誰もが手軽に楽しめる本格的スポーツカーとして、2002年9月に送り出されたのが、初代コペンです。世界の名立たる高級オープンカー顔負けの電動開閉式ハードトップを備え、スポーツカーらしい走りの良さも追求した驚異の軽自動車でした。その歴史と魅力を振り返ります。
【サマリー】手頃さは軽のまま!その志はワールドクラス
軽乗用車を中心に展開するダイハツが、軽だからこそ実現できる愉しさを追求し、「ACTIVE TOP COMPACT OPEN」をコンセプトに、誰もが気軽に楽しめる本格的オープン・スポーツカーとしてコペンを世に送り出しました。
世界広しといえども、デビュー時の税抜150万円切りの価格で、電動ハードトップを備えたスポーツカーを実現できるメーカーは他に存在しなかったでしょう。
確かにプラットフォームや部品など流用できるものは、当時のモデルから活用していますが、多くの部分で専用設計が施されていたほか、生産に至っては、「エキスパートセンター」と呼ばれる技術力の高い選任スタッフに集められた専用工場にて、多くの部分がハンドメイドで仕上げられるこだわりようでした。まさに存在自体が奇跡といえる存在だったのです。
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【外観スタイル】前後対称!?のユニークで愛らしいシルエット
丸みを帯びた優しさあふれるフォルムが魅力のコペン。そのデザインは、スポーツカーでありながら、誰にも愛されるキャラクターが目指されました。
ユニークなのは、前後対称に映るフォルム。灯火類の配置に加え、フロントグリルとリアナンバーフォルダー、ボンネットとトランク、それぞれ形状を共通化することで、前後が似た雰囲気に仕上げています。
そのサイドビューは、まるで水滴のよう。このため、コペンのスタイルを「ティアドロップシェイプシルエット」と名付けていました。
電動開閉式ルーフは、スイッチ操作ひとつで、約20秒で開閉可能な優れもの。作動は、安全面とバッテリー上がりを防ぐため、イグニッションONとパーキングレバーを引いた状態でしか行えないように設定されていました。ルーフは、トランクスペース上部に完全に収納されます。
ラゲッジスペースは、最大210Lの容量を確保しており、ルーフがクローズドの状態では、ゴルフバック1個が収納できるスペースを確保。オープン時も小物ならば、収めることが出来ました。
【インテリア】小さくともスポーツカー世界観をしっかりと表現
完全な2シーター仕様となるコクピットは、まさにスポーツカーらしいもの。タコメーターを備えた3連メーター、最適なドライビングポジションの調整に必須のテレスコピック&チルトステアリング機構、フロアシフト、ホールド性に優れるバケットタイプのシートなど、スポーティなドライビングを可能とする機能が満載。
オープン時も快適な移動が楽しめるように、エアコンやエアロディフューザーなども完備。寒い日のドライビングの強い味方となるシートヒーターも設定されていました。
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【走り・燃費】専用ターボエンジンと軽量高剛性ボディが生む軽快な走り
軽規格でスポーツカーを成立させるため、積極的に専用設計が取り入れられているのも、コペンの凄いところ。
まずエンジンは、軽自動車としては贅沢な4気筒DOHCエンジンに、専用ターボチャージャーを組み合わせることで、滑らかな吹け上がりとダイレクトなターボレスポンスを実現しています。
トランスミッションには、ショートストロークで操作性に優れる5MTとマニュアルモード付4速ATを用意。オープンボディでも高い剛性が得られるように、ボディ構造にも工夫が施されていました。
またサスペンションも専用チューニングを施すことで、操縦安定性とフラットな乗り心地を両立。さらにスペシャルチューンドサスペンションや特別仕様車用のビルシュタイン製ショックアブソーバーの採用など、スポーティな走りへの追求も忘れませんでした。
【安全装備】安心のオープンライフを提供する安全ボディ
小さくても、タフなのがコペンの頼れるところ。全方位に対応する衝突安全ボディを採用し、当時の国内衝突安全基準を余裕でクリアできる性能を有していました。
さらにオープンカーの構造では弱点となるロールオーバー事故に対応するべく、Aピラーの強化に加え、内蔵されるBピラーのクロスメンバーには、ロールバーを備えており、乗員をしっかりと保護できるように配慮されていました。
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【グレード構成】電動ルーフのアクティブトップを基本に特別仕様車を展開
コペンのモデルラインナップは、実にシンプル。パワーユニットは1つで、トランスミッションも5速MTと4速ATのみ。ボディタイプも、オープントップ仕様のみとなります。
デビュー時は、着脱式ハードトップを備えた軽量スポーティ仕様のディタッチャブルトップ仕様もありましたが、基本的には、電動化格納式ルーフを備えた「アクティブトップ」が基本です。
また販売促進モデルとして、定期的に特別仕様車が投入されていました。その仕様は大きく2つに分けられ、装備を豪華にした「アニバーサリー エディション」シリーズと、走りのアイテムを強化した「アルティメット エディション」シリーズがありました。
【マイナーチェンジ&改良一覧】コペンの魅力を引き立てる特別仕様車が続々と登場
1周年、2周年を記念した特別仕様車が登場
2003年7月23日、発売1周年を記念した特別仕様車「1st ANNIVERSARY EDITION」を発売。アクティブトップ仕様車をベースに、タンカラーのレザーシートやMOMO製ウッド&レザーステアリングホイールを特別装備。
カタログモデルでは、アクティブ仕様に、ツートンカラー仕様のシートをオプション設定。また全車でシートヒーターが選べました。
2004年6月2日、発売2周年を記念した特別仕様車「2nd ANNIVERSARY EDITION」を発売。アクティブトップ仕様車をベースに、レカロシートとMOMO製本革巻きステアリングホイール、レッドカラーのドアトリム、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプを特別装備した。
カタログモデルでは、ボディカラーに「スチールグレーメタリック」と「シャンパンメタリックオパール」の2色が追加され、全9色となりました。なお同時設定となる「タンレザーエディション」は、「1st ANNIVERSARY EDITION」と同等の内容でした。
2006年6月:走りに特化した特別仕様車も設定
2006年6月14日、特別仕様車「アルティメット エディション」を発売。世界トップクラスのスポーツアイテムを惜しみなく投入したスポーティかつプレミアムなモデルです。
特別装備として、アルカンターラ表皮のレカロシート(シートヒーター付)、MOMO製本革巻きステアリングホイール、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、BBS製15インチアルミホイール、オレンジカラーの専用ドアトリムなどを装備していました。走りのアイテムがそろうモデルだけに、5速MT車のみの設定でした。
2007年9月10日、特別仕様車「アルティメット エディション II メモリアル」を発売。ダイハツ工業創業100周年を記念したモデルで、アルティメット エディションの装備に加え、クリアレンズ仕様のランプ類、ブラックメッキフロントグリル、シャインブラックセンタークラスター、メッキインナードアハンドル、ホワイトメーターなどの追加装備を与え、よりゴージャスな仕様となっていました。
そのため、5速MTに加え、4速ATも選択可能に。またボディカラーは、カタログモデルを含め、ダークレッドマイカが追加され、全9色が展開されました。
なお、2008年1月からはシリアルプレートを廃止し、装備内容が同等となる特別仕様車「アルティメット エディションII」として販売が継続されています。
2008年12月:仕様変更で商品力を強化
2008年12月17日、一部仕様変更。オプションアイテムだったオープンルーフ格納時の目隠しとなる「オープニングカバー(着脱式)」が標準装備に。またフィルムアンテナが採用され、右側リヤフェンダー部に装備されていたステックタイプのアンテナが無くなり、よりすっきりとしたフォルムになりました。
2009年9月1日、特別仕様車「アルティメット レザーエディション」を発売。シートがレザースポーツシートとなり、ブラックとアイボリーの2色展開になったのが特徴。ガンメタ塗装のBBS製15インチアルミホイールとMOMO製ステアリングホイール、ビルシュタイン製ショックアブソーバーを特別装備。
ステアリングホイールの仕様がシートカラーで異なり、ブラックの場合、本革巻き仕様に。アイボリーの場合、ウッド&レザー仕様が組み合わせられました。ラグジュアリー色の強い特別仕様車といえます。
2010年8月:シートとステアリングの組み合わせが選べる仕様が登場
2010年8月2日、一部改良及び特別仕様車の設定。カタログモデルでは、好評のオプションアイテムであったプロジェクター式ディスチャージヘッドランプやイモビライザーシステム、シートヒーター等を全車標準に。新設定の特別仕様車は、「アルティメット エディションS」はシートとステアリングの組み合わせが選べるのが特徴です。
シートは、キャメル色のレカロシートかレッドステッチ付きブラックレザースポーツシートがいずれか。MOMO製ステアリングホイールは、本革巻きかウッド&レザーのコンビが選べました。専用装備としては、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、ガンメタ塗装のBBS製15インチアルミホイールなど、走りのアイテムも加えられています。
2012年4月:10th ANNIVERSARY EDITIONが登場
2012年4月2日、特別仕様車「10th ANNIVERSARY EDITION」を発売。2002年8月末の生産終了を飾る最後の特別仕様車として投入されました。
特別装備として、シリアルナンバー入りのアルミスカッフプレートカバー、ブラックメッキフロントグリル、シルバー塗装のBBS製15インチアルミホイール、レッドステッチ付きブラックレザースポーツシート、メッキインナードアハンドル、メッキパーキングブレーキレバーボタンを追加されました。
【コペンのおすすめモデル#1】走りのアイテム満載の豪華なアルティメット エディションS
コペンの中で、最もスポーティかつ豪華なコペンが、「アルティメット エディション」シリーズの最終モデル「アルティメット エディションS」です。
ビルシュタイン製ショックアブソーバーとBBS製15インチアルミホイールが標準化された本格装備が魅力。ビルシュタイン装着車が登場するとともに、ダイハツ独自のスポーツサス仕様となる「スポーツパック」が廃止されていることからも、走りの良さは、これがベストだったのかもしれません。
「S」の場合、シートはレカロシートかレザースポーツシートのいずれかが装備されていますが、選ぶなら、レカロシートのもの。
これだけの内容ならば、あえてチューニングを施すことなく、十分に走りも楽しめるでしょう。まさに一生のお宝コペンとしてもベストな1台。ほかの「アルティメット エディション」も内容は同等ですが、年式が最も新しく、標準装備が強化されていることもポイントです。
【コペンのおすすめモデル#2】最も探しやすいベターな選択!「アクティブトップ仕様」
やはり、最大のテーマは、いかに状態のいいコペンを手に入れるかでしょう。そのためには、圧倒的に流通台数が多いカタログモデルがおすすめです。カタログモデルでも、気軽にオープンカーライフが楽しめることには、変わりはありません。特にATで十分という方には、愛嬌あるデザインの魅力が際立った素のコペンの方が良いかもしれません。
基本的な装備は、全体を通して大きな変化はありませんが、2010年8月以降の最終型は、標準装備が強化されているのが魅力。ただオプションアイテムが標準化されただけなので、ほかの年式でも、満足できる仕様が見つかる可能性もあります。
ただ2009年以降の車両は、アンテナレスとなっているので、機械式駐車場やボディカラーを利用する人には魅力的なはず。
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【まとめ】その愛くるしいスタイルは不変!
世界中探しても、コペンのような高機能で愉しい小さなオープンカーは存在しないでしょう。最も大切なことは、誰もが気軽に乗れる存在ということです。
その志は、2代目となる現行型コペンにも受け継がれ、性能も進化していますが、この愛らしいスタイルは、初代だけのもの。その人気を裏付けるように、現行型でも丸目ライトを取り入れたキュートなデザインの「Cero」が送り出され、人気を博しています。
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※この記事は、2023年2月時点での情報で執筆しています