オイル消費大 原因を解決する方法

オイル消費大のイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員/一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • エンジンオイルの消費が増えるのは「オイル上がり」「オイル下がり」「オイル漏れ」が原因
  • オイル上がりやオイル下がりが起こるとマフラーから白い煙が出て機械油の焼けた匂いがする
  • 修理方法は圧縮回復剤や漏れ留め剤の添加か、それで症状が改善されない場合はエンジン本体の交換、もしくはオーバーホールでの対応となる。

【原因】エンジンオイルの消費が増えるのは?

エンジンオイルの消費が過剰に増えるのは、エンジン本体、ターボチャージャー、ピストン・ピストンリング不具合、エキゾーストパイプの不具合が主な原因です。

エンジンオイルの消費が過剰となる原因は、エンジン内部でエンジンオイルがピストンやシリンダーをすり抜けて燃焼室に入る「オイル上がり」、あるいは吸気・排気バルブからエンジンオイルが燃焼室に入る「オイル下がり」が起きたことによって、燃焼室内で過剰にオイルを燃やしてしまう場合と、エンジン本体や周辺部品からオイル漏れを起こしている場合のふたつの可能性が考えられます。

オイル上がりやオイル下がりが起きるとマフラーから白い煙が上がり、機械油の焼けた匂いが発生します。オイル漏れを起こした場合は、車体下側や地面にオイル痕が残ります。このように症状から、オイル上がり・下がりなのか、またはエンジンからのオイル漏れなのかの判断がつきます。

オイル上がり・下がりやオイル漏れが起こるのはどのパーツ?

エンジンは、動力を発生させる重要なパーツで、乗用車に広く普及している4サイクルエンジンの本体は、吸排気バルブの駆動や混合気・排気ガスが流れるポートなどを備えたシリンダーヘッド、複数のピストンが収まるシリンダーブロック、クランクシャフトが収められたクランクケースで構成されています。

エンジン本体でオイル漏れのうちオイル上がりを引き起こす原因の一つはピストンリングの摩耗です。燃焼室の密閉性維持のため、ピストンにはめられた煙管状のパーツです。また、吸排気バルブのステムシールと呼ばれるパーツの劣化はオイル下がりの主な原因になります。

ただしエンジン本体は比較的頑丈で、オイルなどの油脂類の定期的なメンテナンスを怠らなければ、10万km程度で故障することはあまりありません。

一方で、エンジンには補機類と呼ばれる様々な装置が付いています。こちらは本体よりも寿命が短く、5〜6万kmを超えたあたりから故障が発生することもあります。オイル漏れの原因となることの多い補機の一つがターボチャージャーです。

ターボチャージャーは、排気ガスの圧力でタービン内部の羽根車を回し、より多くの空気(酸素)を燃焼室に送り込むことで、同じ排気量の自然吸気エンジンに比べてより大きなパワーを得られる過給機の一種です。

【解決方法】添加剤で不具合が解消しない場合は修理代が高額化することも

エンジンオイルの消費が増えた場合には、エンジンオイルの漏れ止め剤や圧縮回復剤を添加することによって症状が改善される場合があります。費用も安価ですのでまずは試してみる価値はあります。

エンジンに添加剤を入れても症状が改善されない場合には、エンジン本体の交換、もしくはオーバーホールが必要となり、車種やエンジンの状態によっても異なりますが、部品代と工賃を合わせて30〜100万円以上の修理費用がかかります。

オイル漏れのエンジン本体の不具合で多いのがピストンリングの摩耗です。
適切なサイクルでオイル交換を行っていれば、ピストンリングは10万km以上使用できるのですが、オイル管理を怠ると寿命が短くなり、短い走行距離でエンジンオーバーホールとなり、高額な修理代を支払うことになります。

精密部品のターボチャージャーもオイル管理が重要になるパーツです。
ターボチャージャーが故障した場合には、新品もしくは程度の良い中古品で本体交換(ASSY・アッセンブリー交換=複数のパーツが一式組み合わさった交換用パーツ)が必要となり、車種によっても異なりますが、部品代と工賃を合わせた修理代は10〜30万円ほどかかります。

(山崎 龍)

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柴 健太郎

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