現在の軽自動車の主流となっているのが、1.7mを超える全高を持つスーパーハイトワゴン。タントはその競争激しいジャンルに投入される、ダイハツの主力モデルです。ターゲットは、子育て世代と高齢者。なぜこれらの人々に支持されるのかを解説しましょう。
【サマリー】3代目はこれまでと同様に標準車とカスタムを設定し、幅広いニーズに応える
全幅×全高が制限される軽自動車で、高さ方向に余裕があるスーパーハイトワゴンは現在最も人気のあるジャンルです。
タントはその中でも他車にはない大きな特徴を持っています。それが、2代目に引き続き採用されたミラクルオープンドア。センターピラーレスとすることで大きな開口部が得られ、乗降性に優れることから小さな子供を持つファミリーや、足腰が弱い高齢者を乗せるのに適したモデルとなっています。
また、標準車に加えて、メッキパーツを多用した「カスタム」をラインナップするのも特徴。軽自動車でも、高級感やカッコ良さを重視する若い世代に向けた、文字どおりカスタムモデルとなっています。
【外観スタイル】プレーンなタント、メッキで飾ったカスタムの2タイプを用意
タントとタントカスタムでは、デザインテイストが大きく異なります。丸みを帯びたグリルやヘッドライトを採用するタントは、誰にでも好かれる親しみやすいデザインを採用。一方カスタムは、各部にメッキパーツを用いることで存在感を高めています。
3,395mmの全長、1,475mmの全幅は多くの軽自動車に共通しますが、タントの特徴は1,750mmという高い全高。背の高いボディは本来、重量増となりますが、ボンネットやフロントフェンダー、バックドアなどに樹脂を用いることで軽量化を達成しています。また、バックドアにはスポイラーを内蔵し空力性能も高められています。
【インテリア】軽自動車とは思えない圧倒的な居住性と乗降性
タントの自慢は、後席で大人が楽に足を組めるほどの居住性。助手席には380mmというロングスライド機構、後席は左右独立の240mmスライド機構を採用しています。
運転席シート高は多くの女性が楽に乗り降りできる677mmに設定。助手席側がフルオープンになるミラクルオープンドアなども特徴で、助手席の肩口には高齢者などが乗降時につかまるためのグリップも装備しています。
なお、タントは明るいベージュ内装、カスタムはシックなブラック内装と差別化されていますが、インパネ周辺のデザインは基本的に共通となります。
【走り・燃費】658cc自然吸気エンジンは28km/Lの省燃費性能を実現
エンジンは52馬力の658cc自然吸気(NA)と64馬力の同ターボを用意。NAのFF車は28km/L、ターボ車も26km/Lという優れた燃費性能が自慢です。組み合わされるミッションは全車CVT。サスペンションは、フロントがストラット、リアはトーションビームで、背の高いボディに合わせFF車はフロントにリバウンドスプリング、リアにスタビライザーを追加してロール剛性を高めています。
【安全装備】追突被害軽減ブレーキや横滑り防止装置を備えたスマートアシストを採用
低速域での追突被害を軽減する自動ブレーキや、誤発進抑制機能、横滑り防止装置など4つの機能を持つ「スマートアシスト」を全グレードに設定して安全性を高めたのもタントの特徴。前席のエアバッグは全車標準で、サイドエアバッグはカスタムのRSとXに標準、タントG、X、Lにオプション。また、タントGとカスタムRSにはカーテンシールドエアバッグも設定しています。なお、スマートアシストは年を追うごとに進化していきます。
【グレード構成】発売当初はタント3グレード、カスタム2グレード。のちにタントにもターボ車を設定
2013年10月の発売当初は、全車NAエンジンとなるタントがL、X、Gの3グレード、カスタムがNAエンジンのXとターボのRSという2グレード体系でした。同年12月にはタントにもターボエンジンを搭載するXターボを設定しました。4WDは全グレードに用意されます。
価格は、タントが117〜155万1,000円、カスタムは147〜175万1,000円です。
グレード間の差は基本的に装備によるもので、タントGとカスタムRSには、キーや運転席のスイッチでも開閉可能な両側パワースライドドアを標準で装備。初期モデルでは全グレードにオプションの先進安全装備、スマートアシストは、2015年4月の改良でスマートアシストIIに、さらに2016年11月の改良ではスマートアシストIIIに進化しました。
【マイナーチェンジ&改良一覧】基本設定に大きな変更はないが、時代に合わせて安全装備を進化させる
2013年10月に発売された3代目タント。初代から続く広い室内空間と、2代目に引き続き採用されたミラクルオープンドアを搭載し、使い勝手と燃費性能を高めたことで2014年上半期の全新車販売台数でトップに輝きます。
2014年10月にはそれを記念し、カスタムXとカスタムRSにファブリック×ソフトレザー調シートなどを採用した特別仕様車、「トップエディションSA」を設定しました。
なお、このとき同時に、一部グレードを除いてスーパーUV&IRカットガラス、スーパークリーンエアフィルターなどを標準化し、さらにサイドエアバッグなどの安全装備をセットにしたブラックインテリアパックをタントにオプションで用意しています。
2015年4月には、従来のレーザーレーダーに加えてカメラも搭載することで衝突警報機能を歩行者に対応させ、車線逸脱警報装置も追加したスマートアシストIIを設定。このとき、追突被害軽減ブレーキの作動速度を従来の4〜30km/hから4〜50km/hに拡大し、後方誤発進抑制機構も搭載しました。
また、パワースライドドアにワンタッチオープン機能を追加し、横滑り防止装置を全車標準化しています。
初のマイナーチェンジでは内外装のデザインを変更
2015年12月、初のマイナーチェンジが実施されました。この改良では、カスタムに大型エアロバンパーを採用し、バックドアにはメッキ加飾を追加しています。またタントは内装色を一新し、ホワイトの2トーンカラーを採用するXホワイトアクセントSA IIを新設定しました。そのほか、全車共通としてリアアンダーミラーを標準装備としています。
2016年11月の改良では、スマートアシストがIIIに進化しました。IIIでは、当時世界最小となるステレオカメラを採用し、追突被害軽減ブレーキを歩行者対応に進化。作動速度も、対車両は4〜80km/h、対歩行者は4〜50km/hに拡大しています。
さらに、オートハイビーム、リアに2個のソナーセンサーを搭載して左右後方の障害物検知できるコーナーセンサー、パワースライドドアの予約ロック機能、走行モードをワンタッチで選べるDアシスト切り替えステアリングスイッチも全車に標準装備としました。
2017年12月の一部改良では、4つのカメラで車両の前後左右を映し、真上から見ているような映像をナビ画面に表示するパノラマモニターを採用しました。
【タントのおすすめモデル#1】スマートアシストIIIを搭載した2016年の改良以降のタント
子育て世代にぴったりなタントだけに、安全装備にもこだわりたいところ。そこで、歩行者にも対応した追突被害軽減ブレーキを搭載するスマートアシストIIIを搭載した、2016年11月以降のモデルをおすすめします。グレードは、街乗り中心であればNAエンジンでも十分。プレーンなエクステリアデザインで乗る人を選ばないタントがいいのではないでしょうか。
グレードは装備の違いによるものなので、走りに差はありません。前述のようにスマートアシスト装着車であること以外なら、両側パワースライドドアがあると便利でしょう。なお、ルーフをホワイトとしてほかのグレードと差別化した「ホワイトアクセント」はXのみの設定となります。
【タントのおすすめモデル#2】2016年以降のカスタムRSならオールマイティに使える
もう1台のおすすめは、同じくスマートアシストIIIを搭載した2016年11月の改良以降のモデルで、ターボエンジンを搭載するカスタムRSです。動力性能はグンと高まり、高速道路を使った大人4人でのドライブでも不足は感じません。メッキを使ったエクステリアやブラックの内装は軽自動車らしからぬ上質感を感じさせます。なお、RSはスマートアシストIIIが標準装備となっているので、安心して選ぶことができます。
なお、カスタムRSには特別仕様車として「トップエディション」が用意されていました。このモデルは、専用の大型エアロバンパーやダークメッキアクセントフロントグリル、ダークメッキLEDヘッドライト、マーブル柄のセンタークラスターやファブリックドアアームレストを採用しています。個性をより主張したい人にはこちらのグレードもおすすめします。
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【まとめ】ファミリーに優しい1台だけに安全装備には要注意
助手席側のピラーを廃することで圧倒的な乗降性を実現したタント。3代目はちょうど先進安全装備が進化していく過程で発売されていたこともあり、年式により機能の差が大きいという特徴があります。そのため、中古車として選ぶのであれば、価格よりも年式、装備に注目したほうがいいでしょう。