2年に一度訪れる車検。費用がそれなりにかかるため、車検が近づくと憂鬱な気分になるもの。そもそも車検ではどのような費用がかかり、金額はどう決まるのでしょうか。そして費用を抑える方法はあるのでしょうか。詳しく解説します。
前回は5万円で済んだのに今回の請求が8万円に!?
車検費用は、例えば軽自動車なら「5万~8万円が相場」といわれています。このことから皆さんは最低で5万円ぐらい、高い場合なら8万円ぐらいの費用がかかると認識されることでしょう。
しかし5万円で済む場合と比べ、高い場合は1.6倍となる8万円もかかるわけで、この価格差はなぜ発生するのでしょうか?
この費用差は、車検をお願いする場所(ディーラーや整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドなど)でも変わりますし、同じ軽自動車だったとしてもクルマごとにも変わることもあります。
さらに言えば、ご自分の愛車を同じところに出したとしても、前回と今回で費用が変わるなんてことも珍しくはありません。「前回は5万円で済んだのに、今回は8万円の請求がきた」ということもよくあることなのです。
5万円で済むと思っていたのに8万円の請求が来たら、「なぜ?」と思わないはずがありません。もちろん車検費用が2年間の間に1.6倍に値上がりしたわけではありません。車検を依頼したクルマ屋さんが値上げしたワケでもありません。なぜ車検費用が変化するのかをここでは解説してみたいと思います。
車検費用とはいったいどんな費用なのか?
上記の車検費用とは、車検を通すためにかかる費用を合計したものとなります。車検費用を大雑把に分けると車検整備費用と法定費用とに分類できます。それぞれの詳細をまとめたものが以下となります。
▼▼法定費用▼▼
・自動車重量税
・自賠責保険料
・印紙代(検査料)
▼▼車検整備費用▼▼
・24ヶ月点検費用
・不具合部分修理費用
・不具合部分交換部品費用
法定費用に関しては、一般的には車種による違いがあるとはいえ、条件が同じなら同額になります。しかし実際にはそうとは言い切れません。法定となるので車検を依頼したクルマ屋さんにより金額が変わるということはないのですが、前回の車検費用と比べると金額が変化することがあります。
まず自動車重量税ですが、その名称のとおり車両の重量により税額が異なります。軽いクルマのほうが安く、重いクルマのほうが高い金額を納税する必要があります。0.5t(500kg)ごとに税額は高くなっていきます。
かつては車両重量による金額の変化のみであったので、同一の車両に乗っていれば重量税が変わることはなかったのですが、現在ではそうではないのです。それはエコカー減税などによる減税と増税があるからです。
減税されていた場合は、その期限が過ぎれば税額が本来の額に戻るのですが、我々ユーザーにしてみれば車検費用が高くなったとしか思えません。また新車から13年が経過したクルマは増税されますので、これは間違いなく車検費用の増額となります。18年経過するとさらに増額されることも知っておきましょう。
次に自賠責保険。こちらも少額ではありますが、金額が変わることがあります。というのも自賠責保険は公的な損害保険なので、ノーロス・ノープロフィット(損も得もしない)の原則に基づいたものとなっています。
これは事故件数が減少すれば、保険料収入が保険金支出を上まわるようになり、そうなった場合に保険料が下がる仕組みになっています(もちろん逆の場合は保険料が高くなります)。自賠責保険料の改定は毎年行われているので、車検を受けるタイミングで前回よりも安くなっていたり、高くなっていたりしているのです。
印紙代に関しては、車検を依頼する場所(指定工場か認証工場かそれ以外)により違いはありますが、同じ場所に出している場合は同額となります。
車検を依頼する工場の違いで費用は変わる
一定といわれている法定費用でも、車検費用の増減に関連があることはおわかりいただけたと思います。とはいえ法定費用による車検費用の増減は微々たるもの。万単位で車検費用を変化させる要素は、車検整備費用となります。
車検整備費用は、まず車検を依頼する場所によって変化します。点検整備が行える工場は、指定工場か認証工場となります。
その違いは車検の検査ラインを有しているか否か。指定工場には検査ラインがあり、車検を行う資格を有する検査員が常駐しています。よって通常の車検であれば整備工場内で検査が完結します。対して認証工場は、点検や整備を自社工場で行った後、運輸支局や軽自動車協会といった公的な車検場にクルマを持ち込み、検査を受けることになります。
車検整備費用は、認証工場よりも指定工場のほうが高い傾向にあります。これは自社で車検を行える工場であり、24ヶ月点検やその後の整備や調整をしっかりと行う傾向が強いからだと思われます。国家資格である検査員がいる整備工場で、次回の車検までクルマの状態を保てないような整備を行えないのでしょう。しっかり点検や整備、調整を行えば当然費用も高くなります。
もちろん認証工場でも同じ質の車検整備を行っているところは多数あります。しかし逆に車検費用を抑えたいというユーザーからのリクエストを重視する工場もあります。それらを加味していくと、認証工場のほうが指定工場よりも車検整備費用が安い傾向となるのです 。
費用アップ最大の理由は消耗品の交換
最後に、同じ工場に出したのに、前回よりも大幅に車検費用が増えた理由を推測してみましょう。
おそらく消耗部品の多くが交換時期を迎えたと考えられます。特にバッテリー、ブレーキパッド、タイヤなど、2年より交換サイクルが長い部品(かつ、それなりに値段の高い部品)の交換時期が金額を大きく左右します。こういった場合は、車検費用がかさみます。中でも前回の車検まで部品交換など行わずに済んでいたクルマの場合、交換が必要となる消耗部品が一気に交換時期となってしまうことがあります。特に3回目以降の車検では要注意といえるでしょう。
またディーラーに車検を依頼している方も要注意です。実際3回目以降の車検となると、新車から乗り始めて7年、クルマを買い替えたくなる時期でもあります。指定工場となっているディーラーなので、必要な部分であればしっかり交換すべき部品をリストアップし、高額な車検の見積りを出してくると思われます。そうなれば「車検費用がかかるなら、新車に乗り換えよう」と考える人も少なくはないはずです。つまり車検費用が高額になれば、新車に買い替えてくれる可能性も高くなるのです。
もちろんディーラーだけに不正な見積りを出すことは考えられません。しかし消耗部品は替えるべきか、替えずとも大丈夫か、プロでも迷うような状態ということも多々あります。長く乗っていれば、そういった部品は多岐にわたることになるので、それらをすべて交換するとかなり高額の車検整備代となります。
メンテナンス費用をあまりかけたくないのであれば、そのタイミングでディーラーの勧めに従い新車に乗り換えるのはありですが、そうではなく現在乗っているクルマを大切に乗り続けたいような場合は、ディーラー以外の整備工場で次回の車検に交換しても問題がない部分を判断してもらい、分割してメンテナンスしてもらうというすべも知っておいたほうがいいでしょう。
車検と法定点検の違いについて知りたい方はこちらの記事を
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中古・リビルト部品って何?
中古部品(リユース)は、使用済み自動車等から取外され、テスターによる点検、清掃などを行い商品化された部品です。リビルト部品は、中古部品(コア)を分解洗浄、消耗品交換や故障個所の交換を行い、性能をほぼ新品同等に回復させた部品です。
リビルト部品をオススメする理由
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車検は費用を含めて納得できる整備工場で
2年に一度の車検はクルマの使用者(所有者)が必ず受けなければならないもので、車検を通さないとそのクルマを公道で動かすことはできません。定期的に発生する維持費だからこそ、しっかりした整備工場で見積りを取り、納得した上で受けたいものです。カープレミアでは全国にある整備工場を検索できるので、自分にぴったり合う工場を見つけられますよ。
※この記事は、2022年5月時点での情報を元に執筆しています。