヘッドレストのような安全装備ではありませんが、そうしたものがないスペーシアベースよりも居住性は上です。

【ラゲッジ】スクエアで広いN-VANに対し、スペーシアベースはアイデアで勝負

スペーシアベース

スペーシアベース

スペーシアベース

ホンダ N-VAN

ホンダ N-VAN

スペーシアベースは、後席の背もたれを倒し足元に収納することで平坦で広いラゲッジスペースを作り出せます。また、倒した背もたれを後ろ向きの椅子の座面にして、ラゲッジのマルチボードをテーブルにすることも可能です。このマルチボードは高さを3段階に変えられるほか、居住空間と荷室空間を分けるセパレーターとしても使うことできるアイデア装備です。

助手席の背もたれを前倒しにすれば、荷室〜助手席に最長2,030mmの長尺物を積載できます。なお、M6サイズのネジ穴となりフックなどを取り付けられるユーティリティーナットは荷室左右の壁面に計10個装備しています。

N-VANの荷室は、助手席と後席の背もたれを倒し、座面をダイブダウンさせることで、広くフラットなフロアが出現します。荷室から助手席までは2,635mmの長さが得られるうえスペーシアベースよりもフロアが平坦なため、なんとバイクの積載も可能。後席が左右分割で倒せるのもN-VANだけの特徴です。ユーティリティーナットは28個とスペーシアベースよりも多く、ベルトなどを掛けられるフックも8個装備しています。

後席をフロア部分に格納した状態での荷室高×荷室幅×荷室長は、スペーシアベースが1,220mm×1,245mm×1,375mm、N-VANは1,365mm×1,390mm×1,510mmとなり、N-VANの方がスクエアで広い空間が得られます。これは商用車専用のデザインを採用した利点で、特に荷物の配達などの用途では差が付くはずです。

一方、キャンプなどアウトドア用途で使う場合、スペーシアベースでも十分に広く、大きな差にはならないともいえます。購入時には実車でしっかりと確認した方がいいでしょう。

【装備】N-VANは助手席側をピラーレス構造として大開口を実現

スズキ スペーシアベース

ホンダ N-VAN

ホンダ N-VAN

両車を比較し、最も異なる部分はN-VANのドアの構造です。N-VANは助手席側をセンターピラーレス構造とし、助手席のヒンジドアと左後席のスライドドアを開けると1,580mmというきわめて広い開口部が得られます。

これはバックドアを開かなくても助手席側から大きな荷物を出し入れするためのもので、アウトドアレジャーなどでも長尺物の積載が容易になり、固定する作業もしやすいというメリットがあります。もちろん、商用車として荷物のデリバリーなどでも重宝するのは間違いありません。

基本的に乗用車のスペーシアと同じ構造を採用しているスペーシアベースにはN-VANのような装備はありませんが、防汚タイプのラゲッジフロアは汚れを拭き取りやすくレジャーで重宝するでしょう。

また、前述のマルチボードを最下段に設置すれば2人での車中泊を楽しむことができます。N-VANのフロアはフラットですが、運転席は車中泊スペースとして利用できないため、大人が快適に寝られるのは1人までとなります。

なお、ディーラーオプションとしてフロアを高くして2人での車中泊を可能にするマルチボードを用意していますが、これを使うとフラットで長い奥行きのフロアの利用は制限されるので注意が必要です。

【先進安全装備】いずれも先進安全装備は標準

両車とも、歩行者にも対応する衝突被害軽減ブレーキや前後両方向の誤発進抑制機能、前走車に追従して速度を調整しながら走るアダプティブクルーズコントロール(ACC)、オートハイビームは標準装備されます(N-VANの誤発進抑制機能はCVT車のみの設定)。

違いは、スペーシアベースのACCは停止まで制御する全車速追従機能付き(停止後は2秒間停止を保持)ですが、N-VANは速度が25km/h未満になると自動解除されるひと世代前のものとなることです。

一方、N-VANには車線内をキープして走る車線維持支援システムを搭載していますが、スペーシアベースは車線からはみ出しそうになったときに警報を発する車線逸脱警報機能にとどまります。高速道路などの渋滞時でも運転の負担を軽減してくれるのはスペーシアベース、走行中の負担を減らしてくれるのがN-VANといえるでしょう。

注意点としては、N-VANのACCや車線維持支援システムはCVT車には設定されますが、6速MT車は非搭載となります。

歩行者との衝突回避を支援する歩行者事故軽減ステアリングはN-VANのみの設定です。また、スペーシアベースのXF全方位モニター用カメラパッケージ装着車には、すれ違い支援や車両に近づく人や物を認識すると警告を発する左右確認サポート機能を持つ全方位モニター用カメラが標準装備となっています。ただし、N-VANには近い機能を持つ純正アクセサリーが設定されています。

【パワートレイン】ターボエンジンと6速MTの設定はN-VANのみ

ホンダ N-VAN

ホンダ N-VAN

スペーシアベースのパワートレーンは、乗用車のスペーシアの658cc直列3気筒DOHC自然吸気エンジン搭載車と同じものを採用しています。52馬力/6.1kgmのスペックやFF車のWLTCモード燃費21.2km/Lも同じで、4WD車のみ20.2km/Lから19.9km/Lに低下しますがほぼ同等といっていいでしょう。ただし、スペーシアカスタムやギアに用意されるターボエンジンの設定はありません。

N-VANは658cc直列3気筒DOHCという部分は同じですが、自然吸気に加えて+スタイルファンにはターボエンジンも設定しています。自然吸気は53馬力/6.5kgm、17.4〜19.8km/L、ターボは64馬力/10.6kgm、17.0〜18.8km/Lの性能を発揮。注目は、自然吸気エンジンにはCVTに加えて、スポーツカーのS660と同じトランスミッションの6速MTを設定したことです。決して走りを楽しむクルマではありませんが、多くの荷物を積んだ高負荷時の力強さや高速走行時の静粛性が望めます。

もう1つの注目点がタイヤです。N-VANは商用車用となる145/80R12 70/78N LTというサイズのタイヤを装着していますが、スペーシアベースが履くのはスペーシアと同じ155/65R14 74Sサイズとなります。その結果、N-VANの最大積載量は300〜350kg、スペーシアベースは200kgとなります(いずれも2人乗車時)。

N-VANは商用車らしく最大積載量を重視、スペーシアベースは最大積載量を削ってでも乗用車に近い乗り心地を狙ったといえます。配達などの業務用とではなくレジャーに使うのであれば、乗り心地は期待できるのはスペーシアベースです。

【価格】グレードはシンプルで、N-VANはレジャー向けなら一択となる

スズキ スペーシアベース

ホンダ N-VAN

両モデルともに、グレード構成は比較的シンプルです。ただし、N-VANは従来の軽商用車、アクティバンの後継モデルでもあるため価格を抑えた純粋な商用グレードも用意されています。

N-VANのグレードは、G、L、+スタイルファン/同ターボの4つで、それぞれにFFと4WDを用意。GとLは業務用途がメインのため、+スタイルファンがレジャー向けグレードになります。

違いは、スマートキーやLEDヘッドライト、チルトステアリング、メッキパーツや専用フロントバンパーなどが装備されること。カラーバリエーションもイエローやレッド、ブルーなどを用意しており、乗用車と変わらない見栄えになります(下位グレードはホワイトとシルバーのみ)。価格帯は127万6,000〜187万2,200円で、スタイルファンに限れば162万9,100円からとなります。

スペーシアベースのグレードはGFとXFの2つ。上級のXFにはACCや後席右側パワースライドドア、プレミアムUV&IRカットガラス、運転席シートリフター、チルトステアリング、ルーフレール、アルミホイールなどが装備されます。価格帯は134万4,800〜173万5,800円で、XFに限ると154万7,700円からで、XFの全方位モニター用カメラパッケージ装着車は4万6,200円アップとなります。

【スペーシアベースがおすすめなのはこんな人】2人乗りの乗用車としてレジャー用途に使いたい人

スズキ スペーシアベース

スペーシアベースを一言でいえば、乗用車の走りや乗り心地に商用車の実用性をプラスしたレジャー向け軽自動車、でしょうか。

前席はスペーシアと同じなのでバンだからという我慢の必要はありません。静粛性も基本的にはスペーシアと大きく変わらないため、『よりアクティブに使えるスペーシア』と考えればいいと思います。

ただし後席は、サイズ、スペース、座り心地ともに商用車レベルとなるので、後席を使う頻度がそれなりにある人には向きません。フロントシートより後ろはすべてラゲッジスペースと考えるのが、スペーシアベースの正しい使い方といえます。

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【N-VANがおすすめなのはこんな人】大がかりな荷物が必要なアウトドアスポーツ派に

ホンダ N-VAN

N-VANが向くのは、スペーシアベースよりももっとアクティブな趣味を持つ人、もしくは業務用途とレジャーを両立したい人といっていいでしょう。

助手席の座り心地を犠牲にしてまで積載性を重視した作りは、割り切って使える人でないとおすすめできません。2人以上が乗る場合は使い方が限定されてしまう半面、1人でバイクや自転車積んで出かけたり、車中泊をしたりするのであれば頼もしい相棒になります。

ターボエンジン搭載車があるのも魅力で、大きく重い荷物を積んでも問題なし。LT(ライトトラック)用タイヤのため乗り心地はやや硬めかもしれませんが、FFモデルらしい安定感ある走りで遠出も余裕でこなします。

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【まとめ】レジャーを満喫するために、多少の使いにくさには目をつぶろう

スズキ スペーシアベース

ホンダ N-VAN

両車とも積載性を重視した設計のため、乗用車の代わりとして使うのであれば多少のアラは見えてきます。それを上回る魅力を感じ取れればいいのですが、そうした人は多いとはいえず万人におすすめするクルマとはいえません。

半面、自分の用途に合致した場合はこれほど便利で頼もしいクルマはありません。今乗っている軽乗用車から乗り換えても違和感が少ないのも長所。レジャーのための1つの便利なアイテムとして、使い倒して欲しいモデルです。

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※この記事は2022年10月現在の情報に基づいています。

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