「トヨタ アクア(初代・2011〜2021年)」プリウスに続くハイブリッド専用車種はコンパクトクラスのベストセラー【人気モデル購入徹底ガイド】

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2011年11月に発売された初代アクアは、プリウスで定評のあるリダクション機構付きTHS IIに1.5Lエンジンを組み合わせ、当時の世界トップとなるJC08モード燃費35.4km/Lを達成。トヨタのエントリーハイブリッドカーとして高い人気を誇りました。

【サマリー】1.5LのTHS II(トヨタハイブリッドシステムII)を搭載したブランニューコンパクト

1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたリダクション機構付きTHS IIを搭載し、4mを切る全長、5ナンバーサイズに収まる全幅などと併せ、使い勝手の良いコンパクトカーとして誕生したアクアは、ハイブリッド専用車種として高い人気を誇りました。

人気の理由はもちろん優れた燃費性能です。全高を同じプラットフォームを使うヴィッツよりも50mm以上低い1455mmに低く抑えることで空力性能を高め、JC08モード燃費で35.4km/Lを達成しました。これは、当時のプリウス(32.6km/L)を超え、世界トップの燃費性能でした。

【外観スタイル】ボンネットからつながるワンモーショーンフォルムが最大の特徴

全長3995mm×全幅1695mmとサイズはコンパクトですが、ボンネットからルーフ後端までがなだらかにつながるワンモーションフォルムが個性を主張しています。また、2代目プリウスと同じくルーフ中央部を低くするなど、空力にも配慮されたデザインとなっているのも特徴です。

【インテリア】個性的なデザインのセンタークラスターと視認性の良いセンターメーターを採用

インテリアで特徴となるのが、ハイブリッドインジケーターが備わるセンターメーターと左右非対称の個性的なインパネです。上級グレードのメーターにはTFTマルチインフォメーションディスプレイを内蔵し、エコ運転を採点する機能を搭載しています。また、燃費性能を高めるため、電動インバーターコンプレッサーを採用するオートエアコンやシートヒーターが備わりました。

【走り・燃費】パワートレーンは1.5Lのハイブリッドのみ。専用の足まわりを採用するスポーツグレードを設定

アクアのエンジン/サスペンションは基本的に1タイプのみで、グレードによる差はありません。1.5LのTHS IIはシステム全体で100馬力を発揮し、街なかではキビキビと走らせることが可能です。なお、2013年にはボディ剛性アップと足まわりの専用チューンによりハンドリング性能を高めた「G’s」、2017年には同じくGRスポーツを追加設定しました。

【安全装備】2015年11月の改良でToyota Safety Sense Cを新設定

追突被害軽減ブレーキの「衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱時に警報を鳴らす「レーンディパーチャーアラート」、オートマチックハイビームをセットにした衝突回避支援パッケージ、Toyota Safety Sense Cを2015年11月の改良時に初採用しました(SとLグレードはオプション)。

また、2018年12月には後付けの踏み間違い加速抑制システムが設定され、2019年7月には駐車時に車両周辺の状況をナビ画面で確認できるパノラミックビューモニターも装備しています。

【グレード構成】初期は3グレード、のちにレザーセレクションとクロスオーバーモデルを追加

発売当初のアクアは、ベーシックなL(169万円)、中間グレードのS(179万円)、最上級のG(185万円)という3グレード構成でした。その後、2013年5月にGグレードにブラックソフトレザーセレクションを設定し、11月にはG’sを追加。2014年12月に行われた初のマイナーチェンジで最低地上高を20mmアップしたクロスオーバースタイルの「Xアーバン」を追加し、計6グレード展開となります。

2017年6月のマイナーチェンジでは、Xアーバンを廃止し新たにオフロードテイストを強めた「クロスオーバー」を設定。標準グレードと合わせて5グレードとなり、同年11月にGRスポーツを追加しています。

【マイナーチェンジ&改良一覧】10年にわたる発売期間中、細かな改良と2回のマイナーチェンジを実施。

2011年に発売され、2021年の2代目登場まで10年間という長い期間生産されたモデルだけに、毎年のように細かな改良が加えられていきます。

最初の改良は2013年5月。Gグレードに合成皮革シートを装備したブラックソフトレザーセレクションを設定し、Lを除く全車にスーパーUVカットガラス、助手席バニティミラー付きサンバイザーを標準装備化。さらに室内の質感も高めています。

同年11月にはG’sの追加と同時にハイブリッドシステムの改良によって燃費性能を高め、ドアミラーのオート格納・復帰機能や、フロントドアガラスの撥水機能、坂道でのずり下がりを防ぐヒルスタートアシストコントロールに坂道を感知する機能を追加しました。また、外板色にディープアメジストマイカメタリックを追加し、スピードメーターの文字色を変更しています。

2014年12月のマイナーチェンジで内外装デザインを変更

2014年12月のマイナーチェンジでXアーバンを追加するとともに、バイビームLEDヘッドライトや新デザインのフロントバンパーとリヤコンビランプ、メッキ加飾を採用したターンシグナルランプを採用。

GとSグレードのホイールキャップを新デザインとし、ドラミラーやドアハンドルなどにメッキ加飾を施す「シャイニーデコレーション」をオプション設定しています。

また、新外板色の設定、内装の質感アップ、空力性能とボディ剛性の向上、Gグレードへのクルーズコントロールの標準化も実施されました。

2015年11月に安全装備を充実させ、2017年6月には2度目のマイナーチェンジを実施

2015年11月のToyota Safety Sense C設定時には先行車発進告知機能も追加され、買い物フックの追加、新外板色の設定も行われました。

そして2度目のマイナーチェンジとなる2017年6月では、外装のデザイン変更、クロスオーバーの設定、TFTマルチインフォメーションディスプレイの標準化、ホワイトソフトレザーの新採用、タイヤ径の拡大(175/65R15→185/60R15)、新外板色の採用など大幅な改良を実施。

同年11月にGRスポーツを設定し、18年4月にはプリクラッシュセーフティをアップデートして昼間の歩行者が検知可能となるとともに、アクセルの踏み間違いによる追突被害を軽減する「インテリジェントクリアランスソナー」をオプション設定しています。

2019年7月には、パノラミックビューモニターの設定と、オート電動格納式リモコンカラードドアミラーにリバース連動機能とドアミラーヒーターを装備。フロントグリルとホイールキャップのデザインと、リヤコンビランプの加飾を変更し、外板色に新色を設定、内装もカラーを変更しました。最後の改良は2020年8月。GRスポーツに専用デザインの16インチアルミホイールを採用し、Gグレードにパーキングサポートブレーキを標準化しました。この際、Gグレードのソフトレザーセレクションは廃止となっています。

【アクアのおすすめモデル#1】安全装備が充実した2015年11月の改良モデル

2015年11月に設定されたToyota Safety Sense Cには、現在発売されているクルマには義務化されている追突被害軽減ブレーキが用意されています。安全装備を重視するのであれば、この改良以降のモデルを選んだほうがいいでしょう。

なお、エンジンやサスペンションに差がないのでグレードは問いませんが、SとLはオプション設定のため装備されているかどうかの確認が必要です。その点、Gグレードであれば標準装備のため安心して選ぶことができます。

クロスオーバーテイストを持たせたXアーバンやG’sも同様に安全性の高いグレードと言えますが、のちに設定されるクロスオーバー、GRスポーツとはデザインが大きく異なります。この2台を選ぶのであれば、2017年6月のマイナーチェンジ以降のモデルと比較することをおすすめします。

【アクアのおすすめモデル#2】使い勝手はそのままにSUVテイストを加えたクロスオーバー

販売期間が長く、モデル末期まで人気が高かったこともあり、営業車だったものを含めて世の中にはたくさんのアクアが走っています。そこでおすすめしたいのが、特別感のあるクロスオーバーです。

2017年6月のマイナーチェンジで追加されたクロスオーバーは、専用の足まわりやデザインを採用。前身となるXアーバンよりもSUVテイストを強めており、フェンダーアーチモールの採用で20mmワイド化された、より力強いデザインが特徴です。

それでいて居住性や使い勝手、もちろん安全性や燃費もノーマル車と変わりません。アクア自体の人気が高かったこともあり、この特別なモデルでも中古車として選びやすいのも魅力です。もし予算に余裕があれば、安全性がより高められた2018年の改良モデル以降をおすすめします。

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【まとめ】使い勝手と燃費が高い次元でまとめた人気モデル。タマ数は多し

モーターによるアシスト走行だけでなく、モーターのみでも走れるのがトヨタのハイブリッドシステム、THS IIの特徴です。とはいえ、必要に応じて自動で最適な走行方法を選んでくれるので特別な乗り方は必要ありません。誰でも優れた燃費が実現できます。ただし、過走行車や年式の古いモデルだとハイブリッド用バッテリーの劣化が気になるところ。比較的新しく、走行距離も少なめのモデルの方が安心して乗ることができます。人気車だけに中古車のタマ数は多いので、できるだけ程度のいいモデルを選びましょう。

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