軽バン・軽トラのリフトアップの効果と注意点とは?実際に“チョイ上げ”してみた【編集長が車柱!自腹散財記 vol.3】

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カープレミアマガジン編集長宇野が“農道のポルシェ”ことスバル自社生産最後のサンバーバンを自腹で買って、自腹でいじりたおす人柱、車柱となる体当たり企画第3弾。今回は“チョイ上げ”リフトアップに挑戦します(記事後半で動画で紹介)。

リフトアップとは?

後述のフォレストオートさんのデモカー。

リフトアップとは、車高を上げるカスタムのことで、軽バンの場合はコイルスプリングの巻数を増やすなどしてバネの長さを伸ばしたリフトアップスプリングに交換、軽トラの場合はフロントサスペンションは軽バンと同じ方法、リアサスペンションは、スペーサーをリーフスプリングに噛ませて車高をアップさせます。また、タイヤを大径化し、スプリング交換と組み合わせて車高を上げます。

リフトアップの効果とデメリット

リフトアップして車高が上がると、まず見た目がかっこよくなります(個人差ありますが)。また、最低地上高が高くなるため、悪路走破性が高くなります。特に雪が積もった道を走るときには、少しでも車高が高いほうが、駐車場や狭い道などでその効果を感じます。

デメリットは、車高が高くなることで横風の影響を受けやすくなること。特に軽バンは元々横風に弱いため、車高が上がるとさらに顕著になります。また操縦安定性や乗り心地が悪くなることがあります(製品により)。

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“チョイ上げ”とは?

チョイ上げとは、リフトアップ量を控えめに、概ね5cm程度車高を上げることで、主にインターネット、SNS上で呼ばれています。ちょっと車高を上げるだけで、かっこ良く見えて、操縦安定性への影響も少ないことなどから、軽バンファンに人気のカスタムとなりました。

また、車高が上がった分、最低地上高が上がるため、悪路走破性を高める効果もあります。見た目だけではなく、実益も兼ね備え、それほど費用もかからないことも人気の理由です。

軽バン・軽トラのリフトアップ・スプリングの選び方のポイント

いろんなショップでリフトアップ・スプリングが制作・販売されています。選び方のポイントは、とにかくネットで口コミを見まくること。

車高を上げようとスプリングを長くすると、走行時にふらつきやすくなります。このため、リフトアップ・スプリングは、バネレートを強めます(バネを固くする)。すると、乗り心地が悪くなるという、操縦安定性と乗り心地がトレードオフの関係になります。

リフトアップ・スプリングを交換するショップ・工場の選び方のポイント

リフトアップ・スプリングを販売するショップで交換できるところもありますし、ネットやショップの通販サイトから購入して最寄りの整備工場などで交換することもできます。

いずれにせよ、交換してもらうところは、認証工場ないしは指定工場がおすすめです。なぜなら、後述の「リフトアップの注意点」で述べますとおり、車検に対応する調整が必要となるからです。

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*メーカー・車種によっては実施できない場合もあります

リフトアップするときのタイヤサイズ

タイヤを大径化すれば車高を高くすることができますが、大きくしすぎるとブレーキの効きや乗り心地が悪くなったり、車検に通らなくなったりします。

車検では、スピードメーターの表示速度と実速度の差異の範囲が定められており、メーター表示速度が実速度の概ねプラス10km/h・マイナス3km/h(年式によって異なる)が許容範囲となります。タイヤを大径化すると外周が大きくなり、メーター表示速度より実速度が高くなりがちです。

また、4ナンバーの貨物車では、タイヤのロードインデックス(LI=荷重指数)をクリアしている必要があります。なお、かつての基準では、4ナンバー車はLTタイヤでなければならないと規定されていましたが、現在はロードインデックスをクリアしていれば問題ありません。

リフトアップは車検対応?

軽バンのリフトアップは、どんなに車高を上げようが、軽自動車の規格、車高2,000mmを超えなければ車検対応となります。ちなみに、逆に車高を下げるときは、最低地上高9cmが確保されていれば、どんなに下げても車検対応となります。

リフトアップの注意点

軽バンに限らず、どんなクルマもリフトアップをしたら次の4点の調整に注意してください。タイヤについての注意事項は前述のとおりです。

調整式ラテラルロッドに交換すると車軸が中心からずれる

リフトアップするときに、調整式ラテラルロッドに交換し、センターに合わせてしまうと、人や荷物を乗せたとき、ラテラルロッドの方向に向かって車軸が車両の中心からずれることが多々あります。

リフトアップ後「サイドスリップ調整」をする

サイドスリップ調整とは、ホイールアライメント調整のうち、車両に対するタイヤが外向き・内向きを示すトー(トウとも)角を調整し、サイドスリップ(横滑り量)を防ぐことをいいます。サイドスリップ量が多いと、まっすぐにクルマが走らないため、操縦安定性が悪くなったり、タイヤがすぐにすり減ったりしてしまいます。車検では、サイドスリップテスターにクルマを乗せて、1m進んだときのサイドスリップ量がプラスマイナス5mm以内でなければなりません。

リフトアップをすると、サスペンションが伸びる(ショックアブソーバーを変更しなければ、サスペンションストローク量は変わらない)ため、必ずサイドスリップ調整が必要となります。

リフトアップ後「ヘッドライトの光軸調整」をする

リフトアップをすると車高が高くなり、ヘッドライトの照射角度が遠くなり、対向車などを眩惑させてしまいます。また、車検にも通らなくなります。

「直前直左視界」が確保できないときはミラーを追加

直前直左視界(ちょくぜんちょくさしかい)とは、車両の前方と左方の30cmのエリアに設置された直径30㎝、高さ1mのターゲット(子供を想定)を運転席から確認できるかどうかの車検項目のひとつのことです。

車種によっては、直前直左視界が確保されず車検に通らない恐れがあるときは、ミラーを追加するなどの対処が必要となります。ちなみに、ダイハツ新型ハイゼット カーゴ、アトレーは、直前直左視界が確保できるよう、最初から左側ドアミラーにそれ用のミラーが追加されています。

スバルサンバー リフトアップ

直前直左視界を確保するために追加されたミラー

筆者が選んだ軽バン・軽トラリフトアップ・ショップ

筆者が選んだ軽バン・軽トラリフトアップ・ショップは、千葉県は成田空港近くの多古町にある「フォレストオート・ファクトリー」。このショップでは「FAFリフトアップスプリング」を開発、販売しています。また、交換も実施してくれます。

フォレストオート・ファクトリー店舗外観。

このショップを選んだ決め手は、口コミの中で、赤帽の運転手が乗り心地と操縦安定性の改善のために「FAFリフトアップスプリング」を選んだこと。赤帽はずっとスバル・サンバーを指定車両にしており、筆者も同じ車種です。また「千葉県ものづくり認定製品」に選定されたことや、東京オートサロン2022に出展した車両が、軽自動車部門の最優秀賞を受賞(受賞車は軽バン・軽トラリフトアップ車ではありませんが)したことなど、信頼性が高かったからです。そして、コイルスプリングの交換だけで済むところもポイントで、商品代金とスプリング交換作業などの総費用が安かった(総計59,600円)ことも決め手でした。

FAFリフトアップスプリングは、スプリング交換のみでショックアブソーバーの交換が不要で、35mmの車高アップが実現できます。また、前述した乗り心地と操縦安定性のトレードオフ関係を追求、スプリングレートや素材にこだわり、乗り心地と操縦安定性を両立させているのがうたい文句です。

FAFリフトアップスプリング装着後。スプリングはシルバー塗装。これは社長のこだわり。赤や黄色などのこれみよがしな派手さがなくて良い。

【動画】リフトアップスプリング交換作業の様子・リフトアップ前後比較・フォレストオート社長直伝のリフトアップのポイント

車高を上げることが目的ではなく乗り心地・操縦安定性の改善にリフトアップ・スプリングへの交換もアリ

筆者のスバル・サンバーバン(TV2型)を、フォレストオートさんでFAFリフトアップスプリングに交換してみたところ、乗ってすぐに、操縦安定性が改善されたことと、乗り心地が軽バンとは思えないような上質なものに変わったことに気づきました。最初の交差点を曲がったとき、いつもはあった揺り戻しがなくなっていました。その後の高速道路走行では、車線変更時の安定性と、直進安定性が向上していることに気付きました。

車高を上げることが目的ではなく乗り心地・操縦安定性の改善にリフトアップ・スプリングへの交換もアリですね。

【動画】FAFリフトアップスプリングを装着した現行モデルの軽バン・軽トラ全試乗

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今回までの散財記録

FAFリフトアップスプリング ¥39,800
工賃(トーイン・光軸調整込み) ¥19,800
合計 ¥59,600
これまでの散財合計(車両価格含む) ¥773,654
これまでの散財合計(車両価格含めず) ¥273,654

(文・撮影:宇野 智《撮影協力:フォレストオート・ファクトリー》

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※この記事は、2023年1月時点での情報で執筆しています。

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