広い軽自動車ランキングTop5【2023年版】

クルマを賢く買う クルマの購入ノウハウ

今回のお題は「広い軽自動車でランキング記事」。はて、困りました。軽自動車は全高を除き、全幅と全長の規格ギリギリで作られています。ボディタイプ別では広い順にすることができますが、例えばスーパーハイトワゴンで広い順にランキングせよ、といわれても困ってしまいます。

カタログの諸元表を見れば、室内長・室内高・室内幅が掲載されています。これを各モデルで拾ってエクセルに入力、広い順にソートをかけたところで、広い順とはいえませんし、数値は似たりよったりです。車室内はマッチ箱のような完全な立方体ではなく、凹凸があり、シートやフロアなどの構造物もあります。

「広い軽自動車」のテーマなら書きやすいのですが、今回のお題は「広い軽自動車ランキング」です。なぜか、日本人はランキングが大好きです。こういうたぐいの記事はランキングにしないと、なかなかクリックしてくれないというWebマーケティング調査結果があるのです。

しかーし!ここはカープレミアマガジン編集長の腕の見せどころ!お読みいただいた方が納得いただける「広い軽自動車ランキング」記事を、責任をもって執筆させていただきます。

広い軽自動車とは?

まず、最初に「広い軽自動車」とは、その定義付けをしましょう。広い軽自動車といえるのは、

  1. 1. 乗員のスペースが広い
  2. 2. 荷室のスペースが広い

に2分されます。1番はおもにファミリーユース、2番はおもにビジネスユース、ホビーユースとなるでしょう。

乗員・荷室両方が広い「軽ワゴン・軽バン」

「軽1BOX」とも呼ばれていますね。車高が高いボックス形状の軽バン、軽ワゴンは、軽自動車で最大級の乗員・荷室空間を誇ります。ちなみに、軽バンとは、4ナンバー届出(軽自動車は届出、普通車は登録。普通車は自動車業界では登録車と呼ぶのが基本です)の貨物車、軽ワゴンは5ナンバー届出の乗用車となります。

貨物車は、荷物を積み下ろす場所とその広さが定められています。貨物車は、車体の後面または側面の開口部有効長が、軽自動車は縦600mm×横800mm以上(登録車は縦横各800mm以上)必要となり、かつ開口部垂直面の投影面積を、軽自動車は0.48平方メートル以上(登録車は0.64平方メートル以上)ないといけません。荷物を置く広さは、軽自動車は前席より後ろで0.6平方メートル以上(登録車は1平方メートル以上)なければなりません。さらに、後席シートはすべて起こした状態で、乗員のスペースより荷室のほうが広くなければならない、という規定もあります。

ただ、軽バン・軽ワゴンは室内空間が広いので、貨物車の基準を満たしても後席は十分に広い空間を確保することができます。

乗員ファーストで広さを求めるなら「スーパーハイトワゴン」

1993年9月、軽自動車で初めてトールワゴンという概念で設計された、スズキ ワゴンRがデビューしました。それまでの乗用軽自動車は、ハッチバックか1BOXの2択でした。前者では室内空間が広く、後者は広いが車高が高く操縦安定性に欠けていること、商用車然としていることがあり、敬遠されるきらいがありました。ワゴンRは、スタイリッシュな2BOXスタイルで車高を高く取り、室内空間の広さとFF(フロントエンジン・フロントドライブ=前輪駆動)ベースの構造で、操縦安定性も確保し、大ヒットを記録しました。

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ワゴンRは、年間ヒット商品ランキングに入るほど爆発的に売れ、その後、ダイハツがムーヴをデビューさせ、さらにホンダはライフを投入するなど、軽トールワゴン市場が活性化しました。

2008年には軽自動車初となる、スズキから後席両側スライドドアを持つトールワゴン、スペーシアがデビューし、スーパーハイトワゴンの現在形が完成します。このジャンルの始祖はダイハツ タントと言われていますが、このころのタントは、後席ヒンジドアが基本のトールワゴンで、助手席側後席のみスライドドアでした。その後のタントはモデルチェンジで後席両側にスライドドアを備え、ダイハツは、スーパーハイトワゴンがタント、トールワゴンをムーヴとしたラインナップ体制となりました。

その後に、ホンダからはN-BOXがデビューし、後席ヒンジドアでスーパーハイトワゴンより車高が低いのがトールワゴン、スーパーハイトワゴンは後席スライドドア、というボディタイプの区分けができました。

お話が長くなりましたが、軽バン・軽ワゴンについで室内空間が広いのは、スーパーハイトワゴンです。

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見出し3広い軽自動車をボディタイプ別ランキング

というわけで、軽自動車のボディタイプ別に広い順にランキングしますと、次のようになります。

1位…軽バン・軽ワゴン
2位…スーパーハイトワゴン
3位…トールワゴン
4位…ハッチバック

広い軽自動車が欲しいなら、軽バン・軽ワゴンか、スーパーハイトワゴンのいずれかから選択するのがおすすめです。

それでは、次項から軽バン・軽ワゴンとスーパーハイトワゴン、それぞれのボディタイプでランキングしてみます。

【軽バン・軽ワゴン】広い軽自動車ランキング

現在、新車の軽バン・軽ワゴンを生産するメーカーは、スズキとダイハツの2社のみとなってしまいました。スズキは、日産と三菱、マツダにOEM供給、ダイハツはトヨタ、スバルにOEM供給され、各社軽バン・軽ワゴンをラインナップしています。したがって、軽バン・軽ワゴンの広い軽自動車ランキングは、実質2車種となります。

【第2位】スズキ エブリイ・エブリイ ワゴン

OEMモデルは、日産 NV100クリッパー リオ(ワゴン)・NV100クリッパー(バン)、三菱 タウンボックス(ワゴン)・ミニキャブ バン、マツダ スクラム ワゴン・バンとなります。デザイン上の違いは、エンブレムぐらいしかないため、画像は代表のエブリイ・エブリイワゴンを掲載します。

エブリイ ワゴン

エブリイ

現行モデルは、2015年2月にフルモデルチェンジを受けた6代目。バンとワゴンの基本設計は同じで、室内空間では後席の広さが異なります。

エブリイ ワゴン

エブリイ 最上級グレードの「JOIN」

バンとワゴンを比較すると、後席の背もたれの位置がCピラー(前から3番目の支柱)の前側か後ろ側かの違いがあります。乗員のスペースはバンでもけっこう広いですが、ワゴンはさらに広く取られています。ただ、足回りがバンは最大積載量350kgに耐えなければならないため、空荷状態での走行は固く、特に後輪はハネやすくなります。これは、エブリイに限らず、ほかの貨物車でも共通の特徴となります。

軽バン・軽ワゴン部門でエブリイシリーズを2位にしたのは、消去法でした。2021年にフルモデルチェンジしたダイハツの新型軽バンがクラストップの室内空間を実現してしまったからです。詳しくは次項で。

車両価格

エブリイ ワゴン:156万9,700〜192万9,400円
エブリイ:99万1,100〜151万9,100円

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【第1位】ダイハツ アトレー・ハイゼット カーゴ

OEMモデルは、トヨタ ピクシス バン、スバル サンバー バン。このモデルも外観上の違いはエンブレムぐらいなので画像は代表のアトレー・ハイゼット カーゴを掲載。

ハイゼット カーゴ

アトレー

2021年12月にフルモデルチェンジを受けて通算11代目になりました。先代は、アトレーが5ナンバーの乗用車、ハイゼット カーゴが4ナンバーの貨物車でしたが、11代目は全車4ナンバーの貨物車になりました。ハイゼット カーゴとアトレーも、基本設計は同じです。なお、アトレーは先代同様、乗用ワゴンの用途で開発されています。

アトレーが4ナンバーのバンの区分になった理由についてダイハツ開発者に尋ねると「先代アトレーのユーザーの使い方を調査したところ、4ナンバーの貨物車でも十分、ユーザーニーズに応えることができた。また、開発コストを抑えることにも成功し、車両価格にも反映できた」との回答でした。確かに、4ナンバー車と5ナンバー車はそれぞれ規格が違うため、開発コストを抑える妙策ですね。

ハイゼット カーゴ、アトレーを1位にした理由は、実効荷室空間がクラス最大となったから。車体形状をスクエア化し、実際に積載できる容積を拡大しています。

ダイハツアトレーの荷室

アトレーの荷室

ハイゼット カーゴでは、荷室や床面もフラット化し、クラス最大の積載容量を誇っています。

車両価格

アトレー:156万2,000〜182万6,000円
ハイゼット カーゴ:104万5,000〜160万6,000円

【スーパーハイトワゴン】広い軽自動車ランキング

さて、冒頭でお伝えしたとおり、軽自動車のボディサイズの規格上、室内寸法だけで比較するのはいささかナンセンスではありますが、クルマの設計や構造、機能面を考慮して、筆者が独断と偏見でランキングしました。なお、先に申し上げておきますが、記事企画上ランキングしましたが、その差はわずか。本当に僅差です。順位が低いから広くない、ということは一切ありません。どのモデルも軽自動車とは思えない広い室内空間を誇っています。「スーパーハイトワゴンの中から、室内空間重視で選びたい」という方の参考としてご覧ください。

※現在販売されているスーパーハイトワゴンは、全8車種。このうちOEMなど同一設計車種を除くと実質4モデルとなります。

【スーパーハイトワゴン】広い軽自動車ランキングと室内寸法一覧

順位 メーカー 車名 OEM 室内長 室内幅 室内高 ホイールベース
1 ホンダ N-BOX 2,240 1,350 1,400 2,520
2 日産 ルークス
三菱 eKスペース
三菱 eKクロス スペース
2,200 1,335 1,400 2,495
3 スズキ スペーシア マツダ フレア ワゴン 2,155 1,345 1,410 2,460
4 ダイハツ タント スバル シフォン 2,125 1,350 1,370 2,460
単位:mm

【第1位】ホンダ N-BOX

標準モデル

「N-BOX カスタム」

ホンダのクルマづくりの大原則「M・M思想」、「マン・マキシマム/メカ・ミニマム」すなわち「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に」は創業者本田宗一郎から現在も脈々と受け継がれています。N-BOXでこの思想が大いに反映されているのが、ホンダのお家芸「センタータンクレイアウト」。燃料タンクを車両中央部分に配置し、室内空間を最大化しています。2,520mmというクラストップのホイールベースも室内空間の広さに貢献しています。登録車・軽自動車を含めた総合販売台数1位を幾度となく獲得していることも、1位に選んだ理由です。

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【第2位】日産 ルークス/三菱 eKスペース・ eKクロス スペース

この3モデルは、日産と三菱の合弁会社「NMKV」が企画・開発する同一モデルです。もっともオーソドックスな日産ルークスからSUVテイストのeKクロス スペースまで、エクステリアデザインは明確な違いがありますが、中身は同じです。

左上から時計回りに、日産 ルークス 標準モデル、同ハイウェイスター、三菱 eKクロス スペース、同eKスペース。

2020年3月にフルモデルチェンジを受けた現行モデルは、日産が主体となって開発(先代は三菱)。日産は軽自動車をそれまで開発したことがなかったため、登録車の基準で軽自動車の規格に合わせてつくりました。このため、軽自動車とは思えない上質な仕上がりに。室内空間で特筆すべきなのは、後席が最大320mmも前後にスライドすること。後席の広さは大型セダンを凌ぐほどです。

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【第3位】スズキ スペーシア

OEMモデルは、マツダ フレア ワゴン。

標準モデル

スペーシア カスタム 2021年

スペーシア カスタム

スペーシアの現行モデルは、2017年12月にフルモデルチェンジを受けた2代目です。軽自動車阪大台数ランキングでは、ずっとN-BOXについで2位の座をキープする手堅い人気を誇るスーパーハイトワゴンです。十分に広いのですが、1位と2位のクルマに比較すると選定基準となるトピックが少ないため3位になってしまいました。

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【第4位】ダイハツ タント

OEMモデルは、スバル シフォン。

標準モデル

「タント カスタム」

タントの現行モデルは、2019年7月にフルモデルチェンジを受けた4代目。助手席側のBピラー(前席と後席の間の支柱)を取り払った大開口の「ミラクルオープンドア」がウリでした。が、ボディ強度に不安を感じた人がいたことは否めませんでした(実際のボディ強度は問題なく、筆者が試乗したときの不安感はなく、むしろボディ剛性をしっかりと感じました)。販売台数はダイハツが思うほど延びず、2022年8月にテコ入れのマイナーチェンジを早めにいれています。いいクルマなんですけど、ほかのモデルと比べて致し方なく4位にさせていただきました。

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(文:宇野 智 画像:スズキ・ダイハツ・ホンダ・三菱)
※この記事は、2022年12月時点での情報で執筆しています。

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