ディーゼルエンジンの寿命はどのくらい? 中古車購入時の注意点は?

クルマを賢く買う クルマの購入ノウハウ

燃料代の安さ、ガソリン車では真似できない大きなトルク。日本でもディーゼルエンジンが人気です。ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは構造が異なるため、寿命も異なります。ディーゼルエンジンの寿命はどのくらいか、長く乗るためにはどうしたらいいかを解説します。

【サマリー】ディーゼルエンジンは基本的にタフで寿命が長い

トラックやバスなどはほとんどのクルマがディーゼルエンジンを搭載しています。昨今はハイブリッドのものもありますが、エンジンはディーゼルを使用しています。

中古車サイトですべての掲載車両を表示し、走行距離の多い順に並べ替えてみると、表示されるのは走行距離が“99.9万km”と書かれたトラック、ダンプ、バスばかり。これらはオドメーターが1周、つまり100万km以上走行しているクルマになります。このことからもディーゼルエンジンは本来とてもタフな作りであることがわかります。

乗用車でも昔からディーゼルエンジン搭載車の人気は高く、中でもクロカン系やワンボックスタイプなどでの需要が高いのが特徴でした。また、ヨーロッパでは一般的な乗用車でもディーゼルエンジンを搭載したモデルが多くありました。

一方でディーゼルエンジンはかつて大気汚染の象徴とされ、現在はNOx PM法に対応したものでないと運行できない地域が指定されています。

現在新車で販売されているディーゼルエンジン搭載車はもちろんNOx PM法に対応済み。これらはクリーンディーゼルエンジンと呼ばれます。

【クリーンディーゼルエンジンとは?】排ガスをクリーンにするためのシステムを採用

前述したようにディーゼルエンジンは大気汚染の象徴でした。理由はガソリンエンジンのようにスパークプラグで点火するのではなく圧縮した燃料を自然着火させるため、窒素酸化物(NOx)や素粒子物質(PM=スス)が発生しやすいから。そのため、2003年には地方公共団体がディーゼル車規制条例を制定しました。

クリーンディーゼルエンジンとはこれに適合したエンジンで、規制対象地域でも走行ができるようになっています。NOxやPMの排出が少ないことから環境保護に貢献するクルマとして、自動車税の環境性能割と自動車重量税のエコカー減税の対象(2022年4月現在、2023年度以降は対象外)になっています。

クリーンディーゼルエンジンの特徴は、高圧化燃料を噴射するコモンレールシステムを搭載していることです。また、最適な燃料噴射による完全燃焼を実現するため、さまざまな電子制御が取り入れられています。そして排ガスを浄化する装置としてPM用のDPF、NOx用の尿素SCRが装着されています。なお、マツダやBMWは尿素SCRを使わなくていいエンジンを採用しています。

日本では2000年代に入ってディーゼルエンジン搭載車が次々に発売終了となり、一時乗用モデルのディーゼル車は姿を消しました。その後、2008年9月に2代目日産 エクストレイルがクリーンディーゼルエンジンを搭載した20GTを発売。数年ぶりに市場にディーゼルエンジン搭載車が復活しました。

マツダは2012年に発売されたCX-5にディーゼルモデルを設定。その後、アテンザ、アクセラ、デミオなど、さまざまなモデルにディーゼル車を設定しました。三菱はパジェロやデリカD:5にディーゼルモデルを設定。トヨタはハイエースバンなど商用モデルにはディーゼルエンジンを搭載。2010年7月に行われたハイエースのマイナーチェンジで大幅改良を行い平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制」に適合したディーゼルエンジンを搭載。2015年6月には新開発の2.8Lクリーンディーゼルエンジンをランドクルーザープラドに初搭載しました。

【ディーゼルエンジンのメンテナンス】寿命の長いディーゼルだからこそエンジンオイルをきちんと管理していたものを選びたい

サマリー部でも触れたように、ディーゼルエンジンは基本的に頑丈な作りをしています。なぜかというと高い圧縮比で圧縮して高温になった燃料が自然に爆発する構造なので、爆発時の負荷に耐えられるよう丈夫に作られているのです。

かつてクルマは走行10万kmが寿命のひとつの目安といわれていました。でも現代のクルマは耐久性が飛躍的に向上しているので、走行10万kmを超えたものでもまだまだ元気に走れるものがほとんどです(ただし消耗部品は耐久性があるものでも走行10万kmを超えたら交換したいところ)。実際、ディーゼル車が人気のトヨタ ハイエースは、走行距離が20万kmを超える中古車も販売されています。海外へ輸出されたハイエースなどは30~40万km走ることもまれではありません。適切なメンテナンスを行ったディーゼルエンジンの寿命の長さは折り紙付きなのです。

一方で、ディーゼルエンジンは構造上、エンジンオイルの管理をガソリン車よりこまめに行う必要があります。理由は燃焼時に発生するススなどの影響でガソリンエンジンよりもエンジンオイルが汚れやすいから。

エンジンオイルにはエンジン内部の潤滑以外にもエンジン内部の洗浄、冷却、密閉などさまざまな作用があります。

燃焼時に発生したススはエンジンオイルが洗浄するため、ガソリンエンジン用のオイルよりも清浄分散作用が高くなっています。そしてガソリンエンジンよりも早い頻度で交換する必要があります。

また後述のように現代のクリーンディーゼルにはDPFが装着されており、このDPFにたまったススを一定周期で強制的に燃料を送り込み燃焼させるDPF再生が行われます。その際の軽油によるオイル希釈に対応するのがディーゼル用オイルになります。

ディーゼルエンジンにはディーゼル専用のオイルを入れ、粘度も指定のものを選ぶ必要があります。オイル交換の頻度は選ぶオイルや乗り方により変わってきますが、一般的には5000から1万km前後といわれています。

【クルーンディーゼルエンジン特有の注意事項1】中古車購入時はDPFの状態確認を!

DPF再生クリーンディーゼルエンジンには、DPF(Diesel particulate filter=ディーゼル微粒子捕集フィルター、メーカーによってはDPDやDPRと呼ぶ場合も)というガソリンエンジンにはない特殊な機構が備わります。DPFは排ガスの中に含まれるPM(スス)を捕集して排ガスをクリーンにする装置。捕集したPMは自動的に燃焼させて処理(DPF再生)します。この処理は一定以上の冷却水温度や速度といった条件のもとで走行中に行われ、また処理が終わるまで5〜10分程度かかります。

そのため近所への買い物や送迎など、ちょい乗りが中心という使い方だとDPF再生を正しく行えずPMがDPF内部に溜まり目詰まりを起こします。

DPFの警告灯がついた場合は手動で処理することが可能な車種もありますが、無視して乗り続けているとダメージが蓄積し、最悪の場合はDPFを交換する必要があります。

PMはクルマの発進時にもっとも多く発生するため、短時間のストップ&ゴーを繰り返しているディーゼル車は注意が必要。このようなクルマは前オーナーがDPFのことを意識していなかったケースも考えられます。DPFの状態は専用のテスターを使うことでススの溜まり具合や再生の回数・タイミングなどを調べることができます。年式の割に極端に走行距離が少ない中古車を購入する場合は、DPFの状態を納車前法定点検などで必ずチェックしてもらうことをおすすめします。

反対に年式のわりに距離を走っているものは高速道路などを巡航する機会が多かったと推測できるので、DPFへの負担が少ない可能性が高くなります。

【クリーンディーゼルエンジン特有の注意事項2】尿素SCR搭載車は定期的なAdBlueの補充が必要

クリーンディーゼルエンジンのもうひとつの特徴が尿素SCR触媒を搭載していること(マツダなど一部メーカーを除く)。

尿素SCRはNOxを浄化するシステムで、NOxにアンモニアを噴射して化学変化を起こし、窒素と水に還元します。

アンモニアはタンクに充填した尿素水(アドブルー)から取り出します。アドブルーは消耗品で、量が減ったら補充します。タンク容量により異なりますが、5,000kmから1万5000km、一般的には1万km程度走ると補充が必要になります。

近年は世界的に尿素水が不足傾向にあり、アドブルーの価格も上昇しています。

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【まとめ】環境性能と動力性能を高いレベルで両立したディーゼルエンジンは、その寿命の長さも魅力

ディーゼル車はかつてのネガティブなイメージを払拭し、環境性能と動力性能を高いレベルで両立したクルマです。ディーゼルエンジンは、その耐久性の高さ、寿命の長さも魅力です。とりわけ長距離移動が多い方にメリットが多く、旅行やレジャーで活躍することは間違いないでしょう。

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