試乗レポート「ホンダ シビックスポーツハイブリッド」SUV全盛の時代、スタイリッシュなファストバックは魅力的な存在(嶋田智之)

クルマを選ぶ 試乗記

2021年9月に登場したシビックに追加設定されたホンダ独自のハイブリッド「e:HEV」搭載車に嶋田智之氏が試乗。歴代シビックに思いを馳せつつ、最新シビックのハンドリングやパフォーマンスなどをレポートします!

ほとんどの人がどこかのタイミングで意識した、『シビック』という存在

初代シビック

ホンダ シビックはこの2022年、生誕50周年を迎えました。初代がデビューしたのは1972年。そのころ、僕は小学校の低学年。いや、トシがバレちゃいますね、というようなアホなことを言いたいわけではなく、当時の男の子としては当たり前にクルマが好きだった僕の目に、初代シビックはとっても新鮮に見えた、ということを言いたかったのでした。

そのころ、近所のおじさんたちが乗っていたクルマは、トヨタ カローラや日産 サニーあたりがいいところ。そんな中に登場した当時としては珍しいハッチバックスタイルのシンプルで穏やかな姿のシビックは、何だか楽しいことが始まりそうな予感があり、やけに魅力的に思えたものでした。

3代目シビックSi

次に心惹かれたのは3代目。1983年のデビューから1年と少し後に追加された、1.6リッターDOHCエンジンを積んだシビック『Si』でした。

エンジンのサウンドが刺激的だったり速かったりで、免許を取ってクルマを買ったばかりの僕は買い換えることもままならず、かなり悔しい思いをさせられたものでした。しかもグループAカテゴリーのツーリングカーレースで大活躍を収めたのですから、なおさらです。

人によってはSiじゃなくて、後の『タイプR』かもしれません。そうしたスポーツモデルじゃなくて、スタイリッシュなセダンの『フェリオ』かもしれませんし、5ドアワゴンの『シャトル』だったかもしれません。

そんなふうに世代や好みで違いこそあるでしょうが、おそらくほとんどのクルマ好きが、どこかのタイミングで『シビック』という名前を意識してきたはずなのです。だから、50年もの長きに渡ってその名前が受け継がれ続けてきたのです。

11代目シビックの真打ちが登場!

50年目を迎えたタイミングで販売されているのは、2021年にデビューした11代目。もはやとっくに初代が属していた小型車クラスからは卒業していて、立派なミドル級。ボディサイズは全長4,550mm、全幅1,800mm、全高1,415mmです。シビック=CIVICは英語で「市民の」を意味する言葉ですが、現代の市民にとってはこのくらいの大きさが必要ということなのかもしれませんね。

『爽快シビック』のコンセプトのもと、日本では5ドアハッチバックのみの展開です。デビュー当初は182psに240Nmの1.5リッター直噴ターボにCVTと6速MTの2本立てで、シャシーも思いのほか締まりがよく、ほどよくスポーティ。加減速に不満らしい不満はなし、すっきりと気持ちよく曲がれて、『爽快』というキーワードに似つかわしいクルマに仕上がっています。

でも、真打ちはこっちなのかもしれません。この初夏にラインナップに加わったハイブリッドモデル、『シビックe:HEV』です。

e:HEVというのは、走行用と発電用のふたつのモーターを内蔵したCVTをガソリンエンジンに組み合わせる、ホンダ独自のハイブリッドシステムの名称です。

シビックe:HEVには、その最新版が搭載されています。エンジンは新開発の2リッター直噴で、こちらは141psと182Nmを発揮します。駆動用モーターは184psと315Nm。これがくっきりと印象に残るほど好感触でした。かなりパワフルだし、きわめて滑らかだし、何よりドライバーの意志と予想をまったく裏切ることなく反応してくれるのです。

発進時や微速域での力強さは充分以上だし、といってモーターがドンと過剰に力を伝えてくることもないし、加速の伸びもニンマリできるくらい気持ちいい。そしてアクセルを戻したときの回生による減速感にも不自然さはない。扱いやすく、自然で、力強く、そして速さもあるのです。

もちろん基本的にはモーター走行が中心で、登り坂で負荷がかかったときや強い加速を必要とするときにはモーターとエンジンの二丁がけとなり、高速巡航ではエンジンがメインになりと、モードは走行環境やドライバーのペダル操作の度合いなどによって巧みな切り替わりを見せます。でも、それを意識させられることはほとんどありません。切り替わりはシームレスに行われるし、基本、静かだからです。日常的な走行では、ちょっとした高級感すら感じられるほど。

走行中のノイズを打ち消してくれるシステムを搭載

アクティブノイズコントロール 作動イメージ

でも、それだけだったら「よくできてるね」なハイブリッドシステム。新しいシビックのe:HEVは、ひと味違います。スポーツモードをチョイスしてアクセルペダルを踏み込むと、「ウソでしょ?」というくらいの快音が車室内に広がります。もともとエンジンそのもののサウンドも快い方ではあるのですが、それを『アクティブノイズコントロール』と『アクティブサウンドコントロール』が後押ししてくれるのです。

アクティブノイズコントロールは、車室内の騒音をマイクでピックアップして、それと逆位相にある音をスピーカーから出して騒音を打ち消していくシステム。車室内が静かに感じられるのは、このシステムの恩恵も小さくないでしょう。

アクティブサウンドコントロール 作動イメージ

加えてアクティブサウンドコントロールがもともとのエンジン音を活かしつつ不足している部分を補って、聴かせる音を構築します。つまり、雑味を消して味つけをする、といった感じ。

人工的なものだとわかっているし、最初のうちは「いくら何でもいい音つくりすぎじゃないか?」なんて思ったりもするのですが、いつしか気持ちが高揚させられちゃっているのです。

しかも、CVTによる無段階変速だから本来ならサウンドは単調に高まって単調に響くだけのはずですが、まるでギアが切り替わってエンジンの回転数が変化するような、リズミカルなサウンドを聴かせてくれるのです。

加速時に高回転までエンジンを回していくと車速は直線的に伸びていくわけですが、その伸びをまったく変化させないまま、燃料と点火を瞬間的にカットすることで、ギアが切り替わる様子を演出しているのですね。しかもだいぶ自然な感じで。

これも人工的なものだとわかっていながらいつの間にかニヤリとさせられちゃう仕組み。こういうクルマ好きの気持ちに寄り添おうとしてくれるあたり、実にホンダらしいな、と思うのです。

過激さはないが、素直で正確な走りが持ち味

それもさることながら大きく感心させられたのは、その楽しさや気持ちよさを何の不安もなく堪能させてくれる、懐深いシャシーでした。

リアシートの下側にリチウムイオンバッテリーを内蔵するインテリジェントパワーユニットをマウントすることなどで車重がガソリンエンジン搭載車よりおよそ100kg重く、またとりわけリア周りの重心が低くなり、補強が入って高剛性化したことなどが効いているのでしょう。

またサスペンションをそれに合わせてセットしなおし、タイヤに専用開発品をおごったことも効果的だったはずです。e:HEVの乗り味は、ガソリンエンジンのシビックより上質で快適といえるものでした。

試乗したエリアには路面が荒れているところも少なくなかったのですが、路面のデコボコやザラつきなどをやわらかく吸収し、不快なものとして伝えてこなかったのです。印象としては、マイルドにしてしなやか。シビック史上、「最も快適で最も洗練された乗り味なのじゃないか?」と思えたのです。

快適なだけじゃなく、ハンドリングも結構なものでした。少しも過激なところがなく穏当といえる性格で、まろやかで滑らかなフィールのステアリングを切り込んでいってもクイックな動きを見せたりはしませんが、といって遅れが出るわけでもなく、切った分だけ正確に反応して、前輪がしっかり路面を捕らえて曲がってくれる感じです。

その様子がステアリングを通じてちゃんと伝わってくるし、コーナリング中の車体の傾きも上手に抑えられているうえ動きに唐突なところがないから、安心してペースを上げていけるのです。ペースをもっと上げていけばいずれタイヤのグリップの限界に近づくわけですが、そこもかなりつかみやすいし、ジワッと滑るときの動きも穏やかな部類。

味つけそのものはエンターテインメント性に満ちたスポーティなものというわけではないのですが、クイックすぎないちょうどよさ、入れたい分だけノーズが入る正確さ、車体の動きがつかみやすい饒舌さ、不安を感じることのない安定感といった諸々が渾然一体となって、総合力でドライバーに楽しさや気持ちよさを感じさせるような、大人っぽいスポーティさ。そんな味わいが、そこにはあったのです。

普通に走って気持ちいい。この感覚を大事にしたい人におすすめ

シビックeHEVは『爽快』か?

もちろんです。ガソリンエンジン搭載車よりも、むしろそこは色濃い感じさえ受けました。

この9月、スポーティであることに関してはホンダ随一どころか日本でも屈指の存在である、シビックタイプRが発表されました。そちらは未試乗ではあるのですが、スペックを見る限り、一般道ではパフォーマンスを持て余してしまいそう。それに「そこまでの速さは必要ないんだよな」なんて人も、実は少なくないことを僕は知っています。

「普通に走って気持ちよければそれでいいんだよ」っていう感覚。そこを大切に感じている人には、まさしくこのシビックe:HEVがいい相棒になってくれるだろうと思うのです。SUV全盛の時代だからこそ、

逆にこういうスタイリッシュなファストバックを選んでみるのも、粋に見えていいかもしれませんよ。

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※この記事は2022年9月現在の情報に基づいています。

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