県外の中古車を買うってどうよ?実際に買ってみた【編集長が車柱!自腹散財記 vol.1】

クルマを選ぶ テーマ別特集

カープレミアマガジン編集長が人柱、いや車柱となる体当たり企画がスタートします。第1弾はクルマを買うところから始まります。

フツーにクルマを買っちゃったら面白くない!でもリアリティに欠けたくもない!

メディアの編集長にもなりますと、どのクルマを買うのかは人一倍悩むものです。何を選ぶのか、選択眼を越えて慧眼も計られてしまいます。そこで、今回買うクルマの条件を整理してみました。次の5点です。

1.押しなべて誰でも買える一般的なクルマであること
2. 記事ネタが豊富なクルマであること
3. 自腹で買えてイジれるクルマであること
4. 読者の役に立つ、ないしは面白い情報が提供できること
5. 筆者が乗って愉しめるクルマであること
6. おまけ:価値が下がりにくいクルマ

もうこの時点で普通のクルマの買い方ではありませんね。

プレミアムな輸入車や、レアなクルマもいいですが、一般的ではありません。リアリティに欠けてしまいます。そもそもそんなお金はありません。私は、読者に夢を与えるより、役に立つ情報の提供や、おもしろい情報の提供をしたいと常々思っておりまして。また、買ったクルマは何度も何度もコスって、コスリ倒せるネタを提供できる素材でなければなりません。しかし、クルマの購入費はおろか、イジる費用、維持費はすべて自腹です。自腹で買える範囲にしないと企画倒れになってしまいます。最も大事なのは「筆者が乗って愉しいかどうか」。愉しめないクルマは長く乗り続けられません。最後のおまけ「価値が下がりにくいクルマ」は、この条件もクリアできたら幸せだな、と思った程度です。あわよくば、です。

そして、フツーにクルマを買っても面白くありません。となると、予算的にも中古車で5つの条件を満たす車種を探すのがベストです。

狙いを定めた車種は●●●!

実は、どんなクルマを買うかの条件を出して整理している段階で、狙う車のタイプが絞られていました。

そのタイプとは、軽バンです。

軽バンは、条件1〜4をすべてクリアします。中古の軽バンは高いものもありますが、程度が怪しいにせよ1ヵ月のお小遣いぐらいで買えてしまうタマも結構あります。そして、軽バンは静かなブームが続いています。軽バンのカスタム、軽バンでキャンプや車中泊、ワーケーションなど、道具としても活躍してくれますから、ネタの宝庫です。

さて、その次はモデルを何にするか、です。クルマ業界関係車で、今このタイミングで中古の軽バンを買うとなったら、おのずと車種は絞られてきます。ここは絶版車を狙うところです。

軽バンで絶版車といえば、ホンダ バモスを最終とするアクティ系、スバル サンバー(自社生産モデル)があります。どちらもクルマの作りの面で強烈な個性があります。ホンダの軽バンは、ミッドシップレイアウト(エンジンが前輪と後輪の間にある)の、ホンダらしいよく回るエンジンを搭載。バモスに至っては、NAエンジンの2WDと5速MTが横置きエンジン、4速AT車が縦置きとなる変態的な構成(我々がクルマで使う「変態」は褒めことばです)となります。そういえば、バモスとアクティはアメリカで絶大なる人気がありますね。最終モデルは2018年でした。

ホンダバモスとスバルサンバー

左:ホンダ バモス 最終型 右:スバル サンバー 自社生産最終型限定車 WRブルーリミテッド(これは中古車市場にほとんど出回っていないが、バンのスーパーチャージャー・5MT・4WDの仕様がもしあったとすれば300万円以上になっているのでは?新車価格は約117万〜141万円。

スバル サンバーは、2012年2月末を最後に自社で生産されなくなってしまいました。その後は、トヨタからハイゼットのOEM供給を受けて、サンバーの名称で販売されています。自社生産モデルは、軽自動車唯一の4気筒エンジンに四輪独立懸架でRR(リアエンジン・リアドライブ)という、スポーツカー並の構成をもっており「農道のポルシェ」の異名もとっていました。

はい、もうこの時点で、ホンダ バモスか、スバル サンバーを選んでおけば、編集長としての慧眼を落とすことはないでしょう。いや、訂正。「ホンダ バモスか、スバル サンバーを選んでおけば…」と書きましたが、復習もかねてバモスとサンバーの情報を漁っているうちに、本当にどっちかが欲しくなったんですよね。

グレード・仕様は、車種絞り込みの時点で決まっていました。それは、5速MT・4WD・何も付いていない最安価ベーシックグレードです。ただ、この仕様で行こうとしたときに、リアルタイム4WD(基本は後輪駆動、後輪が空転しそうになったときに前輪を駆動させる方式)のバモスではなく、パートタイム4WD(手動切替)のサンバーがいいなと考えていました。車高が高い軽バンは、横風が強いときや雨が降ったときの高速道路で操縦安定性が高まる4WD走行をしたいなど、手動で4WDに切り替えられるのが望ましいという考え方です。調べると、自社生産最終型サンバーのMT・4WDのみがパートタイム式でした。

高いぞ!バモス、サンバー

カープレミア も含めて色々な中古車サイトでバモス、サンバーを探してみると「高い!」まぁ当たり前なんですけど。同程度のダイハツ ハイゼット、スズキ エブリイと比較すると、ざっくり倍くらい高い感じです。最も高かったのは、サンバー ディアス(これは5ナンバーの軽ワゴンになりますが)の、MT・4WD・スーパーチャージャーの230万円!あとから聞いた話ですが、この仕様で200万超えはザラにあるらしいです。

しかし、逆にいえば人気のある絶版車は、価値が下がりにくいといえます。確証はありませんが、バモス、自社生産サンバーは今後中古車相場価格は下がらないようです。

もうひとつ、軽バンらしい中古車相場価格の特徴を発見しました。普通、カスタムされたクルマは中古車価格が下がる傾向があります。対して軽バンは、カスタムされていても価格が下がっていない、モノによっては高くなっているタマが散見されていました。軽バンで多いカスタムは、リフトアップ、全塗装、外観変更(クラシックモデルに換装など)でした。

とすると、軽バンの中で相場価格が高いバモス、サンバーを買って、あれこれイジっても、変なことさえしなければ、価値を上げることも期待できます。

もう、買う前の時点で、どんなカスタムをしようかと考えはじめてしまっていますね。

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狙いを定めたクルマは北海道にあり!

最終的に絞り込んだ車種、仕様の条件は、スバル サンバーバン、グレードは一番下の「VB(トランスポーターではない)」、4WD、5MT、走行距離10万km未満、ボディカラーは不問(白とシルバーしかない)にしました。年式は2009〜2012年の最終型。この条件で検索すると、全国にある在庫は当時で20台弱、中古車相場価格は車両本体価格30〜70万円。

「VB」は、パワーウィンドウなし、リモコンキーなし、エアコンは標準装備なもののABS、パワステがオプションというビジネス車仕様のグレード。1つ上の「VB トランスポーター」になると、パワーウィンドウとリモコンキー(といってもドアロックの施解錠ができるだけ)が装備されます。でもクラシックカーに片足を突っ込んだようなクルマは、装備はできるだけシンプルなほうが望ましいというのが筆者の考え。

自社生産サンバー最終モデル、6代目は1999年のデビュー、エンジンに至っては、1990年に誕生したという、基本設計は約30年前のクルマです。しかし、このエンジンは「EN07」という名機。あの「赤帽」が指名した強靭でパワフルなエンジンです。

そんなサンバーバン、なかなかいいタマがありません。いいなと思って写真を見ると内装の痛み具合がひどいものがよくありました。そんな中、「え?この価格でこの状態!」と目を見張る1台が。筆者はこれまでおそらく1,000台以上のクルマの撮影をしてきたので(いや、モーターショーなどのイベントでも撮影しているからもっとか)、中古車ディーラーがスマホで撮ったような写真でも、実物の良し悪しがわかります。筆者はその1台1択で問い合わせを入れ、商談を開始しました。そうでもしないとすぐに誰かに買われてしまいますから。車検なし、修復歴ありで価格は諸費用込みで50万円。修復歴が気になりますが、車両の状態からすると格安です。

お世話になったディーラーは「旭川三愛自動車工業有限会社 名寄支店」

我々なら必ず撮影する7:3(シチサン=フロント3割、サイド7割の画像)がないのはご愛嬌ですが、中古車市場で出回っているほかの同じ仕様のサンバーバンに比べると明らかにきれいで安かったです。

気になる修復歴について詳しく尋ねると、フロントメンバーに歪みがあるとのこと。ラダーフレーム(平成の軽バンでは唯一!)の最前方で、おそらく雪の塊か縁石のようなものに当てたのだろうことで、走行には一切影響がないとおっしゃっていました。中古車で表示が義務付けられる「修復歴あり」は、通常使用に何ら問題がない程度の修復も含まれています。担当いただいた担当者は、査定士の資格を持っており、自信を持っておすすめですと言ってくれました。

修復歴ありと判断された箇所。

もうひとつの懸念点は、保証が何も付いていないこと。まぁ、このテのサンバーは保証がついていても1ヵ月・1,000kmというミニマムなものなので、ないとダメというわけではありませんが。ただ、精神衛生上よろしくないのは正直なところ。

普通の人なら懸念材料だが、筆者にとっては懸念にならなかったのが、販売する中古車ディーラーが北海道名寄市だったということ。聞くと陸送費は11万円でした。陸送してもらう費用を北海道旅行の費用にあてればいいではありませんか。そうでもしないと名寄市なんて一生行かない街になりかねません。日本最北端の宗谷岬も近い(北海道の感覚で)ですし。

というわけで注文しました。

実際の注文書。記事末尾に掲載のYouTube動画で登場しています。

県外で中古車を買うときの懸念点と注意点

ようやくここまで書いて記事タイトルの本題に入りました。長文、至極恐縮にございます。

遠い県外(正しくは都外)で中古車を買おうとしたとき、真っ先に立ち向かわなければならない障壁は「現車が見られない」です。しかし、現車を見ないと不安なのは、どうやら団塊ジュニア世代より上の傾向のようです。デジタルネイティブのZ世代は、物心ついたときからネットオークションサイト、フリマサイトで現物を見ないで写真のみで中古品を買うことに慣れており、それが高額な中古車でも同じ感覚だそうです。実際に、現車を見ずに中古車を買う人が増えてきていると、中古車ディーラーの方がおっしゃっていました。

今の時代の中古車サイトは、情報量が多く写真も豊富。中には動画もあります。保証を付けたクルマがほとんどとなり、インターネットが普及してサービスが成熟する前の時代に比べると、安心して買える仕組みができあがっているのは確かです。販売する側も、ヘタなことをするとすぐにSNSで叩かれたりすることを恐れるという、インターネットの普及が抑止力にもつながっているという側面もあることでしょう。

とはいえ、物心ついたときには、ダイヤル式の黒電話しかリアルタイム・コミュニケーション手段しかなかった筆者は、現車が見られないのは心細かったですね。ちなみにZ世代に黒電話を渡すと、ダイヤルを回すことを知らず数字の横の丸い穴をプッシュするそうです。

現車が見られない、遠方の場合は陸送費が高い、それ以外に特に懸念点や注意点はないように筆者は感じました。ただ、今回、スケジュールの都合上、発注から納車までのスパンがタイトだったことから、書類のやり取りがシビアでした。東京から北海道名寄までの郵送は、到達が早いレターパックプラスを使っても午前差し出し翌日夕方着、ないしは午後差し出し翌々日着となり、特にお店側が手間のかかるナンバー取得で大変になります。遠隔地で中古車を買うときは、納期に余裕をもたせないといけませんね。

あとは、お店の担当者としっかりやり取りをして、見たいところの写真を撮って送ってもらったり、状態を確認してもらえば大丈夫です。筆者の場合、担当者とLINEでやり取りし、細かいところの写真をたくさん撮って送ってもらいました。あぁ、こうしてみると、スマホの普及は中古車の買い方にも変化を与えてきていますね。

というわけで、「県外で中古車を買うってどうよ?」に対する答えは、「現車を見に行くのが大変か、無理、ちょっと納期に時間がかかるかもぐらいで、たいした問題はなかった」でした。

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【動画】納車のため北海道名寄へトリップ!店舗取材からファーストインプレッションまで

今回の散財記録

スバル サンバーバン(諸費用含む) ¥500,000
【タイヤ】TOTO オープンカントリー R/T

【アルミホイール】Kフィネス 14インチ

¥65,800
【ラグナット】KYOEI 19HEX ¥3,891
【ドラレコ】カロッツェリア VREC-DZ80DC ¥29,691
【ドラレコ偏光フィルター】カロッツェリア AD-PLF1 ¥20,225
【ETC】パナソニック CT-ET2620GD ¥20,225
【LEDヘッドライト】PIAA LEH170 6600K ¥8,542
【タコメーター】PIVOT GT GAUGE60 ¥14,854
上記取付費 ¥32,450
【ガソリン添加剤】WAKO’S フューエル1 ¥3,660
【ガソリン添加剤】WAKO’S フューエル2 ¥3,636
【オイル添加剤】eクリーンプラス ¥1,980
合計 ¥704,954
車両価格を除く金額 ¥204,954

納車後は北海道を回って帰京するので速攻3,000kmの距離を走るため、納車の前に必要なドラレコ、ETCなどはAmazonで購入し、配送先をディーラーにして取り付けてもらいました。元から付いていたタイヤは純正の鉄チン(スチールホイール)にスタッドレスタイヤだったため、タイヤとホイールもAmazonで購入し交換してもらいました。元から付いていたタイヤは、納車後に近くのクロネコヤマトから自宅に発送。MTなので気分的にもタコメーターがどうしても欲しかった。添加剤はおまじないのような気もするが、納車後即注入しました。

宗谷岬「白い道」にて。シリーズ記事「絶景ドライブコース 」で帰りに寄った絶景ポイントを順次紹介していきます。

次回は、「希望ナンバー・図柄入りナンバーへ交換」をお届けします。本当は、納車時に希望番号図柄入りナンバーを取ってもらう予定だったのですが、前述したように郵送の時間がかかることから間に合いませんでした。一旦、普通のナンバーを取得してから希望番号図柄入りナンバーに変更できましたので、次回の記事でその詳細をお伝えします。お楽しみに!
(撮影・文:宇野 智)

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※この記事は2022年8月現在の情報に基づいています。

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