異音 原因を解決する方法

異音のイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員/一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • 排気系からの異音はマフラー本体か触媒コンバーターの不具合が原因

【原因】マフラーから異音がする原因とは?

マフラーから異音が発生するのは、マフラー本体や触媒コンバーターの不具合が原因となります。

マフラーとは、消音器とも呼ばれるパーツで、エンジンから排出された高音・高圧の排気ガスの温度と圧力を下げることで排気音を小さくする役割を持ち、パイプの取り回しを調整することでエンジンの出力やトルク特性を決定します。マフラーは車体下側のエキゾーストマニホールドから後方に装着され、複数のパイプを組み合わせた構造をしており、エキゾーストパイプ、O2センサー、触媒コンバーター、サブマフラーやプリマフラー、メインマフラーで構成されています。

触媒コンバーターとは、エンジンから排出される排気ガス中の汚染物質を浄化する装置のことで、エキゾーストマニホールドからマフラーの間に装着され、排気ガスに含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などを除去して無害化します。筒状の触媒コンバーターは中央部が膨らんだ形状をしており、内部はセラミックス製のハニカム(蜂の巣)構造体の中にパラジウムやプラチナ、ロジウムなどの希少金属をペースト状にしたものが塗られています。

【解決方法】マフラーの排気漏れを修理するか、不具合箇所を修理することで異音は消える

マフラー本体からの「バラバラ」と異音が発生した場合は、サビなどの腐食でマフラーに穴が開いているか、破損によってマフラーから排気漏れを起こしていることが疑われます。また、マフラー本体から「カラカラ」と異音が出る場合は、サイレンサー内部のパイプが外れているか、排気管の中に異物が混入したか、遮熱板の取り付けボルトが緩むなどして振動を起こしているかのいずれかの可能性が考えられます。

マフラーから排気漏れして「バラバラ」とした異音が発生した場合は、穴が小さければ腐食部分をヤスリやワイヤーブラシで磨いて錆を落としてから、「マフラーパテ」と呼ばれるマフラー補修用品を使って穴を塞ぎますが、腐食が進んで補修ができないほど穴が大きくなった場合は、腐食したパイプ部分を新品、もしくは程度の良い中古品に本体(ASSY=アッセンブリー:複数のパーツが一式組み上がった状態で交換するパーツ)交換で対応します。

マフラーから「カラカラ」した異音が発生した場合は、サイレンサー内部のパイプが外れている場合はパイプを繋ぎ直し、排気管の中に異物が混入した場合はマフラー本体を外して異物を取り出します。遮熱板の取り付けボルトが緩むなどして振動が発生し、それが異音の原因となっている場合はボルトを締め直すことで修理します。

触媒コンバーターから異音を放つ場合は、内部のセラミックス製のハニカム構造体が破損した疑いがあります。その場合は新品、もしくは程度の良い中古品に本体Y交換します。

(山崎 龍)

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