第2次世界大戦の軍用車「ウィリスMB」、いわゆる「ジープ」と呼ばれているモデルの直系モデルに当たるのが、硬派なSUV「ジープ ラングラー」です。その歴史を背景にした無骨なフォルムは、ライバルのない孤高の存在として高い人気を誇っています。
【サマリー】2ドア4人乗りに加え、4ドア5人乗りが初めて設定された
オフロード4WDの代表格「ジープ」の直系モデルであり、SUVというより4WD車と言ったほうが似合う硬派なラングラー。軍用車をルーツにもつモデルとして高いオフロード性能が与えられる一方、現代のクルマらしいオンロード性能にも磨きがかけられました。
また、この世代(JK型)から2ドア4人乗り仕様の「ラングラー」に加えて、4ドア5人乗りの「ラングラー アンリミテッド」が設定されたのが大きな特徴です。これまで硬派なモデルは好きだけど、家族で乗るには……と躊躇していた層を、このラングラー アンリミテッドがキャッチすることで大ヒットしました。
【外観スタイル】フロントグリルをはじめひと目でジープとわかるデザイン
伝統の丸型ヘッドライトと7本のスリットの入ったフロントグリルや角張ったボディなど、誰からも「ジープ」だと言われるデザイン。一見するだけでは1世代前(TJ型)や現行型の4代目(JL型)と見分けが付きにくいのがジープラングラーの特徴とも言えます。
ルーフに樹脂製ハードトップや布製のソフトトップがあるのも同車ならでは。樹脂製ハードトップは前席の左右別々に頭上部分を取り外せます。
ボディサイズは2ドアが全長4185mm×全幅1880mm×全高1840mm、4ドアが全長4705mm×全幅1880mm×全高1845mm。
【インテリア】エクステリアと異なり、現代的なデザインが採用された
1世代前(TJ型)と大きく変わらないエクステリアに対し、インテリアのデザインは一気に現代的になっています。上級グレードの「サハラ」「ルビコン」にはHDDナビのほか、泥などが付きにくく、匂いや変色を防ぐ抗菌加工されたシート地が標準で備わります。
【走り・燃費】エンジンは1機種のみ、4WDは全車パートタイム式
デビュー時に搭載されたエンジンは3.8LのV型6気筒OHVエンジン。これに4速ATが組み合わされますが、最上級グレードの「ルビコン」のみ6速MTとなります。
2ドア・4ドアとも2WD/4WDを任意に切り替えられるパートタイム4WDが採用されています。4WDシステムは、「ルビコン」を除く全車に、岩場などタイヤが浮いて空転してしまうような場面では、空転していないタイヤにトルクを伝える機能が備わります。
さらに「ルビコン」は前後デフがロック可能で、ホイールストロークを高めるためのスタビライザー解除機能が備わるなど、より高性能な4WDシステムが与えられています。
2012年1月に全車3.6LのV型6気筒エンジン×5速ATに切り替えられました。
デビュー時の10・15モード燃費は7.1km/L〜7.3km/L。
【【安全装備】運転席&助手席&サイドエアバッグは標準装備
ABSやEPS、運転席&助手席&サイドエアバッグは標準装備されていましたが、この世代では衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールといった先進安全装備は最後まで採用されませんでした。
【グレード構成】2ドアの「ラングラー」と、4ドアの「ラングラー アンリミテッド」の2タイプ
ボディバリエーションは、2ドア4人乗り仕様の「ラングラー」と、4ドア5人乗り仕様の「ラングラー アンリミテッド」という2タイプがあります。アンリミテッドはホイールベースが520mm伸ばされ、全長は2ドアの4185mmに対し4705mmとなり、その分広いラゲージスペースを備えています。
グレード構成は、ラングラー、ラングラー アンリミテッドともに最も手頃な「スポーツ」、より上級仕様の「サハラ」があり、2ドアのみオフロード性能の高い「ルビコン」も設定されました。4ドアのラングラー アンリミテッドにも2008年4月に「ルビコン」が追加されましたが、2ドアが6速MTであるのに対し、4ドアは4速ATが組み合わされました。
デビュー時の車両本体価格は2ドアのラングラーが323.4〜384.4万円、4ドアのラングラー アンリミテッドが379.05〜483万円(ルビコンを含む)。
【マイナーチェンジ&改良一覧】2011年モデルと2012年モデルで大きく変化
2007年3月の登場から2018年11月にフルモデルチェンジするまで、約11年間販売されていたジープラングラー。毎年、次のイヤーモデルに移行する度に細かな変更が行われていましたが、中でも大きく変わったのは2回あります。
まず2011年2月に発表された2011年モデルは、インパネやセンターコンソール、ドアトリムパネルのデザインが一新されました。同時に、ステアリングにはオーディオコントロールスイッチが備えられました。
また格納式ヒーテッドドアミラー、ヒルディセントコントロールなど機能の充実化も図られています。
翌2012年1月に発表された2012年モデルでは、パワートレインの変更が行われました。エンジンは従来の3.8L のV型6気筒OHVから、3.6LのV型6気筒DOHCに切り替わり、4速ATが5速ATとなりました。また2ドアのラングラーは、「スポーツ」「ルビコン」が外れて、基本「サハラ」の1グレード設定になりました。
このほかに特別仕様車が数多く設定されて、ラインナップの拡充が図られていたのが3代目ラングラーの特徴です。
【ラングラーのおすすめモデル#1】4ドアのラングラー アンリミテッド スポーツまたはサハラ
キャンプを楽しむなど、家族で出掛けることが多いなら、やはり4ドアのラングラー アンリミテッドがおすすめです。2ドアのラングラーに対してホイールベースが520mm延長されたことで、後席に3人が余裕で座れて、ラゲッジが広くなるだけでなく、前後方向の揺れ(ピッチング)も抑えられるのでロングドライブにも有利です。
グレードは3つありますが、最強グレードの「ルビコン」でなくても悪路走破性は十分。また「スポーツ」と「サハラ」ではHDDナビの有無等に違いがありますが、今から乗るのであれば、最新のナビを備えたほうがいいでしょうから、両グレードのどちらかに絞らず、ボディカラーや前オーナーによるカスタマイズの内容、走行距離を含めたコンディションなどで選ぶといいでしょう。
【ラングラーのおすすめモデル#2】2ドアのラングラー ルビコン
せっかく「ジープ」を買うのだから、本気で遊んでみたいという人は、やはり2ドアのラングラー、中でも「ルビコン」がおすすめです。
「ルビコン」は4ドアのラングラーアンリミテッドにも設定されていましたが、やはり出自が軍用車のラングラーですから、ボディが短くソフトトップ(幌)になる2ドアのほうが“ジープ”感があります。もちろんルビコンですから悪路走破性は一級品。道なき道どころか、他のラングラーがたじろぐような条件でも進んでいけます。
また4ドアが4速ATや5速ATだったのに対し、2ドアは6速MTがメイン(4速ATの限定車もあった)というところも“漢(おとこ)”らしいところ。残念ながら4ドアのラングラーアンリミテッド人気が高かったため、2013年モデル以降はラインナップから外れてしまい、中古車の台数も少ないのですが、根気強く探したくなる一台です。
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【まとめ】たくさんある特別仕様車なら他人とカブりにくい
4ドアのラングラーアンリミテッドが設定されたことで、一気に人気が高まったラングラー。硬派で厳ついスタイルに簡単に乗れるところが最大の魅力です。
その分キャンプ場でカブる確率が増えますが、ラングラーには内外装に特別な色や装備を施した特別仕様車がたくさん設定されていました。例えば写真は2017年に100台限定で販売された「ラングラーJK」。ラングラー初となるホワイトハードトップが備わります。
そういった数少ない限定車を探すのも、ラングラーを買う楽しさの1つかもしれません。
この記事は2022年8月の情現在報に基づいています。