軽トラのオートマは大丈夫?中古車市場では安いか?

クルマを賢く買う クルマの購入ノウハウ

豊田章男氏が会長を務める、一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)が発表した2021年度軽自動車の使用実態調査の中で、軽トラ販売の75%がMT車、25%がAT車だったと伝えられていました。軽トラのAT(オートマ)はだいじょうぶなのでしょうか?中古車相場価格は安いのでしょうか?調べてみました。

軽トラのAT(オートマ)が少ないのはなぜか?

前述のとおり、軽トラに関してはAT車がマイノリティ。普通乗用車ではMT車が設定されていることのほうが珍しい現在です。なぜなのか、その理由を紐解いてみました。

ATは価格が高いから

現在、軽トラを生産するのはスズキとダイハツの2社だけとなり、その他のメーカーはOEM供給を受けての販売となりました。したがって、軽トラの車種数は実質的に2車種となりました。この2車種のMTとATの同一グレードによる価格差は次のとおりでした。

スズキ キャリイ:112,000円
ダイハツ ハイゼット:55,000円・77,000円(グレードにより異なる)

軽トラの車両価格は100万円を切るものが少なくなく、高くても140万円台というレンジとなり、販売の主流は100万円前後と見られます。この価格に対しての5〜10万円は大きな差となります。

特に、スズキ キャリイの最廉価グレード、KCは受注生産ですが、この2WD現在すべての新車で最も安く買える、752,400円(2WD・MT)。KCはMTのみの設定で、4WDでは752,400円となっています。最も安いAT車は、KCエアコン・パワステの994,400円(2WD)、1,146,200円(4WD)となり、同一グレードの条件を外して最も安いMTと最も安いATで比較すると、242,000円という金額差になりました。

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ダイハツ ハイゼットは、2021年12月にマイナーチェンジされ、AT車はCVTに変わり(詳しくは後述)、価格差は55,000円と縮まっていますが、最安価モデルの価格が902,000円と、キャリイより高くなっています。

このような価格設定では、少しでも経費を削減したい会社、農林水産従事者らが新車を買うとなると、キャリイ KC一択になり、必然的にMTになってしまいます。

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2021年12月にマイナーチェンジされたダイハツ ハイゼット トラック AT車の室内。

非力なエンジンだからATだと力が出ない

現在販売されている軽トラは、すべてNA(自然吸気)エンジンで、軽乗用車に設定されているハイパワーなターボ車は設定されていません。かといって、軽トラにターボエンジンは相性が良くありません(その理由は後述)。

ATとMTのスペックを比較して、出力・トルクがMTのほうが高いわけでもありません。軽トラのエンジンスペックは、スズキ キャリイが最高出力50PS、最大トルク59N・m、ダイハツ ハイゼット トラックが46PS・60N・mとちょっとキャリイのほうがパワーがありますが、ほぼ同じ。ただ、いずれにせよ最大積載量350kgのトラックとしては十分なパワーがあるとはいえません。

そこで要となってくるのは、トランスミッション。2021年12月にマイナーチェンジしたダイハツ ハイゼット トラックにCVTが採用されるまでは、軽トラのATはトルコン(トルクコンバーター)ステップATでした。また、ダイハツ ハイゼット トラックは2013年12月一部改良モデルまでが3速AT、スズキ キャリイは2021年8月に発売されたキャリイ60周年記念の特別仕様車にようやく4速ATが採用され、それまでは3速ATでした。

4速ATに多段化された背景は、3速ATでは高速巡航が厳しいため、3速より高いギア比(昔でいうオーバードライブ)の4速にしたものでした(3速ATの1〜3速の間を1〜4速に多段化したものではない)。

5速MTでは、1〜2速が低速ギア(実際には、1速はスーパーローギアとして使い、2速発進で使われることが多い)が、3速を中速ギアとして使えますが、3速・4速ATでは1速が低速ギア、2速が中速ギア、3速・4速が高速ギアとなります。

軽トラは、重いものを積んで走ったり、農場や山林の不整地を走ることが多く、低いギアのほうが使用頻度が高くなります。エンジンパワーが小さい場合、ギア数が多いほうが効率よく走れます(例えば、3速ないし4速ATで坂道を2速で走行中、速度が落ちてきて1速に落とすと、エンジン回転数が上がりすぎて頭打ちになってしまい、2速に上げると速度が落ちる…を繰り返すといったことなど)。

長年、仕事で軽トラに乗っている人が「軽トラはATだと力が出ない」というのはこのためです。

ただ、2021年12月に発売されたダイハツハイゼット トラックのCVTを仕事で過酷に使っている人の意見はまだ聞けていませんので、一概にATだと力が出ないという説は過去のものとなるかも知れませんね。

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ハイゼット トラックのCVTと4ATの発進加速イメージ図。

軽トラはATで大丈夫か?

軽トラはATで大丈夫かどうかは、使い方次第。重いものを積むことが多かったり、不整地を走ることが多いのなら、ATだとつらいシーンが多くなります(前述のとおりCVTは現段階未知数)。また、高速道路によく乗る方は3速ATだと、エンジン回転の頭打ちが早くてつらいシーンが多くなります。

逆に、荷物はかさばるが重いものを積まず、街乗りメインなら3速ATでも大丈夫、むしろ楽に走れます。

軽トラのATは中古車市場では安い?リセールバリューは?

中古車検索サイトで調べると、軽トラのATがMTより安い・高いという傾向は見られませんでした。ただ、タマ数的にMTのほうが割合が多く、程度の悪いクルマも多くなるため、MTのほうが安いクルマが多い状況です。

ATとMT、どちらがリセールバリューが高いということもなさそうです。軽トラの特性上、MTのほうが販売割合が高くなっているだけで、ATの需要がないわけではありません。2021年度軽自動車の使用実態調査では、軽トラを主に運転する人の業種のトップが農業の35%(内、専業29%、兼業6%)ですが、勤労世帯と無職が31%(内、勤労世帯20%、無職11%)となっており、AT比率が必然的に高くなるプライベートユーザーもたくさんいます。

軽トラの中古車価格がトランスミッションで左右されることはなく、走行距離や程度に左右されると考えて間違いなさそうです。

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(文:宇野 智 画像:ダイハツ、スズキ)
※この記事は、2023年1月時点での情報で執筆しています。

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