【ディーゼルSUV】絶滅寸前?おすすめ人気ランキングは?|2023年版

クルマを賢く買う クルマの購入ノウハウ

「ディーゼルエンジンを搭載したSUVに乗りたい」とお探しのあなた、「ディーゼルSUVってこれからどうなるの?」と絶滅を心配されている方に、カープレミアマガジン編集長の宇野がお答えします。

ディーゼルSUVがなくなりつつありそう?そうでもない?

「2035年EV化法案」とも呼ばれている、EUで2035年までにハイブリッド車を含む内燃機関車(ガソリンエンジン・ディーゼルエンジン)の新車販売を禁止する法案が可決、世の中の流れはEVシフトが確定したようにも見えますが、いっぽうで「急加速したEVシフトに急ブレーキ」という声も目立つようになりました。自動車メーカーという船が、EVシフトの大波に翻弄されています。

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ボルボはディーゼル撤退・ジープは新開発ディーゼルエンジン搭載車を発売

ボルボは、いち早く2017年に全車電動化を宣言、ディーゼル車の日本導入は2020年内で終了しました。いっぽう2022年10月、ジープがブランド初となるディーゼルエンジンを搭載した3列シートSUV『コマンダー』を日本市場でも発売しました。

ジープは、かつてはFCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)の傘下ブランドでしたが、2021年1月にFCAとグループPSA(プジョー・シトロエンオートモビル)と経営統合しました。プジョーはかつてから評価の高いディーゼルエンジンがあり現在も生産されていますので、コマンダーにはそのエンジンが流用されたかのように見えましたが、そうではなくジープが開発したものでした。EVシフトに向かっている中で新開発ディーゼルエンジンを搭載して発売しています(ただ、エンジンの開発は数年で終わるようなものではないので、EVシフトの声が高まる前から開発を進めていたはずです。今このタイミングで売らなければ商機を逃す、という判断があったかも知れませんね)。

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欧州はディーゼル大国、北米ではマイノリティ

欧州の自動車メーカーで、ディーゼル車を販売していないのは、ロールス・ロイスやフェラーリをはじめとする超高級車ブランドや、スーパーカーブランドぐらいで、大衆車を製造販売するメーカーはすべてディーゼル車をラインナップしています。

ディーゼル大国だった欧州は比率減少へ

欧州の乗用車のディーゼル車比率は約3割と、ディーゼル大国でしたが、2021年のEU新車登録台数では、ディーゼル車が19.6%と2割を切り、ハイブリッド車がそれをわずかに上回る逆転減少が起きました。

この背景には、EVシフトがありますが、2025年から実施される次期排ガス規制「ユーロ7」でさらに厳しくなる基準も影響しています。

北米ではディーゼル車はマイノリティー

いっぽう北米市場では、ディーゼルエンジンを搭載したクルマは少数派です。この背景には、北米の排ガス規制ではNOx(窒素酸化物)が欧州の2倍厳しい(欧州はCO2の規制のほうが厳しい)ということがあります。

SUVもガソリンハイブリッドへ?

欧州車メーカーのハイブリッドのほとんどがマイルドハイブリッドです。少し前まではマイルドハイブリッドしかありませんでした。この背景には、欧州は日本よりクルマの平均移動速度が高く、ストロングハイブリッドの恩恵が少ないことと、欧州の燃費規制に対応するには、マイルドハイブリッドで十分(燃費が1〜2km/L良くなればいい)だったということがあります。

マイルドハイブリッドとストロングハイブリッドの違いとは? 

日本では、マイルドハイブリッドの上位互換にストロングハイブリッドがあり、その上位にPHEV、さらにその上にEVがあるという構図になっていますが、欧州では、マイルドハイブリッドの上位はストロングハイブリッドを飛ばしてPHEVという構図になっていました。

しかし、2022年2月にルノーがストロングハイブリッド『E-TECH』を開発し、新型ミドルSUV『アルカナ』に搭載すると発表、予約注文を開始しました。

ルノー アルカナ E-TECH

E-TECHはルノーがF1で培った技術を市販車にフィードバックしたもので、レースマシンぐらいにしか採用されない高効率ですが運転が難しいドグミッション(ドッグクラッチ)をATに組み込んだストロングハイブリッドで、ルノーとアライアンス関係にある日産のハイブリッド技術を採用したものではありませんでした。

ルノー以外の欧州自動車メーカーが、この後続々とストロングハイブリッド車をデビューさせるとは考えにくいですが、EVシフトへ動きつつ、ストロングハイブリッドまでとはいかないものの、高効率なマイルドハイブリッド車もしばらくはシェアの大半を握っていくものと考えています。

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ディーゼルSUVのメリット・デメリット

「ディーゼルエンジンのSUVには、どんなメリット・デメリットがありますか?」は、よくある質問です。

この答えは、ディーゼル車のSUVのメリット・デメリットというより、ディーゼルエンジンそのもののメリット・デメリットと基本は同じです。ただ、強調したいのは「ディーゼルエンジンとSUVは相性がいい」ということです。

SUVと相性がいいディーゼルエンジン

SUVは、ほかのボディタイプと比べると車重が重くなります。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと比べると高回転時のパワーが弱く、エンジン回転数が低くなりますが、トルクは低回転から太くなります。大型のトラックやバスがディーゼルエンジンばかりなのは、その特性があるためで、車重が重くなるSUVでも有利になります。

また、エンジンのレスポンスはガソリンよりディーゼルのほうが鈍くなります。サーキットなどでスポーツ走行をするときは、エンジンのレスポンスは鋭いほうがコントロールしやすく、速く走ることができますが、オフロードでは低い速度域で、ときには歩く速度より遅い速度で悪路を走破しなければならず、エンジンのレスポンスが鋭いと扱いにくくなります。低回転でもしっかりと粘る力強いディーゼルエンジンはSUVに向いています。

さらに、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより燃費がいいということもメリットです。特にSUVでは、荷物をたくさん積んで、アウトドア・レジャーやスポーツに出かけ、長距離ドライブをするユーザーが多くいます。同じガソリンタンク容量なら、ディーゼルエンジンのほうがワンタンクの航続距離が長くなり、給油回数が減るというメリットもあります。

デメリットはディーゼルエンジン固有の性質

メリットばかりのディーゼルエンジンに見えますが、デメリットもあります。

AdBlueが高い、補給がめんどう、なくなると走れなくなる

AdBlue(アドブルー)とは、クリーンディーゼルエンジン車のうち、環境対策のため排ガスに尿素を吹き付けてNOx(窒素酸化物)を化学分解し、無害な窒素と酸素に還元させる尿素SCR装置を採用した車両に使う液体です。AdBlue使用車は、車種や走り方によって変動しますが、10,000〜15,000kmで補充が必要になります。

また、AdBlue残量がなくなると警告灯が点灯し、やがてエンジンを始動できなくなってしまいます。オイル交換のたびに補充していれば問題ありませんが、AdBlueは一度開封すると長期保存できないため、余ったら廃棄になるなどの取り扱いの難しさがあります。

AdBlueは、トヨタ、三菱、メルセデス・ベンツ、BWW、アウディ、フォルクスワーゲン、シトロエンなど多くのクリーンディーゼルエンジン車に採用されています。マツダのスカイアクティブディーゼルはご自慢の低圧縮比技術などのおかげで一部エリア向けを除いてAdBlueは使っていません。

DPF再生時の燃費が悪い

クリーンディーゼル車には、「DPF」と呼ばれる排気ガス中に含まれるPM(粒子状物質)やススを捕集するシステムが搭載されています。このDPFに溜まったススを定期的に高温で自動燃焼させる機能を「DPF再生」といいます。

この高温燃焼には、燃料である軽油を使うため再生時の燃費が悪くなります(車種によって異なりますがマツダの2代目CX-5でテストした時は200~300km毎に5分前後作動、それまで250km走行の平均燃費が15.0km/Lだったのが再生後は14.7km/Lになっていました)。また、水温などの一定条件を満たさないとDPF再生は実施されないため、チョイ乗りばかりを繰り返しているとDPFの詰まりを起こすなどトラブルに繋がる可能性もあります。AdBlueを使っていないマツダのクリーンディーゼル搭載車にも、DPFは搭載されています。

ディーゼルSUVで最もコンパクトとなる『CX-3』

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振動・エンジン音の静粛性はガソリンエンジンに負ける

ディーゼルエンジンは、燃料を圧縮して自然着火させる構造でシリンダー内の爆発力が強く、振動やエンジン音がガソリンエンジンより強く出てしまいます。この爆発力が強いというメリットが、振動・音とトレードオフの関係にあります。

純ガソリン車に比べるとディーゼル車は価格が高く、重い

ディーゼルエンジンは爆発力が強いため、エンジンの構造とそれを支えるシャシーなどを強固にしなければならず、コストが高くなり、重量も重くなります。純ガソリン車に比べると高くなりますが、ハイブリッド車と比べるとその差は縮まります(車種によりますが、どっちもどっちです)。

おすすめのディーゼルSUV

「おすすめのディーゼルSUVは何ですか?」「おすすめのディーゼルSUVの人気ランキングを教えてください」は、よくある質問です。

おすすめディーゼルSUV

ディーゼルエンジンを搭載したSUVは、国産車ではトヨタとマツダしか販売されていません(ミニバンのクロスオーバーSUVまで含めると三菱 デリカD:5もあります)。なお、トヨタのディーゼルSUVは、ピックアップトラックのハイラックスを除き、すべてが現在受注停止中(ランドクルーザー、ランドクルーザー プラド)です。国産車ならマツダしか選択肢がありません。

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輸入車になれば、選択肢が増えますが、車両価格が総じて高くなります。手が届きやすいディーゼルSUVでは、シトロエン C3エアクロスSUVの359万6,000円〜、プジョー 2008の440万9,000円〜、フォルクスワーゲン T-Roc TDIの454万7,000円〜といったところです。

シトロエン C3 エアクロスSUV

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フォルクスワーゲン T-Roc(Tロック)

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プジョー 2008(画像は同型のEV『e-2008』)

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ディーゼルSUV人気ランキング

ディーゼルSUVの車種数のほとんどが欧州車です。国産車であれば、自販連が発表する販売台数データを元に、販売台数ランキングが作れますが、たくさん売れたクルマの順位が人気の順位と等しいというのは無理があります。いい参考にはなりますが、販売ディーラーのメーカー別軒数も考慮しなければなりません。また、輸入車は、車種ごとの販売台数が公表されていないのが基本ですし、販売台数ランキングを作ったところで、低価格帯のディーゼルSUVがたくさん売れて、高価格帯は売れない、という実施的には価格ランキングと同じようなものになってしまいます。

そして何より、SUVのユーザーニーズは、ほかのボディタイプに比べると多種多様で、何を基準として人気なのかもあいまいになります。

あなたにとってのおすすめSUVは、予算の範囲内で買えるモデルをピックアップし、デザインや装備が気に入ったSUVです。現在販売中のディーゼルSUVで「これは買わないほうがいい」というモデルは筆者としてはまったくない、と考えています。ただ、どのモデルも一長一短ありますので、お目当てのSUVが見つかったら、YouTubeやネット検索で、モータージャーナリストの試乗動画や記事で確認してみてください。

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※この記事は、2023年3月時点での情報で執筆しています。

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