スピード違反者実録「免停講習編」オービスを光らせてから免停が終わるまで…Vol.5

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ある夏の日、都内在住の某A氏が高速道路でオービスを光らせてしまいました。誉められた話ではありませんが、自分自身と皆様への戒めとして、光らせてから通知書が届き、免停期間が終了するまでのA氏の一部始終を記事化し共有させていただきます。掲載される書類等の画像はすべて実物です。

宇宙一詳しい、オービスを光らせてから免停が終わるまでのスピード違反者実録記事をめざしたシリーズ記事、Vol.5でようやく免停講習がスタートします。

オービスを光らせてから免停講習を予約するまで

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9.免停講習費用の支払い

長期講習指定書に記載されている受付時間は、1日目が午前9時00分から9時20分まで、2日目は午前8時30分から午前9時00分までとなっています。1日目は、この受付時間のあいだに、書類提出と講習費用の支払いを済ませる必要があるとのことです。

それでは、A氏が報告してくれた免停講習1日目の受付の様子を、A氏の視点で書きます。

鮫洲試験場に朝9時までに行くというのは、私にとっては結構な早起きでした。最寄り駅の京急鮫洲駅から歩いて10分くらいかかる上、本数の少ない普通しか止まらない駅という不便さもあり、移動時間が長くかかりましたね。

持ち物は、運転免許停止処分書と講習指定書、筆記用具に黒のボールペン(長期講習指定書には、黒ないしは青のボールペンと指定されていました。万年筆などはNGのよう)、そして、講習費用の23,400円(長期講習指定書には、現金でと書かれている)。

運転免許停止処分書は、再発行できないから絶対になくさないようにと、前回行った警視庁本部での意見の聴取のときに強く言われました。しかし、絶対に誰かなくしていそうです。ちょっと心配になったので、警視庁のHPを調べてみると、処分書をなくしたら試験場に連絡をするようにと書かれていたので、紛失したら免許が手元に戻らなくなるというようなことはなさそうで安心しました。

鮫洲試験場は4階が免停講習の場所となっていて、エレベーターで上がると、定年退職したばかりであろう地味なスーツを着た初老の男性20〜30人ほどが、エレベーター前の広いホールにいて、異様な光景にちょっとびっくりしました。

エレベーター前で躊躇していたら、初老の男性の一人が「講習ですか?」と聞いてきたので「はい」と答えると「講習指定書を見せて」と言ってきたので見せました。すると「◯番の部屋へ」と言われ、その部屋に行きました。

その部屋は、30人ほど収容できる学校の教室のような作りで、すでに20人ほどの講習者が座っていました。部屋の後ろの机で受け付けをしていた初老の男性に、長期講習指定書と運転免許停止処分書を提出すると、講習費用は通路奥の窓口で支払ってくるようにと言われました。

長期講習指定書には、現金のみの支払いと書いてあったのですが、窓口に行くと飲食店のレジなどでよく見かけるキャッシュレス決済端末が置いてありました。端末の横には、キャッシュレス決済はクレジットカードと「iD」が使えることが書かれていました。窓口の人に確認すると、講習費用の支払いに使えるのは、カードとiDのみで、SuicaやPayPayなどの電子マネーやバーコード決済は使えないとのことでした。

私は現金を用意していったのですが、カードが使えるならそのほうがいいと思いカードで支払いました。ちなみに後日確認すると、カードに講習費用分のポイントが付いていました。ごくわずかですが、ちょっとうれしかったですね。

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支払いを終えて部屋に戻ると、516番の席に座るように指示されました。講習中は個人情報保護のため名前ではなく席番号で呼ばれるとのことでした。なんだか番号で呼ばれると囚人みたいですね。まぁ、刑事処分を受けた身なので仕方ないですが。ちょっと名前の扱いと人権について考えてしまいました。

516番の席につくと、講習指定書だけが返却されてきました。指定書の右上には「516」と席番号が書き込まれていました(冒頭の指定書の画像の右上)。この後は、ただひたすら、受講を粛々と進めていくだけになりました。

A氏が受け取った講習費用の領収書。クレジットで支払いと印字されている。消費税は付かない。

10.長期講習1日目のプログラム

講習室内に掲示されていた講習1日目のプログラムは次のようになっていたそうです。

9:30〜10:00 開講(受講上の諸注意・書類作成)
10:00〜10:50 運転適性検査の実施(科警研編73-2)
10:50〜12:00 道路交通の現状と運転者の社会的立場
12:00〜13:00 昼休み
13:00〜13:50 動体視力・夜間検査機材による診断と指導
13:50〜15:20 交通法令と安全運転の知識及び方法
15:20〜16:50 実車による診断と指導
16:50〜17:00 連絡(処分書返還・2日目の諸注意)

※講習会場内は写真撮影禁止のため、A氏が掲示されていたプログラムを一字一句忠実に手書きで残したメモを元に記載。

プログラムを見たA氏は、座学の講習ばかりでなくてホッとしたと言っていました。プログラムを見る限り、座学の講習は3番目の「道路交通の現状と運転者の社会的立場」と6番目の「交通法令と安全運転の知識及び方法」の2つくらいしかなさそうです。

昼休憩は1時間。途中の休憩時間の記載がありませんが、A氏によると各プログラムの最後は、10分ほど早く終了してトイレ休憩になったとのことです。

それでは、A氏が語ってくれた各プログラムの内容をまとめて書きます。

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9:30〜10:00 開講(受講上の諸注意・書類作成)

当たり前の一般的な注意事項を除いて、免停講習特有の注意点は「考査中(テスト中)スマートウォッチは外す」といったことくらいでした。居眠りしたらダメよ、ではなく「居眠りしていたら優しく起こしますが、起きなかったり繰り返し寝てしまうようなら、受講完了と認めない場合があります」と諭されたようです。

受講のポイントとして、「教本をベースとした座学のプログラムが2日間で3回ある。これは、すべて考査(最後のテスト)に出る問題だけをやる。きちんと聞いていたらだれでも考査は「優」の点数が取れるので、途中で寝ないように」とのことでした。Vol.4で書いていますが、「優」の点数が取れないと、免停の短縮期間が短くなってしまいます。

10:00〜10:50 運転適性検査の実施(科警研編73-2)

これはIQテストのような、図形の仲間はずれを探したり、四角の中に線を書き入れたり、三角形をマス内に書き入れていくといった単純作業がどれだけできるか、筆算の引き算といった検査でした。検査結果は2日目のプログラムに組み込まれています。

10:50〜12:00 道路交通の現状と運転者の社会的立場

教本はこの『事故から学ぶ安全運転』で、講師は考査(テスト)で出る問題の部分のみを解説していきます。

講師は丁寧にどのような問題で出てくるかを説明し、復習しやすいようにテストに出る部分のページにドッグイヤーをするように指示し、開講のプログラムで言っていたとおり、聞いていれば誰でも「優」が取れるようになっていました。

考査(テスト)に出る問題となっていた内容

  • ・携帯電話などによる「ながら運転」の厳罰化。反則金と違反点数について。
  • ・あおり運転(妨害運転)の処罰規定が新設。急ブレーキ禁止違反が含まれたことについて。
  • ・「一定の違反歴」がある75歳以上の免許更新者に「運転技能検査」の受験を義務付け。“75歳”がテストに出るポイント。
  • ・交通事故死減少の背景に、車の衝突安全性能の飛躍的な向上・普及したことや救急救命医療の高度化があること。
  • ・東京都のドライバー人口あたりの交通事故発生率は、242人中1人。この「242人」がテストに出るポイント。
  • ・全国の違反種別事故発生状況は、安全運転義務違反が最も多く72%であること。%ではなく最も多い違反がポイント。
  • ・東京都の交通事故死亡者で最も多いのが65歳以上の高齢者であること。
  • ・交通事故を起こしたときは「刑事上」「行政上」「民事上」の3つの責任を負うことになる。
  • ・刑事事件の判決例で、飲酒運転で一家5人が乗るRV車に追突して逃走、幼児3人が死亡し懲役20年となったことがある。
  • ・人身事故の80%近くは「認知ミス」、「判断ミス」は20%弱、「操作ミス」は10%弱。「かもしれない運転」を心掛けること。
  • ・シートベルトの着用は、一般道・高速道路ともに助手席も後部座席もしなければならない。
  • ・飲酒運転による事故は、「酒酔い」が8%と少なく、軽度の飲酒「酒気帯び」が71%と多い。
  • ・飲酒運転は同乗者にも、3年以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則規定がある。
  • ・ドライバー個々人の性格も交通事故と関係がある。

講師は、考査(テスト)の問題文の中に、細かい数字が出てきた場合、変なひっかけ問題ではないかと疑わなくてもいい、数字ではひっかけてこないと言っていたとのことでした。

12:00〜13:00 昼休み

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13:00〜13:50 動体視力・夜間検査機材による診断と指導

動体視力検査機器と夜間検査機材がズラリと並んだ(見るからにお金がかかっていそう)部屋で検査を行い、その後すぐに検査結果を配布して講師が解説をするプログラム。

じっくりと検査をしないことなどから、検査結果の精度はそこまで高くないが、十分に参考となる精度と講師が言っていたようです。評価点数が高くてもまぐれの場合が多いので、油断は禁物です。

A氏の検査結果。

13:50〜15:20 交通法令と安全運転の知識及び方法

教本からの考査(テスト)に出るところの解説。

  • ・走行速度が高くなればなるほど、死亡事故になる確率は高くなる。
  • ・時速50kmでの停止距離のめやすは32m、100kmでは84mと約3倍になる(2倍ではない)。
  • ・死角には、車両によるもの、道路環境によるもの、周囲の車が作り出すものの3つがあり、減速や一時停止をして自分の目で確かめる必要がある。※死角については、車の画像を用いたテストが出てくるとのことで、その画像をスクリーンに映した解説が行われた。
  • ・人身事故の40%以上は交差点で発生している。
  • ・横断歩道や自転車横断帯で歩行者・自転車が横断しようとしているときは、その手前(停止線があるときはその手前)で一時停止をして歩行者や自転車に道を譲らなければな らない。
  • ・自転車は車道を走行するのが原則。また、車道は左側を通行しなければならない。
  • ・夜間の走行はハイビームで走行するのが原則。
  • ・特に道路右側から横断してきた高齢歩行者は発見が困難で死亡事故が多い。
  • ・雨天時の高速道路などでは、タイヤの溝が路面の水を排出しきれず、タイヤが水の上に乗って滑走し、ブレーキやハンドル操作がきかなくなる「ハイドロプレーニング現象」が発生する可能性が高くなる。
  • ・信号がある大きな交差点で右折しようとするときの危険予知。※テストは、交差点で右折するとき、対向車が1台通り過ぎようとしている画像が出て、そこには何の危険があ    るのかについて出題される。

余談ですが、A氏の話では、2名の講師が専属で2日間担当するのですが、そのうちの一人があまりトークが上手ではなく、集中して聞かないと何を言っているのかわからないくらいのレベルだったが、人がとても良さそうで一生懸命にやっているのが伝わってくるので、余計に辛かったとのこと。

15:20〜16:50 実車による診断と指導

鮫洲試験場には、試験コースが併設されており、そのコースと試験車両を使った診断と指導が行われました。コースは自動車学校にあるものと同じで、車両も教習車と同じ、助手席に講師が乗り、免許を取るときのテストのように、指示に従ってコース内を走行して診断されます。

おもな診断内容は、踏切、坂道の頂上付近、優先道路への合流、交差点の右左折、クランク、車線変更などで、車庫入れや縦列駐車はありませんでした。

このときに使用された車両は、カローラアクシオだったそうです。

これも余談ですが、A氏を診断した講師から「一人、何言ってるかわからない講師いるよね?」と冗談まじりにふられたそうで、講師同士でも話題になっていたようでした。診断を担当した講師は「その講師、本人は一生懸命にがんばってるんだよね」ときちんとフォローをしていたそうです。

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16:50〜17:00 連絡(処分書返還・2日目の諸注意)

2日目の諸注意は、ありきたりのことしかなかったようですが、講習会場がある4階についたら、そこに講師が誰かしらいるので「無言で指2本、ピースサインをしてくれたら、中にさっと通してくれます」とアドバイスをしていたとのこと。

さぁ、ようやく次の記事で「スピード違反者実録…オービスを光らせてから免停が終わるまで」のシリーズ完結です!

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※この記事は、2022年11月時点での情報を元に執筆しています。

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