半導体不足や世界情勢など複合的な理由で、新車の納期が深刻化しています。車種によっては1年以上、中には受注を停止している、なんてケースも。
そこでおすすめなのが中古車です。現車が店頭にある中古車ですから、納車はあっという間。また、時には0.1万kmなど新車並みのコンディションも手に入れることができます。
我慢して新車を待ち続けるより、すぐ手に入る中古車を買って、いち早く新しいカーライフを始めてみませんか。
【現行型フェアレディZの現状】新型は新規の受注は停止。再開時期は不明
今回おすすめする中古車は日産フェアレディZ。かつては若者の憧れの存在だった、日本を代表するスポーツカーの1台ですが、昨今の世界的なSUVブームの中、存続を危ぶむ声すら聞こえていました。
しかし世界中のZファンの期待に応え、旧型の登場から約13年後の2021年8月にまずアメリカ・ニューヨークで初披露され、日本でも2022年1月に初公開されました。同年夏には販売される予定でした。
ところが、新型コロナウイルスによる世界的な部品供給不足の中、待ち続けたファンの熱い思いが注文殺到という形で一気に爆発したため、発売前から納期の長期化が明確に。そのため日産は「確実にお届けするため」納車が始まらないまま、現在受注も停止されています。
そんな人気車をひたすら待つか、中古車でいち早く新しいカーライフを楽しむか。みなさんならどちらを選びますか。
まずは現行型フェアレディZがどんな車なのか、おさらいしてみましょう。
【現行型フェアレディZの概要】歴代へのオマージュと、「Z」の熱いDNAが宿るスポーツカー
2022年1月に日本で初めて公開された現行型フェアレディZ。これまでに世界で180万台以上が販売された、世界中のファンに愛されるスポーツカーです。
現行型は、歴代モデルのオマージュを感じさせるデザインをまといつつ、中身はしっかりと進化。シャシーなど基本的な部分は先代モデルをベースとしているものの、エンジン、トランスミッション、そして足回りにも大きく手を入れています。搭載された新開発の3L V型6気筒ツインターボは最高出力298kW(405ps)、最大トルク475N・m(48.4kgf・m)を発揮します。
これに組み合わされるトランスミッションは6速MTか9速AT。6速MTは大トルクに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインが強化されています。また新設計のシンクロナイザーシステムなどにより、スムーズなシフトチェンジを可能にしています。
一方の新開発された9速ATには、走行状況に応じてエンジンやトランスミッション等の特性を変えられるドライブモードが備わります。通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモード、ワインディングなどでアグレッシブな走りを楽しみたいときはスポーツモード、といった具合です。
シャーシも操るのが楽しい、現代の最先端スポーツカーとしての素性が磨かれました。フェアレディZらしいシャープな回頭性、それでいてロングドライブもいとわない快適な乗り心地が目指されました。
また日産の後輪駆動車として初めて、ローンチコントロール機能が搭載されました。
車両本体価格は524万1,500円〜696万6,300円です。
【現行型フェアレディZの中古車概要】納車が始まらないまま受注が停止しているため、中古車はゼロ
何しろ、発表後に注文を一度は受け付けたものの生産体制が整わず、そのまま受注が停止に。そのため記事執筆時点(22年10月)では中古車は流通していないという状況です。この先、中古車市場に出てきたとしてもしばらくはプレミア価格が付けられることは間違いないでしょう。
今のところ受注がいつ再開されるかは不明です。「だったらほかのクルマも検討しよう」というのであれば、まずはフェアレディZの旧型を検討してみてはいかがでしょうか。
【旧型フェアレディZの概要】性能だけでなく、装備でもスポーツカーを操る高揚感を高めてくれる
新型は旧型のZ34をリファインしたモデル
現行型の中古車がないとなれば、旧型が当然気になりますよね?では、旧型フェアレディZはどんなクルマだったのでしょうか。ざっくりとおさらいしてみましょう。
旧型フェアレディZ は2008年12月に登場。一度は消えかけたZの火を、カルロス・ゴーン氏が復活させた話は有名ですが、そのZ33から数えて2代目(Z34型)が旧型です。
ちなみに現行型の型式は「RZ34型」。この名称からも推測できるように、現行型は旧型のプラットフォームをリファインして使用しています。といっても、流用したプラットフォームでフルモデルチェンジするのはよくある話ですし、13年後も改良で使えるほど優秀なプラットフォームだったという証ともいえそうです。
伝統の中に当時の最新技術を投入
先代(Z33)と比べてショートホイールベース化とワイドトレッド化によって、走行性能が高められた旧型(Z34)。グラマラスなそのボディに搭載されたエンジンは、最高出力336ps/7,000rpm、365N・m/5,200rpmを発揮する自然吸気の3.7L V型6気筒です。最大トルクの90%を2,400rpmから7,200rpmという広い範囲で実現。高回転域までリニアな盛り上がり感が得られます。これに6速MTか7速ATが組み合わされました。
6速MTは世界初のシンクロレブコントロールが備わり、シフトチェンジの際にドライバーのシフト操作に応じて、エンジン回転数を最適化してくれます。ですからシフトダウン時にヒール&トゥをしなくても、素早くスムーズに変速することができるのです。
また7速ATも「世界最速レベル」とメーカーがうたうほど素早くシフトチェンジしてくれるマニュアルモードが備えられています。
フェアレディZとしては初採用のプッシュエンジンスターターを押すと、独立式大径三眼メーターは一度針が振り切れるように回り、目覚めたことをドライバーに伝えてくれます。
また伝統の三連サブメーターや、Zのエンブレムが浮かびあがる、エンブレム一体型サイドターンランプなど、スポーツカーを操る高揚感を高める工夫があちらこちらに。
一方で、ゴルフバッグを2つ収納できる、2人乗りスポーツカーとしての実用性も確保されました。
2009年6月には、同社のモータースポーツ部門を担うオーテックが手がけた「バージョンNISMO」が販売されました。より力強い加速力を得るため、専用フルデュアルエキゾーストシステムとコンピューターのチューニングが施され、ノーマル車と比べて最高出力は+19psの355psに。またヤマハ製パフォーマンスダンパー等の採用をはじめ、ボディ剛性のアップと振動減衰が図られ、よりスポーツ志向の強いハンドリング性能が与えられました。
マイナーチェンジでスポーツカーとしての性能が向上
2012年7月には初のマイナーチェンジが実施されます。よりスポーティな内外装に改められたほか、ユーロチューンドサスペンションや、耐フェード性能が高められたブレーキパッドの採用など、走りの性能の向上が図られました。
2013年6月には、バージョンNISMOが単に「NISMO」となり、内外装をリファイン。さらに2014年7月にはマイナーチェンジが施され、エクステリアデザインの一新と、レカロ社と共同で開発したスポーツシートが備えられました。
このとき、同時にベース車も一部改良が施され、静粛性や乗り心地の向上が図られました。
2015年7月には、オプションのBOSEサウンドシステムに、ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能と同じ理屈の機能が備わりました。
2016年8月には、一部グレードに純正カーナビやBOSEサウンドシステムを標準装備するなど、仕様の向上が図られました。
2017年7月には、6速MT車のクラッチが変更され、クラッチペダル踏力が軽くなり、かつ半クラッチコントロールの操作性が向上しました。そのほか車内からバックドアを開けられるスイッチが備わるなど、一部仕様が変更されています。
【旧型フェアレディZの中古車概要】長い期間販売されていたが台数はそう多くはない
原稿執筆時点で、大手中古車検索サイトには約250台が掲載されていて、その平均価格は約260万円。平均走行距離は5.8万kmで、価格帯は約90万〜690万円です。さすがに新車時より高い中古車はほとんどありませんが、現行型の受注停止&中古車がないため、旧型の中古車も高くなっているようです。
約14年と長い期間販売されていたZ34ですが、そもそも台数があまり出ないスポーツカーですので、約250台と中古車台数はそう多くはありません。気になる1台が見つかったらすぐ見に行ってみることをおすすめします。
基本の3グレードの中で最も台数が多いのは、最上級グレードであるバージョンSTで、その台数は約70台。次いでバージョンT、バージョンSの順になります。
一方、バージョンNISMOはバージョンSとほぼ同台数あり、NISMOはバージョンSより多く流通しています。
【旧型フェアレディZのおすすめ中古車#1】後期型のNISMO
今や希少となった国産ハイパワースポーツカー。同社のGT-Rが誰でもサーキットを楽しめるスポーツカーだとすれば、フェアレディZは自らの操作や判断がタイムを左右するスポーツカーといえるのではないでしょうか。
そんなスポーツカーとしてのフェアレディZを求めるなら、やはりNISMOが手がけたバージョンNISMOか、NISMOではないでしょうか。中でも後期型(2014年7月以降)のNISMOなら、熟成されたフェアレディZの走りを堪能できると思います。
後期型NISMOは、エクステリアデザインの一新によって、前後のダウンフォースが最適化され、高速域でのハンドリング性能が向上しています。さらに上記のとおり、専用のレカロ社製スポーツシートが備わります。
ちなみに後期型を含めた2013年6月以降のNISMOは、最高出力355ps等のスペックこそバージョンNISMOと同じものの、モータースポーツで得られた知見をもとにパワートレインをはじめ、タイヤ、ボディ剛性、サスペンション、ブレーキに至るまで再チューニングされています。
原稿執筆時点で約30台あり、その約半数が6速MT車です。走行距離は最長で約8万kmで、1万km未満の中古車も見つかります。車両本体価格は約300万〜690万円。
【旧型フェアレディZのおすすめ中古車#2】バージョンST
スポーツカーとしてのフェアレディZの頂点が上記NISMOなら、Zのもうひとつの魅力である、ロングドライブを楽しめるグランドツアラーという性格を楽しみたいなら、バージョンSTをおすすめします。バージョンSとTが合わされた名のとおり、いわゆる「全部載せ」グレードです。
同グレードのシートは、本革とスエード調ファブリックによるコンビシート。電動スライド&リクライニング機能やシートヒーターが備わります。また初期型はBOSEサウンドシステムやレイズ製アルミ鍛造ホイールも標準で備わります。
原稿執筆時点で約70台あり、3割以上が6速MT車です。車両本体価格は約120万〜600万円で、走行距離も約5000km〜20万超と、価格帯も走行距離帯も幅広いため、欲しい年式や装備をある程度調べてから探したほうが良いでしょう。
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【まとめ】新型のデリバリーが落ち着くまで、旧型を楽しむのもあり!
スポーツカー受難の時代、久々に注文殺到という明るいニュースを届けてくれた現行型フェアレディZ。その裏返しに新車も中古車も買えないという状況になっていますが、それならば、まずは旧型でフェアレディZという歴史的名車をおさらいしつつ、「現行型はここからどんな進化を遂げたんだろうなあ」と思いをめぐらしてみてはどうでしょうか。
※この記事は2022年10月現在の情報に基づいています。