タイヤ交換はどこが安いのか？やはりネット？安けりゃいいってもんじゃない、その危険性とは？

カーライフを賢く楽しむクルマの故障・修理・整備

2023.04.16
2023.10.11

坪内英樹

タイヤ

タイヤ交換はどこが安いのかと、クルマを所有している多くの人が悩まされたことがあるのではないでしょうか？タイヤは最も代表的な消耗部品のひとつで、乗用車の場合、4万km前後走行すると交換時期となります。またゴム製品なので、走行距離が少なくてもゴムが劣化して性能が落ちていきます。そんな消耗品にも関わらず、交換するとなると数万円の出費となるので、多くのユーザーはできるだけ安くタイヤ交換したいと悩まされることになるのです。ここでは様々なタイヤ販売店での販売価格の傾向や、利便性などをレポートしたいと思います。

タイヤ交換はどこが安いのか？

一般的にタイヤ交換は、ネットショップで購入して持ち込みでの交換依頼が安いです。

といっても常にそうとは限りません。どの販売形態でもセール期間などの安売りイベントを開催することあり、そんなときの販売価格は、かなり安価に設定していることが多いからです。

しかしセール期間にタイミングよくタイヤ交換することになるのならいいのですが、世の中はそんなにうまく回っていません。

ここではそれぞれのタイヤ販売店の日常的な価格設定や、交換時のメリット・デメリットを書いてみようと思います。

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ディーラー

販売価格は最も高いです。また基本的には純正タイヤへの交換となるので、銘柄も選べません。しかも純正タイヤ＝純正部品となるので、割引されないことがほとんどでした。

しかしタイヤは、安いところで交換するのが一般的となってきてからは、ディーラーでも純正相当の安いタイヤを扱うようになりました。

そんなディーラーでタイヤ交換するメリットは、手間を省けること。タイヤ代や交換工賃を気にしなければ、タイヤ交換を依頼するだけで新車と同じ品質の保証されたタイヤに交換してくれます。

デメリットは、価格が高いということの他に、自分の好みや希望を反映できないということ。「もう少し食いついて欲しい」とか「もう少し乗り心地をよくしたい」という希望を反映してもらえないのもデメリットとなります。

またタイヤの在庫はしていないことがほとんどなので、当日にタイヤ交換できることはほぼないと思っておいて間違いありません。

タイヤメーカー直系専門店

販売価格は平均的なものといえるでしょう。好みのタイヤメーカーがあれば、タイヤメーカー直系専門店を選ぶのはいいかもしれません。

というのも、同じサイズであれば、価格が高いほど、高性能なものと理解すればいいので、「どちらのタイヤにするか？」と悩むのは価格面だけで済むからです。

またタイヤメーカー直系専門店だけに、スタッフさんたちのタイヤに関する知識も豊富です。「もう少し○○なタイヤが欲しい」なんていうときに、より細かくアドバイスをしてもらえるはずです。

そんなタイヤメーカー直系専門店でタイヤ交換するメリットですが、前述したきめ細やかなアドバイスのほかに、タイヤの在庫量が豊富なので、その場で交換してもらえる可能性がとても高いです。

また専門店だけに、タイヤ交換の技術レベルが非常に高いのもメリットとなります。タイヤチェンジャーというタイヤ交換専用の機器を使って行うタイヤ交換ですが、作業者の作業レベルで、走行性能などに差が出ることはあまり知られていません。

例えばホイール側のタイヤとの接触部の清掃などは行われないのが普通ですが、メーカー直系専門店の場合、そこに異物があるとエア漏れなどが起きやすいことを当然知っているので、しっかりと清掃してから組み付けられることが多いです。このほかにも様々なタイヤ交換時のノウハウを駆使して作業を行ってくれるはずです。

デメリットは、他メーカーのタイヤを取り扱っていないことです。同クラス（同価格帯）のタイヤ同士を比較して選べないのはメーカー直系故のデメリットとなります。

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カー用品店

カー用品店のタイヤの販売価格は、安いモノとそうでないモノが混在しています。これはタイヤを安さで選ぶ人が多いので、客寄せの意味も含めて、安くできるモノに関しては、かなりの安値で販売しています。しかしすべてのタイヤがその割引感で買えるかというとそうではありません。ほかの販売形態の方が安い銘柄のタイヤも多数あります。

カー用品店は、様々なタイヤメーカーのタイヤを取り揃えています。もちろんすべてを網羅しているワケではありませんが、現物を見ながら多くのタイヤを選べるのがメリットといえるでしょう。またその在庫に関しても、人気の銘柄や価格帯のものであれば在庫されている場合が多く、その場ですぐにタイヤ交換してもらえます。

デメリットに関しては、銘柄指定でタイヤを選ぶ場合に必ずしも安いとは限らないということ。また様々なメーカーのタイヤをそろえていながらも、利益率の高い商品を勧められることもあります。

ガソリンスタンド

セルフのガソリンスタンドが増え、給油以外のサービスを行わない店舗が圧倒的に多くなった昨今ですが、今でもピットを残している店舗はカーメンテナンスにも力を入れており、そういった店舗ではタイヤ販売も積極的に行っています。

とはいえ燃料の販売がメインであり、タイヤの在庫量はそれほど多くはありません。在庫しているのは人気車種の標準サイズとなるので、それ以外のサイズの場合は取り寄せとなるのがほとんどでしょう。販売価格は、平均的かやや高めが多いです。

メリットは、例えばパンクしてしまった場合に適用サイズの在庫さえあれば、その場で交換してもらえること。ほかの販売形態でもそれは同様ですが、店舗数も多く、営業時間（ピット作業の対応時間）も長いのがガソリンスタンドの強みとなります。

整備工場

街の整備工場はタイヤ交換の安さと安心感のバランスの点から、穴場と言っていいかもしれません。整備工場は基本的にどのメーカーのタイヤでも仕入れることができます。また工場によっては特定のタイヤメーカー・ブランドにコネがあって、意外と安い値段で売っていることもあります。

タイヤの組み付けや交換作業などは整備工場の得意分野、タイヤを買えば作業工賃も割安で行ってくれることも。難点は付き合いのない整備工場だと、敷居の高さを感じる点かもしれませんが、そんな場合は以下のカープレミアガレージから問い合わせてみてはいかがでしょう。少し宣伝が入りました（笑）。

ネットショップ＋持ち込み

販売価格で比べれば、ネットショップが最安となるのは間違いないでしょう。店舗の固定費などの経費を最小限にすることや、大量仕入れを行うことで、販売価格を可能な限り安くしているので、ほかの販売形態よりも安いのが最大のメリットとなります。

デメリットとしては、タイヤの特徴などのアドバイスが望めないことや、注文から交換までにタイムラグが大きい、タイヤ価格は安いものの、送料が上乗せされるなどがあります。

またタイヤ交換作業を行ってくれる場所を自分で見つけなければならないので、そういったツテがないユーザーにとっては敷居の高い購入方法です。

しかし昨今ではネット通販購入のタイヤを持ち込みでタイヤ交換してくれるタイヤショップも増えています。また大手通販サイトによっては、指定タイヤ取り付け店でのタイヤ交換をオプション設定しており、それを利用すれば、ネットショップ購入も敷居の低いものとなります。

タイヤ専門ネットショップ

クルマのタイヤを専門に扱うネットショップは大小様々ありますが、ここでは最大規模となるタイヤフットとオートウェイについて書きます。

タイヤフットは国産メーカーの取り扱いも豊富で、交換作業を依頼できる提携タイヤ取付店も十分な数があります。

オートウェイは、輸入タイヤを得意とするネットショップです。輸入タイヤといってもアジア圏のメーカーで、クルマに詳しくない人にはあまり馴染みのないものとなりますが、価格は国産タイヤよりもかなり安いものが多いです。こちらも交換作業を依頼できる提携タイヤ取付店の数は十分なものとなっています。

どちらも購入したタイヤが予約した日時までに指定したタイヤ取付店に配送されているので、タイヤ交換するクルマとともに指定したタイヤ取付店に行けばいいというのが大きなメリットです。対してタイヤ注文からタイヤ交換までに要する時間が１週間程度掛るのがデメリットといえます。

楽天・ヤフーショッピング

楽天やヤフーショッピングでもタイヤは多数販売されています。モール型EC店は価格競争が熾烈なので、最安の販売価格で購入できます。

購入時には送料が掛かりますが、その送料を加算しても、実店舗の最安値よりも安くなることがほとんどです。

タイヤ交換については、楽天の場合は「楽天Carタイヤ交換」というサービスを用意しています。これは同サービスの提携タイヤ取付店でのタイヤ交換がオプションとして選べるものです。提携タイヤ取付店の数は十分ありますので、自分でタイヤ取付店を探す手間は省けますし、タイヤ取付店にタイヤを直送してくれるので、タイヤを自ら持ち込む必要はありません。

ヤフーショッピングの場合は、出品商品として持ち込みタイヤ交換のサービスが販売されています。こちらもタイヤ本体同様に販売価格が競争となるので、かなり安い価格で交換してくれるところもあるようです。

デメリットといえば、タイヤの発送先をタイヤ取付店に指定する必要があるということでしょう。その一手間が、意外と面倒かもしれません。

Amazon

アマゾンは国産でも輸入品も様々なタイヤや最安価格で販売されています。販売価格だけに注目すると他のネットショップよりも高い場合もありますが、送料が追加されないプライム会員であれば、最安となることがほとんどです。

取付に関しても、ゴーゴーガレージというタイヤ取付サービスが用意されています。このサービスは自宅から8km以内にあるタイヤ取付店で作業するというもので、店舗は選ぶことができません。またタイヤをタイヤ取付店に直送することもできないので、自宅に届いたタイヤをクルマに積んで持ち込む必要があり、少々面倒な部分もあります。

タイヤ交換は安けりゃ良いってもんじゃない、その危険性とは？

消耗品にして、交換時にはそれなりの額の出費が必要となるタイヤ交換だけに、安さを重視してしまいがちです。

もちろん同じ品質のタイヤ、同じクオリティの交換作業であれば、安い方がいいというのは間違いありません。しかしタイヤも交換作業も質を落とすことで、安くなっていることも多々あります。

タイヤであれば、昨今品質が上がっているといわれる格安輸入タイヤにしても、一流ブランド品と比べれば、性能や質がまだまだ低いことが多いです。そういったタイヤは近所使いがメインのクルマであれば十分に満足できることの方が多いでしょう。しかし雨の山岳部を抜ける高速道路などタイヤの性能が試されるようなシチュエーションを走ることが多い方であれば、高いタイヤを買えばよかったと後悔するかもしれません。

タイヤ交換にも質はあります。前述したタイヤメーカー直系タイヤショップなどは、交換作業の質が全般的に高いことが多くなります。

例えば、ホイールのリムとタイヤが接する部分を清掃するという一手間を省いてタイヤ交換することは可能ですし、それにより眼に見えるトラブルが発生することはほとんどありませんが、異物が挟まっていればタイヤの真円度は微妙に狂います。またエア抜けもしやすくなります。エア抜けはごくわずかなので気付きづらいレベルですが、いつの間にかタイヤの空気圧低くなり、それが元でバーストしてしまうこともあります。

小まめに空気圧を確認する人であれば問題ありませんが、クルマのメンテナンスは人任せという人は、値段だけでタイヤサービスを選ぶのは避けた方がいいでしょう。

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