2022年4月に日本市場導入が発表されたプジョー「308」で北アルプスは上高地へロングドライブしてきました。EVシフトの今ではプジョー最後の内燃機関Cセグハッチバックか…その乗り味をその歴史とともにお伝えします。
「プジョー 308」の歴史と車名命名規則
プジョーの車名は数字3桁ないしは4桁が基本です。2012年にプジョーの車名命名規則を変更するまでは、末尾の数字が世代が新しくなるたびに1つ増える規則でした。命名規則変更前後にかかわりなく、1桁目の数字は、ボディタイプ・サイズを示しています。
となれば、プジョー 308の初代は「301」かと思いきや、違います。301は、車名命名規則変更後の2012年に新興国向けの小型セダンでした。車名命名規則変更後は、日本市場を含む欧州市場などの主力モデルに、数字の最後の桁を「8」、新興国市場向けモデルに「1」をつけることになっています。したがって、プジョーの現行モデルはすべて車名の末尾が「8」なのです。
以下は筆者調べによる、308の歴史です。
プジョー 308の歴史
308は、現行新型が3代目で、その前世代は、2001年デビューの「307」、その前世代が「306」となりますが、306の前世代は「309」と異例の車名がつけられていました。309は、英国の「タルボ(ないしは“タルボット”)」ブランドで生産販売する予定だったが、ブランド廃止となり急遽プジョーで販売することなり、ほかのプジョーのデザインとは異なるため車名を飛ばしたらしいです。
309の前世代は「305」と戻り、さらに前世代は「304」と順にさかのぼります。ただ、304は「204」の派生モデルで、204のトランク部分を延長して、上位モデルだった504のようなデザインにしたものでした。
なお、ハッチバックは309ではじめて登場、それまでの世代はセダンないしはステーションワゴンでした。
「プジョー 308」とはどんなクルマ?
「プジョー 308」は、Cセグメント(日本でいうならミドルクラス)のハッチバックとステーションワゴン(モデル名は「308 SW」)。
新型308のプラットフォームは、先代308に採用された「EMP2」の進化版「EMP2 V3(バージョン3))を採用しています。
エンジンは、直列3気筒1.2Lガソリンターボ、直列4気筒1.5Lディーゼルターボ、直列4気筒ガソリンターボ+モーターのPHEVの3タイプをラインナップしています。この3種類のエンジンは、旧グループPSAのあらゆるモデルで採用され、定評を得ています。トランスミッションは、アイシン製8速AT。
新型308のボディサイズは、全長4,420mm・全幅1,850mm・全高1,475mm・ホイールベース2,680mm。サイズ感では、トヨタ カローラスポーツ、マツダ3 ファストバックがほぼ同じ大きさです。
フレンチCセグハッチバックの完成形
前項で、パワートレインは先代からのキャリーオーバー、プラットフォームはバージョンアップされた最新版と、新型308には特段新しいモノが採用されていません。ADASをはじめとする先進技術も同じく。先代308に比べれば、ATは6速から8速になり、ADASなどの先進技術が採用されるなど大きく進化していますが、旧グループPSAのクルマとしては、ほかのモデルで採用されまくったモノばかりです。
目新しいところがない、といってしまえばそうなりますが、新型308の良さは、こなれた技術を重ね合わせた完成形であること。EVシフト前の最後の内燃機関モデルとしての完成形…これは過言ではないと筆者は思っています。
デザインも奇抜であるものの、逆に奇抜じゃないほうが不自然に思えてくるのが最近のプジョー。走りの良さ、乗り心地の良さの加え、安全性、燃費も良くなっています。
上高地までロングドライブ
プジョーはどのクルマも長距離ドライブに適しています。長い時間運転しても疲れません。長距離走った先の観光地で歩き回るのも苦ではありません。新型308もきっと同じはず。というわけで、試乗の目的地は、北アルプスの「上高地」。
かつては上高地まで自分のクルマで乗り入れることができましたが、1996年から環境保護のため通年マイカー規制となり、離れた場所にあるバスターミナルからバスかタクシーで行くことになりました。東京方面からは、長野県松本市沢渡(さわんど)でクルマを駐車してからバス、岐阜側からは、平湯温泉あかんだな駐車場からバスかタクシーに乗り換えとなります。
【動画】新型プジョー 308で上高地トリップ
【総合評価:84点】スルスルと気持ちよく走る!
試乗車:プジョー 308 GT(BlueHDiディーゼル)
車両価格:416万7,000円
筆者が試乗したクルマを、10項目×5段階で評価、★1個を2点として100点満点の総合評価として採点します。各項目、評価の理由をお伝えしますが、あくまで筆者のインプレッションによるものですので、ご参考としてご覧ください。
No. | 項目 | 評価ポイント |
---|---|---|
1 | 内外装デザイン | デザインの良さ、ボディカラーやインテリアカラーのバリエーションなどを評価 |
2 | エンジン・トランスミッション | パワートレインの良し悪しを評価 |
3 | 足回り | 乗り心地の良さ、操縦安定性などを評価 |
4 | 燃費・電費 | 燃費、電費を評価 |
5 | 居住性 | 室内空間の広さ、静粛性などの快適性を評価 |
6 | 装備・使い勝手 | 装備の充実度、使い勝手の良さを評価 |
7 | 安全装備・運転支援 | 予防安全技術、運転支援システムなどの先進技術装備を評価 |
8 | 価格 | コストパフォーマンスの良さ、お買い得感を評価 |
9 | 乗りやすさ | 小回りが効くなどの取り回し性の良さ、普段使いでの運転のしやすさなどを評価。 |
10 | クルマの愉しさ | スペックを考慮しないで、純粋にクルマを所有するよろこびや、ドライビング・プレジャー(走る愉しさ)を筆者の独断と偏見で評価 |
1 | 内外装デザイン | ★★★★★ | 筆者の独断と偏見で満点。Cセグハッチバックの中では最も好きなデザイン。しかし、新型308の後にデビューした同じプラットフォームの「DS 4」もいい。 |
---|---|---|---|
2 | パワートレイン | ★★★★ | 十分すぎるトルクのあるディーゼルターボエンジン。ディーゼルは高回転まで回らないので、8速ATとの組み合わせはとても良い。安定の組み合わせ。低速走行では若干エンジン音が気になるので★4つ。 |
3 | 足回り | ★★★★★ | 直進安定性、ハンドリング、乗り心地どれも良し。乗り味はスポーティーで心地良い。パワートレインと相まって、スルスル走る好感触。 |
4 | 燃費 | ★★★★★ | 高速道路ではカタログ燃費24.4km/L(WLTC高速道路モード)を超えることも。 |
5 | 居住性 | ★★★★ | Cセグハッチバックとしては広さ十分。 |
6 | 装備・使い勝手 | ★★★ | ディスプレイとは別のタッチパネルがあるが、操作感抜群とは言えないのが正直なところ。インテリアの演出としては◎。フランスらしい合理主義的な操作感と思えば◯。装備に不足はない。 |
7 | 安全装備・運転支援 | ★★★★ | 一通りの先進安全技術、運転支援を装備するが、ハンドル操作支援が設定されていないので★4つ。 |
8 | 価格 | ★★★ | 決して安くはないが、グローバルで見たら日本市場モデルはバーゲンプライス。 |
9 | 乗りやすさ | ★★★★ | 輸入車なので車幅が広めだが、日本の道路事情でも乗りやすい。 |
10 | クルマの愉しさ | ★★★★★ | こういうクルマこそ、愉しいクルマ。 |
(文・撮影:宇野 智)
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※この記事は2022年7月現在の情報に基づいています。