エンジンオイル交換のやりすぎは善か悪か?

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消耗品であるエンジンオイルは、推奨される交換タイミングが定められています。それを守らずエンジンオイルを交換しないのはクルマにとって良くありませんが、反対に推奨タイミングを無視して頻繁に交換するのはクルマにとってどうなのでしょう?詳しく解説します。

現代のクルマを過去の基準でオイル交換するのはやりすぎ?

現代のクルマは、メーカー推奨のエンジンオイル交換サイクルが非常に長くなっています。最長だと1万5000kmまでがメーカー推奨のオイル交換時期となっています。

1万5000kmという距離は、昭和の時代からクルマに乗っている世代からすれば、愛車のエンジンを痛めつけているような感覚になるような距離。というのも2000年初頭までは長くても5000kmまで、愛車のメンテナンスに気を使う人なら3000kmごとにオイルを交換していました。

そんな人からすれば5倍もの距離をエンジンオイル無交換で走ることになるわけですから、エンジンを痛めつけていると思えるのも不思議ではありません。

3000kmや5000kmという距離でオイル交換を行ってきた人は、メーカーの推奨が1万5000kmとなった現代のクルマでも、3000km、もしくは5000kmでオイル交換することが多いようです。メカニズム的には、オイル交換の間隔が長くなると悪影響が出てきますが、短くなる分には特に問題となるようなことはありません。

オイルは新品の状態が最も高性能で、エンジンの使用とともに性能が落ちていきます。それを考えれば、短いサイクルでオイル交換を行っているクルマは、オイルの性能があまり落ちていない状態のオイルが常に入っていることになります。エンジンの視点でみればこれは善。悪となる要素は見当たりません。

地球温暖化の視点では悪?

しかし昨今、世界的に地球温暖化が大問題となっています。地球温暖化の原因となっているのが炭素の排出。オイルは化石燃料の一部です。使用済みのオイルは、その多くが再生重油として再利用されていますが、焼却処分されるものもあり、その場合は大量の二酸化炭素を排出してしまうことになります。

自動車メーカーも廃油が元となる二酸化炭素排出量を削減するために、エンジンオイルの交換サイクルを長く設定するようになってきたのです。

その流れに反して短いサイクルでオイル交換を行うということは、世の中の流れに反することになります。

ということは、必要以上に短期間でオイル交換を行うということは、環境問題の視点で見た場合は、善か悪かでいえば、悪と言われてしまうかもしれません。

エンジンオイルの交換サイクルの長短の差が現れるのは?

さて、オイル交換サイクルの違いにより、実際にエンジンに差が出てくるのはどれくらいの距離を走ってからなのでしょうか?これは筆者の実体験からの推測となるのですが、5万kmを超えたあたりから徐々に差が出始めて、10万kmを超えればその差が明確になってきます。

といっても性能面での差は思いのほか少なく、その差が明らかなのは、エンジン内部の汚れ具合。オイル交換を短い期間で行ってきたエンジンは、スラッジが圧倒的に少なく、目視では新車時とほとんど変わらない状態を保っていることが多いです。対してオイル交換サイクルが長かったものはスラッジの量が多めで、走行距離なりの汚れ具合となります。

ちなみにスラッジとは、一般的には下水や工場排水の汚泥などを意味しますが、エンジンの場合はオイルの汚れの堆積物のこととなります。

エンジン内の洗浄もその重要な役割となるオイルですから、走行距離が増えるに従いオイルに含まれる汚れも増大し、それがスラッジを生み出す元となっていくのです。もちろんその汚れを取り除くオイルエレメントが備わっているのですが、完全に汚れを濾過できるわけではありません。

オイル交換は、そんなエンジン内部の汚れをオイルとともに排出するという役割も果たしています。オイル交換サイクルが5000kmで行ったものと、1万kmで行ったものとでは、5万km走行時で5回、10万kmで10回もの差ができます。10万km走行時、オイルを介してエンジン内の汚れを10回も多く排出しているエンジンのほうが、汚れが少ないのは当然といえるでしょう。

果たして差を実感できるまでそのクルマに乗るか?

しかし、この差を実感できるのは、前述のとおり10万kmを走行した後となります。平均的な年間走行距離は、現在だと8000km前後といわれていますから、平均値で乗ったとしても12年以上乗らないとその差を享受できないのです。

昨今、クルマの所有年数が伸びているそうですが、さすがに新車から12年も同じクルマに乗るという方は少ないと思います。

ということは、一生懸命オイル交換をしていても、その恩恵にあずかれるのは、中古車としてそのクルマを手に入れた、2人目か3人目か、もしくはそれ以降のオーナー。オイル交換をしにいく手間と、オイル交換をする費用をつぎ込んでも、自分でその効果を実感することは、現実的には「ない」ということになります。

自分の愛車を受け継いでくれた後のオーナーのために、と理解した上で、メーカー推奨よりも短いサイクルでオイル交換をしているのであれば、それは自分にとっても、そして自分の愛車を中古車として乗る後のオーナーにとっても善といえますが、自分が乗っているうちに、その効果を享受したいと思っているのであれば、自分にとって善か悪かで考えると悪となってしまうかもしれません。

こんな「オイル交換やりすぎ」なら善?

メーカーの推奨オイル交換時期が1万kmを超える現代の新車を基準にこれまで話を進めてきましたが、オイル交換サイクルが長かったと思われる走行距離が10万km前後の中古車を手に入れたばかりのオーナーのケースで考えてみましょう。

オイルをエンジンに注入するフィラーキャップを外してエンジン内部を覗いてみると、黒いスラッジが目立つ状態。古いクルマですから、メーカー推奨のオイル交換時期は5000kmですが、これを1000kmごとにオイル交換したとしましょう。これは果たして善なのでしょうか?悪なのでしょうか?

オイルは前述のとおりエンジン内の洗浄を行うのも重要な役割。スラッジが目立つようなエンジンに注入し、一度エンジンをかけた後、すぐにドレンから抜くとすでにオイルは、はっきりとわかる状態で汚れているのです。つまり注入した直後から、エンジン内部を洗浄して、汚れをオイル自体に溶け込ませてくれているのです。

この洗浄力を活かしてエンジン内をきれいにする目的で、1000kmという短いサイクルでオイル交換を行うのは、少なくともオーナーにとっては善となるはずです。

4~5回もやれば、排出されるオイルの汚れ方も変化し、フィラーキャップから見えるエンジン内部も目視で判別できるレベルできれいになります。

1000kmで交換というのは、オイル交換費用もバカにならないので、さすがにやりすぎかもしれませんが、手に入れたクルマのエンジンの汚れが気になる場合は、最初は3000kmごとぐらいのペースでオイル交換を行うか、フラッシングオイルを使うなどすれば、堆積している汚れをかなり落とすことができます。

「カープレミアガレージ」とは

「カープレミアガレージ」では、国家資格を持った整備士が点検に対応するため、クルマに関する疑問点や不安点は何でもご相談いただけます。また、定期点検などのサービスも行っているため、長期的なクルマの管理も安心して任せることができます。

また、カープレミアでは「カープレミアパーツ」としてリビルト・中古部品を推奨しており、自社グループ会社においても、リユースの生産から販売まで自社工場を有し低価格の実現を進めています。

「カープレミアパーツ」とは?

カープレミアのグループ会社が提供する自動車パーツです。整備・修理の際に、主に「中古・リビルト部品」といった「リサイクル・リユース部品」などの低価格で安心のパーツを提供しています。

中古・リビルト部品って何?

中古部品(リユース)は、使用済み自動車等から取外され、テスターによる点検、清掃などを行い商品化された部品です。リビルト部品は、中古車(コア)を分解洗浄、消耗品交換や故障個所の交換を行い、性能をほぼ新品同等に回復させた部品です。

リビルト部品をオススメする理由

1.新品部品を利用するよりもコストパフォーマンスが良い事
2.リサイクル、リユースといった資源の有効活用に繋がること。
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中古・リビルト部品のメリット

新品部品と比較して部品にもよりますが、20%~30%ほど部品代金が抑えられるケースがあります。

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※故障保証の利用は車両購入時に別途加入が必要です

【まとめ】愛車と長く付き合いたいならこまめにオイル交換を!

エンジンオイルは、メーカーが推奨するタイミングで行うのが基本。でも、それより早いタイミングで行うことは悪いことではありません。特にエンジン内部が汚れている場合は洗浄のためにこまめにオイル交換することで、エンジンをいい状態に戻すことができます。

愛車に長く乗りたいと考えている人はぜひ試してみてください。

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