「ホンダ オデッセイ(5代目・2013~2022年)」低重心・低床パッケージを踏襲したプレミアムミニバン【人気モデル購入徹底ガイド】

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大人数で乗れるクルマ=キャブオーバータイプの1BOXが主流だった1994年に、セダン感覚の発想で大空間を持つ多人数乗用車として開発されたのが初代オデッセイ。

「多人数用のクルマは重心が高くて走りは二の次」という概念を覆し、スポーティな走りとスタイリッシュなフォルムでミニバンブームの火付け役となりました。以降、オデッセイの個性である「低重心・低床パッケージ」を継承しながら、5代目はユーティリティ性能を大幅に向上させました。

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【サマリー】乗用価値とユーティリティ価値のベストバランスを目指した

アルファードエルグランドとは一線を画す、低床プラットフォームが生み出すセダンライクな走りと、ステーションワゴンを思わせるスタイリッシュなフォルムが歴代オデッセイの個性であり魅力になっています。

とはいえ、乗降性に優れる両側スライドドアでなかったり、全高の高さがもたらす居住性が不足していたりと、ライバルに劣る部分が見受けられたのも事実。そこで、5代目はリアドアをスイング式からスライド式にあらため、3列すべてを広く快適にするために天井高を上げると同時に、床面高を下げる「超低床プラットフォーム」を構築。

歴代オデッセイで定評のあった走りの良さはそのままに、従来モデルで課題だった室内空間の狭さを改善しました。

5代目オデッセイの主な変更点は次のとおり。

大開口のスライドドア

フロアの骨格構造をはじめ、薄型フューエルタンクや排気システムのレイアウトの工夫などにより徹底した低床化が図られました。

その結果、スライドドアを採用しながら2列目のステップ高はホンダの3列シートミニバン、エリシオンに対し約15㎝も低くすることができました。ステップの段差がなく、フロア形状もフラットで幅広なのでスムーズに乗り降りできます。

先代比+150㎜の全高がもたらすゆとりの空間

「全高は低く、空間は大きく」という、相反する課題をクリアするために5代目オデッセイが構築したのが「超低床プラットフォーム」。

全高は先代モデル(FF)比で+150mmとして頭上空間の広さを確保しながら、シャシー構造をイチから見直し、薄型フューエルタンクや薄型排気システムなどの採用で「低い床」を実現。全高をライバルのラージサイズミニバンより10cm以上低く抑えながら、1325mmの室内高(FFモデル)を確保。

2・3列目のヘッドクリアランスはラージクラス同等のゆとりを実現しています。

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【外観スタイル】低重心が際立つ流麗なフォルム

「ソリッド ストリームライン」をデザインコンセプトにしたオデッセイのエクステリア。超低床プラットフォームを活かした広い空間を備えながらも、スペースユーティリティ重視のミニバンにありがちなスクエアな形状にすることなく、流麗で力強いプロポーションを追求しています。

コンパクトなエンジンルームによるスラントノーズが全高を抑えたルーフへと、なめらかにつながる伸びやかなシルエットはオデッセイが初代モデルから継承する「セダン価値」を体現しています。

さらに、張り出した前後フェンダーで走りの力強さと低重心ならではの安定感を表現しています。

【インテリア】高級ホテルのスイートルームがモチーフ

インテリアのデザインコンセプトは「モダン スイートルーム」。モダンで飽きのこない高級ホテルのスイートルームをモチーフに、全席それぞれの快適性と上質感を追求。

ソフトパッドや木目調パネルを多用し、スウェード調ファブリックやスムーズレザーなどシート素材を厳選することで、ロングドライブでもすべての座席で快適に過ごせるスイートルームのような空間に仕立てています。

【走り・燃費】クラストップの低燃費と力強い加速を両立する新開発エンジン

アブソルートにはVTEC+VTCに直噴システムを加え、エンジン骨格から刷新した新開発エンジンを採用。B、G、G EXにはポート噴射仕様の新開発エンジンを採用。従来モデルに対し出力、トルク、燃費性能のすべてを向上させながら、ともにレギュラーガソリン仕様なのでガソリン価格が高騰している昨今ではうれしい配慮です。

2016年2月の一部改良で2モーターに2LアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンを組み合わせたスポーツハイブリッドの「i-MMD」が追加されました。

【安全装備】マイナーチェンジでホンダセンシングを全車標準装備

2015年1月の一部改良で安全運転支援システム「Honda SENSING」を一部グレードに搭載。2017年11月のマイナーチェンジで全車標準装備になりました。

フロントグリル内に設置したミリ波レーダーとフロントウィンドウ内上部に設置した単眼カメラによる高精度な検知機能でクルマの前方の状況を認識。安心・快適な運転や事故回避を支援する先進のシステムです。

衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、先行車発進お知らせ機能、標識認知機能、LKAS(車線維持支援システム)、路外逸脱抑制機能、歩行者事故軽減ステアリング、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の8つの機能で構成されます。

【シートアレンジ】7人乗り仕様と8人乗り仕様を設定

■7人乗り(写真上)
2列目のロングスライド機構を活かした7人乗り仕様。3列目シートを床下格納し、2列目シートをロングスライドさせるとリムジンのような広々とした空間になります。

26インチの自転車が搭載可能な「最大ラゲッジモード」、6人乗車しながらロングボードなど約3mの長尺物が積載可能な「長尺モード」など、積載性にも優れます。

■8人乗り(写真下)

2列目シートのフォールダウンでクラストップレベルの荷室空間を実現した8人乗り仕様。2列目は6:4分割の3人掛けのベンチシート。シートバックは4:2:4分割可倒式で、中央部を倒すとドリンクホルダー付き2列目シートセンターアームレストとして使えます。

■2列目プレミアムクレードルシート(写真下)

シートバックのリクライニングに連動してシートクッションが最適な角度に持ち上がるクレードル機構を採用し。オットマンやシートバック中折れ機構も備えた快適仕様のシート。3列目シートを床下格納すると740mmのロングスライドが可能で、リムジン並みの広々とした足元空間が得られます。

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【マイナーチェンジ&改良一覧】安全運転支援の拡充と待望のHVを追加

2014年5月:G・エアロパッケージを追加

クロームメッキの大開口フロントグリル、スタイリッシュなエアロダイナミクス・カラードバンパー、ダイナミックなデザインの17インチアルミホイール、ブラックファブリックのインテリアなどを採用したG・エアロパッケージを設定。

2015年1月:一部改良 ホンダセンシングを一部グレードに搭載

ミリ波レーダーと単眼カメラによる検知で安全運転をサポートするHonda SENSINGを一部グレードに標準装備、その他グレードにメーカーオプションとして設定しました。

2016年2月:一部改良 ハイブリッドモデルを追加

2L DOHCのi-VTECと2つのモーターを組み合わせたスポーツハイブリッドi-MMD(現在のe:HEVと同じシステム)をホンダの上級ミニバンでは初搭載し、クラストップの燃費性能を達成。

リチウムイオンバッテリーを1列目シート床下にコンパクトに収めることで、広い室内空間や使い勝手といったオデッセイの魅力はそのままに、優れた燃費性能と力強い走りを実現しました。

2017年11月:マイナーチェンジ Honda SENSINGを全車標準装備

Honda SENSINGをガソリンモデル、ハイブリッドモデルともに全車標準装備。ハイブリッドモデルのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)に渋滞追従機能が追加されました。

2020年11月:マイナーチェンジ エクステリアデザインを刷新

厚みのあるフードや大型グリル、薄型ヘッドライトの採用で、より力強いフロントフェイスに一新。インテリアの質感向上も図られ、Honda SENSINGには後方誤発進抑制機能が追加されました。

しかしこの力の入ったマイナーチェンジからわずか一年足らずで、オデッセイは業績の芳しくないホンダの車種リストラの候補となってしまい、販売終了となります。マイナーチェンジ後は前年を上回るセールスを記録していただけに惜しむ声は多くありました。

【オデッセイのおすすめモデル#1】2017年11月以降のHV

ガソリン2Lの直4DOHCエンジンに発電用と走行用、2つのモーターを加えたスポーツハイブリッドi-MMD (=現在のe:HEV)はEV感覚のシームレスな走りと力強い加速感が魅力。超低床プラットフォームを活かした「走りのいいミニバン」というオデッセイのキャラクターとも合致するパワーユニットです。なお、4WDは2.4Lガソリンエンジンのみの設定です。

【オデッセイのおすすめモデル#2】プレミアムクレードルシート装着車

従来のオデッセイに比べて床は低いまま、頭上空間が広くなった5代目。ラージクラスミニバンの車格感やゆとりを実感できるのがFFの7人乗りに設定されていた2列目のプレミアムクレードルシート。筆者も着座経験がありますが、オットマンを使って深々と腰掛けると新幹線のグリーン車をしのぐ快適さで、ロングドライブも快適に過ごせます。

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【まとめ】「背の低くて走りのいいミニバン」の最終進化型

ラージクラスミニバン市場で絶対的王者のアルファードに対し、オデッセイは「低重心・低床プラットフォーム」を武器にスポーティなハンドリングと洗練されたスタイリングで「ミニバンでも走りを犠牲にしたくない」という層を中心に一定のニーズを獲得しました。

5代目はリアドアをスイング式からスライド式に改め、全高も先代比150mm高くするなど乗降性・居住性も改善。ハイブリッドの追加やHonda SENSINGの機能向上などモデル末期までアップデートが図られました。

残念ながら昨今のトレンドを踏まえると、国内では「背の低いミニバン」のニーズは少なく、オデッセイの次期モデルも望み薄。5代目は「スタイリッシュで走りのいいミニバン」として今後希少価値が高まりそうです。

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※この記事は2022年11月現在の情報に基づいています。

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