「ホンダ シビックタイプR(5代目・2017~2022年)」ホンダのレーシングスピリットを体現した、唯一無二のジャパニーズFFスポーツ【人気モデル購入徹底ガイド】

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ホンダのタイプRは、1992年登場のNSXタイプRを祖とするピュアスポーツモデルです。現在ではシビックにのみ設定されていますが、プラットフォームを一新し2017年登場したのが5代目となるこのFK8型。きわめて挑戦的なエクステリアデザインを採用し、歴代最強の性能を誇った5代目シビックタイプRについて解説していきましょう。

【サマリー】ドイツ・ニュルブルクリンクでのFF車最速を目指しシャシー/パワートレイン両方を鍛え直す

これまでのシビックタイプRは、ベースとなるCセグメントカー、シビックを軽量化して強力なエンジンを搭載することでスポーツモデルに仕上げてきました。しかし5代目ではこの手法を改め、タイプRを想定したプラットフォームを設計・開発。これにより軽量化と同時に高剛性化も実現でき、より理想的なFFスポーツに仕上げることが可能になりました。

その集大成といえるのが、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースで当時FF車の最速となる7分43秒80のタイムです。これは先代のタイムを約7秒も更新するもの。その圧倒的な性能を愛車にできる快感が、タイプRの醍醐味といえるでしょう。

【外観スタイル】シビックハッチバックをベースに空力デバイスを付加して迫力あるスタイルに仕上げる

2017年7月に発売された10代目シビックハッチバックをベースに、ロー&ワイドなスタイリングを採用。全長×全幅はベース車比で40mm長く75mm幅広い4,560mm×1,875mmとし、全高は数値こそ1,435mmで同じながら最低地上高は10mmダウンの125mmとなっています。

また、バンパーのデザインや大型リアウィング、全周に装着されるアンダースポイラーなどにより、スポーツモデルらしい迫力あるスタイルを作り上げています。

【インテリア】特別な色と素材でスポーツ心を盛り上げる

インテリアも外観に負けず劣らずのスポーティなもの。インパネのデザインはベース車と同じですが、随所に赤い差し色を入れることでタイプRらしさを表現しています。

カーボン調×アルマイト調パネルやアルミ製シフトノブ、ステンレス製スポーツペダルなども標準装備。メーターも、レイアウトはベース車と同じながらコンフォート/スポーツ/+Rという3つの表示モードを採用しました。

シートは強いG(加速度)でも体を支えられる専用タイプ。シート骨格にハイテン材を用いることで先代比10%の軽量化も実現しています。

【走り・燃費】歴代最強の320馬力/40.8kgmの性能を誇るK20C型直4ターボエンジンを搭載

ベースモデル開発時からタイプRの設定を考慮したプラットフォームにより理想的なディメンションと高剛性化を実現。そこに搭載される2L直4DOHCターボエンジンは、先代と同じK20C型ながら10馬力増となる320馬力までパワーアップを果たしました。ただし、車両重量は先代比で+10kgの1,390kgのため、走行性能の向上はパワーアップだけでなくシャシーの性能が効いているといえます。なお、トランスミッションは6速MTのみの設定です。

その高い性能を受け止める足まわりは、先代よりも可変幅を広げたアダプティブダンパーシステム、4輪ブレーキの独立制御で挙動をコントロールするアジャイルハンドリングアシスト、ブレンボ製モノブロック4ポットキャリパーとφ350mmドリルド&ピラーフィンディスクを採用したフロントブレーキ、245/30R20サイズのハイグリップタイヤで武装しています。

【安全装備】究極のスポーツモデルながら後期型には先進安全装備を搭載

2017年登場の初期モデルは、走りを優先したスポーツカーらしく先進安全装備は設定されていません。搭載されるのはVSA(車両挙動安定化制御システム)、サイドエアバッグやカーテンエアバッグ、歩行者との衝突時にボンネットフードを持ち上げて衝撃を低減するポップアップフードシステムなどだけでした。

大きな変更があったのは2020年10月のマイナーチェンジ時。追突被害軽減ブレーキや60km/h以上の速度で作動する車線維持支援システム、30km/h以上に対応したアダプティブクルーズコントロール、歩行者事故低減ステアリングなどの先進安全装備「Honda SENSING」を採用しました。

なお、停止時に自動的にパーキングブレーキを掛けられるEPB(電子制御パーキングブレーキ)は前期型から標準で装備。これを活用し、坂道でのずり下がりを防止するヒルスタートアシスト機能も搭載しています。

【グレード構成】単一グレードながら、後期型にはリミテッドエディションを設定

基本的にはシビックのスポーツグレードという設定のため、タイプRは単一グレードとなります。価格は、前期型が450万360円、後期型は475万2,000円でした。

注目は、後期型登場時に設定されたリミテッドエディションです。専用のBBS鍛造ホイールに採用によりばね下重量を低減し、サーキット走行に適した20インチのハイグリップタイヤや、専用セッティングのアダプティブダンパーシステムとEPS(電動パワーステアリング)も採用。サンライトイエローIIの専用ボディカラーをまとった国内200台限定モデルの価格は550万円と、スタンダード仕様よりも大幅に高価な設定とされました。

【マイナーチェンジ&改良一覧】2017年登場後の改良は2020年10月の1回のみ

2017年に発売されたシビックタイプRは、2021年までの4年の販売期間中にマイナーチェンジを1回実施しました。この改良では前後バンパー形状の変更やエンジンの冷却性能向上、安全性向上などを図っています。なお、エンジン性能やボディサイズ、重量に変更はありません。

サーキット走行での性能ダウンを抑制するため冷却性能やブレーキ性能をアップ

マイナーチェンジでは、前後バンパーには新たにロアガーニッシュ内にL字形のウィング形状を取り入れ、シャープさとボディを低く見せる効果を高めています。フロントバンパーエアスポイラーは剛性と形状が最適化されており、空力バランスもさらに高まりました。

同時に、ラジエターフィンピッチを3.0mmから2.5mmに変更することでフィンの表面積を拡大。フロントアッパーグリルの開口部面積も13%拡大したことでエンジンの冷却性能を向上させ、サーキット走行での水温を約10℃下げることができたそうです。

さらにブレーキにも手が加えられました。ブレーキディスクを2ピースタイプに変更して熱垂れを抑制し、従来のドリルドディスクをパッドとの摩擦安定性のいいプレーンディスク化しました。これらによりブレーキフィールを向上させ、同時に2.54kgのばね下重量低減も実現しています。

また、アダプティブダンパーの制御をより緻密化するアップデートを施し、フロントロアボールジョイントのフリクションも低減させることなどによりハンドリング性能を高めました。

インテリアでは、シフトノブの形状を球形からスチール製カウンターウエイトを内蔵したティアドロップ形に変更して操作性を向上。ステアリングにはホンダ車初のアルカンターラ表皮も採用しています。ボディカラーは新色のポリッシュドメタル・メタリックとレーシングブルー・パールを採用しました。

このほか、前述のHonda SENSINGの採用もマイナーチェンジのトピックと言えます。

究極のシビックタイプRを目指した「リミテッドエディション」を設定

マイナーチェンジ時に設定されたリミテッドエディションは、スタンダードのタイプRよりも4本で10kg軽量な鍛造アルミホイールを採用。さらに防音材などを削減し、スタンダード比で23kgもの軽量化を果たしたピュアスポーツモデルです。

タイヤは、サイズこそスタンダード仕様と同じながら極めて高いグリップ性能を誇るミシュランのパイロットスポーツカップ2を採用。ボディの軽量化も含め、アダプティブダンパーシステムには専用のセッティングが施されました。ボディカラーは、ルーフやボンネット上のインテーク、ドアミラーやエンブレムをブラックとした専用となるサンライトイエローIIを採用しています。

なお、このリミテッドエディションは、当時の鈴鹿サーキットでのFF車最速タイムとなる2分23秒993を記録しました。

【シビックタイプRのおすすめモデル#1】2020年のマイナーチェンジモデル

歴代シビックタイプRの中でも高い完成度を誇るのが、2020年にマイナーチェンジされた後期モデルです。走りの楽しさを存分に味わえるだけでなく安全装備も充実しているので、乗り心地のハードさに目をつぶれば多くの人におすすめできます。

純ガソリンエンジンを搭載するスポーツモデルは今後いっそう希少になっていきますので、このスタイルや性能が気に入っているならば購入して間違いはないはずです。

難点があるとすれば、新車販売時の価格を超えるほどの中古車市場でのプレミア価格でしょう。そもそも販売台数が少ないので、走行距離が伸びても価格の下落は期待できそうにありません。特に国内では200台限定で販売されたリミテッドエディションは価格を気にして購入するモデルではなくなっています。欲しければ迷わずに購入する、そんなスポーツカーらしさを持つモデルと言えるでしょう。

【シビックタイプRのおすすめモデル#2】中古の販売価格帯が若干安い2017年発売の初

先進安全装備が搭載されない初期モデルも、中古車市場では高い人気を維持しています。後期モデルでは足まわりの設定やエンジン冷却性能がアップデートされましたが実際の走りの楽しさは大差なく、サーキット走行などをしない一般ドライバーであれば刺激的な走りを十分すぎるほど堪能できます。エクステリアデザインの差も大きくないため、前期・後期ということよりも、予算や先進安全装備が必要かどうかで選ぶべきでしょう。

なお、後期モデルほどではないにせよ、中古車相場は新車価格を超えるものがほとんどです。走行距離が増えたモデルが多くなるため後期モデルよりも多少安価な設定となりますが、こちらも今後の価格の下落はあまり期待できないでしょう。

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【まとめ】実用性も兼ね備えた、誰もが一目置くスポーツモデル

大人4人がしっかり乗れ、十分なラゲッジスペースも有するなど、十分な実用性も備えているのが歴代シビックタイプRの特徴。高騰した中古車価格は気になるものの、日常使いもできるスポーツカーの最右翼、そしてホンダのレーシングスピリットを体現するモデルとして、今後も高い人気を維持していくはずです。

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この記事は2022年9月の情現在報に基づいています。

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