スタッドレスタイヤは低温でも硬くなりにくいゴムを使い、エッジ効果で駆動力と制動力を高めています。そのため、「走る・曲がる・止まる」というタイヤの基本性能を雪道でも保つことができるのです。
今回は、冬の積雪や凍結にも有効なスタッドレスタイヤの基本性能や交換時期を詳しく解説していきます。
サマータイヤからスタッドレスタイヤに交換する時期の目安
スタッドレスタイヤが必要な時期は当然ながら冬です。まだ暖かいから大丈夫だろうと交換をしていないと、急な積雪や凍結でクルマを動かせなかったという経験をした方もいるのではないでしょうか。サマータイヤからスタッドレスタイヤに交換するのに最適な時期があることをお伝えしていきます。
路面が凍結する前に交換する
一般的には、降雪が予想される1ヵ月前を目処に交換することがおすすめです。その理由を紹介していきます。
新しいスタッドレスタイヤの購入
新しいスタッドレスタイヤを購入した場合には、時速60km/hで200km程度の慣らし運転が必要です。この慣らし運転は、タイヤの表面に付いた油や汚れを取り除き、タイヤ表面に刻まれているトレッド面を均一に接地させることを目的とします。そのため1ヵ月前を目処に交換した方が良いでしょう。
気温と路面温度の違い
「明日の気温は氷点下になる」といった天気予報を聞くと道路の凍結が気になるものです。しかし、注意しなければならないのは気温ではありません。水が氷になる温度は0℃ですが、路面凍結は一般的に気温が3℃を下回ったら起き始めると言われています。気温が0℃を超えている場合でも凍結の恐れはあるため、降雪の1ヵ月前を目処に事前交換をしておくと良いでしょう。
地域ごとの交換時期の目安
日本では居住地域によって積雪の時期が異なるため、スタッドレスタイヤの準備の時期も地域によって変わります。例えば北海道や東北地方では凍結を迎える季節も早く、10月には準備をする必要があります。
関東、北陸では11月、その他の中国、近畿、中部地方では12月までを目安に交換が必要です。また気候は毎年変動があるため、気象庁の各地の気象台が発表している「霜・雪・結氷の初終日と初冠雪日」を参考にすると良いでしょう。
スタッドレスタイヤからサマータイヤに交換する時期の目安
冬場に活躍するスタッドレスタイヤですが、使用には適切な時期があります。ここでは、スタッドレスタイヤを履き続けることで起きる悪影響と交換時期、またタイヤの保管方法について解説していきます。
3月から4月までにはサマータイヤに戻しておくのが良い
タイヤに使用されているゴムには、気温が高いと柔らかくなり、気温が低いと硬化するという特性があります。これに対してスタッドレスタイヤは、低い気温でも耐えられる硬化の少ない柔らかなゴムを使用しています。そのため、気温が暖かくなってもスタッドレスタイヤを履き続けることで以下のようなリスクがあります。
・ブレーキの効きが悪化する
乾いた路面を走行することで、摩耗が進みタイヤの変形を起こしやすくなり、トレッドと呼ばれるタイヤの溝が変形し、ブレーキの効きが悪くなってしまう。
・ステアリングの操作性が低下する
タイヤが柔らかいとコーナリングで安定性を欠き、食いつきが悪くステアリングの操作性を低下させることにつながる。
・ハイドロプレーニング現象の誘発
スタッドレスタイヤの柔らかさからトレッドが変形し、本来ならばタイヤの縦にあるべき深い溝がなくなる。この溝は水の通り道となっているもので、なくなることによって水の上を滑っているような状況になり、摩擦力が失われブレーキが効きにくくなる。
取り外したスタッドレスタイヤの保管方法
スタッドレスの保管方法は、通常のタイヤと同様です。
水洗いと乾燥
使用したタイヤには油分やホコリなどが付着しているので、水洗いをしっかりと行いましょう。また、水洗い後の水分もタイヤの変形につながるため乾燥を怠らないように注意が必要です。
保管場所
保管場所は風通しの良い冷暗所がいいです。ベランダなどで保管する場合に気を付けることは、遮光性や防水性のあるタイヤカバーをかけておくこと。ゴムの劣化を防ぐには、個別に袋詰めすることが重要です。タイヤをじかに置いて保管すると、ゴムの成分が染み出し色移りしてしまうため、床や壁などタイヤが直接触れる部分には段ボールや板などを挟んでおくようにするといいです。
横に寝かせて保管をする
ホイールをはめたまま保管する場合は、ホイールの重さでタイヤが変形することもあるので、横に寝かせ、積み上げての保管がおすすめです。また空気を半分ほど抜いておくとタイヤへの負荷が軽くなります。
タイヤ保管サービスの利用
自宅にタイヤ保管のスペースがない場合には、タイヤの保管サービスを行っている業者に依頼することもできます。
スタッドレスタイヤの寿命について
タイヤには寿命がありますが、サマータイヤとスタッドレスタイヤでは、ゴムの硬さによって異なります。一般的にサマータイヤは約5年、スタッドレスタイヤは約4年です。安全なタイヤを使用するために確認すべきチェックポイントをご紹介します。
法律では溝の深さが1.6mmで交換とされている
道路運送車両の保安基準第9条には、全車両においてタイヤの溝は1.6mm以上と規定されています。また高速道路ではクルマのタイプによってタイヤの使用限度が異なり、乗用車は1.6mm、小型トラックは2.4mm、トラックやバスは3.2mmです。
タイヤには、残り1.6mmを知らせるために三角印のスリップサインが現れる仕組みが採用されています。この三角印が1つでも出ると危険なため、普段から点検を心掛けましょう。
グリップ性能を考慮するなら新品時から50%の摩耗で交換
スタッドレスタイヤには他のタイヤにはないトレッドパターンがあり、摩耗するとグリップ力が低下し、降雪や凍結時にスリップする危険が高まります。新品で装着してから、50%の摩耗が見られた場合には交換するほうが良いでしょう。
サマータイヤでは「スリップサイン」と呼ばれる三角印が、スタッドレスタイヤでは「プラットフォーム」と呼ばれています。突起によるサインで見分けることが可能です。
スタッドレスタイヤの交換時期が来たらカープレミアガレージに依頼しよう
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まとめ
タイヤの交換は面倒なものと思われがちですが、路面によって必要なタイヤは異なります。また環境に適していない、減り過ぎたタイヤは危険です。命を守るパーツのひとつとして適切な時期に交換することを心掛けましょう。