カープレミアマガジン編集長宇野が人柱、いや車柱となる体当たり企画第5弾は、オールペン(全塗装)に挑みます。宇野が選んだ色は、日産 GT-R NISMOに採用される「NISMOステルスグレー」。
今回は、カープレミアガレージに登録されている「Fujiwara Body Works」さんにオールペンをお願いし、取材させていただきました。
本記事の末尾で、事前打合せから塗装工程、全塗装完了後の納車までを収録した動画を掲載しています。動画では、Fujiwara Body Works代表の藤原さんが、オールペンのメリットや注意点など詳しく話してくれたシーンも収録。オールペン検討者必見の内容となっています。
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オールペンはいくらかかる?
ネット検索すると、だいたい30万円くらいからが相場のようです。Fujiwara Body Worksの代表、藤原さんもそれくらいだと言っていました。ただ、塗装をどこまでするのか(ドアを開けたときに見える内側部分や、ドアミラーなどのパーツ、室内が鉄板むき出しになっている場合、内装部分も塗るのか、など)や、塗料(パール塗装は2〜3割高くなるそう。パール塗装も2コート、3コートと層数が多いと高くなる)によっても変わってきます。
また、下地の状態でも費用が変わってきます。サビが発生していると(筆者のサンバーバンがそう)、サビを落として保護する必要があります。また、さびていなくても下地の状態が悪いと、塗装面を削りパテを塗るなどの養生も必要となります。
色の系統が異なる2トーンカラーにするといったオプションも当然ですが費用がアップになります。
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ラッピングとオールペンどっちがいい?メリデメ比較
ラッピングの大きなメリットには、元に戻せることと、塗装を保護することなどが挙げられます。例えば、クルマを下取りに出すときには、元の塗装がきれいな状態で保たれているので、査定額のアップが期待できます(あくまで「期待」という表現にとどめておきます)。最近の中古車市場では、ラッピングされたまま売られているクルマもあります。それが相場価格より高いか安いか、一概に言えないですが、少なくとも塗装面の保護はプラス要素であることに間違いはありません。
逆にラッピングのデメリットは、耐久性。おおむね2〜3年といわれています。クルマの保管状態などにより大きく左右しますが、まったく日陰ができない無舗装の青空駐車場にとめているような環境などでは、劣化速度が早くなります。耐久性に関しては、オールペンのほうが上と言えますね。
オールペンの圧倒的な強みは、色の豊富さ。ラッピングはカラーバリーエーションが多くなったとはいえ、工場製品であることもあり、限定的です。オールペンでは、国産車は全車種、輸入車は正規輸入であれば全車種、ともに古い車種も含めて、オリジナルのボディカラーを再現可能です。ただ、完璧にオリジナルカラーと同じにすることは困難(職人の腕にもよるが、人間の目ではわからないレベルには合わせられる)です。
が、藤原さんによると、クルマは生産ロットの違い、ロットごとに塗料メーカーが変わってしまうことなどにより、同じボディカラーでも微妙に色合いが違ってくるとのこと。そもそも、オリジナルのボディカラーの定義は厳密には定まらないようです。例えば、ドアパネルをぶつけて、ドアを交換したとき、微妙に色が違ってしまうといったことがよくのと同じだそうです。
板金屋さんが使う塗料はメーカーが使う塗料とは異なる
板金屋さんが使う全塗装用の塗料のほとんどが、補修用塗料と呼ばれるもので、自動車メーカーが生産ラインで塗装する塗料とは異なるものを使っています。補修用塗料は、ボディカラー1色に対して1色が用意されているのではなく、100〜120色ほどの原色を配合して作ります。その配合比率は、補修用塗料メーカーがデータベースを作っており、板金屋さんはそれから配合情報を入手しています。
オールペンの納期は?
どこまでの範囲を塗装するかにより(例えば、室内部分もばらして塗るかどうかなど)3週間から1ヵ月が目安となります。
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オールペンをするのに向かない季節はある?
藤原さんの話では、真夏は、湿度が高いことと、気温が高く塗料の乾燥スピードが速くなり、塗装面には良くないそうです。また、真冬は気温が低く、塗料がなかなか乾かないため、全塗装するなら、春・秋がいいそうです。
オールペン後すぐにボディコーティングをするのはアリ?
結論から言えば、アリでした。今回は、Fujiwara Body Worksさんと提携しているボディコーティング・ショップに依頼し、オールペンが終わったらすぐにコーティングしてもらう手順にしました。コーティングのブランドは『CAR BEAUTY PRO(カービューティープロ)』の最上級、『ProMAX EXE evo1(プロマックス・エグゼ・エボワン)』を施工しました。
全塗装後すぐのボディコーティングは、塗装面が弱いため良くないという意見もありますが、藤原さんは、しっかりと乾燥させて仕上げるので問題ない、としています。
日産 GT-R NISMO ステルスグレーと同じ色にサンバーを全塗装
筆者がオーダーしたのは、GT-R NISMO と同じ「NISMOステルスグレー」。この色は、GT-R NISMOだけの特別なもので、エクストレイルやアリア、ノート オーラなどに採用されるステルスグレー(カラー名称は単にステルスグレー)とは色味が異なります。筆者は、なんか違うなという認識のレベルでしたが、藤原さんが共有してくれた配合情報と、作成してくれたサンプルカラーを見ると明確な違いがありました。
オールペンにかかった費用は?
今回のオールペンの費用は41万8,000円、このうち33,000円はウィンドウモールディングやグラスロケートピン、ガラススペーサーなどの前後ウィンドウ脱着の際に取り替えたパーツ台となっています。また、古いクルマのためサビが多く、サビ取りや下地の修正など通常の全塗装より工数がかかっています。
【動画】オールペン事前打合せから全塗装完了までの一部始終
愛車の修理や整備は安心でお得な整備工場へ!「カープレミアガレージ」とは
「カープレミアガレージ」では、国家資格を持った整備士が点検に対応するため、クルマに関する疑問点や不安点は何でも
ご相談いただけます。また、定期点検などのサービスも行っているため、長期的なクルマの管理も安心して任せることができます。
また、カープレミアでは「カープレミアパーツ」としてリビルト・中古部品を推奨しており、自社グループ会社においても、リユースの生産から販売まで自社工場を有し低価格の実現を進めています。
「カープレミアパーツ」とは?
カープレミアのグループ会社が提供する自動車パーツです。整備・修理の際に、主に「中古・リビルト部品」といった「リサイクル・リユース部品」などの低価格で安心のパーツを提供しています。
中古・リビルト部品って何?
中古部品(リユース)は、使用済み自動車等から取外され、テスターによる点検、清掃などを行い商品化された部品です。リビルト部品は、中古部品(コア)を分解洗浄、消耗品交換や故障個所の交換を行い、性能をほぼ新品同等に回復させた部品です。
リビルト部品をオススメする理由
1.新品部品を利用するよりもコストパフォーマンスが良い事
2.リサイクル、リユースといった資源の有効活用に繋がること。
3.品質基準をクリアした部品で安心して使用できること。
中古・リビルト部品のメリット
新品部品と比較して部品にもよりますが、20%~30%ほど部品代金が抑えられるケースがあります。
その他、万が一の故障時に0円で修理対応する故障保証や、24時間365日対応可能なロードサービスなどのサポートも充実しています。安心・快適なカーライフは、「カープレミアガレージ」にお任せください。
※故障保証の利用は車両購入時に別途加入が必要です。
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今回・これまでの散財記録
オールペン(2トーンカラー) サビ取り・下地補正・パーツ交換費用含む |
¥418,000 |
ボディコーティング カービューティープロ プロエグゼevo1 |
¥96,800 |
合計 | ¥514,800 |
これまでの散財合計(車両価格含む) | ¥1,430,986 |
これまでの散財合計(車両価格含めず) | ¥930,986 |
全塗装にかけた費用は、車両価格より高くなりましたね。もう、ネオクラシックカーに片足つっこんだクルマなので、仕方ないです……次も散財しますよ。
オールペン実施店「Fujiwara Body Works」
今回、オールペンを実施したショップは、東京都羽村市にある「Fujiwara Body Works」さんでした。取材にも多大なるご協力をいただきました。感謝します。
カープレミアガレージに登録されたこのショップは、板金・塗装のプロだけでなく、腕利きのメカニックもいます。BMWの修理は定評があり、全国のBMWファンが修理を依頼してくるそうです。
※この記事は、2022年11月時点での情報を元に執筆しています。