警告灯点灯 原因を解決する方法

警告灯点灯のイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員/一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • トランスミッション警告灯には赤色と黄色(橙色)があり、赤色はただちに運転を中止して速やかな点検修理、黄色は走行に注意が必要で、なるべく早い点検修理が必要
  • CVTやATの不具合でトランスミッション警告灯が点灯した場合は、CVTやATのオーバーホールや本体(ASSY)交換が必要になる
  • MT車のトランスミッション警告灯が点灯した場合は、クラッチ板、クラッチカバー、レリーズシリンダーの交換修理が必要

【原因】走行中にトランスミッション警告灯が点灯したら速やかな点検修理が必要

トランスミッション警告灯が点灯するのは、CVT、ステップ式AT(トルクコンバーターと自動変速機で構成されたAT)、クラッチカバー、CVTフルード、ATフルードの不具合です。

警告灯の色には赤色と黄色(橙色)があり、赤色の場合はそのまま運転するのは危険ですので、ただちに走行を取りやめ、速やかな点検・修理が必要となります。

黄色の場合は走行に注意が必要で、なるべく早く点検・修理に入れる必要があります。

CVTは、ギア(歯車)の代わりに金属ベルトで連結させたふたつのプーリーのベルトの嵌る溝の位置を変化させることで駆動力の減速比を変える無段変速機のことです。

ステップ式ATは、エンジンからの動力をトルクコンバーターで受け止めて、プラネタリーギア(遊星歯車)の選択を組み合わせることで、段階的にギア比を替えて行く自動有段変速機のことを指します。

クラッチカバーは、クラッチディスクを間に挟んで取り付けられるクラッチを構成する部品のひとつです。

クラッチは、MT車に備わる動力伝達装置のことで、クラッチディスク、クラッチカバー、レリーズベアリングの3点で構成され、エンジンからの動力をトランスミッションへと伝達・遮断します。

CVTフルード(CVTF)とATフルード(ATF)は、油圧で動くトランスミッションの潤滑と作動に用いる油のことです。

【解決方法】CVTやATが原因でトランスミッション警告灯が点灯した場合は、CVTやATの本体(ASSY)交換など高額な修理代がかかるケースもある

CVTの不具合が原因でトランスミッション警告灯が点灯した場合は、CVTコントロールユニットやCVTの故障が疑われます。

その場合はCVTコントロールユニットを新品に交換したり、CVT本体( ASSY=アッセンブリー:複数のパーツが一式組み上がった状態で交換するパーツ)交換が必要になります。

また、パッキンシールからのCVTフルード漏れがあるとCVT内部の油圧が下がってトランスミッション警告灯が点灯する場合があり、漏れの発生している箇所のパッキンシールを交換する必要があります。

ステップ式ATの不具合が原因で警告灯が点灯した場合は、ATバルブボディやトルクコンバーターの故障の可能性があります。

ATバルブボディの内部には、ATフルードの流入経路が複雑に張り巡らされ、油圧を制御する多数のバルブが組み合わされています。この流入通路をATフルードが流れることで自動で変速操作を行いますが、走行距離が延びると内部の流入通路に徐々にスラッジが溜まり、シフトショックの増大や誤作動を起こします。

トルクコンバーターの故障は稀ですが、ATフルードの管理が悪いと故障の原因となります。

トルクコンバーターが故障した場合は、整備工場にて新品のトルクコンバーターとASSY交換することになります。

CVTフルードやATフルードはフルード漏れのほか、長期間無交換のままだと潤滑性能や粘度・温度特性を失うだけでなく、トランスミッション内部にスラッジが溜まって性能劣化や誤作動を起こしてトランスミッション警告灯が点灯することがあります。

CVTフルードとATフルードはトランスミッションが不調を起こす前に2〜4万kmごとの交換をオススメします。

MT車に使用されるクラッチは消耗品であり、走行距離が延びるとクラッチは徐々に磨耗しますので、クラッチ板、クラッチカバー、レリーズベアリングとセットで新品に交換します。

(山崎 龍)

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柴 健太郎

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※修理内容は修理工場での作業事例を説明するもので自己修理を推奨するものではありません。

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