【スピード違反者実録】オービスを光らせてから免停が終わるまで…Vol.1「所轄警察への出頭編」

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ある夏の日、某A氏が高速道路でオービスを光らせてしまいました。ほめられた話ではありませんが、自分自身と皆様への戒めとして、光らせてから通知書が届き、免停期間が終了するまでのA氏の一部始終を記事化して共有させていただきます。掲載される書類等の画像はすべて実物です。

1.オービスを光らせてから通知書が届くまで

光らせたオービスの場所は、中央自動車道下り、甲府昭和インターチェンジを過ぎてすぐの昭和バス停からの合流付近にあるものでした。このオービスはループコイル式(地面に2本のループコイルを敷設し、ループコイル間を通過する時間から速度を割り出す方式)で、デジタル化済みのもの(ソース:オービスガイ )。

1世代前のオービスは、フィルム式カメラのため撮影枚数が少なく(当時一般的に販売されていた、36枚撮りを使用していたよう)、オービスを光らせてもフラッシュが焚かれるだけで、撮影されずセーフとなる場合がありました。しかし、現在のオービスはほとんどデジタルカメラ式に更新されているため、オービスが光ったらアウトと思いましょう。

情報保護のため日付は隠していますが、オービスを光らせた翌日の日付が通知書の発行日となっていました。A氏の手元には、発行日の翌々日に届いたそうです。

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【余談】オービスの設置場所はメディアで公開していいのか?

先ほどのソースとしたのは、全国のオービス情報をまとめたWebサイト「オービスガイド」です。オービスガイドを運営する有限会社パソヤの代表、大須賀氏に取材したことがあります。パソヤは速度取締情報を提供する会社で、Yahoo!カーナビにも情報提供をしているとのことです(ヤフー株式会社の担当へ取材したときに教えていただいた、公開してもいい情報)。

オービスの場所をメディアで公開することに疑問をもたれる方がいらっしゃると思います。でも問題ありません。むしろ、ガンガン公開して共有したい情報です。警察へ問い合わせたときも、適切な内容ならどんどんと情報発信をしてほしいと言われています。

その理由は、交通事故を減らすことが目的だからです。オービスの設置場所は、スピードが出やすく事故が多いところを基本としています。オービスの設置場所が広く周知されることになれば、その事故多発地点でスピードを落として走行することになり、事故をなくすことにつながります。警察は「スピード違反車両を検挙することが第1の目的ではない」と言っています。

無料のスマホカーナビアプリ『Yahoo!カーナビ』は、前方に固定式オービスが近づくと「スピードに注意してください」とアラートしてくれる機能があります。月額250円を払うと、移動式オービス、ネズミ捕り、検問も場所も地図と音声で知らせてくれる『スピード情報プラス』という追加機能があります。

交通違反逃れツールとして使うという不純な動機でも、交通事故をなくすことにつながりますので、皆様ぜひご活用ください。筆者もいつも使っています。

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2.警察へ出頭

A氏撮影

出頭先は、オービス設置場所近くの昭和甲府インターにある、NEXCO中日本の道路管理施設建物内にある『山梨県警高速道路交通警察隊大月分中隊』。A氏は、まだ免停じゃないので、クルマで出頭しても構わなかったのですが、クルマで行くのは精神衛生上良くなかったこともあり、クルマより移動時間が早く楽なJR中央線特急に乗ったとのこと。

A氏が乗った中央線特急。A氏撮影。この車両は『E353系』でデザイナーは、エンツォ・フェラーリやマセラティ クアトロポルテをデザインした奥山清行氏。奥山氏は、新幹線E6・E7系、東京メトロ16000系も手掛けている。

A氏は、出頭先に到着すると「遠いところご足労さまです」と温かい声と笑顔で丁重に迎えられたといいます。厳重に鍵がかかった署内に入るとすぐに奥の取調室へ連れていかれ、スマートフォンなどすべての私物を取調室入口外の物入れに入れさせられたそうです。このとき、持参していたペットボトル飲料も取調室内に入れることができず、取り調べ中に喉が渇いたら取調官に断りを入れてから、取調室外で飲むことになったとのこと。

以下、A氏視点で書きます。

取り調べの冒頭は、オービスが撮影した画像を見せられ「Aさんで間違いないですね?」という本人確認をされました。その画像は白黒でしたが、私のみならず助手席に乗っている人の顔まで鮮明に写っていました。その写真に写っている運転手の顔はまさしく私そのもので、「私ではない」と言い逃れできないものでした。取調官がとても優しい方だったので「助手席の人の顔もハッキリと写るんですね」と尋ねたら「そうですねー」と軽く返されました。オービスを光らせたとき、異性が助手席に座っていると通知が来ないというのが都市伝説かどうかを確かめたかったのですが、やはり都市伝説でした。

ちなみに、ナンバープレートはおろか、クルマのフロント部分が鮮明に写っており、車種の特定も容易にできる高画質な仕上がりの写真でした。

写真に写っている人との本人確認が終わると、写真に記載されていた走行速度の確認を求められ、「オービスが光った認識はあるか?」と尋ねてきました。私は、明確にその速度で走行をした記憶はありませんが、赤いフラッシュを浴び「あ、しまったオービスだ!」と気付いて慌ててブレーキを踏み(時すでに遅しですが)スピードメーターを見たときの速度に近かったので、その事実をそのまま取調官に伝えました。

ひとしきりの事実確認が終わると、違反キップ(オービスで捕まった場合は、赤キップ)が作成され、私は署名捺印しました。青キップ(反則金の納付や点数付与だけで終わる行政処分)なら、その場でキップが違反者に手渡されますが、赤キップは検察へ回されるため、手元に残りませんでした。

その後取調官は、なぜオービス設置場所の道路を走っていたのか、通行の目的を聞いてきました。私はスピード違反とは直接関係ないので「そのプライベートな内容は話さないとダメですか?」と穏やかに笑顔で確認すると「あくまで任意の供述なので、話したくなければ話さなくてもいい」とのことでした。別にやましいことをしているわけではないので、正直に話しましたけど。

その後、どうしてそのスピードで走ってしまったのかを聞いてきました。私は「乗っていたクルマはスピードが出やすい車種で、基本的にクルーズコントロールでスピード違反にならないような速度に設定して、東京から中央自動車道で長野方面に向かっていました。甲府の手前で長い下り坂があるのですが、そこでブレーキをかけてクルーズコントロールを解除して、そのまま走行を続けていました。走行した時間が夜の遅い時間でスピードが出やすく、考え事をしているうちにスピードが乗ってオービスを光らせてしまいました。」と答えました。

取調官は、オービス設置場所の手前は、漫然と運転をしているとスピードが出やすく、事故が起きやすい場所だと教えてくれました。その後、私が供述した内容を、幅10cmほどの細長に紙に書き、それを書き終えた後の取調官は私に読み聞かせ、内容に間違いがないかどうかを確認し署名捺印を求め、解放されました。

以上が、A氏が受けた取り調べの内容で、所要時間は1時間半だったとのことでした。

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【参考情報】もし自宅から遠い場所でオービスを光らせたら?

A氏は、自宅からそう遠くない場所が出頭先に指定されていたので大丈夫でしたが、もし旅行先や出張先などで遠い場所でオービスを光らせて通知書が来たらどうなるのでしょうか。

その場合は、通知書に記載している出頭先に電話で連絡し、自宅住所が遠いことを伝えて最寄りの警察署へ出頭先の変更をしてもらうことができます。ただしそのとき、スピード違反をした覚えがあることを明確に伝える必要があるそうです。違反した覚えがあるような、ないような話しをすると、出頭先の変更が認められないようです。

通知書が届き、出頭した後は?

出頭して供述書が作成されると、出頭先の警察署が書類をまとめて検察庁に送ります(書類送検)。検察庁は、その内容を確認してから、違反者に裁判所へ出頭命令の通知書を発送します。

長くなりますので、続きは次の記事でお伝えします。

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※この記事は、2022年11月時点での情報を元に執筆しています。

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