三菱は1960年代から軽商用車を生産してきた、老舗メーカーです。軽バンはミニキャブという名前で販売し続け、現在も新車で購入できるモデルです。そんな三菱 ミニキャブ バンの詳細を解説し、おすすめを紹介していきます。
三菱の軽バンの種類と特徴
初代は1960年代に登場
三菱の軽バンの歴史は、1968年に登場したミニキャブバンで始まりました。ミニキャブという名称自体は軽トラックと共通ですが、三菱の軽バンとして半世紀以上継続的に販売され、現在に至ります。軽自動車の黎明期でもある360cc時代から始まり、550cc、4スト化、660ccと進化。6代目ではそれまでのキャブオーバータイプから、前輪が運転席よりも前にくるセミキャブタイプへとボディ形状を変更しました。先代モデルの7代目からガソリン車はスズキ エブリイのOEMモデルへと切り替わっています。
50年以上続く歴史の中で、オーソドックスなバンをベースにさまざまな仕様がラインナップされてきました。例をひとつ挙げると、サブネームのブラボーがついた車種は、最初はバンの高級仕様として登場しましたが、その後は乗用ワンボックスモデルへと変わり、現在はバンの上級グレード名として残っています。
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軽バンの電気自動車もラインナップ
しかし、その長い歴史の中で最もエポックメイキングだったのは、2011年に登場したBEV(電気自動車)のミニキャブ・ミーブでしょう。軽バンとしては初のBEVであり、現在も唯一の存在となるミニキャブ・ミーブは、パワートレインを同じBEVのi-MiEVと共有化することによってイニシャルコストを抑えることに成功。当時の補助金を適用した場合、車両価格が173万円からという低価格で購入できました。
駆動用バッテリーはフロアの下に、モーターとインバーターは荷室の下にそれぞれ搭載。i-MiEVで培ったこれらの技術により、商用車では最優先となる積載性能をまったく損なうことなく350kgの最大積載量を実現しています。現在でも販売されているミニキャブ・ミーブは、おもに法人用として人気を博しています。
【三菱の軽バン】ミニキャブ バン
現在はスズキからのOEMに
現行ミニキャブバンは、スズキ エブリイのOEM供給を受け2015年3月に販売が開始されました。当時クラストップの荷室長、荷室幅、荷室高を誇り、新型パワートレインの採用による低燃費化、先進予防安全技術「e-Assist」の搭載など、最新の技術が惜しみなく投入されています。同時に乗用タイプのワゴンであるタウンボックスも発売されました。
上級グレードに従来型から続く「ブラボー」を据え、ほぼ毎年改良を重ねてきた8代目のミニキャブ。2022年の一部改良では、エンジンの可変バルブタイミング機構を排気側にも追加しNAエンジンへ一本化。ターボエンジンは廃止されました。
スズキのOEMを受けたのは先代の7代目からで、2014年に登場。契約時期の関係上たった1年の供給となりました。OEMはバンだけでなく、トラック(キャリイ)と乗用ワゴンのタウンボックス(エブリイワゴン)も合わせての供給となっています。トラックがセミキャブからキャブオーバーへと戻ったのもこの世代からです。
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ミニキャブ・ミーブは6代目がベース
軽商用車唯一のBEV「ミニキャブ・ミーブ」はさらにその前の世代である、6代目がベースとなっています。この世代が三菱オリジナルの最後であり、ミニキャブ・ミーブは現在のラインナップで唯一の純三菱製軽自動車でもあります。
2021年3月には一度生産を休止していましたが、2022年10月に販売を再開。総電力量16kWhの駆動用バッテリーを搭載し、WLTCモードでの一充電航続距離は133kmをマークしています。販売再開にあたって一部改良も実施され、荷室へ10ヵ所のユーティリティナット、オートライトコントロール、ASC(横滑り防止機能)などが新たに追加されました。
【三菱の軽バン】狙い目の中古車
昨今のアウトドアブームで、中古車市場でも人気急上昇の軽バン。ミニキャブも例外ではありません。リセールの良さも考慮したおすすめをピックアップしています。
8代目「ブラボーターボ」2015年式〜
2023年現在も新車で買える現行8代目ですが、初期モデルは2015年のデビューですので7年以上経っています。生産期間が長いということは、台数も多くなりますので好みの1台も見つけやすいでしょう。7代目とはよく似ていますがデザインが少々変わっているのと、ホイールベースの拡大による室内の拡大、そして先進安全運転支援システム(ADAS)が入っている点が違いです。
おすすめの2019年式は、一部改良によってADASがアップデートしレーダー式からカメラ式へと変わりました。これにより歩行者検知機能も追加されています。ターボ車はASCも標準となり安全性能に関しては申し分ありません。燃費性能は多少見劣りしますが、ターボエンジンは長距離移動の際にストレスを感じさせる機会が圧倒的に少なくなります。ロングドライブを考えているようでしたら、ターボ車を狙いましょう。
スズキ エブリイにもいえることですが、昨今の軽バンはリセールが非常に高いことも特徴です。手放すタイミングと走行距離にもよりますが、他の軽自動車に比べ高く買い取ってくれる可能性が高くなります。
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7代目「ブラボーターボ」2014〜2015年式
たった1年間しか販売されなかった7代目は、市場的にはレアな部類に入るものの現行の8代目よりは当然安価に購入できるはずですので間違いなくおすすめできます。8代目ともデザインが似ているため古さをまったく感じないところが、一番のポイントといえるでしょう。
ADASがついていませんので、そのあたりに目をつぶれば非常に便利に使えるクルマです。キャンプや旅に使いたいのであれば、ターボ付きの方が上り坂や追い越しなどの場面で思いどおりの加速性能を発揮してくれるでしょう。軽バン人気はまだまだ続くでしょうから、もちろん手放す際のリセールも期待できるはずです。
6代目「ミーブCD 16kWh」2011年式〜
長距離を乗らない前提で、近距離の買い物などに便利なのがミニキャブ・ミーブ。家に充電設備がある、もしくはつけられるのであれば一番経済性の優れたクルマとなる可能性を秘めています。中古車ですとバッテリーの消耗が気になるところですので、電池容量の残存率がなるべく高いものを選ぶようにしましょう。
2015年式以降のモデルは、急速充電器対応となります。出先での充電もスムーズに行えますので、急速充電機能は必須といえるでしょう。乗り方にもよりますが、BEVはバッテリーが消耗するものです。リセールに関しては、エンジン車ほど期待できないと考えた方がいいかもしれません。
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【まとめ】他メーカーにはない独自の魅力がある三菱軽バン
三菱の軽バン、ミニキャブは歴史あるモデルである一方で、現在はOEMモデルとして販売される人気車種です。ガソリン車とBEVが選べますし、独自の魅力も持っています。スズキ エブリイと比べると中古車市場での数は少なくなりがちですが、選んで間違いないモデルだといえるでしょう。根気よく探していけば、自分のカーライフスタイルに合った1台が必ず見つかるはずです。
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※この記事は、2023年2月時点での情報で執筆しています