プロが選ぶ「カッコいい輸入車」3つのスタイル&おすすめ9車種

クルマを選ぶ テーマ別特集

国産車にはないデザインが目をひく輸入車。その見た目だけでなく、機能や性能もメーカーや車種によってそれぞれ個性があり、選ぶのに苦労しそうなほどバリエーションがあります。そんな輸入車の中から、カッコいいクーペやSUV、セダンを紹介します。

輸入車は日本での人気が右肩上がり

輸入車の販売台数は、景気動向などにより多少の上下こそあれ、長期的には右肩上がりです。これは輸入車ディーラーの数が増えてより身近になってきたことや、故障が減るなどで信頼性が高まったことなどさまざまな理由がありますが、こうして街中で走る輸入車が増えたことで、国産車にはないデザインをはじめ、その魅力に気づき始めた人々が増えているということもあるでしょう。その中で今ならどの輸入車を選べばいいのでしょうか。「カッコいい」をキーワードにクーペとSUV、セダンからそれぞれ3台ずつ紹介します。

各国事情や各メーカーの戦略によって大きさ等が異なる輸入車

「5ナンバーサイズ」が日本にしかないように、各国で車の大きさの区分方法が異なりますが、ここではヨーロッパでよく使われている「セグメント」で見てみましょう。

小さい順にA/B/C/D/E/Fセグメントとなります。Aセグメントは軽自動車サイズで、フィアット500などが該当します。Bセグメントにはフォルクスワーゲン ポロなどがあり、Cセグメントはフォルクスワーゲン ゴルフが代表例です。Dセグメントはメルセデス・ベンツCクラスが、Eセグメントは同Eクラスが属します。Fセグメントはメルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズなどがそれに当たります。

例えばフランス車はCセグメント以下が多いのに対し、メルセデス・ベンツにはBセグメント以下がないなど、各社の戦略によってラインナップが異なります。

日本車では数が少ないカテゴリーでも輸入車なら選択肢は豊富

カッコいい輸入車はたくさんありますが、今回はスポーツカーとSUV、そしてセダンというボディタイプ別に選んでみました。

『スポーツクーペ』

現在国産スポーツクーペは数が減っていますが、輸入車なら駆動方式や機能、価格もさまざまなスポーツクーペが選べます。国産車にはないRRを採用するポルシェ911は伝統的で唯一無二のフォルムですし、MRもランボルギーニガヤルドやフェラーリF8、マクラーレン720S……といった具合。台数が多い分、カッコいい輸入スポーツクーペもたくさんあります。

『SUV』

日本車でも多いSUVも、輸入車には日本車にないデザインのモデルがあります。タフで野性味のあるジープ・ラングラーやメルセデス・ベンツGクラスもあれば、最近日本車でも採用されるようになったクーペ風SUVも、発端はBMW X6からでした。街乗り派向けにコンパクトな2WDのみというSUVもあります。

『セダン』

さらには日本では今一つ人気が薄くなってしまったセダンにしても、輸入車ならまだまだたくさんあります。メルセデス・ベンツ・BMW・アウディのドイツ御三家だけで20車種近くもあるほどです。当然、思わずセダンの価値を見直したくなるカッコいいモデルもたくさんあります。

国産車の数が少ないスポーツクーペ・セダン・本格派SUVからセレクト

今回は国産車だけでは数が少なくて選びにくいであろう、スポーツクーペ/セダン/本格派SUVから、それぞれ3台のカッコいい輸入車を選びました。スポーツカーは国産車にはない大排気量モデルや、MRやRRもたくさんあります。セダンは日本と比べて競合が多いだけに、各社の技術やデザイン力が磨かれています。人気のSUVも、日本では街乗りメインのモデルが多いのですが、現在のキャンプ人気を考えれば本格的な走破性を求める人も多いのではないでしょうか。

快速スポーツクーペ BEST3

日本車にはない大排気量のエンジンや駆動方式を採用するスポーツクーペがたくさんある輸入車。その価格の幅も大きいのですが、今回はスーパーカーのような価格ではない、比較的手頃なモデルをセレクトしました。

第1位「ジャガー Fタイプ」伝統的なFRスポーツカーのフォルムが際立つ

●935〜1587万円 ●全長4470mm / 全幅1925mm / 全高1315mm(P300)

せいぜいボンネットにエアベントがあるくらいで、派手なエアロパーツ等を備えているわけでもないのに、誰が見てもスポーツカー。そのデザイン手腕は見事です

ロングノーズ・ショートデッキという伝統的なFRスポーツクーペのフォルムを持つジャガーFタイプ。後輪で力強く走ることを想起させるように膨らんだリアフェンダーですが、ルーフの後端と最後部は見事にまとまり、その美しいフォルムを完成させています。

そんな見目麗しいボディに搭載されるのは、最高出力575psを発揮する5L V8エンジン+スーパーチャージャーと、2L直4ターボがあります。またV8とV6の一部は、大きなパワーを受け止めるため4WDとなり、トランスミッションは8速ATが組み合わされます。

ルーフラインをはじめ様々な曲線がリアエンドで見事に収束。小さなヒップは優雅であるとともに、相対的にリアフェンダーの力強さを引き立てています

第2位「シボレー コルベット」FRからMRへのイメージチェンジに見事成功

●1180〜1550万円 ●全長4630mm / 全幅1940mm / 全高1220mm

ETCのバーをくぐれそうなほど低い車高と、2m近くある全幅。そんなロー&ワイドなボディがパキッとしたシャープなラインと面で構成され、ライバルにはないカッコよさを生んでいます

初代から受け継いできたFRレイアウトをやめ、現行型の8代目からMRレイアウトを採用したシボレー コルベット。キャビンが大きく前進するなど、当然FRとはデザインが異なりますが、代わりにライバルのMRスーパーカー勢に十分対抗できる高い走行性能と、ライバルとは異なるカッコいい新生コルベット像を一挙に手に入れた、見事なイメージチェンジだと言えるでしょう。

エンジンは6.2LのV8。これに8速AT(2ペダルMT)が組み合わされます。さらに高性能な5.5LのV8エンジンを搭載するグレード「Z06」ももうすぐ導入される見込みです。

第3位「アルピーヌ A110」伝説の名車の面影はそのままにエレガントなMRとなって登場

●799〜864万円 ●全長4205mm / 全幅1800mm / 全高1250mm

丸みを帯びたデザイン、コンパクトなボディは初代を彷彿させるフォルム。けれど懐古主義ではなく、2代目として正常進化したと言えるモダンなデザインです

復活した伝説の名車アルピーヌ A110。初代がRRだったのに対し、MRレイアウトで登場しましたが丸みを帯びた美しさはかつての面影はそのまま。初代のイメージの1つであるフロント4灯もLEDでモダンに再現されています。

フェンダーは膨らんでいますが、決して速さをアピールするような力強さではなく、あくまでエレガントなのがアルピーヌらしさであり、A110らしさ。その控えめなスポーティさがまたカッコいいのです。

ミッドに搭載されたエンジンはルノー・日産アライアンスの1.8Lターボ。最高出力252psと292psの2種類があり、これに7速DCT(2ペダルMT)が組み合わされます。

ファストバック風セダン BEST3

現在のセダンのトレンドは、クーペのような流麗なフォルム。日本車でも多くのセダンが採り入れるようになりましたが、いち早く採用していたヨーロッパのセダンたちはさらに磨きがかけられています。その中からファストバック風のカッコいい3台を選びました。

第1位「フォルクスワーゲン アルテオン」スポーティでエレガントなグランドツアラー

●576.4〜664.8万円 ●全長4865mm / 全幅1875mm / 全高1435mm

下方に配置されたワイドなグリルと、ヘッドライトのまぶたのように上に被さるボンネットが、スポーツカーのようなイメージが演出されています

ベースが実用性の高いパサートとは思えないほど、エレガントな佇まい。低く構えたフロントやクーペのようなルーフラインが、アルテオンが目指した、エレガントでスポーティなグランドツーリングカーというキャラクターを物語っています。またテールゲートが大きく開くため、荷物を載せやすいというグランドツーリングカーとしての実利も。

エンジンは2Lエンジンで、これに7速DSG(2ペダルMT)が組み合わされます。長距離を走るグランドツアラーですから、気候の移り変わりにも対応すべく、走行状況に応じて前後のトルク配分を変える4WDが全車に採用されています。

第2位「BMW 4シリーズグランクーペ」美しいクーペを美しい4ドアクーペに仕立てた

●620〜1005万円 ●全長4785mm / 全幅1850mm / 全高1450mm

最近のBMW車はキドニーグリルを大型化。最初写真で見たときは抵抗感がありましたが、実車を見たらむしろカッコいい。ぜひ実車で確認することをオススメします

BMWを代表するクーペの1つ、4シリーズを4ドア化したのが4シリーズグランクーペです。ホイールベースはそのままに、全長をわずか10mm伸ばしただけ。FRであることを主張する長いボンネット、同社伝統のショートオーバーハング、そしてテールエンドまで続くルーフラインは、どう見てもBMWのクーペです。それで後席の居住性が上がっているのですからそのデザイン力には感服します。

エンジンは2Lターボと3L 直6ターボの2種類。いずれも8速ATが組み合わされます。また2L車は2WD(FR)ですが、3L車は4WDです。

第3位「プジョー 508」フラッグシップでも時代はセダンよりファストバック

●540.6〜607.8万円 ●全長4750mm / 全幅1860mm / 全高1420mm(508GT)

先代の508と比べ、FRではないのにAピラーを後退させてボンネットを長く見せているため、よりスポーティな雰囲気があります。それでも先代より全長は短くなっています

SUV人気の中でセダンも変化しなければならないと考えたプジョー。フラッグシップである508を大胆にもファストバックスタイルとしました。

全高は今回取り上げた3台の中で最も低い1420mm。そんなロー&ワイドなボディにクーペのようなルーフラインが与えられました。さらにフロントでは、最新のプジョーの証である、垂直に走るデイタイムライトが配置されるなど、ドイツ勢とはひと味違う魅力を発揮しています。

エンジンは1.6Lガソリンターボと1.6Lディーゼルターボ、さらに1.6Lガソリンターボ+ISGのマイルドハイブリッド。いずれも8速ATが組み合わされます。また全車2WD(FF)です。

無骨さが街にも映えるSUV BEST3

日本でも人気があるSUVですが、その中心は街乗りを重視したモデル。そのため街に映えるクーペ風などが流行ですが、一方でキャンプへ出掛けるなら本格的な悪路走破性も重要。そこで街にも映え、本格的な走行能力のある3台を選びました。

第1位「ジープ ラングラー」約70年ほとんど変わらぬ普遍的な無骨デザイン

●536〜658万円 ●全長4870mm / 全幅1895mm / 全高1840mm(アンリミテッドスポーツ)

道なき道を走れる走破性は技術の進歩とともに進化。従来3ドアのみでしたが、旧型からファミリーで使いやすい5ドアのアンリミテッドが追加されると、一気に日本でも人気が高まりました

1941年に誕生し、第二次世界大戦で活躍したウイリスMBの直系モデルと言えるのが、ジープ ラングラー。民生用モデルとして販売されたCJシリーズ伝統の7スリットグリルをはじめ、今日まで守り続けられてきたそのデザインはもはや普遍的アイコンですし、それを長年しっかりと受け継いでいる姿も無骨なSUVにふさわしいと言えます。そんな普遍的で無骨なラングラーは、アウトドアだけでなく、街中でも独自の存在感を放つカッコいいクルマです。

エンジンは3.6LのV6と2Lターボの2種類。いずれも8速ATが組み合わされます。4WDは副変速機付きのパートタイム4WDです。

ラングラーのピックアップ「グラディエーター」も発表され、間もなく日本でも販売される予定。トラックになっても、ラングラーはカッコいい

第2位「ランドローバー ディフェンダー」初代のスクエアフォルムをモダナイズして登場

●551〜1171万円 ●全長4945mm / 全幅1995mm / 全高1970mm(ディフェンダー110)

最近は少なくなったスクエア基調のフォルムが逆に新鮮。街にも似合いますが、泥んこまみれになったり、ボンネット付近まで水面下に浸りながら進む姿もカッコいいです

ランドローバーやレンジローバーの祖である旧型ディフェンダー。その悪路走破性が最先端の技術によって大幅に向上したのが現行型ディフェンダーです。旧型の面影を残しつつ一気にモダナイズされたデザインは、人なつっこい印象も。もちろん道なき道をガンガン進める性能は一級品。最大900mmまでの川も渡れて、リアルタイムにボディ下の路面をカメラ映像で確認しながら進めます。

エンジンは3ドアのショートボディである90が2Lガソリンターボ、5ドアのロングボディとなる110が2Lガソリンターボと2Lディーゼルターボ+ISGのマイルドハイブリッド。いずれもトランスミッションは8速ATです。

第3位「メルセデス・ベンツ Gクラス」都会派にも人気の本格的オフローダー

●1251〜2218万円 ●全長4660mm / 全幅1930mm / 全高1975mm

全幅が2m近くありますが、スクエアなフォルムを見下ろせる運転位置のため、意外と取り回しやすいのも都会派に人気の一因です

NATO軍の軍用車として採用されたほど、堅牢なボディと高い悪路走破性を備えているGクラス。2018年に登場した現行型は、見た目はそのままに、中身だけ大幅にアップデートされました。それほどこのフォルムは完成されているという証と言えるでしょう。シンプルかつ無骨なデザインは、街中でもカッコよく映えるとあって、街乗り派にも人気です。

エンジンは出力違いの3Lディーゼルターボが2種類、出力違いの4L V8ツインターボが2種類の計4種類。これに9速ATが組み合わされます。いずれもフルタイム4WDで、フロント/センター/リアのディファレンシャルロックがどんな地形でも走破できる性能をもたらします。

一気に電動化が進む輸入車で、今選ぶべきは内燃機関!?

EUがハイブリッド車も含む内燃機関のクルマを2035年に販売禁止の方針を打ち出すなど、一気に電動化が進んでいる輸入車。Gクラスでさえ電気自動車のコンセプトカーを先日発表したほどです。つまり今回取り上げた輸入車もいずれ消えゆく運命にあり、実際近年は大排気量やV8などの多気筒エンジンがどんどん減っています。

しかし電気自動車はこの先間違いなく乗れるのですから、今のうちに内燃機関のクルマを楽しむという選択が正解ではないでしょうか。

輸入車を選ぶなら国産車にない魅力を探そう

高機能や充実装備がふんだんに備わっていたり、日本への運搬費用がかかるなど、どうしても国産車と比べて価格が高くなりがちな輸入車。そんな高い輸入車を選ぶのですから、国産車にはない魅力のある、カッコいいモデルを選んではいかがでしょうか。

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