トヨタの高級ミニバン、アルファードは2015年のフルモデルチェンジから6年以上が経過しましたが、販売台数を伸ばし続ける大人気を維持しています。モデル末期に入ってもなお、絶好調なセールスを誇る理由はなんなのでしょうか?その理由に迫ります。
驚異的な販売台数を誇るアルファード
トヨタは国内市場向けに開発した、FFの高級ミニバンとして2002年に初代アルファードを発売しました。
それまでのトヨタの上級ミニバンは、キャブオーバー(フロントシートの下にエンジンが配置される1BOX)のハイエースやエスティマがラインナップされていましたが、高級ミニバンのマーケットは、日産から1997年にデビューした「エルグランド」に人気が集中していました。
トヨタは、エルグランドの好調なセールスを横目で見ながら、アルファードを開発した流れになりますが、そこはさすがトヨタ。後発という強みも活かして2002年に発売、好調なセールスを記録します。
その後、2008年に2代目へフルモデルチェンジし、現行モデルにあたる3代目は、2015年に発売、2017年12月にマイナーチェンジ(発売は2018年1月)を受け、以降一部改良が繰り返されて現在に至ります。
現行アルファードは、2.5Lガソリンエンジンを搭載するハイブリッドと、V6 3.5Lガソリン、直列4気筒2.5Lガソリンの3タイプをラインナップ。トランスミッションはV6 3.5L車に8速AT、2.5Lガソリン車にCVTが組み合わせられています。
また、ハイブリッド車には後輪モーター駆動の4WD「E-Four」、2.5L、3.5L車にも4WDが設定されています。
CAP/アルファード 標準タイプ
CAP/エアロタイプ
グレード構成は、大きく分けて高級グレードの「エグゼクティブ ラウンジ」系と、標準グレード系のふたつに分かれ、エクステリアでは「エアロタイプ」と名付けられた迫力あるフロントマスクなどが与えられたモデルがラインナップしています。
すでにこの豊富なパワートレインラインナップ、グレード構成から幅広いユーザーを獲得できるという人気の理由が見えてしまっていますが、そんなアルファードの販売台数は、登録車販売台数で第4位(2021年1〜11月の累計販売台数)に位置するという高級ミニバンとしては珍しく高いセールスを記録しています。
2021年1〜11月登録車累計販売台数
順位 | 車名 | 累計販売台数 |
---|---|---|
1 | ヤリス | 193,360 |
2 | ルーミー | 124,937 |
3 | カローラ | 97,020 |
4 | アルファード | 89,687 |
この集計は、自販連が自動車メーカーの国交省への届出車名をベースにしたもので、ヤリスは、コンパクトカーの「ヤリス」とコンパクトSUVの「ヤリスクロス」の合計値、カローラは、「カローラ セダン」「カローラ ツーリング」「カローラ スポーツ」「カローラ クロス」「カローラ アクシオ」「カローラ フィールダー」の合計値となっているため、これらをバラして再計算しますと、次のようになりました。
順位 | メーカー | 車種名 | 販売台数 |
1 | トヨタ | ルーミー | 124,937 |
2 | トヨタ | ヤリスクロス | 94,560 |
3 | トヨタ | ヤリス | 91,700 |
4 | トヨタ | アルファード | 89,687 |
5 | 日産 | ノート | 81,817 |
6 | トヨタ | ライズ | 74,786 |
7 | トヨタ | ヴォクシー | 64,048 |
8 | 日産 | セレナ | 55,970 |
9 | トヨタ | シエンタ | 54,347 |
10 | ホンダ | フィット | 53,484 |
注目したいのは、トヨタのミニバン「ヴォクシー」が8位となっている点です。車両価格が高いアルファードのほうが圧倒的に売れているのは、あるひとつの理由がありました。
リセールバリューが高いアルファードは残クレで有利
アルファードの車両価格は、359万7,000〜775万2,000円となっています。多彩なパワートレイン、グレード構成となっていますので、分類します。
パワートレイン | X・S系・GF | Executive Lounge 系 |
---|---|---|
2.5L | 360〜468万 | – |
2.5L 4WD | 385〜494万 | – |
V6 3.5L | 520〜528万 | 726〜742万 |
V6 3.5L 4WD | 540〜547万 | 762〜747万 |
ハイブリッド | 465〜572万 | 760〜775万円 |
※千の位で四捨五入、単位:円
高級ミニバンらしく、高価格帯の設定もありますが、300万円台のリーズナブルなグレードも用意されているのが特徴的です。エントリーグレードでは本革シートをはじめとした豪華装備は省略されるものの、高級感は失われていません。
ここで注目したいのが、ヴォクシーの価格。
ヴォクシーの車両価格
パワートレイン | 2WD | 4WD |
---|---|---|
ガソリン | 284〜331万 | 301〜314万 |
ハイブリッド | 335〜344万 | – |
※千の位で四捨五入、単位:円
ヴォクシーの主要グレード価格帯が300万円台前半と、アルファードの2.5L車エントリーグレード系の価格が接近しています。ヴォクシーを買う予算を少しアップすると、ヴォクシーより上級のアルファードに手が届くという価格です。
また、最近流行りになってきている、残クレ(残価設定型クレジット)を使えば、続きの支払いにちょい足しすればアルファードが買えてしまいます。
アルファードはリセールバリューが非常に高いモデルで、特に2.5L車が高めの状況となっています。日本国内市場では、ハイブリッド車、V6 3.5L車の人気が高い状況ですが、グローバルで見ると、直列4気筒2.5L車の中古車の需要が高くなっています。これは、アジアをはじめとした新興国でアルファードの人気が高く、中でも直列4気筒2.5L車はメンテナンス性がよく万が一の故障でも対応がしやすく需要が高いという背景があります。
元々ヴォクシーは、5ナンバーサイズミニバンでトップの販売台数を誇る人気モデルであったところ、残クレの普及でアルファードが買いやすくなった、という状況が、アルファード爆売れの理由のひとつとなっています。
トヨタ販売ディーラーの統合も追い風に…しかしヴェルファイアが…
2019年5月の東京地区を皮切りに、2020年5月から全国展開された、トヨタの販売ディーラー統合。それまでは「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」の4系列のディーラーがあり、取扱車種が分かれていました。それが、統合され全ディーラー全車種取り扱い可能になりました。
隣接する別系列ディーラーはどうなるのかなど、ちょっとした物議を醸した大胆な販売戦略でしたが、結果として成功に至っています。
トヨタは車種ラインナップ数のもともと多かったため、全ディーラーが「クルマのデパート」状態となり、ユーザーは選びやすく、ディーラー営業サイドは売りやすくなったようです。
また、トヨタのディーラーは全国で約4,600店舗と、ライバルの日産とホンダの店舗数のざっと2倍という販売力の大きさも相乗効果を生み出しています。
このディーラー統合による全店全車種併売化と、残クレの普及がアルファード人気にさらに火をつけました。
いっぽう、このアルファードの人気の裏で、凋落の憂き目に遭ってしまったのが兄弟車「ヴェルファイア」。
トヨタディーラー統合前は、アルファードがトヨペット店系列、ヴェルファイアがネッツ店系列で販売され、最初はアルファードよりヴェルファイアのほうが人気は高く、販売台数も上でした。
ところが、ディーラー統合後、ヴェルファイアの人気はあれよあれよという間に落ちていき、ついにはグレード整理が行われ、今では元は特別仕様車だった1グレードのみのラインナップになってしまいました。
アルファードの爆売れの理由は、様々な要因が重なっていたのでした。
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