「ホンダ ヴェゼル(初代・2013〜2021年)」コンパクトなボディにクラスを超えた室内空間を持つ、クーペルックのスタイリッシュな新型SUV【人気モデル購入徹底ガイド】

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コンパクトSUVの中で、走り、燃費、居住性、使い勝手などにおいて最もバランスの取れたモデル、それがヴェゼルです。なぜならベースがベストセラーコンパクトカーのフィットだからです。2013年に登場し、スタイリッシュなデザインで大ブレイクした初代ヴェゼルに注目してみましょう。

【サマリー】コンパクトカー・フィットをベースにSUVに仕立てたクロスオーバーモデル

ホンダには1990年代にHR-VというコンパクトSUVがありました。1.6L直4エンジンを搭載し、3ドアと5ドアをラインナップする、今で言うクロスオーバーモデルです。

そのHR-Vのデビューから15年後、1998年12月に新型コンパクトSUV、ヴェゼルが発売されました。実はこのヴェゼル、海外ではHR-Vを名乗っています。つまりヴェゼルは、日本では新型車ですが、海外では2代目モデルということになります。

ヴェゼルのベースとなったのは、人気コンパクトカーのフィットです。フィットと同じく燃料タンクを運転席下に配置するセンタータンクレイアウトを採用し、室内はフィットと同等の広さを確保。ホンダの伝統である、「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に」という「M.M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想」を体現することで大ヒットを記録しました。

【外観スタイル】リアドアの存在を消したクーペのようなスタイル

全長4,295mm×全幅1,770mm×全高1,605mmと比較的コンパクトなボディは、SUVでありながらクーペのようなルーフ後端を下げたスタイリングを採用。さらにリアのドアハンドルをCピラー付近に移設することで、まるで2ドアかのような、スタイリッシュなデザインに仕上げています。

【インテリア】クラスを超えた居住性とパーソナルな空間を両立

高いセンターコンソールを持ち、ナビ画面などを運転席側に傾けたことでコックピット感を強調していますが、フィット譲りの居住性は大人4人がゆったり乗れるもの。さらに特徴的なのがラゲッジスペースの広さです。クラストップレベルの404Lの容量を持ち、さらに後席を倒せば2台のマウンテンバイクが積めるフラットなスペースを作り出せます。

【走り・燃費】1.5L直4ガソリンとハイブリッドを用意。のちに1.5Lターボも設定

パワートレインのラインナップは、131馬力の1.5L直4DOHC直噴ガソリンエンジンとシステム出力152馬力を発揮する1.5Lハイブリッドで、2019年の改良では172馬力の1.5L直4ターボエンジン車を追加しています。

ハイブリッドは7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせた新開発ユニット、スポーツハイブリッドi-DCD。ガソリン車のミッションはCVTで、4WDは途中で追加されたターボモデルを除いて設定されます。全車に走行シーンに合わせて減衰力特性を最適化する振幅感応型ダンパーを採用するのも注目点です(初期モデルはフロントのみ、改良でリアにも搭載)。

【安全装備】2018年に安全運転支援システムを全車標準化

追突被害軽減ブレーキやサイドエアバッグ、カーテンエアバッグは初期モデルから設定されています(一部グレードはオプション)。

2016年の改良で、車線維持支援システムや前走車に追従するアダプティブクルーズコントロールを含めた安全運転支援システム「ホンダセンシング」が設定され、2018年の改良では全車標準装備となりました。

【グレード構成】基本グレードはガソリン、ハイブリッドともに3タイプずつ。途中でスポーツグレードを追加

発売当時のヴェゼルは、ガソリン車がG、X、Sの3グレード、ハイブリッド車はハイブリッド、ハイブリッドX、ハイブリッドX Lパッケージ(4WDのみ)とハイブリッドZ(FFのみ)というグレード体系でした。価格は187万円(G)〜268万円(ハイブリッドX Lパッケージ)です。なお、ガソリン車の4WDはベースグレードのGのみに設定されていましたが、2015年4月の改良では中間グレードであるXにも4WDが設定されました。

2016年2月には、改良と同時に走る楽しさを追求したRSを設定(FFのみ)。18インチアルミホイールや専用エクステリアを採用しており、全グレードにホンダセンシングを標準化しています。また2019年は、1月に1.5Lターボエンジンを搭載するツーリング(FFのみ)、11月にコンプリートモデルのモデューロX(1.5LターボはFF、ハイブリッドはFFと4WD)を追加しました。

【マイナーチェンジ&改良一覧】改良は計3回。2回目にRSを、3回目に外観の変更を実施

2013年12月に、コンパクトなボディながら優れた居住性を備え、動力性能と燃費性能に優れるハイブリッドや価格を抑えた1.5Lエンジンを搭載し登場したヴェゼルは、デビューするやいなやベストセラーモデルとなりました。居住性に優れ、ラゲッジスペースもクラス最大級を誇るなど、コンパクトSUVのベンチマークと言える1台です。

2015年4月の改良では、全モデルにIR(赤外線)カット/UVカット機能付きガラスや、プラズマクラスター搭載フルオートエアコンを装備し、FF車には振幅感応型ダンパーをリアサスペンションにも装備。ガソリンのXグレードに4WDを設定し、ハイブリッド車にゴールドブラウン・メタリックのボディカラーを追加しています。

2016年2月に安全運転支援システムを新設定し、スポーツグレードのRSを投入

2016年2月の改良は、やや規模の大きなものとなりました。最大のトピックは、緊急自動ブレーキのほか、前走車に追従して車間や速度を自動的に保つACC(アダプティブクルーズコントロール)や、車線の中央を維持するようにステアリングを制御するLKAS(レーンキープアシストシステム)などを備える安全運転支援システム、ホンダセンシングが選択可能になったこと。

また、18インチアルミホイールや専用エクステリア、可変ステアリングギヤレシオを採用し、ガソリン車には独自のCVT制御「G・Design Shift」を搭載したスポーツグレード、RSを新設定。このRSとハイブリッド車のトップグレードであるハイブリッドZには、走行安定性を高めるパフォーマンスダンパーを標準装備としました。また、ハイブリッドZには前席パワーシートや4WDモデルを設定しています。

機能面では、4WD車のリアサスペンションにも振幅感応型ダンパーを標準化。これにより全車の前後サスに標準装備となりました。快適面では、ドアの解錠・施錠と連動したオートリトラミラーを全車に、ハイブリッド車に左右独立温度コントロール式エアコンを採用しました。

ボディカラーでは、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、シナモンブロンズ・メタリック、ルナシルバー・メタリックを新設定しています。

2018年2月にホンダセンシングを全車標準化。2019年にはスポーツモデルを追加

2018年2月の改良では内外装デザインを変更しました。外観は、フロントバンパーとグリルのデザインを変更し、ヘッドライトにインラインタイプのLEDを採用。特にグリルは太い横バータイプとなり、力強さを感じさせるものとなりました。内装では、フロントシート形状を刷新するとともに、ステッチも変更してホールド性や質感を高めています。ボディカラーは、オーロラアメジスト・メタリックとシルバーミストグリーン・メタリックを含む3色を新設定しました。

機能では、ホンダセンシングを全車標準装備としたのが注目点。ボディへの制振材の追加や走行時のエンジン音を低減して静粛性を高め、ハイブリッドシステムのチューニング変更によりスムーズな加速フィールを、ハイブリッド車のブレーキペダルに新しいリンク機構を採用してスムーズなブレーキフィールを実現しました。また、4WDのトルク制御を進化させ雪上性能を高めています。

2019年1月に追加された1.5Lターボエンジンを搭載するツーリングは、専用仕様のパフォーマンスダンパーを装備。また、コーナリング時に前輪に軽いブレーキを掛けて車両の動きをスムーズにし安定感を高めるアジャイルハンドリングアシストを同車初採用するなど、一体感のある走りを楽しめるモデルです。デザインでは、左右2本出しエキパイフィニッシャーやブラウンインテリアを専用装備しました。

2019年11月には、専用カスタマイズパーツを標準装着したスポーティなコンプリートカー、モデューロXを設定しました。ベースは、FF車がツーリングとハイブリッドRS、4WDがハイブリッドZで、専用となるサスペンションや空力特性が考慮された黒基調のエクステリアパーツを採用。フロントスポーツシートも装備して、上質でしなやかな走りを実現しています。

【ヴェゼルのおすすめモデル#1】パフォーマンスダンパーを搭載した2016〜17年のRS

2014〜16年と、19年にSUVの国内販売台数トップとなったヴェゼル。それだけに中古車も豊富で、街なかですれ違うことも少なくないはず。となると、少し差別化されたグレードが欲しくなるのではないでしょうか。そんな人にピッタリなのが2016年に追加された、専用エクステリアを採用するRSです。

前後のオーバーハング部に装着されるパフォーマンスダンパーとは走行中のボディのたわみや微振動を軽減してくれるもので、走行性能だけでなく乗り心地も向上します。キビキビとしたコーナリングが楽しめる可変ステアリングギヤレシオの採用とあわせ、RSは走りを楽しみたい人に適したグレードです。なお、2018年には外観を変更したため、価格が手ごろなのは2016〜17年モデルです。

1.5LターボのツーリングやコンプリートカーのモデューロXはよりスポーツ性を高めていますが、モデル末期に登場したこともあり中古車のタマ数が少ないのがネック。その点、RSはFF車のみとなりますが、ハイブリッドだけでなくガソリン車も選べます。販売期間も長かったためタマ数も多く、探しやすいモデルだと言えるでしょう。

【ヴェゼルのおすすめモデル#2】安全運転支援システムが標準装備になった2018年改良以降のハイブリッドZ

2018年の改良で、ホンダセンシングが全車標準装備となりました。それ以前のモデルでも搭載車は探すことができますが、この改良以降のモデルであれば安心して選ぶことができます。特に、高速道路を走る機会が多い人は、前走車に自動追従するACCや車線を維持するLKASは疲労を大幅に軽減してくれます。残念ながらヴェゼルのACCは速度が落ちると自動解除されてしまいますが、それでも長距離走行では便利な機能となるでしょう。

外観のデザインも変更され、太いグリルなどでより個性的になりました。デザインは好みがありますが、精悍さが増したこの改良以降のモデルをお薦めしたいです。パワートレインは、スムーズさや静粛性が高められたハイブリッドがいいでしょう。燃費性能にも優れており、走行距離が多い人でも満足できると思います。内装の質感や機能性、走りに差があるので、上位グレードのハイブリッドZのコストパフォーマンスが高いです。

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【まとめ】コンパクトSUVの価値観を変えた1台。居住性、走りともに満足できる

Bセグメントコンパクトのフィット由来の燃費性能と、キビキビとした走り、ライバルを超える居住性や広いラゲッジスペースを備える初代ヴェゼルは、ファミリーカーにも適したモデルです。ただし安全運転支援システムはまだ発展途上だった時代ですから、中古車ではモデルごとにかなり違いがあります。装備が充実したモデルを選べば、満足度の高い買い物ができるはずです。

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