【軽自動車の選び方】ボディタイプ別の特徴と使い勝手編|編集長直伝!

クルマを選ぶ テーマ別特集
軽自動車を買いたい・買い替えたい方の「どれを選んだらいいの?」のお悩みにカープレミアマガジン編集長が直接お伝えする記事。どうぞご参考に。

【軽自動車の選び方】2WD or 4WD?ターボ or ノンターボ?パワートレイン編  も併せてご覧ください。

軽自動車のボディタイプって何があるの?

軽自動車のボディタイプは、以下の6種類に大別できます。

  • ➢スーパーハイトワゴン
  • ➢トールワゴン(=ハイトワゴン)
  • ➢SUV
  • ➢ハッチバック・コンパクト
  • ➢ワゴン・バン・1BOX・キャブバン
  • ➢スポーツ・オープンカー

このうち、スポーツタイプの軽自動車、軽オープンカーは車種が限定されており、そもそもボディタイプは何を選べばいいのかお悩みの方からは対象外となるかと思います。本記事では、スポーツ・オープンカーを除く5つのタイプについて、その特徴やデメリットにフォーカスして選び方のポイントをお伝えします。

スーパーハイトワゴン

今もっとも売れているクルマ、N-BOX。その中でも「カスタム」は人気モデル。

スーパーハイトワゴンの定義は規格として存在しませんが「車高が1,700mm以上で、後席スライドドアを有するもの」となります。

スーパーハイトワゴンの特徴

  • ➢車高が高い(トールワゴンより高い)
  • ➢後席はスライドドアを採用
  • ➢室内空間が広い
  • ➢横風の影響を受けやすい

スーパーハイトワゴンの車種一覧

  • ➢ホンダ N-BOX
  • ➢スズキ スペーシア
  • ➢ダイハツ タント
  • ➢日産 ルークス
  • ➢三菱 eKスペース/eKスペース クロス
  • ➢スバル シフォン
  • ➢マツダ フレア ワゴン

トールワゴン

今最も売れているトールワゴンは「ダイハツ ムーヴ」

トールワゴンの定義も規格として存在しませんが「車高が1,600〜1,700mm、一部の車種を除き後席はヒンジドアを備えるもの」となります。

トールワゴンの特徴

  • ➢車高が高い(スーパーハイトワゴンより低い)
  • ➢後席はヒンジドア(一部車種を除く。下記参照)
  • ➢室内空間が広い(室内高はスーパーハイトワゴンより低い)
  • ➢横風の影響は、スーパーハイトワゴンほどは受けない

トールワゴン「ヒンジドア」の車種一覧

  • ➢ダイハツ ムーヴ
  • ➢スズキ ワゴンR
  • ➢日産 デイズ
  • ➢ホンダ N-WGN
  • ➢三菱 eKワゴン/eKクロス/eKクロス EV
  • ➢スバル ステラ
  • ➢マツダ フレア

トールワゴン「スライドドア」の車種一覧

➢ ダイハツ ムーヴ キャンバス
➢ スズキ ワゴンR スマイル

トールワゴン・クロスオーバー

分類しにくいですが、トールワゴンをベースにSUVの要素を加えたクロスオーバーも販売されています。

  • ➢ダイハツ キャスト スタイル
  • ➢トヨタ ピクシス ジョイ(キャストのOEM)

SUV

今もっとも売れている軽SUV「スズキ ハスラー」

軽SUVは2タイプあります。1つはトールワゴンをベースに最低地上高を上げて悪路走破性能を高めたタイプ。もう1つは、本格的なオフロード走行を可能にする「クロカン」とも呼ばれるタイプで、大径タイヤを履き、最低地上高・車高が高くしています。トールワゴンベースのSUVの特徴は、トールワゴンの特徴と同じで使い勝手の良さに優れていますが、クロカン軽SUVは、室内空間が狭く使い勝手が劣ります。

トールワゴンベースの軽SUVの車種一覧

  • ➢スズキ ハスラー
  • ➢ダイハツ タフト

クロカン軽SUV

  • ➢スズキ ジムニー

ハッチバック・コンパクト

今最も売れている軽ハッチバック「スズキ アルト」

呼び方はいろいろです。「セダンタイプの軽」とも表現されることがあります。

ハッチバック・コンパクトの特徴

  • ➢軽自動車で最もコンパクトで扱いやすい
  • ➢室内空間が狭い
  • ➢低燃費
  • ➢車両価格が安い
  • ➢女性向けのかわいい車種がある

軽自動車の普及期は、ハッチバック・コンパクトタイプが主流でした。2000年代以降は、トールワゴン、スーパーハイトワゴンが軽自動車の主流となり、今ではマイノリティーなボディタイプとなりましたが、価格の安さ、低燃費、扱いやすさといった特徴は一定の需要があります。女性向けにデザインされた「スズキ アルトラパン」「ダイハツ ミラ トコット」は人気です。

ハッチバック・コンパクトの車種一覧

  • ➢スズキ アルト
  • ➢スズキ アルトラパン
  • ➢ダイハツ ミラ イース
  • ➢ダイハツ ミラ トコット
  • ➢スバル プレオ プラス
  • ➢マツダ キャロル
  • ➢トヨタ ピクシス エポック

軽ワゴン・軽バン・軽1BOX・軽キャブバン

今最も売れている軽ワゴンは「スズキ エブリイワゴン」となるが、「ダイハツ アトレー」がフルモデルチェンジして軽ワゴンから軽バンになってしまい、軽商用車のハイゼットシリーズに販売台数がマージされてしまう。その台数では最も売れている軽商用車になる。画像は、ダイハツ アトレー。

ミニバンの軽自動車版のような格好で、エンジンが前席の下にあることから「キャブオーバー」などと呼ばれます(現在販売中のものは、より厳密にいえばセミキャブとなります)。駆動方式は、後輪駆動がベースです。かつては軽キャブバンが軽自動車メーカー各社から生産販売されていましたが、現在はスズキとダイハツの2社のみとなり、他メーカーはそれらいずれかのOEM供給を受けて販売しています。

なお、ホンダからは、スーパーハイトワゴンのN-BOXのプラットフォームを用いた、FFベースの軽バン「N-VAN」が2018年にデビュー、その後2022年10月にスズキ スペーシアがベースの「スペーシア ベース」がデビューしました。

軽ワゴンは軽バンをベースに乗用タイプに仕立てたもので、ナンバーは軽ワゴンが5ナンバー(軽乗用車届出)、軽バンが4ナンバー(軽貨物車届出)となります。軽バンは、乗員の空間より荷室の空間が広くなければならない(1センチ平米でも広ければOK)という規定があります。なお、軽ワゴンのダイハツ アトレーは2021年12月のフルモデルチェンジのときに、それまでの5ナンバーから4ナンバーに変更されましたが、ラインナップとしては軽ワゴンになる乗用タイプとなっています。

軽ワゴンの車種一覧

  • ➢ダイハツ アトレー(4ナンバー届出車)
  • ➢スズキ エブリイワゴン
  • ➢日産 NV100クリッパー リオ
  • ➢マツダ スクラムワゴン
  • ➢三菱 タウンボックス

軽バン・軽キャブバンの車種一覧

  • ➢ダイハツ ハイゼット カーゴ
  • ➢スズキ エブリイ
  • ➢日産 NV100クリッパー
  • ➢マツダ スクラム バン
  • ➢三菱 ミニキャブ ミーヴ
  • ➢トヨタ ピクシス バン

FFベースの軽バン

  • ➢ホンダ N-VAN
  • ➢スズキ スペーシア ベース

軽自動車の選び方のポイント

実に新車販売の4割以上を軽自動車で占めている日本のモビリティ社会。各社から多種多様な魅力的なモデルが販売されています。いざ軽自動車を買おうとすると目移りしてしまいますね。

軽自動車の選び方のポイントは、まず何を重要視するかです。譲れないポイントが何なのかを考えてみましょう。そのポイントは以下の3つしかない、と筆者は考えています。

1. デザイン
2. 室内の広さ・使い勝手
3. 価格

軽自動車は、排気量やボディサイズなど制約が多い車種ですので、走行性能や乗り心地は登録車(いわゆる普通車)に比べると違いの幅が狭くなっています。登録車であれば、エンジンや乗り心地といった角度からクルマを選ぶことがしやすいですが、軽自動車では、デザインか室内の広さ・使い勝手・価格の3択でいいでしょう。ただ、それぞれ3つのポイントだけで選ぶとデメリットもあります。特に室内の広さ・使い勝手の2軸は、相反するデメリットがあります。次々項でこの点についてお話します。

軽自動車はデザインだけで選んでもいい

モータージャーナリストの立場からすると、制約が多い軽自動車であっても個性は豊かで、性能や乗り味は大きく異なる、と言いたいところですが、それはとっかえひっかえ新型車に乗っては評価をするという特殊な職業柄そう思うのであって、一般の方々の感覚と必ずしも合致しないものです。

筆者と同業の方からの指摘を恐れずに申せば、軽自動車の進化はすさまじく、現在販売されている新車はどれも素晴らしい性能を持っています。確かに新型車でも乗ってみると?マークが頭に浮かぶことがありますが、それはトランスミッションのことだったり、足回りのことだったりで、クルマとしての総合的なものに対することではありません。細かいことが気になる方は「車名+試乗」でググっていくつかのモータージャーナリストの試乗記を読んでみるといいでしょう。

前置きが長くなりましたが、軽自動車はデザインだけで選んでいい、と筆者ははっきりとお伝えします。ただし、条件として「軽自動車を買いたいが、何を選んだらいいか悩んでいる」ことが条件です。そう悩む時点で、クルマの細かい性能や特性はあまり気にならないタイプだと思います(おそらく大半はそうでしょう)。だったら、自分と感性の合うデザインをしたクルマ、「ピピッ」ときたクルマを選べば、買ったあとのカーライフはきっと幸せになるでしょう。

デザインだけで選ばれることが多い「ダイハツ ムーヴ キャンバス」。新型2代目は2022年7月にフルモデルチェンジしたばかり。先代も大人気。

室内の広さ・使い勝手で選ぶ

混乱を避けるため、ここでは室内が広いクルマを使い勝手がいいクルマ、としています。装備面を基準にすると話がややこしくなるのと、今の軽自動車は昔とちがって、劇的に優れた装備が特定の車種にしか搭載されていないという格差がなくなってきており、どのモデルも使い勝手の良い装備が充実しているからです。

室内の広い順にボディタイプを並べると、

軽ワゴン・軽バン → スーパーハイトワゴン → トールワゴン → ハッチバック

となります。トールワゴンの中には、トールワゴンベースのSUVを含めて構いません。軽ワゴン・軽バンは維持費が安いこともあり車中泊するにも最適です。

室内の広さだけで選んだときのデメリット・懸念点

室内の広さだけで見ると「軽ワゴン」1択となりますが、走行安定性・燃費に着目すると、室内の広さの順番の逆になります。

ハッチバック → トールワゴン → スーパーハイトワゴン → 軽ワゴン・軽バン

となります。車高が高いと前面投影面積が広くなり空気抵抗が大きくなります。市街地走行では大きな影響を及ぼしませんが、平均移動速度が高い場合には不利になります。特に時速80kmになると、空気抵抗は如実に増大するため、高速道路での燃費に大きな影響を与えます。また、横風の影響を受ける度合いも大きくなります。たった10cmの車高の違いでも軽自動車は横風の影響度合いが異なります。

車重の重さも室内の広さで並べたボディタイプ順の反対となり、走行性能と燃費に影響を及ぼします。軽ワゴン・軽バン、スーパーハイトワゴンに備えるスライドドアはヒンジドアに比べて重くなり、トールワゴンより60〜80kg車重が増加します。モータージャーナリストらは、この車重の変化が走りに与える影響を身体で感じることができるので気になるポイントとなりますが、一般的にはそう気にならない方のほうが多いでしょう。

価格も室内の広さに比例し、ハッチバック → トールワゴン → スーパーハイトワゴン → 軽ワゴン・軽バンの順に高くなっていきます。

2021年12月にフルモデルチェンジされたダイハツ アトレーの荷室。軽自動車の中で実効積載能力が最も高いクルマになった。プライベートユースにもありがたい。

軽自動車選びのポイントに「車高の高さ」を挙げる人は多い

2021年9月にデビューしたスズキ「ワゴンR スマイル」は、後席スライドドアのトールワゴン。それまで後席スライドドアのトールワゴンは、ダイハツ ムーヴ キャンバス の独壇場でした。スズキの開発担当者から直接聞いた話ですが、ムーヴ キャンバスの独壇場を切り崩すことが目的ではなく、ユーザーの声で「トールワゴンのワゴンRにスライドドアを設定して欲しい」「スーパーハイトワゴンのスペーシアは車高が高くて走行安定性が不安」というものが多かったとのことでした。

寸法にしてみれば、たったの10cm程度。されど10cm。車幅1,480mmが最大の軽自動車にしてみると、その差が非常に大きなもので、見た目の印象にも大きな影響を与えます。小さいボディサイズですから、万が一の事故を考えると見た目の安心感は大切です。ただ、スーパーハイトワゴンの安全性はしっかりしています。例えば、日産のスーパーハイトワゴン「ルークス」は、クルマの安全性を評価する自動車アセスメントで最高のファイブスター賞を受賞しています。スーパーハイトワゴンの安全性が低いというわけではありません。

車高の高さもデザインの1つ。見た目の安心感を優先してクルマを選んでも間違いではありません。買ったあとのカーライフの幸福度は、精神衛生面も大きく左右しますので。

スーパーハイトワゴンでは最も高い1,835mmの車高をもった「ダイハツ ウェイク」は2014年11月にデビュー。しかし販売が振るわず2022年8月末で生産終了が決まった。圧倒的に広い室内空間を誇ったが、車高の高さが安心感を削いでしまい敬遠されたのではなかろうか?

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この記事は、軽自動車選びのポイントをボディタイプにしぼり込んでお伝えしました。姉妹記事【軽自動車の選び方】ターボ or ノンターボ?2WD or 4WD?パワートレイン編 では、エンジンと駆動方式にスポットライトを当てて解説しています。だいたいどのボディタイプの車種も、ターボ・ノンターボ、2WD・4WDをラインナップしていますので、欲しいボディタイプを見つけたあとに、この記事をお読みになると良いでしょう。

それでも「何を買えばいいのかわからない!」という方に向けて、筆者編集長が「おすすめの軽自動車はこれだ!」を責任執筆しました。どうぞ併せてお読みください。

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※この記事は2022年11月現在の情報に基づいています。

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