さまざまなボディ形状がラインナップされている2020年代。おすすめのクーペをタイプ別の2車種ずつ、計8車種とクラシックカーから1車種、厳選してお届けします。
【基礎知識】4種類あるクーペ。それぞれの特徴と違いとは？
クーペは「ノッチバック・クーペ」「ファストバック／リフトバック・クーペ」「4ドアクーペ」「クーペSUV」の4種類に大別できます。それぞれの特徴は以下のとおり。
ノッチバック・クーペ
日産 GT-R
折れや段差を意味する「ノッチ」がボディ後半にあるクーペを「ノッチバック・クーペ」と呼んでいます。
セダンのようなトランクリッドを有しているのが形状上の特徴です。
ファストバック／リフトバック・クーペ
トヨタ GRスープラ RZ
ボディ後半がなだらかな傾斜でリアエンドへ向かい、トランクリッドを持たない形状のクーペを「ファストバック」または「リフトバック」と呼んでいます。
リアゲートは、ハッチバックのようにリアウィンドウから全体的に開くのが特徴的です。
4ドアクーペ
メルセデスAMG CLS 53 4MATIC+ Edition
後席ルーフからリアエンドに向かって傾斜が始まるスタイルを4ドアクーペと呼んでいます。セダンは、後席の頭上空間を確保するため、ルーフは基本的に水平となりますが、4ドアクーペは、後席の頭上空間を犠牲にしてスタイリングを重視するモデルとなります。
元々、クーペは2ドアでしたが、4ドアクーペモデルのメルセデス・ベンツ CLSやBMW 4シリーズ グランクーペなどがデビューし人気を博したことから定着しました。
クーペSUV
BMW X4 M440i
クーペSUVも4ドアクーペ同様に、後席ルーフからリアエンドに向かって傾斜が始まるデザインとなります。頭上空間の犠牲も4ドアクーペと同じ。スタイル重視のボディタイプです。クーペSUVは、長いクーペの歴史の中で最後発となります。
【国産】2ドアクーペ
【トヨタ GR86／スバル BRZ】スポーツ性能に注目されるがデザインも秀逸
トヨタ GR86・車両価格：279万9,000〜351万2,000円・発売：2021年107月（2代目）
スバル BRZ・車両価格：308万0,000〜343万2,000円・発売：2021年7月（2代目）
満を持してフルモデルチェンジされたトヨタ GR86／スバル BRZ。2代目もトヨタとスバルの共同開発で誕生しました。走りの味付けは異なり、それぞれの個性がしっかりと出た差別化が図られています。
自動車評論家、モータージャーナリストのあいだでも評判が高く、今この時代に300万円台という価格で、走りに徹したスポーツクーペが買えることなどが評価されています。
【日産 フェアレディZ】日本の宝。次期新型に熱い視線が集まる
フェアレディZ 50周年アニーバーサリー特別仕様車
次期新型「日産 Z」米国モデル
Z34型フェアレディZは、すでにオーダー受付終了、次期新型が2022年春に日本国内発売される予定です。
次期新型は「日産 Z」の車名となり、長年親しまれてきた「フェアレディ」の名称が消えてしまいましたが、その血統は健在。
最高出力400馬力、最大トルク350N･mを発生（米国仕様車）するV6ツインターボエンジンに、6速MT／9速ATを組み合わせた後輪駆動のスポーツクーペです。
筆者はプロトタイプの撮影をしたことがありますが、見るからにイイクルマ。400馬力のV6・FRでMTだなんて、そのスペックだけでも心が躍りますね。国内発売が楽しみです。
【輸入車】2ドアクーペ
シボレー コルベット
コルベット・車両価格：1,250万〜1,450万円・発売（プレオーダー）：2020年1月（8代目）
1954年から続くコルベットの長い歴史の中で初となるミッドシップレイアウトを採用したC8型。伝統的にFRレイアウトのコルベットだが、実は初代コルベットを企画開発したハーリー・アールは、ミッドシップのスポーツカーをつくりたかったそう。アールは亡くなっていますが、その夢が実現しました。
日本仕様では、コルベット史上初の右ハンドルを設定。伝統のOHV方式を頑なに採用した、V8・6.2Lというアメ車たる大排気量エンジンの最高出力は502PS、最大トルク637N･mを発生します。
大排気量・高出力エンジンですが、決して直線番長ではないハンドリングの良さも光ります。
「2021−2022 パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。折り紙付きです。
ジャガー Fタイプ
Fタイプ V6 ヘリテージ・車両価格：935万〜1,587万円・発売：2013年5月（初代）
日本では地味な存在のジャガー Fタイプ。乗ってみるとすごくイイです。英国紳士のスポーツカーとはこれですよ、といわんばかりのジェントルマンかと思いきや、アクセルを踏み込めば、エンジンとマフラーからイイ音を響かせながら、強烈に加速します。
その走りは、エントリーグレードの直4・2.0Lターボモデルでもしっかりと味わえるところもポイントです。
4ドアクーペ
【BMW 4シリーズ グランクーペ】見慣れるとかっこいい巨大キドニーグリル
車両価格：620万〜1,005万円・発売：2021年7月（2代目）
4シリーズのプロトタイプがスクープされたときから、巨大化したキドニーグリルに世界中から賛否両論が巻き起こりました。
ついに日本市場でもデビューを果たし、筆者は実車と対面しました。しかし、違和感がないというとウソになりますが、流麗なデザインと特徴ある顔立ちの全体のバランスに「悪くない」と率直に思ったものでした。
走りの質は実にスムース（あえて「スームズ」と濁点をつけて書きたくない）。同じプラットフォームとパワートレインを持つ3シリーズとは、性格が大きく異なります。BMW 4シリーズは「2021-2022 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。デザインも折り紙付きとなりました。
【メルセデス・ベンツ CLS】流麗でエレガント。これぞ4ドアクーペ
CLS 53 4MATIC+ Edition・車両価格：918万〜1,441万円・発売：2018年6月（3代目）
4ドアクーペのお手本がこちらです。2ドアクーペでは、このデザインはなしえません。
このデザインだけで買っても後悔しないでしょう。クルマの基本構造とパワートレイン、安全装備は、メルセデス・ベンツのブランドに恥じない高次元のもの。
クーペSUV
ポルシェ カイエン クーペ
カイエン クーペ・車両価格：1,199万円・発売：2020年月（通算3代目）
高級スポーツSUVという概念を世に定着させた立役者、カイエンのクーペモデル。無印のエントリーグレードでも十分高い走行性能を誇ります。
SUVの格好をしたスポーツカー、といったほうがより性格を表現しているカイエン。クーペモデルは、よりスポーツカーらしさが強調されています。
アウディe-tron Sportback
車両価格：1,327万〜1,346万円・発売：2020年9月（初代）
アウディの新世代EV「e-tron」シリーズのクーペSUV。「2020-2021 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した折り紙付きの1台です。
まだまだモデル数が少ないEVですが、唯一のEV・スポーツクーペSUVというだけでも十分価値があります。
【おまけ】元祖世界一美しいクーペ BMW 635CSi
BMW 635CSi アルピナ
1977年にデビューした、BMWの初代6シリーズ「633CSi」のちの「635CSi」、中でも「M635CSi」は、世界一美しいクーペと呼ばれました、1989年に生産が終了しましたが、当時は美しいスタイリングのグランドツーリングカーとして、高い人気を誇っていました。
現在、その価値は再度評価され、近年のクラシックカー価格高騰の影響もあり、市場価格は右肩上がりとなっています。
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