軽セダンのアルトの派生車種として登場した、アルトラパン。より女性ユーザー向けに開発された2代目モデルは、角ばったボディに温かみの感じるディテールを組み合わせることで人気を獲得しました。7年という長めのモデルライフの中で、多くの改良を経て燃費性能を徐々に向上させてきた、2代目アルトラパンを詳しく見ていきましよう。
【サマリー】女性向けデザインをさらに進化させたベーシックミニ
アルトラパンはアルトと名が付くものの、内外装はまったく違うデザインが与えられた車種。おもに女性をターゲットとし、かわいらしさと過ごしやすさをうまく両立させていることが特徴です。
今回紹介する2代目ラパンは2008年に登場しました。初代と同様のボクシーで低いボディフォルムを継承しながら、より親しみやすく愛着のわく内外装デザインを採用。女性向けというコンセプトをさらに進化させているのが特徴です。
メカニズム面では、トランスミッションにCVTを新たに採用して、駆動効率と燃費性能を向上させました。当時の燃費基準である10・15モード燃費では、22.5〜24.5km/L(FF車)を実現しています。
【外観スタイル】モダンに上質に正常進化したボックススタイル
丸みを帯びた箱型のボディ、フロントガラスを前進させたロングルーフなど、基本フォルムは初代から受け継いでいる2代目アルトラパン。
変化した点は、レトロ調だった初代からモダンなデザインへと進化した点です。立体感を意識した厚みのあるボディデザインで、高質感と安定感を表現。フロントグリルはメッキパーツをあえて廃し、ボディ同色のメッシュ形状を採用しました。
ボディカラーに、当時はまだ少数派だったホワイトルーフの2トーンカラーを初代に続き用意したこともトピックでした。
【インテリア】3色から選べる居心地のいいインテリア
部屋のリビングのような、居心地のよい空間が演出されたインテリアは、ラパンの最大の特徴でもあります。ホイールベースの拡大とスクエアなボディ形状により、開放感が高められたゆとりの室内空間を実現しました。
トランスミッションの種類にかかわらずシフトレバーをインパネシフトへと統一し、前席にはベンチシートを採用。運転席シートリフターやステアリングのチルト機構も備え、使い勝手を考慮した作りとなっています。
カラーはボディ色に合わせ、ブラック、ブラウン、アイボリーの3色が用意されました。
【走り・燃費】初採用のCVTがメインのトランスミッションに
エンジンはNA(自然吸気)とターボ、駆動方式は両エンジンともにFFと4WDが用意されているラパンのラインナップ。トランスミッションには4速ATのほかにCVTをラパンとして初採用。NA、ターボ両方のメイン変速機となり、燃費性能を大幅に向上させました。10・15モード燃費で、NAのFF車は24.5km/L、ターボのFF車は23.0km/Lを達成しています。
【安全装備】ADASの搭載は間に合わなかった
安全装備に関しては、残念ながらADAS(先進安全装備)のたぐいは一切付いていません。これはモデルライフにADASの進化が追いつかなかったためで、最後まで変わりませんでした。それまでの最高技術である衝撃吸収ボディや歩行者の障害軽減、各エアバッグ類が装着されています。
【グレード構成】NAが2、ターボが1の計3グレード展開
グレードは3種類用意されました。ベーシックなG、中間グレードのX、そしてターボ搭載の最上級グレードとなるTです。
NAエンジンのGとXは、CVTと4速ATから変速機が選べ、TはCVTのみとなっています。駆動方式は全グレードでFFと4WDが用意されました。Tにはディスチャージヘッドライトなどの装備が充実したT Lパッケージも設定されていました。
価格帯はGが104.8〜123.4万円、Xが119.1〜135万円、Tは135.8〜155.4万円とされました。
【マイナーチェンジ&改良一覧】大掛かりな変更は一切行わなかった完成度の高いモデル
2008年に登場し2015年まで生産された2代目のアルトラパンですが、その7年のモデルライフの中でマイナーチェンジは一度も行われなかった珍しいモデルでもあります。
その代わり一部改良モデルや、特別仕様車、限定車が毎年登場しており、常に新しい技術が投入されています。2013年には派生モデルである、「アルトラパン ショコラ」も追加されました。
2010年10月:エコカー減税のニーズに応えた燃費改善
最初の一部改良は登場から2年後の2010年8月に行われました。当時のエコカー減税に合わせ、NAエンジン車の燃費改善とターボエンジン車の排出ガス基準レベル75%を達成しました。これによってアルトラパン全車がエコカー減税の対象となっています。
2012年5月の一部改良では、燃料カット領域を長くするエンジン制御や、CVTオイルの粘度を低くしフリクションを低減。さらに燃費を0.4km/L向上させ、エコカー減税の軽減率を引き上げています。後席にチャイルドシート固定用のISOFIX対応アンカーを備えたのも、このモデルからでした。
同年10月には、NAのFFグレード(G、X)にアイドリングストップを搭載し、エコカー減税の免税対象に。同12月には同じくNAのFFのベーシックグレードGに、より廉価な4速AT車を復活させました。
2013年6月:丸型ヘッドランプがキュートな「ショコラ」登場
2013年6月に実施された一部改良では、同時に追加車種も登場しました。それがアルトラパン ショコラです。
ショコラは、より女性らしいかわいらしさを表現しているのが特徴で、ノーマルのラパンとの最も大きな違いはフロントとリアを独自の意匠に変更している点です。特に丸型のヘッドライトと2段グリルは、アルトラパンとはまったく別の車種かと思わせるほどのデザイン。スイーツの色彩感覚を取り入れたボディカラーやインテリアカラーなどと相まって、ラパンとはひと味違った仕上がりを見せています。
ショコラにはターボの設定がなく、NAエンジン+CVTのみのラインナップで全車エコカー減税は免税扱いでした。同時に通常のラパンも同パワートレイン仕様は免税扱いにアップデートされています。
さらに、軽自動車では初めてフロントサイドガラスにプレミアムUV&IRカットガラスを採用し、フロントガラスにもIRカットを導入されたこともトピックでした。女性への配慮を忘れないラパンらしい機能ともいえます。
価格はラパンが104.8〜153.2万円、ラパン ショコラが129.2〜149.1万円とされました。
翌2014年の11月には、ラパン ショコラに内装色を追加。ブラウンを新たに設定しアイボリーと2色から選択できるようになりました。
【アルトラパンのおすすめモデル#1】UV&IRカットガラスが装備されている2013年以降モデル
2代目アルトラパンは、大きなマイナーチェンジがなくADAS(先進安全運転支援機能)系の追加もなかったモデルです。基本どの世代でも機能面は大きく変わりませんので、条件がいい中古車を優先すれば間違いは少ないでしょう。
強いて選ぶならば、夏のジリジリとした暑さを和らげてくれる、UV&IRカットが施されたガラスを採用した2013年6月以降のモデルがおすすめです。エアコンの効きが驚くほど良くなりますので、昨今の暑い夏を乗り切るための強い味方になってくれるアイテムだといえます。
【アルトラパンのおすすめモデル#2】丸目好きならラパン ショコラ1択!
丸型のフロントライトを採用するラパン ショコラは、キュートな外観が好みな人に特にオススメできます。ヘッドライトにはディスチャージランプを使っていますので明るさも申し分なし。ボディの随所に見られるシルバー加飾も上質感に花を添えます。
ショコラの魅力は外観だけではありません。元々リビングのような寛げる空間を目指してデザインされたラパンのインテリアですが、ショコラにはさらにスイーツをイメージしたカラーリングが採用されています。
ブラウンとアイボリーの2トーンを基本に赤のアクセントを加えたインテリアは、ショコラならではの特徴。可能であればラパンとラパン ショコラで見比べてから決めてもいいでしょう。
月々の支払額でクルマを探せる▼
カープレミアで「スズキ アルトラパン」を探す
「カープレミア」で愛車を探そう!
「カープレミア」は提携している全国の中古車販売店から自分に合ったクルマを見つけることができるサイトです。車種やメーカーだけでなく、月々の予算からも探すことができます。
「カープレミアディーラー」は厳選された優良販売店
カープレミアに掲載の中古車販売店は、東証プライム上場のプレミアグループが提携している全国の厳選された優良な販売店です。
オートローンやカーリースのファイナンスサービスの提供を始め、買った後も安心できるアフター保証も取り揃えています。支払いや維持費が心配でも、柔軟に対応してくれるので安心して車を購入できます。
「カープレミアクレジット」なら自分に合った支払いプランが選べる
「カープレミア」のオートクレジットは、新車・中古車問わず、分割払い、ボーナス併用払いや一部繰上返済などの豊富な支払いプランを用意しています。さらに故障保証に加入すれば無料で修理対応が可能です。
「カープレミア故障保証」など充実したアフターサービスで安心のカーライフを
「カープレミア」は購入後のカーライフを支えるサービスも多数提供しています。例えば「カープレミア故障保証」では最長3年、最大437ヵ所以上の自然故障を修理費0円で対応可能です。わかりやすいシンプルな4プランから、自分にあった最適なプランを選べるので、余分な保証費用がかからず、必要最低限の支出で万が一に備えることができます。
また、365日24時間対応のロードサービスも利用可能で、全国9,500ヵ所の拠点からすぐに駆けつけることができます。そのほか、困ったときの相談役になるコンシェルジュサービスを整えており、安心のカーライフをお過ごしいただけます。
【まとめ】装備差が世代間であまりないので好条件を見つけやすい?
スズキのラインナップ中、異色の存在ともいえるアルトラパンですが、現在も3代目が販売されていることから、その個性的な位置付けが市場に受け入れられている証拠でもあります。
かわいらしい外観ですが、男性からの支持もあることがラパンの長所です。特にモデル後期に追加されたラパン ショコラは、シンプルな内外装デザインが受け入れられ人気を博しました。
世代間での装備差があまりないクルマではありますので、好条件の個体が見つかりやすいかもしれません。
※この記事は2022年10月現在の情報に基づいています。