できるだけ費用を抑えてクルマを購入したいと考えたときに浮かぶのが、中古車という選択肢です。その中でも特に修復歴のあるクルマは安い傾向にあります。しかしなぜ安いのか、修復歴のあるクルマは危険なのかどうか気になっている方は多いのではないでしょうか。安心安全な中古車を購入するには、クルマの状態をしっかりと確認する必要があります。
今回は中古車の「修復歴」の定義や購入時のポイントを解説し、安全な中古車購入をサポートします。
修復歴ありの中古車とは？
「修復歴車」は、一般社団法人自動車公正取引協議会などが定める中古車販売におけるルールによって、表示が義務付けられている言葉です。自動車公正取引協議会の「自動車公正競争規約」では、修復歴とは「車体の骨格に当たる部位の修正及び交換歴」のことと示されています。
つまり修復歴車とは、「修復経験のあるクルマ」ではなく「骨格部分の修復経験のある車」を指します。同規約では、骨格に当たる部位を以下のように定義しています。
（1） フレーム（サイドメンバー）
（2）クロスメンバー
（3）フロントインサイドパネル
（4）ピラー（フロント、センター及びリア）
（5）ダッシュパネル
（6）ルーフパネル
（7）フロアパネル
（8）トランクフロアパネル
引用：自動車公正取引協議会―自動車公正競争規約集
また、修復歴があるのなら事故車なのではないかと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。しかし、事故経験がなくても骨格の修復歴があれば「修復歴有り」と表示されます。一方で事故経験があってもドアなど骨格以外の修復のみであれば「修復歴無し」と表示できてしまいます。
修復歴ありの車を購入するデメリット（危険性）
修復歴のある中古車は新車や修復歴のない車に比べると、多少の危険が伴います。ここでは、修復歴車が抱えるデメリットについて解説します。。
修復しきれないボディのゆがみがトラブルの原因となることも
一般的な車は衝撃をフレームに分散する設計となっているため、事故の被害は衝突部分に収まらず車両全体に及んでいる可能性があります。例えば、ボディ全体にゆがみが発生し、修復しきれずに多少残るケースも考えられます。
車両がまっすぐ走行できない場合、足回りの調整を行い、ホイールの向きや角度を整えるなど整備をしますが、これによりタイヤの片べりが生じたり、左右で摩耗の度合いが変わったりすることもあります。修復歴車を購入する際にはこうした危険を考えなければなりません。
売却時にリセールバリューが低くなる
修復歴車はすでに市場価値が低いため、売却時のリセールバリューが低くなることがあります。価格が安いからといってよく考えずに購入してしまうと、後々後悔することもあるでしょう。修復歴のある中古車を選ばずとも、お得に車を購入する方法はたくさんあります。一括で購入しようとすると高く感じる場合でも、分割やアフターサービスとセットで契約をすると支払負担が軽くなることもあるため、プロの方と相談しながら購入を検討しましょう。
危険な修復歴ありの車は避けよう！購入のポイントとは
基本的に修復歴車の購入は避けましょう。しかし、どうしても買いたいという場合は、これから紹介するポイントを参考に検討することがおすすめです。また修復歴車といっても、一般的には販売店が定める安全基準を満たした上で販売されているため、リスクの小さいものもあります。ここからは、リスクの大きい修復歴車を購入しないための注意点を解説します。
中古車の状態を正確に把握する
まずは、中古車の修復歴の有無を確認しましょう。修復歴の公開は義務付けられており、一般的に、「有り」「無し」と表示されています。修復歴が「有り」だった場合には、修復箇所や修復の程度を販売店に確認してみましょう。ケースにもよりますが、例えばトランクフロアパネルの修復は軽微な部類に入るのに対し、ダッシュパネルであれば非常に大きなダメージを受けたと判断することができます。返答がなかったり、うやむやにされたりした場合は、注意が必要です。
また、どのような修復歴があるのか、安全性に問題はないのかなども購入前に確認し、修復の有無を含めて価格設定の理由に納得できたら購入検討に進みましょう。安心して乗れる車を選ぶときには、価格など表面的な要素だけでなく、理由など具体的なポイントまで把握することが大切です。
お店選びも重要
中古車購入では、お店選びやスタッフとのコミュニケーションも大切なため、自分に合った販売店を探して購入しましょう。
販売店によっては修復歴があるクルマを「修復歴無し」と表示していることがあるため注意が必要です。安全に購入するためには、自動車公正取引協議会など第三者機関に属しているかなどを確認するといいでしょう。
また、修復歴の有無の表示は、自動車公正取引協議会などが会員事業者に求める義務です。「修復歴有り」と表示されている販売店は第三者の基準に従った表示をしているため、信頼することができます。
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まとめ
今回は、修復歴のある中古車を購入する際のポイントや危険性について解説しました。中古車市場における修復歴車とは、骨格部位の修復歴があるクルマを指します。そのため、ドアなどフレーム以外の修復歴があっても、「修復歴無し」と表示されます。中古車購入時には、修復歴の有無だけでなく、クルマの状態や価格設定の意味なども確認しておきましょう。
また、安全安心な中古車購入では、販売店選びが重要なため、誠実な対応をしてくれる販売店で購入しましょう。
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