走行距離 10万kmや20万kmの中古車は買っても大丈夫? 選び方やメンテナンス方法を解説

クルマを賢く買う クルマの購入ノウハウ

走行距離10万kmや20万kmを超えている中古車は、すぐ故障すると思われがち。しかしきちんとメンテナンスさえすれば、まだまだ現役で乗ることができます。一方でこの手の中古車は人気がなく、一般的には価格が安くなる傾向にあります。そのためお買い得な中古車があることも!?

中古車の価格を大きく左右するのが走行距離

自動車メーカーが価格を決める新車と異なり、中古車の価格は市場での需要、つまり人気によって決まります。同じ車種の場合、人気を左右する要素には大きく「年式」と「走行距離」があります。走行距離でいえば、同じ年式でも5万kmと10万kmの中古車があれば、10万kmのほうがたいてい安くなります。

これは走行距離が多いほど使われた頻度が高い=傷んだ部分が増えると思われるためです。確かにクルマが機械である以上、使うほどに部品などが消耗し、故障のリスクが高まったり、部品の交換が必要になったりします。

しかし走行距離が多い中古車ほど故障して、少なければ故障しないのかといえば、一概にそうとは言えません。走行距離の多い中古車でもきちんとメンテナンスされていれば、コンディションが良好で、しかも走行距離が多いためにお買い得に感じられる価格で販売されていることがあります。

走行距離は1年間8000kmを目安に

そもそも走行距離が多い・少ないと判断するには何を基準にすればいいのでしょう。例えば2年落ちで5万kmと、7年落ちで5万kmなら、どちらが多いのでしょうか?

日本における乗用車の平均的な年間走行距離は約8000kmと言われています。ですので、2年間で5万kmなら年間2万5000kmですから、走行距離は多いと言えますし、7年で5万kmなら年間約7100kmですから、標準よりやや少ないと言えます。

しかし10万kmとなると話は少し変わります。20年で10万km走った場合、たとえ年間の走行距離が5000kmだとしても、それなりに各部位にダメージを受けているからです。10万kmという走行距離は、それだけクルマにとって大きな節目なのです。

走行距離10万kmはクルマにとって大きな節目

クルマにとって走行距離10万kmが大きな節目だというのは、メーカーの新車保証の期間を見てもわかります。日本車の場合、一般的にエアコンやカーナビといった部品は「新車から3年間または6万km走行時点のいずれか早い方」まで保証されます。一方で、エンジンやトランスミッションといった動力系の重要部品は「新車から5年間または10万km走行時点のいずれか早い方」までとなります。

エンジン本体のピストンやクランクシャフトといった主要部品は、確かに20万km以上の耐久性があると言われています。しかしエンジンの補機類と呼ばれる部品、例えばエンジンを始動させるセルモーターや、バッテリーに電力を供給するオルタネーターなどの電装系部品にはそこまでの耐久性はありません。

他にも冷却水を循環させるラジエーターホースや各種コード、コネクター類などのゴム・プラスチック部品、各種センサー類なども同様です。こうしたエンジンの補機類が故障すると、多くの場合、クルマが動かなくなります。

さらに乗り心地や操縦性を支えるサスペンション周りの、オイルダンパーやゴムブッシュなども性能寿命があります。こちらは直ちにクルマが止まるわけではありませんが、揺れが収まりにくくなったり、直進性が悪化したりするなど、その影響が徐々に表れるようになります。

これらの部品を交換するとなると、多くの場合大抵10万円単位での費用が必要になります。こうした背景からメーカーとしても10万kmを大きな節目と設定しているのです。

また中古車の場合市場では、10万kmを超えるとたものは「多走行車」と呼ばれ、一般的な実用車の場合は価格が大きく下がります。10万kmというイメージが、購入意欲を大きく減らして、いわゆる不人気車になるからです。

確かに上記の部品を故障前に交換しておけば、さらに走行距離を延ばすことができる中古車もあります。しかしその交換費用をかけてまで店頭に並べても利益を得られる価格で販売できるかどうかといえば、よほどの人気車でなければ難しいでしょう。あるいは中古車販売店が購入者の交換を前提に、そのままの状態で販売したとしても、購入希望者としては他に整備費用のあまりかからない中古車があれば、そちらを選ぶのは当然といえます。

こうした背景から、基本的に10万kmを超えた車は下取り価格がかなり低くなり、多くは部品取りとして解体されたり、途上国海外へ輸出されたりします。

それでも店頭に並べられた中古車とは、それだけの価値があると中古車販売店が判断したものといえるでしょう。例えば下取りしたら意外と程度が良かったものや、十分な整備が行われていたて「もったいない」と感じたクルマだったということです。

走行距離10万kmは1〜2世代前のクルマが中心

一方で、年間走行距離8000kmとすると、12年と6カ月で走行距離10万kmに達します。つまりそれ以上前に新車として販売されたクルマということです。12年前といえば現行型よりも2世代ほど前のクルマということになります。

当然、それくらい前となれば走行性能はもちろん、機能も古い時代のものです。クルマによってはスマートフォン連動のオーディオではなかったり、2020年4月から義務化されたオートライト(周囲が暗くなるとヘッドライトやテールランプが自動で点灯し、明るくなると消灯する機能)も備わっていないことも多いでしょう。

また最近は軽自動車でも標準装備されるようになった、衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全運転支援機能も1〜2世代前なら搭載されていなくてもおかしくはありません。もし搭載されていたとしても、先進安全運転支援機能は日進月歩で進化している技術ですから、現行型と比べればクルマの制御能力やセンサーの精度で劣っていると言わざるを得ません。

10万kmを超えた中古車を購入する場合、こうした機能や性能面で現行型と比べるとどうしても物足りない面が出てきます。

同じ10万kmでも使われ方で状態は異なる

同じ10万kmでも、5年落ちで10万kmと15年落ちで10万kmとでは、前オーナーによる乗り方が異なると想像できます。5年落ちのほうは、例えばおもにゴルフやスキーキャンプなど、毎週末に長距離を走るオーナーだったかもしれません。あるいは遠距離通勤だった可能性もあります。もしそうなら、高速道路や郊外のバイパスを走って10万kmになったことになり、同じ10万kmでもクルマへのダメージは少なくなります。

一方で15年落ちのほうは、ちょっと近くへ買い物など、短距離を積み重ねた結果かもしれません。その場合、エンジンのオイルが十分温まらないうちに走り出すことになり、その結果エンジン内に汚れが堆積し、思わぬ故障を招くことがあります。また15年経っていればラジエーターホースなどゴム系や樹脂系パーツが経年劣化しているでしょうから、ホースに穴が開いたり、樹脂パーツが折れたりしてもおかしくありません。

このように同じ10万kmでもコンディションは乗られ方次第で異なります。上記はあくまで推測でしかありませんし、前オーナーの乗り方まで正確に把握することは難しいものです。可能であれば中古車販売店に前オーナーの乗り方を聞いてみたり、点検記録簿を見てマメに点検やオイル類の交換をしていた人かどうか確認してみたりするといいでしょう。

10万km超中古車の購入時チェックポイント

まず走行距離を問わず、中古車を購入する際は「動かせるところはすべて動かしてみる」のが鉄則です。試乗が無理でもエンジンをかけさせてもらって、キュルキュルなど異音がしないか確認するのです。そして、ライト類はすべて点灯するか、全てのドアのパワーウィンドウは正常に上下するか、ラジオは付くか、トランクを開けたら下がってこないか……クルマには動かせるところがたくさんあります。

また定期点検整備記録簿の確認も必須です。特に10万km超の中古車の場合、これまでの点検や交換内容次第でコンディションが左右されますから、どこで点検を受けていたのか、何をいつ交換していたのか、しっかり確認しましょう。

年式の古い10万km超の中古車の場合は、加えてモール類やホース類などの劣化にも注意が必要です。ヒビ割れや亀裂がないか確認し、不安であれば販売店に確認しましょう。また経年によって雨漏りを起こしている場合もありますから、天井や床、トランクにシミがないかも見ておくといいでしょう。

さらに、できればその車種によくある故障がないか、インターネット等で調べておき、その箇所の修理が既に対応済みか、点検記録簿等で確認するといいでしょう。10万km超ということは、それなりに年式の古いクルマですから、故障箇所についてネット上に口コミが上がっていることがあります。もちろん、すべての同一車種が故障するわけではありませんが、もしも既に対応されていることがわかれば、安心感があります。

10万km超の中古車を買ったらやるべきこと

これはどの中古車にも言えることですが、購入時に消耗品や油脂類を交換、つまりリセットしましょう。ワイパーゴム、エンジンオイル、ブレーキオイル、パワステオイル、ATフルードなどです。タイヤやブレーキパッド、バッテリーの状態も確認しておくとよいでしょう。

購入時にこれらを交換することで、クルマの性能が蘇りやすいだけでなく、購入後のトラブルを未然に防ぐことにつながります。また次にいつ交換するかなど今後のメンテナンス計画を立てやすくなりますから、10万km超でもさらに距離を延ばすことができるでしょう。

20万kmに迫ろうとする中古車は買っても大丈夫か!?

先述の通り、新車の場合エアコンやカーナビなどは6万km、エンジンやトランスミッションは10万kmで保証が切れます。これを各部位の寿命と考えれば、10万kmで一度リセットしたとしても16万kmや20万kmで再び寿命が来ることになります。

10万kmの中古車同様に、既にリセットされているかどうかがまず重要になります。同様に、20万km近くであれば、10万kmの中古車よりさらに年式が古いでしょうから、ゴム類や樹脂類、さらに塗装等もかなり経年劣化が進んでいるでしょう。さらに各部品の本来の品質自体も、今の製造技術と比べれば劣るわけですから、寿命は6万kmや10万kmよりも短いことも考えられます。

こうした部品類がリセットされていないとすれば、自ら整備費用をかけても手に入れたいかどうかという判断が必要になります。

最近の旧車ブームに伴い、かつてなら廃車になっていたような20万km近くの中古車も、店頭に並べられるようになりました。思わず手を伸ばしたくなる20万km近くの中古車もあるでしょうが、このように古いクルマはお金がかかりがちです。

購入時には予算にある程度余裕をもち、維持費もそれなりにかかるのだと理解できるのであれば20万km近くの中古車を購入しても楽しいカーライフを送れるでしょうが、そうでなければ手を出さないほうが無難です。

10万kmオーバーでも欲しいか。これが購入の判断基準

10万km超の中古車といっても、その乗られ方や点検整備次第でコンディションが異なります。実車を確認したり、点検記録簿を見たりしただけではコンディションの全てを確認できるとは言い切れません。エンジン周りなど重要な部品類の寿命を迎えるタイミングでもあり、また購入後もきちんとメンテナンスすることが必要なことから、所有すればそれなりに費用はかかります。決して「10万km超は安いから」で購入するのではなく、それでも欲しいと思う車かどうか。それに尽きると思います。

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