50年以上続く老舗ブランド「ホンダ シビック」大衆車からプレミアムカーになっても世界を魅了し続ける

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日本では通算10代目にあたる現行型シビック。1972年7月に初代が登場して以来、さまざまなボディタイプが発売され、ボディサイズも拡大されてきました。いつも時代に合わせて変化してきたシビックがどんなモデルかを振り返っていきましょう。

【現行型(FL)シビックの魅力】1.5L直噴VTECターボ、2L e:HEV、2L VTECターボをラインナップ

MTも用意されたスポーツ志向の高いプレミアムハッチバック

2021年にフルモデルチェンジされた現行型シビック。先代がアグレッシブなデザインだったのに対し、端正で美しいプロポーションが与えられました。ボディタイプは先代がセダンとハッチバックをラインナップしていましたが、現行型はハッチバックのみになります。

インテリアも直線を基調としたシャープで高級感のあるイメージに。インパネは立体的なハニカム構造のデザインとなり、この中にエアコンルーバーが組み込まれています。エアコンルーバーの動きやスイッチ類は見た目だけでなく触感にもこだわって開発されています。

搭載エンジンは1.5L直噴VTECターボ。エンジンレスポンスを高めて、アクセルを踏み込んだときからリニアな走りを楽しめます。トランスミッションはCVTに加え、6速MTをラインナップ。新車販売ではMT比率が3割以上とかなり高くなっています。

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2022年6月:e:HEVを追加

2022年6月には、ホンダ独自のハイブリッドシステムであるe:HEVを搭載したシビックe:HEVが追加されました。

e:HEVは日常のほとんどをエンジンが動かす発電用モーターが作った電気の力でモーターを動かして走ります。その意味ではシリーズハイブリッドに近い感覚ですが、大きな違いは高速道路などを巡航する際は効率がいいエンジンの力で走行すること。つまりシステム的にはシリーズ・パラレル式になります。

ガソリンモデルが1.5Lエンジンを搭載しているのに対し、シビックe:HEVは2L直噴エンジンを搭載しました。このエンジンは高トルク化され、エンジンモードでの走行可能領域を拡大。アクセルを踏み込んだときにスポーティなエンジン音が耳をくすぐります。走行モードを切り替えられる『ドライブモード』には、好みで自由に設定できるインディビジュアルモードが追加されました。

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2022年9月:タイプRを追加

そしてシビックで忘れてはいけないのが、タイプRです。現行型は2023年9月にタイプRが登場。登場と同時に注文が殺到し、現在は新車のオーダーがストップになっています。

2L VTECターボエンジンは先代から継承されたものですが、ターボチャージャーを刷新して最高出力243kW、最大トルク420Nmまでパワーが高められました。そのエンジンをしっかり冷却するためにラジエーターの有効開口面積が48%拡大されています。

ほかにも足回りの高剛性化、4輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システム制御、高剛性化とガタツキを抑えた新設計のシフトレバー構造など、ストイックなタイプRシリーズの名に恥じない性能がふんだんに盛り込まれています。

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【初代・SB1/SG/SE/VB型】世界に日本車の実力を見せつけた画期的なモデル

世界のベーシックカーを目指して開発された初代シビックは1972年7月に登場。スペース効率を高めた台形デザインのボディは、4つのタイヤを可能な限り端に設置するとともにフラットなフロア設計を採用。そしてエンジンルームなどメカスペースを極限まで小さくすることで、居住スペースが広げられています。デビュー時の搭載エンジンは1.2Lの直4OHCエンジンでした。

初代シビック最大のトピックは1972年に発表され1973年から発売されたCVCCエンジン搭載モデルです。当時はアメリカをはじめ、世界中で深刻な排ガスによる大気汚染問題、そしてオイルショックの問題を抱えていました。アメリカではマスキー法と呼ばれる排ガス規制が決定しましたが、あまりにも厳しい規制でほとんどの自動車メーカーが「これを達成するのは無理」となりました。

ところがホンダはCVCCエンジンを開発。このエンジンは世界で初めてアメリカの排ガス規制をクリアしました。CVCCエンジン搭載のシビックは世界中で大ヒットしました。

初代シビックは2ドア、3ドアと5ドアのハッチバック、4ドア、そしてバンが用意されました。

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【2代目・SL/SS/SR/ST/VC/WD型】新開発の1.4L CVCCエンジンを搭載

1979年7月に登場した2代目は初代の利便性や居住性、経済性が大幅に進化。デザインは初代のイメージを継承しつつ、シャープなイメージが強調されました。

インパネはメーター類をハンドル内側に集約し、操作スイッチは運転中に手が届きやすい場所に配置しています。そして当時はまだ珍しかったエアコンをビルトインできるようになっています。

エンジンは1.3LのCVCCエンジンに加え、1.5Lの新CVCCエンジンを追加しています。ブレーキは全グレードで前輪ディスクブレーキが標準装備となりました。

ボディタイプは3ドアと5ドアのハッチバック、4ドアセダン、バン、そしてワゴンモデルのシビックカントリーが設定されました。

【3代目・AG/AH/AJ/AK/AT型】若者を中心に爆発的ヒットとなったワンダーシビック

1983年9月に登場した3代目は、スクエアなラインでスポーティなイメージに生まれ変わりました。中でも3ドアハッチバックのリアに向かって徐々に傾斜するロングルーフと、すとんと斜めに切り落としたようなバックドア(クリスタルゲートと名付けられました)が印象的。3ドアの未来的なデザインは当時の若者の心を鷲掴みにし、大ヒットモデルとなりました。

搭載されるエンジンは1.3Lのキャブレター仕様、1.5のキャブレター仕様、そして1.5LのPGM-FI(電子制御式燃料噴射システム)仕様の3タイプが用意されました。PGM-FI仕様は最高出力100ps、最大トルク13.2kgmを発揮します。トランスミッションはMTのほかにセミATのホンダマチックを選ぶこともできました。

3代目シビックには3ドアハッチバックのほか、4ドアセダンと5ドアで全高を高くし、ワゴン感覚で使えるシャトルをラインナップ。このモデルは1983年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いています。

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【4代目・EF型】ワイド&ローなイメージになったグランドシビック

グランドシビックと呼ばれる4代目は1987年9月に登場。低く構えたワイドなフォルムと流線型デザインによりスポーティな印象が高められています。インテリアは視界が広く取られ、ドライバーが落ち着いた気分で運転を楽しめるように。もちろん視界の広さは安全性にも貢献します。そして外観同様にインテリアにも曲面が効果的に使われています。

搭載エンジンは1.3Lと1.5Lのシングルキャブ、1.5Lのダブルキャブ、そして1.6LのDOHC PGM-FIを用意。いずれも16バルブ仕様となります。1.6L DOHCエンジンは最高出力130ps、最大トルク14.7kgmを発揮するホンダらしいスポーティな仕様になります。

サスペンションは全モデルで新開発の4輪ダブルウィッシュボーン式に。コーナリング性能が大きく向上しました。トランスミッションは5速MTと4速ATになります。

ボディタイプは3ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアシャトルを用意。セダンとシャトルにはリアルタイム4WDも設定されました。そしてバンモデルのシビックプロもラインナップに加わっています。

【5代目・EG型】リッター100馬力オーバーのSiRが登場したスポーツシビック

1991年9月に登場した5代目はスポーツシビックの愛称で呼ばれます。エクステリアは4代目の面影を残しつつもより未来的なデザインを採用。『ワンルーム&ツインゲート』をテーマにした上下2分割のバックドアが特徴的です。若者をターゲットにしていることから、リアシートを倒せば広い荷室を作れることもセールスポイントにしていました。

このモデルではスポーツグレードとしてSiRとSiR IIを設定。搭載される1.6 DOHC VTECエンジンは最高出力が170psに。リッター100馬力を超えるパワーは当時の若者を虜にしました。他にも低燃費と動力性能を両立させた1.5L VTEC-Eエンジン、最高出力130psを発揮する1.5L VTECエンジン、1.3Lシングルキャブ、1.5Lデュアルキャブ、1.6Lデュアルキャブ、1.6L PGM-FIが用意されました。

ボディタイプは3ドアハッチバックのほか、4ドアセダンを用意。この代からセダンはシビックフェリオというネーミングが与えられました。1993年2月には2ドアのシビッククーペもラインナップに加わりました。

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【6代目・EK型】タイプRがラインナップに加わったミラクルシビック

1995年9月に登場したミラクルシビックは、『これまでの大衆車の概念を変える』ことを目標に掲げて開発されたモデルです。先代からホイールベースが50mm延長され、これにより後席スペースを拡大しています。ヘッドクリアランスも余裕を持たせているので、大人4人で快適に移動できるようになりました。

1.5Lエンジンは可変バルブタイミングリフト機構の性能を高めた3ステージVTECに進化。最高出力170psを発揮する1.6L DOHC VTECはシビックSiR、SiR II、シビックフェリオSi、Si IIに搭載されます。

ボディタイプは3ドアハッチバック、4ドアセダンのシビックフェリオ、シビッククーペをラインナップ。

そして1997年8月には、NSX-R、インテグラタイプRに続くシビックタイプRが登場。タイプR専用の1.6L DOHC VTECは8200rpmで最高出力185psを発揮。足回り、ボディ、ブレーキなどに専用チューニングが施されたストイックなモデルは、手頃な価格(東京での新車価格:199.8万円)だったこともあり、絶大な支持を受けました。

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【7代目・EU型】居住性を重視したスマートシビック

2000年9月に登場したスマートシビックは通常モデルで3ドアハッチバックが廃止され、5ドアハッチバックと4ドアのシビックフェリオというラインナップになりました。5ドアはインパネシフトを採用して左右のウォークスルーが可能になっているのが特徴です。

エンジンは1.5Lリーンバーン、1.5L VTEC、1.5L SOHC、そして1.7L VTECが用意されました。そしてFFに加えて4WDも用意されたのもトピックです。

2001年10月にはタイプRが登場。タイプRのボディは3ドアで、エンジンは高回転型の2L DOHC i-VTECを搭載。最高出力は215psに達しました。トランスミッションはクロスレシオ6速MTになります。

2001年12月にはシビックフェリオをベースに開発したシビックハイブリッドが登場。1.3L i-DSi(2気筒休止VTEC)にアシストモーターを組み合わせたIMA(パラレル式ハイブリッドシステム)を搭載し、10・15モードで29.5km/Lという超低燃費を達成しました。

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【8代目・FD型】セダン専用モデルに大幅転換

これまでシビックといえばハッチバックのイメージが強かったのですが、2005年9月に登場したこの世代からセダン専用モデルとなりました。これは2001年6月に登場したフィットが大ヒットしたため、競合するのを避けるための措置と言われています。セダン専用モデルとなったことで、フェリオというサブネームも使われなくなりました。ボディサイズは全幅が1750〜1955mmとなり、ミドルクラスへとサイズアップしています。

ラインナップは1.8L i-VTECエンジンを搭載するガソリンモデルと、3ステージ i-VTEC+IMAを搭載するハイブリッドの2種類。ハイブリッドは10・15モードで31km/Lという低燃費を実現しました。

2007年3月に登場したタイプRもセダンになります。2L DOHC i-VTECエンジンは最高出力225psを発生。ボディや足回りの専用チューニングに加え、エンジン回転数を赤いランプの点灯で表示する『i-VTEC/REVインジケーター』などが採用されました。

日本ではセダン専用モデルとなりましたが、イギリスではハッチバックも生産されていました。2009年11月にはこのハッチバックをベースに開発されたタイプRが『シビックタイプRユーロ』として2010台限定で発売されました。

2015年12月:シビックタイプRを750台限定でイギリスから輸入

8代目シビックは2010年8月で生産が終了。欧米では9代目へとフルモデルチェンジしましたが、日本では販売が伸び悩んだこともあり、発売されることはありませんでした。

しかしホンダは2015年10月に「750台限定でシビックタイプRを発売する」と電撃発表。これはイギリスで製造されていたもので、ニュルブルクリンクサーキット(ドイツ)の北コースにおいてFF量産車で最速の7分50秒63というラップタイムを記録したモデルです。

商談申し込みはウェブ限定で行われ、日本に割り当てられた750台はあっという間に完売になりました。

【9代目・FC/FK型】セダン・ハッチバック・タイプRが復活

海外では2015年に10代目へとフルモデルチェンジしたシビック。しかしこのタイミングも日本への導入はありませんでした。しかし2017年1月に開催された東京オートサロンでホンダは3種類のシビックを展示。日本でも発売することが正式にアナウンスされました。グローバルでは10代目となるモデルですが、日本では9世代目のシビックになります。

エクステリアは攻撃的で迫力あるデザインを採用。セダンはルーフを後方まで伸ばしたクーペルックになっています。

これまで、タイプRはベース車両を改良する形で開発されてきましたが、この世代は当初からタイプRを作ることを念頭に置いてプラットフォームが開発されています。タイプR専用の2L VTEC TURBOエンジンは最高出力235kW(320ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)を発揮。ニュルブルクリンクサーキット(ドイツ)の北コースのタイムは7分43秒80と、先代のタイムを7秒近く縮めています。

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【まとめ】ボディは大きくなっても、「これぞシビック!」という走りを味わえる

いつの時代も世界を見据え、ニーズに合わせて柔軟に進化してきたシビック。そして忘れてはならないのが、どのモデルも走る楽しさを大切にしてきたことです。最新モデルもガソリンモデル、ハイブリッドのe:HEV、そしてタイプRと複数のラインナップを用意し、それぞれホンダらしい走りを味わえます。

1980年代〜90年代に一世を風靡したワンダーシビックやグランドシビックなどと比べるとボディサイズは驚くほど拡大されていますが、乗れは「やっぱりシビックだ」と感じられるはずですよ。

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※この記事は、2023年2月時点での情報を元に執筆しています。

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