トゥルントゥルンの氷上でアリア B9 e-4ORCEほか全10数モデルにイッキに試乗【日産氷上試乗会2023】

クルマを選ぶ 試乗記

日産がメディア・モータージャーナリスト向けに開催する氷上試乗会のレポートをお届けします。今年の目玉は『e-4ORCE』。サクラと新型フェアレディZも目玉。目玉だらけでした。

アリア B9 e-4ORCEが初登場!試乗車ラインナップにあのクルマが!

氷上試乗会の会場は、長野県は蓼科山の麓、白樺高原にある女神湖。ここは標高1,540mで冬は分厚い氷で湖面が覆われ、氷上ドライブが楽しめるスポットになっています(一般開放されていません)。試乗したときの気温はマイナス8℃でした。氷の上なので体感温度はさらに低く、鼻の悪い筆者は終始鼻水をすすりながらの試乗となりました……

まずは、試乗車のラインナップからお伝えしましょう。

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エクストレイル e-4ORCE

2022年7月にフルモデルチェンジを受けて発売された4代目。すでに公道での試乗レポートはお届け済み。今回はトゥルントゥルンの氷上で電動駆動4輪制御技術『e-4ORCE(イーフォース)』の実力を試します。

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アリア B9 e-4ORCE limited

デリバリーが延び延びとなっていた、アリア B9 e-4ORCE limitedがやっと試乗会に登場しました。B9は、91kWhという大容量バッテリーを搭載、その分車両重量は重く、2,230kg。初試乗が氷上ですが、その走りはいかに?

サクラ

2021-2022年のカー・オブ・ザ・イヤーを総ナメにしたサクラ。4WDの設定がありません。軽の規格でバッテリーを搭載すると、リアモーターを置く場所がなくなってしまいます。それでも、緻密な制御が可能なモーター駆動なので氷上性能はいいはず。

フェアレディZ

史上最大のビッグマイナーチェンジといって過言ではない、新型フェアレディZも氷上試乗会のラインナップに登場です。低ミュー路(摩擦係数が低い)が不得意なFRは、氷上ではもはやオモチャ?腕に覚えのある人にはたまらない試乗会。果たして筆者はうまく乗りこなせるのでしょうか……ATとMT(!)の両方が用意されていました。

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ノート (NISMO以外全車4WD)

ノート オーラ NISMO

ノート クロスオーバー

ノートは、基準車とオーラ、オーラNISMO、クロスオーバーのシリーズ全モデルが試乗車にラインナップしていました。ノートの素晴らしい電動四輪駆動制御システムは昨年の氷上試乗会で体験済。今年は、e-4ORCEと比べてみます。

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キックス 4WD

2022年7月のマイナーチェンジで、ノートと同じパワートレインの第2世代e-POWERに置き換わり、待望の4WDが追加されました。なんとなく乗り味は予想がつきますが、しっかりと氷上性能をチェックします。

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GT-R Premium Edition T-Spec

昨年の氷上試乗会でもラインナップに加わっていたGT-R T-spec。氷上でも結構扱いやすいんですよね。今年もしっかりと楽しみます。

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日産氷上試乗会2023の様子は動画でも(前編)

e-4ORCEの走りはいかに?

ノートやキックスに搭載される、e-POWER 4WDも、エクストレイルとアリアに搭載されるe-4ORCEも、どちらも前後2モーター電子制御四輪駆動です。最も大きな違いは、e-4ORCEがモーターとブレーキを統合制御しているところ。

モーターとブレーキを統合制御すると、何が起こるかというと、より緻密な駆動力・制動力 でコントロールできるようになり、走行安定性や乗り心地がよくなります。加速・減速時やコーナリング時の車体の動き、傾きも最適化されます。日産がいうには、クルマ酔いしやすい人にも快適なドライブが楽しめるようになったそうです(まだ実験していないのでわかりませんが…)

e-4ORCEがどんな動きをするのか、日常生活のワンシーンでたとえるなら、畳を運ぶとき、四隅をそれぞれ1人が持って運ぶようなものとなります。角を曲がるときは、内側にいる人は歩幅を狭くして歩みを遅くし、外側にいる人はその逆の動きをします。また、畳の前方にいる人は、角へ曲がりこみしやすくし、後ろにいる人は前の人の動きに合わせて、後ろから押し出すように曲がっていきます。畳の四隅の4人が、それぞれ最適な動きをとります。すなわち、4人がまったく同じ動きにはならず、バラバラな動きになって全体としては統制が取れています。統制が取れていないと、畳が引っ張られるなどして手から離れ落ちてしまうでしょう。

4人で運ぶ畳には、ハンドル操作は不要です。駆動力と制動力だけで角を曲がっていきます。e-4ORCEも、同じようなことをしています。理論的・物理的には、タイヤの駆動力・制動力の制御だけで曲がることができます。実際はハンドル操作をすると、前輪には舵角が入りますが、e-4ORCEは四輪それぞれの駆動力・制動力を調整するので、非常にスムーズにコーナリングすることができます。

女神湖の氷上はスケートリンクと同じ状態でした。朝一番の第1〜3走行くらいまでは、まだ氷の上にザラメの雪があり、そこそこグリップするのですが、しばらく走行が重ねられると、タイヤで湖面が磨かれてトゥルントゥルンになります。場所によっては歩くのもやっと、下手すると生まれたての子鹿のように、氷の上で踊ることになってしまいます。

そんな低ミュー路では、e-4ORCEは確実に加速し、減速・停止してくれます。コーナリングもとても安心です。ただそれは、安全なスピードで走行したときのことです。安全が確保されたクローズコース、トゥルントゥルンの氷上となれば、スピードを上げて走ってしまうのが人の子ってもんです。

e-4ORCEは氷上で無敵のように思えますが、e-4ORCEを搭載したアリア、エクストレイルは車重が重たく、慣性の法則には勝てないのです。アリア B9 e-4ORCE limitedの車重は、2,230kgと余裕の2トン超え。一度滑り出すと、カーリングのストーンよろしくなかなか止まりません。いくら電子制御といえども、スケートリンクのような低ミュー路では限界は低く、これを超えるとドライバーのハンドルさばきとブレーキコントロールで姿勢を戻さねばなりません。

ということで、アリアのアクセルを強く踏みすぎた筆者は華麗にスピンを決めるのでした。ほかの方々も盛大にスピンしていましたので、筆者だけ腕が悪かったわけではないようです。

とはいえ、無茶なスピードでコーナーに入らなければ、路面状況の変化で(氷上でもかなり滑るところとそうでないところがまだらにある)突然横滑りをはじめても、慌てずステアリング操作をし、アクセルをパーシャルにしてじっと待っていれば、グリップが回復し、するすると加速してくれます。

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ノート・キックスのe-POWER 4WDはやっぱりイイ

e-4ORCEが出たからといって、それまでのノートシリーズに搭載されたe-POWER 4WDがダメになったわけではありません。この第2世代e-POWER 4WDはやっぱりイイのです。車両重量が軽い分、慣性モーメントが少なくて車両姿勢の制御がしやすく、統合制御ではなくても、VDC(ビークルダイナミクスコントロール)がブレーキとモーター出力を制御してくれるので、安定した走行ができます。

VDCをOFFにすると、氷上でくるくる回ってダンスもできちゃいます(動画参照)。

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サクラが優秀だった件

日産EV3兄弟の末っ子、サクラちゃんは、機構上2WD(前輪駆動)の設定しかありません。ゲームチェンジャーとなるべく登場したサクラは、降雪地帯・寒冷地帯でも走行性能に問題はないのでしょうか?積雪、凍結路面を日常生活で走行する方のほとんどは4WDを選択しています。

ちょっと不安でしたが、いざ走り出してみると、これまたいいんです。優秀なんです。やはり、滑りやすい路面では慣性モーメントの小さい軽量なクルマは正義なのです。加えて、2輪駆動といえども、エンジン車とは比較にならないほどの緻密な駆動力制御が可能なモーター駆動は、トゥルントゥルンの凍った路面を着実に加速し、カーブを曲がり、止まったのでした。

「サクラが欲しいけど、冬の道路が心配」と思っている方、大丈夫です!VDCもしっかりとついているので、安全に走ることができます。ただし、自宅充電ができない方はご遠慮いただいたほうが幸せです。

フェアレディZはただただ面白い。GT-Rは意外にも扱いやすい

FR(フロントエンジン・リアドライブ)のスポーツカーは、氷の上ではもはや大人のおもちゃといわざるを得ません。ただただ面白いの一言に尽きます。MTなんぞ、もう、まっすぐ走らせるだけでも苦労するのですから。ZのMTを氷上試乗会に持ってきたのは、日産の特別なはからいであり、我々へのごほうびですね。

GT-Rは、優秀な電子制御四輪駆動「アテーサ」と元から備える高いドライバリティから、意外にも氷上でも扱いやすいスポーツカーなのです。試乗時は、VDC常時OFFでの走行(連日の氷上試乗でVDCがお疲れモードになっていた)でしたが、丁寧にアクセル、ハンドル操作をするとトゥルントゥルンの路面でも狙ったラインをトレースしてくれます。

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2022年は日産の当たり年でした

新型はアリア、サクラ、フルモデルチェンジはエクストレイル、セレナ、マイナーチェンジはキックス、キャラバンと、注目の車種ばかりの日産。これでひとしきりの新型が出揃いました。新型ラッシュの後の氷上試乗会は、目玉車ばかりでした。2023年はちょっと一息ですかね。

自動車業界内外で、クルマに関わる嫌なニュースが多い今日このごろ。しかし、日産の新型車はワクワクするモデルばかりでうれしいですね。今後も目が離せません。

日産さん、今年も氷上試乗会に呼んでいただきありがとうございました!

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(文:宇野 智 画像:日産オフィシャルフォトグラファー)

日産氷上試乗会2023の様子はこちらから(後編)

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※この記事は、2023年2月時点での情報を元に執筆しています。

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