ハイト系軽自動車として1990年代中盤から市場を牽引してきた、ダイハツを代表するモデルがムーヴです。ノーマルとカスタムの2種類のスタイルを展開し、ライバルより上質なインテリアで人気を博してきました。今回は2014年に登場した6代目の特徴を見ていきます。
【サマリー】骨格を刷新し基本性能を向上させた
1995年のデビューからダイハツの旗艦車種として高い人気を誇ってきた、ハイト系軽自動車のムーヴ。現行モデルは2014年の12月に発表され、6代目にあたります。
登録車からの乗換えユーザー、いわゆるダウンサイザーが増えていく中で軽自動車に求められる品質が高まったこともあり、基本性能のレベルアップを果たしました。新開発の軽量高剛性ボディモノコック「Dモノコック」や、先進運転支援システム(ADAS)のスマートアシストなどの採用により、ワンクラス上のクオリティを手に入れています。
【外観スタイル】厚みを増したボリュームのある外観
サイズは先代から変わらないものの、厚みを意識した角張ったフォルムにすることでボリューム感が増したエクステリア。ヘッドライトやフロントグリルは大型化し、四隅のタイヤを強調するフェンダーのプレスラインも加わって、躍動感を感じられるデザインへと進化しました。
カスタムには、上級グレードとしてハイパーを設定し、ダークメッキパーツやLEDアクセントなどで上質感を演出しています。
【インテリア】材質でもデザインでも表現される上質感
ムーヴのお家芸とも言える上質なインテリアは、この6代目でも健在です。最近は他社モデルでセンターディスプレイを助手席側にオフセットする車種が見られますが、ムーヴはセンターに配置。水平方向に伸びるダッシュボードのデザインと相まって、視覚的な広さを演出します。
最上級のハイパーには専用のギャラクシーマーブル調のインテリア加飾と、本革&ファブリックのシートが採用され、さらなる上質感が表現されています。
タコメーターを全グレードに装備し、カスタムでは自発光式の2眼メーターの中央にTFT液晶のカラーマルチインフォメーションディスプレイを採用しました。
リアシートのロングスライド機能も健在で、240mmの可動域によりさまざまなシートアレンジが楽しめます。ほかにも、高いホールド性能を持ったシート構造や、自然なドライビングポジションがとれるステアリング&ペダルレイアウト、風切り音の低減まで考慮された静粛性など、登録車なみにこだわった開発がされていることも見逃せないポイントです。
【走り・燃費】Dモノコックによる高剛性かつ軽量なボディ
軽量高剛性ボディ骨格構造のDモノコックは、衝撃などの力を骨格全体で受け止める構造で、従来比20kgの軽量化を実現しながら衝突安全性は従来と同等を確保。アンダーボディの補強も相まって高剛性化が図られ、基本性能の向上に役立っています。
フラットな乗り心地を提供してくれるサスペンションや、高い静粛性もこのモノコックがあってこそのもの。ムーヴの魅力をさらに引き上げているボディと言えるでしょう。
エンジンはNA(自然吸気)とターボの2種類を、ムーヴとムーヴカスタム両方に用意。JC08モード燃費は、NA車で31.0km/L、ターボ車が27.4km/Lをマークし、ともにエコカー減税が適用されました。
【安全装備】後方の誤発進抑制を追加
ADASとは呼ばれていないころの、衝突回避支援システムであるスマートアシストを全グレードに設定しました。従来型からの継続となる、低速域衝突回避支援ブレーキ機能、誤発進抑制制御機能、先行車発進お知らせ機能に加え、後方誤発進抑制制御機能も新たに装備。予防安全性能を高めています。VSC&TRCはスマートアシストから独立し、全車に標準装備化されました。
【グレード構成】SA有無と駆動方式で28グレードを展開
ムーヴに限らず、当時のダイハツ車はスマートアシスト装着の有無が選べるようになっていました。スマートアシスト付きをSAと表し、グレード名の後ろに付けることによって非装着車との差別化を図っています。ムーヴ/ムーヴカスタムには、全グレードにSAが設定されていました。
グレード体制は、大きく分けてムーヴにはL、X、Xターボの3種、カスタムにはXとRSの2種を設定。このうちカスタムのみ、XとRSそれぞれにハイパーという上級グレードが設けられました。このハイパーを合わせればカスタムのグレードは全4種類。そして先述のSA付きがすべてのグレードに設定され、さらに駆動方式は全グレードでFFと4WDを選べました。以上のことから、ムーヴ全体では28グレードが展開されました。
価格帯は一番安価なムーヴ L FF車が113.4万円、高価なカスタム RS ハイパー SA 4WD車が179.3万円に設定されました。
【マイナーチェンジ&改良一覧】マイナーチェンジの前後ではADASが違う
これまでは初代を除いてほぼ4年ごとにモデルチェンジを行ってきたムーヴでしたが、この6代目だけは異例のロングライフモデルとなっています。2014年に登場し、2022年2月現在まだモデルチェンジのしらせは届いていません。しかし、改良はコンスタントに行われてきました。
改良の内容は、ADASの進化が一番のトピックになります。スマートアシストはII、わずか4ヶ月後にSA IIへと進化IIIとバージョンアップしていき、最廉価グレードのL以外にはSA IIIが標準装備化されています。
わずか4ヶ月後にSA IIへと進化
発売から4ヵ月後に早くも一部改良を実施し、スマートアシストがIIへと進化しました。レーザーレーダーだけだった前方検知にカメラを追加。歩行者の認識機能と車線逸脱警報機能が新たに加わりました。緊急自動ブレーキの作動速度域は、4〜30km/hから4〜50km/hへと拡大。対車両の衝突警報も30km/hまでだった速度域が100km/hまで広がっています。
これに伴い価格は、安価なLグレードこそ変わらないものの、最上級のカスタム RS ハイパー SAⅡ 4WD車が180.4万円に値上がりしています。
カスタムシリーズの価格を引き下げ
2016年6月に行われた一部改良は、カスタムの価格設定と仕様が見直されました。ハイパーシリーズ専用のインテリア加飾をグロッシーブラッククロスへと変更。さらにシートステッチカラーを、ブルーからシルバーへと変えインテリアの質感を向上させました。さらに、一部装備を簡素化し価格が140万円を下回る新グレード、カスタム Xスペシャルを追加。カスタムシリーズも全体的に価格を引き下げています。
最廉価グレードのカスタム Xスペシャル FF車が135万円、最上級のカスタム RS ハイパー SA II 4WD車が175万円へと価格改定されました。
スマートアシストはついにIIIへ
2017年8月にはマイナーチェンジを実施。ムーヴ/ムーヴカスタムともに内外装が刷新されました。外装では、ムーヴがフロントグリルをメッキ化し、カスタムには新開発の多灯薄型LEDヘッドライトとスモーククリアタイプインナーレンズのリアコンビネーションランプを採用しました。アルミホイールの意匠は、ムーヴとカスタムともに変更されています。
内装ではおもに加飾部が変更されました。カスタムのハイパーには専用のディープマルーン加飾を採用。ムーヴのエアコンレジスター部にはシルバーライン加飾とプレミアムシャインブラックのガーニッシュが設定されています。
このマイナーチェンジでの一番のトピックは、スマートアシストがIIIへと変わったことです。歩行者対応の緊急自動ブレーキへと進化し、4ヵ所のカメラにより上から見下ろしたように車体をモニターに投影するパノラマモニターを採用。さらに安全性能を向上させました。
グレード体系は見直され数を大幅に削減。ターボ車はSA III装着レスが選べなくなり、ハイパーはターボ車のカスタムRSのみの設定へと変わりました。これによりグレード数は全16種へ。価格は111.2〜175万円と変更されています。
この後は特別仕様車が数種類発表され、2021年9月には一部改良が実施されました。この改良は法対応のオートライト標準装備化がおもな目的で、ほかは変更なしでした。グレード数はさらにしぼられ、113.5〜178.2万円の全12グレードへと変わっています。
【ムーヴのおすすめモデル#1】SA IIIが備わった後期モデル
ADASのバージョンを考慮すれば、自ずとマイナーチェンジ後の後期モデルがおすすめとなります。SA IIIはレーンキープやアダプティブクルーズコントロールこそ付かないものの、歩行者にも対応する緊急時の自動ブレーキなどの基本的な運転支援は付いています。
カスタムとノーマルでの装備違いはほんのわずかです。カスタムのハイパーのみ少々上質に仕上がっていますが、基本は好みで選んでいいと思います。
【ムーヴのおすすめモデル#2】パノラマモニター用のカメラ付き特別仕様車
特別仕様車や限定車が充実していたのも、6代目ムーヴの特徴です。モデルライフが長かったこともあり、特にモデル後期は特別仕様車が多く登場しました。中でもおすすめはパノラマモニター対応カメラを標準装備化したカスタムのリミテッドシリーズです。
通常はオプションのカメラが付いてくるので、対応したセンターディスプレイであれば車体を真上から見下ろしたようなアングルで見られます。車庫入れや縦列駐車のときには重宝する装備です。
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【まとめ】登録車に近づいた上質な走行性能がポイント
ムーヴの6代目は、骨格から見直され走りの質を登録車に近づけたダイハツの意欲作です。その高い走行性能は、他社も含めた後発の軽自動車に多大な影響を与えました。もう間もなく次期モデルが登場とも噂されていますが、おすすめにも挙げた後期モデルは数も少ないためなかなか値崩れはしなさそうです。好みの個体を見つけたら、早めに決断するほうが賢明です。