【まずはこれを知っておきたい】エンジンオイル添加剤は本当に必要?入れるなら選びたいおすすめ5製品

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燃費やパワーなどを新車時のコンディションに取り戻したいときにエンジンオイルに入れるのが「エンジンオイル添加剤」です。ほかにもエンジンオイルの漏れ防止や異音や振動を抑える効果がある添加剤もあります。

カー用品店の店頭には様々な効果をうたう数多くの添加剤が並んでいますが、それではどんな添加剤を選べば良いのでしょうか?

エンジンオイルの添加剤とは?その成分と効果は?

エンジンオイル添加剤はベースオイル(基油ともいいます)に添加剤とポリマーをブレンドして製造されます。

エンジンオイル添加剤の成分

エンジンオイルには冷却、潤滑、防錆、密封、清浄、酸中和、緩衝の7つの役割があります。基本的にエンジンオイル添加剤はこうしたオイルの特性のいずれかを補強したものと考えて良いでしょう。

エンジンオイル添加剤の成分のうち8割以上を占めるベースオイルですが、これはエンジンオイルと同じく、鉱物油、高度精製基油(硫黄などの不純物を取り除いた鉱物油)、PAO(石油からナフサを分留してエチレンと科学的に合成した化学合成油)、エステル(超微細な分子結合で精製された100%化学合成オイル)の4種類があります。エンジンオイルと同様後者になればなるほどベースオイルの基本性能は高くなりますが、その分コストも高くなります。

エンジンオイルにも添加されているポリマーは、粘度向上剤ともいわれる物質で、高温域になると高分子体に変形し、ベースオイルの粘度を高く保つ物質です。

エンジンオイル添加剤の種類

エンジンオイル添加剤に用いられる添加物にはおもに以下のようなものが用いられます。

有機モリブデン

400℃の耐熱性を持ち、摩擦面に反応して被膜を形成する固体潤滑添加剤。摩耗や焼き付きを防止します。添加剤の中では有害性が比較的少なく、近年では有機モリブデンの代わりにJASO規格に認可された有機チタンが用いられた製品もあります。

テフロン

正確にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と呼ばれるもので(テフロンはディポン社の商標)、硬化樹脂(プラスチック)の一種。フッ素樹脂といったほうがなじみが深いかもしれません。化学的に安定したフッ素原子を用いて金属表面を保護する固体潤滑添加剤です。

ただし、エンジン内部で沈殿を起こし、スラッジと反応してオイルラインやエンジンフィルターをつまらせる原因となることがあります。また、クラシック・ミニやバイクなどに使用される湿式クラッチはクラッチ滑りの原因となるため使用できません。

グラファイト

1400℃の耐熱性を持ち、摩擦面に反応して化学物質の被膜を形成する固体潤滑添加剤。摩擦係数や耐荷重性は他の固体潤滑添加剤に劣るものの熱安定性に優れています。摩擦係数が高いためエンジン内部の摩耗を進行させる可能性があります。

極圧添加剤

硫黄やリンが主原料。高温下で金属表面と反応して粗い金属表面をミクロンレベルで細かく溶かし、表面の凹凸を滑らかにすることで耐摩耗性と焼き付き防止効果があります。

硫黄はエンジン内部で硫酸に変化するとエンジンオイルに添加されているせる分散剤と反応してしまいオイルの持つ洗浄機能が損なわれてしまうほか、長期・多量の使用によるエンジン部品の腐食やシール類へのダメージが懸念されます。

摩擦防止剤

リン酸エステルやジチオリン酸亜鉛などが主原料。高荷重下や低速度域の境界潤滑領域において、金属表面と反応して皮膜を作ることで摩擦面の直接接触を防ぐことで摩耗や焼き付きを防止します。しかしながら、製品によっては耐久性に劣るものがあります。

エンジンオイル添加剤の使い方、入れるタイミング

現在のクルマに使用される各種オイルは、温度や圧力、ストレスなどの作動条件を考慮して、新車開発の段階から自動車メーカーとオイルメーカーが共同で開発しています。そのため、新車に近い状態の車両や適切なオイル管理を行った車両で、高年式・低走行の車両ならばエンジンオイル添加剤を入れる必要はほとんどありません。

エンジンオイル添加剤が必要となるのは、新車登録から時間が経ち、走行距離が延びた車両や明らかにエンジンのコンディションを崩した車両でしょう。燃費の大幅な低下や異音、オイル漏れなどのトラブルの初期症状にある程度の効果が期待できます。

ですが、あくまでもエンジンオイル添加剤はエンジンオイルの役割を補強するものです。製品によっても効果はまちまちですし、メカニズムや使用するエンジンオイルによっても相性があります。

けっしてどんなクルマでも新車のコンディションに戻してしまう万能薬ではありません。それどころかエンジンオイル添加剤の選択を間違えるとかえってトラブルを招く原因になる可能性さえあります。

エンジンオイル添加剤を入れる場合は、必ずプロのメカニックに相談し、愛車のコンディションに適したエンジンオイル添加剤を選ぶようにしてください。

エンジンオイル添加剤のメリットとデメリット

ここでエンジンオイル添加剤について少しメリットとデメリットを整理しておきましょう。

メリット

・性能劣化したクルマの燃費向上
・性能劣化したクルマのエンジン音や振動の低減
・エンジン内部の摩擦や摩耗の低減
・エンジン内部の洗浄
・エンジントラブルの解決

デメリット

・故障やトラブルのリスク
・効果がハッキリわからない製品がある
・費用がかかる

エンジンオイル添加剤は本当に必要?

市販のエンジンオイル添加剤はベースオイルに添加剤の割合を多くして配合したものです。ですが、添加剤が有益なものならオイルメーカーはエンジンオイルを開発する際に最初からその添加剤をたっぷりと配合するはずです。純正オイルやメーカーが推奨しているエンジンオイルはさまざまなバランスを考えて製品化がなされているわけで、最初からそうしないのはそれ相応の理由があるからです。

エンジンオイル添加剤を入れる場合には、メリットだけでなくデメリットも考えておかなければなりません。よく効く薬を作ることは簡単でも副作用がない薬を作ることは難しいのです。「頭痛は治ったけど薬のせいでほかの病気にかかった」では本末転倒です。

おすすめエンジンオイル添加剤5選

【WAKO’S】ECP eクリーンプラス 遅効性エンジン内部洗浄剤 E170

エンジンオイルに添加することでエンジンオイルの分散性能を向上させ、走行しながらエンジン内部をクリーニングします。灯油に近い成分のフラッシングオイルとは異なり、使用してもオイル粘度の低下によるエンジン負荷の増大やシールへの影響、スラッジへの急激な作用がないため安心して使用できる製品です。

【PIT WORK】 モリプラス

PIT WORKは日産部品中央販売株式会社の自動車補修部品のブランドです。モリプラスは高純度の有機モリブデンを配合し、エンジンの摩擦面に潤滑皮膜を作り、エンジンの摩擦を低減することでエンジン音や振動を抑制します。車齢の古い車両や走行距離の延びた車両に使用すると、エンジン回転がスムーズになり、エンジンパワーを回復させる効果が期待できます。

【KURE】オイルシステム オイルトリートメント

エンジンオイルの劣化が始まる2000km走行以降、もしくはオイル交換時に添加することで、エンジンオイルの酸化や機能低下を防ぎ、エンジンとオイルの寿命を延ばします。ただし、バイクや2ストローク車、ロータリーエンジン車、0Wグレードのエンジンオイル使用車には使用できません。

【HKS】DSR

自動車チューニングメーカーのHKSが開発したエンジン内部洗浄剤(DSR:Direct Sludge Remover)です。使用方法はエンジンオイルの交換前に添加し、アイドリングさせることで循環させ、洗浄したオイルとともに抜き取ります。エンジンオイルをベースにしているため、作業後に薬液が残ってもトラブルの心配がありません。

【TAKUMI】 F.P.B

サーキット走行などのエンジンが高負荷運転にさらされる前にエンジンオイルに添加することで、劣化したオイル粘度の機能を回復させる効果があります。新品のエンジンオイルに天下した場合は、SAE粘度を約5ポイント(例えば、5W-30のオイルだと5W-35へと)高粘度側へと増加させます。

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