バネ下重量は軽いほうがいい、とは限らない件【今さら訊けない…に編集長が答える Vol.4】

クルマを選ぶ テーマ別特集 カーライフを賢く楽しむ クルマの故障・修理・整備

バネ下重量とは、文字どおりクルマのバネの下の重量のこと。おもなパーツでは、タイヤ、ホイール、ブレーキが該当します。「バネ下重量は軽いほうが良い」といわれていますが、必ずしもそうとは限らないケースも出てきます。本記事では「バネ下重量は軽いほうがいい?」というクルマ初心者の疑問にカープレミアマガジン編集長の宇野がお答えします。

バネ下重量は軽いほうがいいのはなぜ?

バネ下重量の関係を人間の体で例えるなら、靴を履いて走るとき、片足1kgの靴と0.3kgの靴ではどちらがいいか、ということになります。当然ですが、軽い靴のほうが走りやすく、疲れにくいですよね。クルマも同じで、軽いタイヤ・ホイールを履けば加速と燃費が良くなります(単純な理論で)。

では、片足1kg、両足で2kgの靴を履いて走るのと、手に持って走るのではどちらが楽ですか?もちろん、後者ですよね。クルマも同じで、バネ下重量はバネ上重量より大きな影響を受けます。その効果は、バネ下重量を1kg軽量化すると、バネ上重量10kgの軽量化に相当するといわれています。効果に10倍の開きがあるのは納得ですね。

▼カープレミアなら月々の支払額でクルマを探せる▼
カープレミアで「次の愛車」を探す

▼カープレミアガレージなら安心でお得な整備工場が見つかる!▼
カープレミアで「タイヤパンク・サスペンション(足回り)の修理・整備ができる整備工場」を探す
*メーカー・車種によっては実施できない場合もあります

バネ下重量が軽くなることによる好影響とは?

バネ下重量が軽くなると、我々自動車業界では「足がよく動く」という表現をします。バネの下にぶら下がる物が重たいと、バネの動きが鈍くなります。すなわち、路面のデコボコを乗り越えるときのタイヤの動きは、バネ下重量が重たいと緩慢になり、軽いと軽快になります。

また、慣性の法則があるため、バネ下重量が重たいと収束が遅く、軽いと速くなります。さらに、燃費にも影響を及ぼします。バネ下重量が軽いと燃費が良くなる理屈はわかりやすいですね。

バネ下重量が軽くなることによる好影響をまとめると

● 加速が良くなる
● ハンドリングが軽快になる
● 燃費が良くなる
● ブレーキの効きが良くなる

となります。

バネ下重量が軽いほうがいいとは限らない件

前述の「バネ下重量が軽くなることによる好影響」で書いていなかったのは、『操縦安定性が良くなる』『乗り心地が良くなる』ことでした。バネ下重量が軽くなると操縦安定性、特に直進安定性は良くなるとは限らないからです。

これは、前述した慣性の法則が影響しているからです。慣性の法則は、動いているものは、その動きをそのまま続けようとする、というものです。例えば、ボーリングの球とピンポン球を同じ力で転がしたとき、長く転がり続けるのはどちらですか?という問いの答えと同じです。慣性モーメントとは、動いている物を止めるために必要な力のことと、止まっている物を動かすために必要な力のことです。

バネ下重量が軽いということは、バネ下の慣性モーメントが小さいということになります。慣性モーメントが小さいと、加速・燃費が良くなり、足がよく動きます。慣性モーメントが大きいと、加速・燃費が悪くなり、足が動きにくくなります。タイヤは高速で回転するため、ブレーキをかけたとき重たいタイヤは止まりにくく、軽いタイヤは止まりやすくなります。

バネ下の物で場合によっては、よく動かないほうがいい物があります。それは、タイヤ(ホイールを含む)です。

加速・減速の場合では、慣性モーメントが小さいほうが良好となりますが、まっすぐ走り続けるという場合では、慣性モーメントが大きいほうが良好となります。慣性の法則は、動く速さだけでなく、動く方向も一定に継続しようとするという要素もあります。

まっすぐ転がり続けるタイヤは、そのままの速度でまっすぐ転がり続けようとします(実際には、路面やベアリングの摩擦抵抗や空気抵抗などで速度は落ちていきます)。慣性モーメントが大きいと直進安定性は良くなり、小さいと悪くなります(ただ、サスペンションのセッティング、スプリングのレートなど様々な条件で変わりますので一概にはいえない)。

慣性モーメントが小さいとハンドリングは軽快になりますが、セッティングが悪いと逆に落ち着きをなくし、操縦安定性が悪化することになります。

バネ下重量が軽いほうがいいとは限らない場合をまとめると、

●直進安定性が悪くなる場合がある
●乗り心地が悪くなる場合がある

となります。

▼カープレミアなら月々の支払額でクルマを探せる▼
カープレミアで「次の愛車」を探す

▼カープレミアガレージなら安心でお得な整備工場が見つかる!▼
カープレミアで「タイヤパンク・サスペンション(足回り)の修理・整備ができる整備工場」を探す
*メーカー・車種によっては実施できない場合もあります

詰まるところ、バネ下重量は軽けりゃいいってモンじゃなく、バランスということです。自動車メーカーの開発者は、バネ下・バネ上重量・スプリングのレート・アライメント・ボディ剛性などなど、あらゆる要素の最大公約数・最小公倍数となるおいしいところを必死になって探し設計し、市販車として世に送り出されるのです。

アルミホイールが軽いとは限らない件

バネ下重量が軽いほうがいいと、鉄チン(鉄製のスチールホイールのこと)からアルミホイールに換える方がたくさんいらっしゃいます。しかし、残念ながら鉄チンより重たいアルミホイールもたくさんありますので注意が必要です。タイヤ・ホイールは軽いのが正義、ではありませんが……

近いうちに、鉄チンとアルミホイールの重量差について調査したいと思います。

「カープレミア」で愛車を探そう!

「カープレミア」は提携している全国の中古車販売店から自分に合ったクルマを見つけることができるサイトです。車種やメーカーだけでなく、月々の予算からも探すことができます。

「カープレミアディーラー」は厳選された優良販売店

カープレミアに掲載の中古車販売店は、東証プライム上場のプレミアグループが提携している全国の厳選された優良な販売店です。

オートローンやカーリースのファイナンスサービスの提供を始め、買った後も安心できるアフター保証も取り揃えています。支払いや維持費が心配でも、柔軟に対応してくれるので安心して車を購入できます。

「カープレミアクレジット」なら自分に合った支払いプランが選べる

「カープレミア」のオートクレジットは、新車・中古車問わず、分割払い、ボーナス併用払いや一部繰上返済などの豊富な支払いプランを用意しています。さらに故障保証に加入すれば無料で修理対応が可能です。

「故障保証」など充実したアフターサービスで安心のカーライフを

「カープレミア」は購入後のカーライフを支えるサービスも多数提供しています。例えば「カープレミア故障保証」では最長3年、最大437ヵ所の自然故障を修理費0円で対応可能です。わかりやすいシンプルな4プランから、自分にあった最適なプランを選べるので、余分な保証費用がかからず、必要最低限の支出で万が一に備えることができます。

また、365日24時間対応のロードサービスも利用可能で、全国9,500ヵ所の拠点からすぐに駆けつけることができます。そのほか、困ったときの相談役になるコンシェルジュサービスを整えており、安心のカーライフをお過ごしいただけます。

(文・撮影:宇野 智)

※この記事は、2022年2月時点での情報を元に執筆しています。

カープレミアなら月々の支払額でクルマを探せる

関連記事

カテゴリ週間ランキング

中古車検索は月額比較のカープレミアがおすすめ!

愛車の修理は安心のカープレミアがおすすめ!