「ATF交換のすべて」解説します

カーライフを賢く楽しむ クルマの故障・修理・整備

オートマチックトランスミッション(AT)が潤滑に動くようにするATF。油脂類のひとつなのでエンジンオイルなどと同じように定期的に交換したほうがよさそうですが、どのくらいのスパンで交換すべきなのでしょうか。じっくり解説します。

トランスミッションをスムーズに動かすためにオイルで潤滑

電気自動車の動力源となるモーターは、起動時から最大トルクを発生するので、トランスミッション(変速機)がなくても一般道から高速までをカバーできます。

対してエンジンは、回転数によるトルク変動が大きいため、その動力を活かすためにはトランスミッションが不可欠となります。

トランスミッションは、大まかに手動変速と自動変速の2つに分けることができます。手動変速はMT(マニュアルトランスミッション)やマニュアル、自動変速はAT(オートマチックトランスミッション)やオートマといった呼び方の方がわかりやすいかもしれませんね。

MTもATも内部では金属製の歯車やシャフトなど数多くの部品が動いて、エンジンからの動力を変速してからタイヤへと伝えているのです。金属の部品が絡み合って動いているということは、接触する部分が多数あるため、それらが潤滑オイルでスムーズに動くようにする必要があります。

ATとMTでは、使われるオイルが全く別物

ATにもMTにもオイルが入っているのですが、同じ変速機といっても使用されるオイルは全くの別物。MTに入るオイルはギアオイルとなりますが、ATに入るのはATFことオートマチックトランスミッションフルードとなります。また、最近の軽自動車やコンパクトカーに採用されているCVTも広い意味ではATの一種ですが、構造が異なるためATFではなくCVTF(CVTフルード)が使われています。

*CVTのフルード交換に関する記事は以下を参照ください。

共に変速機に入れる油脂なのですが、MT用はオイル、AT用フルードと用語を使い分けています。ちなみにフルードは作動油の呼称で、クルマに使用される油脂でいえば、ブレーキフルードやクラッチフルードなど。ブレーキキャリパーやクラッチレリーズシリンダーの作動力を伝える役割を果たしているのです。

話が少々逸れましたが、ATに入る油脂はATオイルではなくATフルード、つまりギアの潤滑油だけではなく、ギア変速を行うための作動油としての役割も担っているのです。

その他にもATFはさまざまな役割を担っていて、動力の伝達、変速機の冷却、変速機の洗浄なども行っています。

ATFの交換サイクルは?

そのように多くの役割を果たすATFなのですが、エンジンオイルやMTのギアオイルのように定期的に交換が行われるという話をあまり聞きません。それは何故なのでしょうか?

実は多くのクルマは、ATFの交換を定期メンテナンスメニューとしていないようなのです。交換指示があっても交換時期が10万kmとスパンが非常に長いのです(自分のクルマの取扱説明書などで確認を)。

その他、シビアコンディション(高速を頻繁に利用するとか、山岳部の走行が多いとか、渋滞路走行が多いといった、ATに負荷が掛かる使い方)で使用する場合に5万〜10万kmで交換という指示がある場合もあります。

いずれにしてもATFは定期的かつ頻繁に交換されるものではないため、多くのクルマはATFが交換されないままとなっているようです。

愛車に長く乗りたいなら5万kmを目安にATFの交換を

それではATFは交換する必要はないのでしょうか? それはケースバイケースとなります。ここでは交換した方がいいケースと、しなくていいケースを記してみましょう。

まずは交換した方がいいケースは、こんな方の愛車となります。例えば、走行距離が5万km以下の中古車を手に入れたばかりで、これからトラブルなく長く乗りたい方。購入後すぐにATFを交換しておけば、走行距離が延びても変速ショックの増大や、変速不良などのトラブルが発生しづらいはずです。そのクルマを10万km以上乗り続けることになっても、10万km付近でまたATFを交換することができます。

中古車でなくても、新車を購入して非常に気に入ったので、ずっと乗り続けたいと思った方も、5万kmごとぐらいにATFを交換すれば、長くトラブルなくATが使えるはずです。

短いサイクルでクルマを乗り換えるならATFの交換は不要

それでは交換しなくていいケースは? 新車で購入して5年ぐらいで乗り換えを考えている方であれば、交換する必要はないと思います。

2度目の車検となる5年だとすると、走行距離は平均的な年間走行距離の方であれば4万km程度。それまでにATFを交換しても、ご自分では交換したメリットを感じることができないはずです。

10万km前後の中古車を購入して、ATFの交換履歴がないので「交換しておこうか?」と思い立った方も交換しない方がいいケースとなります。

過走行車はATFを交換しない方がいいというのは本当?

ATF交換履歴のない10万km前後の中古車を手に入れた方が、なぜATF交換をしない方がいいのでしょうか?

これは10万kmにはまだまだ届かない7万〜8万kmぐらいのクルマにも当てはまることがあることなのですが、ATFの入れ替えを行うと、調子が良くなるかと思いきや、逆に変速ショックが大きくなってしまったり、変速タイミングがおかしくなってしまったり、酷いものになるとエンジンの動力をタイヤに伝えられなくなってしまったりすることがあるからです。

なぜそんなことが起こってしまうのでしょうか? ATも長く使うとATFは汚れ、AT内部にはスラッジ(この場合、ATFの汚れがヘドロのように溜まることを意味します)が発生します。ATFを入れ替えると、ATFの洗浄力でスラッジなどが流れて動くようになってしまうのです。

ATの中には、変速を制御するためのATFが通る細かな通路やバルブがあるのですが、そこに流れ出したスラッジが入り込み、ATが作動不良を起こすようになってしまうのです。通路やバルブにスラッジが詰まってしまったら、分解整備、いわゆるオーバーホールを行わないと元に戻すことができないのです。

ちなみにATのオーバーホールはあまり行われることがないので、対応してくれる整備工場が限られ、費用も高額となるようです。

このようなトラブルがかなりの確率で発生するため、ATFの交換履歴のない走行距離7万〜8万km以上走った車両は、ATF交換を依頼しても、トラブルを避けるために、作業を受け付けてくれないことが多いです。

過走行車のATFを交換してくれる整備工場もある

もちろんATFの交換作業を行ってくれる整備工場がないわけではありません。そんな整備工場は、ATF交換についての独自のノウハウをお持ちの場合が多く、過走行車でも交換後にトラブルを発生させることなくATFを交換してくれます。

一例として筆者の知っている整備工場の過走行車のATF交換作業を簡単にしておきます。同じような作業でATFを交換してくれる整備工場もあると思いますし、全く別の方法のところもあると思います。一般的な作業とはいえないので、あくまでも一例と思ってください。

まずはATのオイルパンを外し、ATFのフィルターや見える範囲でのスラッジを取り除きます。その後ストレーナー(オイルの吸い上げ口)にATFのペール缶(20L缶)に装着してあるポンプから伸びるホースを接続し、ATFを圧送しながらエンジンを始動し、ATのセレクターレバーをPから各レンジに動かし、新しいATFをAT内に循環させます。オイルパンは外したままなので、AT内を巡ったATFを再循環させることはありません。

オーバーホールするほどではないかもしれませんが、かなり手間の掛かる作業だと思います。またATFも大量に使用するので、費用も掛かるようです。しかしこの方法でATF交換を行った車両はトラブルに見舞われることなく、交換前に発生していた大きな変速ショックや変速不良の症状が緩和したそうです。

このように独自の作業を行ってくれるところであれば過走行車のATF交換を行ってくれますが、一般的な整備工場では、交換しないことを勧められることになると思います。

「カープレミアガレージ」とは

「カープレミアガレージ」では、国家資格を持った整備士が点検に対応するため、クルマに関する疑問点や不安点は何でもご相談いただけます。また、定期点検などのサービスも行っているため、長期的なクルマの管理も安心して任せることができます。

また、カープレミアでは「カープレミアパーツ」としてリビルト・中古部品を推奨しており、自社グループ会社においても、リユースの生産から販売まで自社工場を有し低価格の実現を進めています。

「カープレミアパーツ」とは?

カープレミアのグループ会社が提供する自動車パーツです。整備・修理の際に、主に「中古・リビルト部品」といった「リサイクル・リユース部品」などの低価格で安心のパーツを提供しています。

中古・リビルト部品って何?

中古部品(リユース)は、使用済み自動車等から取外され、テスターによる点検、清掃などを行い商品化された部品です。リビルト部品は、中古車(コア)を分解洗浄、消耗品交換や故障個所の交換を行い、性能をほぼ新品同等に回復させた部品です。

リビルト部品をオススメする理由

1.新品部品を利用するよりもコストパフォーマンスが良い事
2.リサイクル、リユースといった資源の有効活用に繋がること。
3.品質基準をクリアした部品で安心して使用できること。

中古・リビルト部品のメリット

新品部品と比較して部品にもよりますが、20%~30%ほど部品代金が抑えられるケースがあります。その他、万が一の故障時に0円で修理対応する故障保証や、24時間365日対応可能なロードサービスなどのサポートも充実しています。安心・快適なカーライフは、「カープレミアガレージ」にお任せください。

※故障保証の利用は車両購入時に別途加入が必要です

【まとめ】中古車購入時はまずATF交換してリフレッシュ

手に入れた愛車を大切にしながら乗ろうと思ったら、それが中古車の場合はまず購入時にATFを交換していったんリセット。そして走行5万kmを目安に定期的に交換していくのがいいでしょう。

ただ、いわゆる過走行車を購入した場合は整備工場と相談し、ATFを交換したほうがいいか判断してください。過走行車でも交換してリフレッシュしたい場合は対応してくれる整備工場をカープレミアガレージで探してみましょう。

関連記事

カテゴリ週間ランキング