三菱 パジェロは、1980年代から1990年代にかけてのRVブーム期に一世を風靡した高級クロカン四駆。かつては名実ともに日本を代表するSUVでした。2021年に製造を終了した最終型の三菱 パジェロについて解説します。
【サマリー】走行状況を問わないハイスペックSUV
三菱 パジェロは、強固なラダーフレームをもつクロスカントリーモデルとして1982年に初代モデルが登場。1985年のパリ・ダカール・ラリー総合優勝を機に人気爆発。特に1991年に登場した2代目モデルはベストセラーカーとなりました。1999年には3代目に進化し、2006年には最終型となる4代目が登場。高級感と悪路走破性の高さでは随一の存在でしたが、乗用車ベースのSUVの台頭を受け、2019年に国内販売を終了。海外向けモデルも2021年に生産を終了しました。
【外観スタイル】一見して「パジェロ」とわかるスタイリング
エクステリアは、人気の高かった歴代モデルのデザインテイストを踏襲。バックドアに装着されるスペアタイヤはフルカバードとなり、洗練されたスタイリングを実現。ショートボディとロングボディの2種類が設定されました。
【インテリア】ロングボディの床下収納式サードシートが機能的
インテリアは、スポーティなブラック内装が基本形。高級グレードのEXCEED系にはエレガントで洗練されたイメージのベージュ内装を設定していました。ロングボディに採用された床下収納式サードシートも特徴的な装備です。
【走り・燃費】あらゆる走行状況に対応する圧倒的な走破性
当初は3Lおよび3.8L V6ガソリンエンジンを搭載。のちに3.2L 4気筒ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが用意されました。駆動方式はフルタイム4WDの「スーパーセレクト4WD-III」で、圧倒的な悪路走破性を誇っています。
【安全装備】基本設計の古さゆえ先進安全装備は皆無
安全装備では、運転席/助手席SRSエアバッグシステム、サイド&カーテンSRSエアバッグ、プリテンショナーおよびフォースリミッター付きシートベルトなどを採用しています。
【グレード構成】長い生産期間のあいだに多くのグレードが登場
2006年に登場した当時のパジェロには、ショートボディとロングボディの2種類のボディバリエーションがありました。ショートでは3L V6エンジンを搭載するVR-Iと、3.8L V6エンジン搭載のVR-IIの2種類。ロングでは3.0L V6エンジン搭載のZR、ZR-S、EXCEEDと、3.8L V6エンジン搭載のEXCEED-XおよびSUPER EXCEEDという構成でした。
トランスミッションは、3L V6エンジンを搭載するショートのVR-IとロングのZR、ZR-Sが5MTと4AT、EXCEEDが4ATのみ。3.8L V6エンジンを搭載するショートのVR-IIとロングのEXCEED-XおよびSUPER EXCEEDが5ATという組み合わせでした。駆動方式は全車がスーパーセレクト4WD-IIとなっていました。
【マイナーチェンジ&改良一覧】マイナーチェンジで安全装備が充実
2007年10月17日には、新グレードの追加と一部改良を実施。ロングボディでは、従来の「ZR-S」をベースにエクステリアをクローム仕上げ+ボディを同色化した「GR」を新たに設定。「EXCEED-X」と「SUPER EXCEED」には、オートライト機能と雨滴感応ワイパー機能を統合したレインライトセンサーを新たに採用するなどの改良が施されました。ショートでは、ベーシックグレードの「VR」と最上級グレードの「SUPER EXCEED」を新たに設定。「SUPER EXCEED」では、より上級仕上げとした内外装と、ショートボディ専用に開発したプレミアムサウンドシステム、そしてレインライトセンサーなどが採用されました。
2008年10月1日には一部改良を実施。併せてディーゼルエンジン搭載車を追加しました。改良内容は、フロントグリルやアルミホイールのデザイン変更と装備面での拡充で、3L V6ガソリンエンジン車のATは従来の4速から5速に変更されました。
新たに設定されたディーゼルモデルは、3代目パジェロに搭載されていた3.2L 4気筒インタークーラーターボディーゼルエンジンに、コモンレール燃料噴射システム、NOxトラップ触媒、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)を装備したもの。ロングボディの「GR」「EXCEED」「SUPER EXCEED」の3グレードに搭載され、2009年3月27日にはショートボディの「VR-II」にも設定されました。
モデルライフ後期にマイナーチェンジを実施
2014年7月17日にはマイナーチェンジを実施しています。エクステリアではフロントバンパーとラジエターグリルのデザインを変更し、ロングボディの「SUPER EXCEED」と「EXCEED」、ショートボディの「VR-II」にLEDポジションランプとフォグランプを装着。ロングボディの「SUPER EXCEED」と「EXCEED」ではスペアタイヤカバーのデザインも変更されました。インテリアではセンターパネルの素材変更、エアコンエアアウトレット部へのシルバーおよびメッキ加飾、吸遮音材の追加などが行われています。
2015年7月16日には一部改良を実施。ロングボディの「SUPER EXCEED」「EXCEED」とショートボディの「VR-II」にオートマチックハイビームを標準装備。「GR」のガソリン車とショートボディの「VR-I」では、7本スポークの17インチアルミホイールに変更されました。また、ソフトな触感の新表皮素材をインパネに採用しています。
2016年10月27日には、一部車種に対して、新外装色の設定、ドアトリムやインパネセンターパネルの変更などが行われました。
2018年2月にはショートボディの生産が終了。同年10月11日には一部改良を実施しています。ベーシックグレードの「GR」では従来メーカーオプションだった人気装備を標準装備化。「SUPER EXCEED」と「EXCEED」にはルーフレールと電動ロングサンルーフがパッケージオプションとして用意されました。
2019年4月24日には700台限定の特別仕様車「FINAL EDITION」を設定。同年8月をもって国内販売向けのパジェロが生産を終了しました。
【パジェロのおすすめモデル#1】最終期の「SUPER EXCEED」
三菱 パジェロは2019年8月に国内販売向けの生産を終了。同年4月24日に700台限定で発表された「FINAL EDITION」が名実ともに最終モデルとなります。
その意味では「FINAL EDITION」がおすすめですが、新車価格以上のプレ値で販売されている物件があるのも事実。
そう考えると、「EXCEED」のクリーンディーゼル車をベースとした「FINAL EDITION」よりも、最上級グレードの「SUPER EXCEED」+クリーンディーゼル搭載車のほうが狙い目です。
パジェロの実質的な最終モデルは、2018年10月11日に一部改良を受けて発売された仕様。メーカーオプションだったルーフレール+電動ロングサンルーフ付きの車両であれば言うことなしです。
【パジェロのおすすめモデル#2】特別限定車の「ラリーレプリカ」
パジェロといえば、ダカール・ラリーでの活躍が印象的です。同車は1983年から2009年まで計26回出場。通算12回の総合優勝を果たしています。
2007年2月23日から3月31日までの期間限定で予約受注を行った「ラリーレプリカ」は、同年のダカール・ラリーで7年連続・12回目の総合優勝を達成したことを記念した特別限定車。
ベース車両は、ショートボディに3.8L V6ガソリンエンジン+5速ATを組み合わせた「VR-II」。レッドメタリックの外装色に「チーム・レプソル三菱ラリーアート」のカラーリングを施した独自の外観が特徴でした。販売目標は20台で、価格は380万1,000円。歴代パジェロで最もレアなモデルのため、コレクターズアイテムともいえます。
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【まとめ】高級オフローダーとしての存在感は不変
クロカンブームを巻き起こしたパジェロは惜しまれつつ国内向けは2019年、海外向けも2021年に生産を終了しました。しかし、本格的なオフロード性能などでいまだに高い人気を誇っているのも事実。いまどきのSUVに飽き足らないユーザーから再評価される日も近いと思われます。