【スピード違反者実録】オービスを光らせてから免停が終わるまで…Vol.2「刑事処分編」

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ある夏の日、某A氏が高速道路でオービスを光らせてしまいました。ほめられた話ではありませんが、自分自身と皆様への戒めとして、光らせてから通知書が届き、免停期間が終了するまでのA氏の一部始終を記事化し共有させていただきます。掲載される書類等の画像はすべて実物です。

前回は、オービスを光らせてから通知書が届き、出頭して事情聴取を受け、書類一式が検察へ送られるくだりまでをお伝えしました。

3.検察庁からの出頭命令

情報保護のため、日付などを塗りつぶしています。

オービス設置場所所轄警察の事情聴取を受けてから約2週間後に、東京区検察庁から呼出状がA氏の手元に届きました。A氏によると、呼出状の発送の前に、山梨県警高速道路交通警察隊から電話連絡があって、山梨の検察庁に行くのは都合が悪いから東京の検察庁にしてもらったそうです。

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出頭日時は、呼出状の発送日から約2週間後となっていました。オービスを光らせた翌日に通知書が発送され、その約2週間後に山梨県警へ出頭していますので、違反日から起算して約4週間後が、検察庁へ出頭する日となっています。呼出状に記載されていますが、指定の日時が仕事などで都合が悪いときは、事前に電話すると簡単に日時変更してくれるそうです。

このとき、A氏にはちょっとしたトラブルがありました。指定された日時の前日に都合が悪くなり、検察庁へ電話を入れたら担当検察が出て「Aさん、よかった、ちょうど山梨県警からの書類にミスが見つかり送り返したところだ。東京の検察に返送されたら、こちらからまた連絡する」と言われたとのこと。A氏が検察庁に出頭した日は、呼出状の発送日から丸2ヵ月後、オービスを光らせた日から起算するとちょうど3ヵ月後になりました。

東京区検察庁は、錦糸町駅に近くにある東京簡易裁判所墨田庁舎内にあり、そこでの事情聴取は、山梨県警での事情聴取の際に作成された供述書を元に、検察官がその内容が正しいかどうかを、山梨県警の取調官がした同じ質問をして確認をしたそうです。A氏は、山梨県警の事情聴取のときに、ウソ偽りなく正直に話していたので、検察官からの尋問に対して何も恐れることなく答えられたが、もし、ウソをついたり作り話をしていたら、検察官からの尋問でバレてしまっていただろう、と語っていました。もし、読者の皆さんが、あってほしくないですがスピード違反などで警察の事情聴取を受けるとき、その次に控える検察官からの尋問もあることを念頭においてください。

検察官からの尋問が終わると、行政処分のための略式裁判に回され、後日罰金が確定して納付書が郵送される運びとなります。呼出状には、「当日、罰金の裁判があったときには、即日納付をすれば……」と書かれていますが、実際のほとんどすべてが後日略式裁判となっている模様です。

略式裁判とは何かについては、検察庁のHPの説明が一番正しくわかりやすいので引用します。

略式裁判とは,検察官の請求により,簡易裁判所の管轄に属する(事案が明白で簡易な事件)100万円以下の罰金又は科料に相当する事件について,被疑者に異議のない場合,正式裁判によらないで,検察官の提出した書面により審査する裁判手続です。

 簡易裁判所において,略式命令が発せられた後,略式命令を受けた者(被告人)は,罰金又は科料を納付して手続を終わらせるか,不服がある場合には,正式裁判を申し立てる(略式命令を受け取ってから14日間以内)ことができます。

出典:検察庁

尋問の最後は、山梨県警で署名捺印した赤キップが手渡され、裏面にある略式裁判に進むことを了承する「申述書」の欄に署名・捺印をして終わったそうです。

検察庁でのA氏への尋問はサクッと約20分ほどで終了、検察官は「コロナ禍なので手短に済ませる」と配慮したそうです。呼出状には、所要時間が90〜120分と書かれていますので、コロナ禍が明けたら、その表記の所要時間に戻る可能性があります。

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【補足】警察は行政処分、検察は刑事処分と2手に分かれる

A氏が呼び出しを受けた検察庁は、スピード違反を刑法に基づく刑事事件として取り扱うところです。いわゆる『赤キップ』とは、行政処分だけで済まされない、刑事事件も必要となる重い違反で、通常の刑事手続と同じように、警察による捜査(スピード違反の場合は事情聴取)→検察へ書類送検→起訴→裁判という流れで手続きが進みます。ただ、スピード違反など100万円以下の罰金刑だけですむ刑事事件は、ほとんどが略式裁判となり、罰金が本人のいないところで決定され、納付書が送られてきて払い込んだら、すべての刑事処分手続きが終了します。したがって、違反後の流れは、警察署へ出頭・事情聴取→書類送検→検察庁へ出頭→略式裁判→罰金納付となります。

いっぽう、警察側は行政処分の手続きが検察とはまったく別枠で進められます。オービスで捕まった場合は、違反直後の警察への出頭のときに赤キップが切られます。その後、行政処分内容が決定され処分書が発送されます。この部分については次の記事でお伝えします。

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4.略式裁判結果(罰金確定)

検察庁に出頭してからおよそ3週間後に、甲府簡易裁判所からの特別送達がA氏の自宅に届きました。

A氏が受け取った特別送達の封筒

裁判を行うところは、オービスが設置された場所を管轄する裁判所となります。このため、A氏は東京の検察庁へ出頭し、取り調べを受けましたが、裁判は甲府簡易裁判所が行っています。

この封筒の中身は次のとおり。

告知書(赤キップ)と略式命令

実物は両面印刷の1枚もの。左が告知書(俗称:赤キップ)、右の上部が申述書、下部が略式命令即決裁判結果通知書。

告知書は山梨県警に出頭したときに作成されたのち東京区検察庁へ送付、申述書は東京検察庁へ出頭したときにA氏が署名捺印、甲府裁判所へ送付された後に裁判決定、A氏へと送付される流れとなっていました。

略式命令の事件名のところに「訂正表のとおり訂正する」というゴム印が押され、表面に付箋紙のような小さな紙がホチキス留めされ、そこに訂正箇所と検察官の印が押されていました。訂正されていたのは年齢で、1歳まちがえていました。A氏が呼出状の指定日時の前日に日程変更を申し入れたところ、告知書は検察官により書類不備のため山梨県警に戻されたとのことでしたが、おそらくこの訂正に戻されたのでしょう。

A氏の略式裁判の結果は、罰金90,000円でした。刑法でスピード違反の最高額が10万円ですので、スピード違反における厳罰を免れています。刑事処分となるスピード違反の罰金は、超過した速度と比例するといわれていますが、筆者がこれまでに聞いた話で最低額は、一般道で30km/hちょうどの速度超過で60,000円でした。ただ、単に超過速度だけでなく、それまでの違反歴や、速度超過の理由、尋問の受け答えなども考慮されているようであ

告知書・裁判結果通知書とともに同封されていたのは、以下の「注意書」でした。

罰金の納付書は後日発送されるとのことです。

5.罰金納付

この納付告知書で罰金を納めます。

同封されていた納付方法の説明書き。銀行と信用金庫、郵便局で現金でしか支払うことができません。コンビニで支払うのもダメです。カード払いもダメ。高額な罰金なら、カードでリボ払いにしたいという人が多そうですが……

罰金の払込が納付期限に間に合わなかった場合・支払いができない場合

A氏は、うっかり納付期限を忘れて間に合わなかったそうです。気がついたときに慌てて検察庁に電話したら、担当が「次に督促状が送られるので、それで払ってください」と慣れた様子で答えてくれ、注意されたり遅れた理由を問うようなことはなかったとのこと。よくあることなのでしょう。

納付告知書の注意書きの3には「納付期限に納付できない事情のあるとき、又は他の方法による納付を希望するときは、当庁まで連絡してください。」と記載されています。

経済的な理由で支払いができない場合は、正直に検察官に話せば、支払いの猶予を与えられるわけではありませんが、実質的にある程度の先延ばしができるようです。もし、そうなったら誠意をもって検察官へ対応すべきですが、法的には罰金を指定期日までに支払わないと、すぐに強制執行を下すことができますので、できる限りの用立てをして払うようにしましょう。かつては罰金の分割納付が認められていましたが、今ではなくなってしまったようです。

「他の方法」とは、不動産やその他の動産で罰金相当分を支払うことが該当しそうですが、そもそも、資産があるなら現金化して支払えば済みます。前項の裁判結果通知書には「被告人を罰金90,000円に処する。これを完納することができないときは金5,000円を1日に換算した期間(端数は1日に換算する。)被告人を労役場に留置する。」と書かれています。労役場(ろうえきじょう)とは、事実上刑務所とほぼ変わらず、身柄を拘束され、受刑者と同様の処遇を受けることになります。スピード違反とはいえ、赤キップは刑事罰です。

なお、意図的に罰金の支払いを逃れようとしたり、遅れても連絡をしないなど誠実な行動ではないと強制執行が下されることになります。

強制執行とは、銀行口座残高の差し押さえ(銀行からお金が下ろせなくなる)、給料の差し押さえ、家財道具の差し押さえ、不動産の差し押さえなどなど、あらゆる手段で強制的に回収ができる制度のことです。

督促状

こちらがA氏に届いた督促状。情報保護のために発行日と納付期限を消していますが、発行日から納付期限までの期間は、10日となっていました。最初の納付告知書では、14日でしたので短くなっています。納付告知書の発行日から督促状の発行日までの日数は、17日で、最初の納付期限の7日後に督促状が発行されていました。

A氏は、督促状を受け取ってすぐに郵便局で納付を済ませたとのことです。これで刑事処分関係の手続きはすべて完了しました。この次は、行政処分です。A氏にはまだまだ行かないといけないところがたくさんあるのでした。

この記事もすっかり長くなってしまいました。続きは次の記事で。

ここまで読んだだけで、次にクルマを運転するときのアクセルの踏み込み具合が少なくなるのではないでしょうか?

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※この記事は、2022年11月時点での情報を元に執筆しています。

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