「トヨタ アルファード(2代目・2008〜2014年)」あらゆる技術が余すことなく投入された「キング・オブ・ミニバン」【人気モデル購入徹底ガイド】

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日本を代表する高級Lサイズミニバンとして、今や海外市場でも人気を集めているトヨタ アルファード。のちに追加されたハイブリッドには、プリウスやハリアーにも搭載されるTHS IIを採用し、急速に広まっていきました。国内で最大のライバルだった日産 エルグランドの牙城を崩し、市場で独走を始めた2代目アルファードについて詳しく見ていきましょう。

【サマリー】高級ミニバントップの座を盤石にしたモデル

Lサイズミニバンとして成功を収めた初代アルファードの正常進化版として登場した、2代目アルファード。先代では販売チャネルにより『アルファードG』『アルファードV』の名前で販売されていましたが、この世代からGとVが取れアルファードの名称となりました。

先代モデルで高級ミニバントップシェアを日産 エルグランドから奪い、この2代目ではさらに盤石にするべくモデルチェンジしました。Lサイズボディだから許される広大な室内空間に、贅沢な装備の数々。特に最上級グレードに用意されたオットマン付きセカンドシートは、これぞ高級ミニバンにふさわしい装備といえる内容でした。

先代で登場したハイブリッドは発売当初にラインナップされず、エンジン車のみでスタートを切ります。ハイブリッドは後ほどのマイナーチェンジで、より進化した形で加わりました。

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【外観スタイル】高級感に躍動感をプラスしたエクステリア

エクステリアは、初代のイメージを残しながら進化させたミニバンの最高峰にふさわしいデザインとなりました。堂々たる存在感と高級感を表現することをテーマに、上品で洗練されたスタイリングを追求しています。

フロントグリルからサイドに向けV字型の形状となり、ヘッドライトは切れ長タイプを採用。フロントグリル内には横桟が入りワイド感を強調します。サイドビューではフロントとリアのフェンダーに設けられたプレスラインと合わせ、高級感と躍動感を演出。三角のBピラー形状はさらに強調され、アルファードの伝統的なデザインアクセントとなりました。

リアワイパーが、ルーフスポイラー格納タイプとなったこともトピックでした。フロントマスクのV字型形状はリアにも展開され、共通のデザインイメージとなっています。

エアログレードには専用意匠のフロントバンパー、サイドクラッディングパネル、18インチホイールなどが追加され、クールなイメージに仕上げていました。

【インテリア】低床化を実現した新プラットフォーム

プラットフォームが刷新された恩恵は、室内空間にも大きく影響しました。低床化フロアを採用することにより、低全高でありながら低床化を実現。フロア高を55mm下げることによって室内高を10mm、室内長は75mm拡大しています(すべて先代比)。

贅沢な造りのシートは高級ミニバンの最大の魅力。2代目アルファードのフロントシートには、運転席とドアミラーの位置をボタン操作ひとつで再現する「マイコンプリセットドライビングポジションシステム」や「快適温熱シート」、「助手席パワーオットマン&4ウェイパワーシート」などが備わっています。さらにセカンドシートにも、大型フットレストやパワーオットマンがつく「エグゼクティブパワーシート」が用意されました。

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【走り・燃費】2種類のエンジンそれぞれを刷新

パワートレインを2種類用意したことは従来型と同じですが、V6ユニットは3Lから3.5Lへと排気量アップし280馬力/344Nmを発生、2.4L直4は170馬力/224Nmへとパワーを向上させ、それぞれ走りにゆとりを生み出す仕様へとなりました。組み合わせるトランスミッションも、3.5Lは6速AT、2.4Lは7速CVTと効率化され、さらに両者ともにシーケンシャルシフト機能が備わり、マニュアル操作も楽しめるようになっています。

パワートレインの一新は燃費の改善にも一役買っています。3.5Lは従来型の3.0Lより約7%、2.4Lは約20%の燃費性能向上を果たしました。

【安全装備】プリクラッシュセーフティなどの最新技術を装備

安全装備には2008年当時最高の技術が投入されていました。サイド、カーテンシールド、ニーまでも含めた7個のSRSエアバッグは全グレードに標準装備。衝突安全ボディGOAに、ミリ波レーダーを使ったプリクラッシュセーフティシステムも備えていました。むち打ち傷害軽減に役立つ、アクティブヘッドレストもフロントシートに採用されています。

【グレード構成】3つのグレードを2種類のエンジンそれぞれで展開

グレードは大きく分けて3種類用意されました。ベーシックなX、エアログレードのS、そして最上級グレードのGです。これが3.5Lと2.4Lの各エンジンで選べ、350X、240Xなどのように排気量3桁+アルファベットで表されるようになりました。350SにはCパッケージ、350GにはLパッケージとそれぞれ高級仕様が設定され、2列目のエグゼクティブパワーシートが装備されました。

乗車定員はXだけ8人乗り仕様のみで、その他のグレードはすべて7人乗りか8人乗りが選択できました。駆動方式も全グレードでFFと4WDが選べるようになっています。

価格帯は2.4LのXが300〜321万円、Sが330〜355万円、Gは356〜378.9万円。3.5LのXが338〜356.9万円、Sが368〜437万円、Gが394〜468.9万円とされました。

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【マイナーチェンジ&改良一覧】THS IIへ進化したハイブリッドが追加される

6年半のモデルライフの中でマイナーチェンジは一度きり。このマイチェンでついにハイブリッドが追加されます。前後の期間に特別仕様車はリリースされていますが、一部改良は特別仕様車の販売するタイミングで実施されています。

2011年9月:待望のハイブリッド追加

最初で最後のマイナーチェンジは、2011年9月に実施されています。この変更でのトピックは、なんといってもハイブリッドの追加です。

ハイブリッドシステムは、先代で使われたTHS-Cではなく、3代目プリウスから始まった最新式のリダクション機構付きTHS IIを搭載。2.4L直4エンジンと組み合わせクラストップレベルの低燃費(JC08モード17.0km/L)を実現しました。駆動方式は4WDのみ。E-Fourと呼ばれる、電気式4WDが採用されました。

内外装では、ガソリン車も小変更があり意匠を変更。ハイブリッドには横長のスリットが追加されたフロントバンパーや、16インチアルミホイールなどのハイブリッド専用装備が与えられました。乗車定員もハイブリッドは7人乗りのみとなっています。

ハイブリッドにもガソリン車同様3つのグレードがラインナップされました。ベーシックなハイブリッドX、エアログレードのハイブリッドSR、高級仕様のハイブリッドGです。価格はガソリン車が300〜478.8万円、ハイブリッド車が395〜565万円に設定されています。

2012年9月:ラグジュアリー仕様とスポーティ仕様を追加

2012年9月には2つの仕様が追加設定されました。プレミアムシートパッケージは2トーン配色のプレミアムレザーを使用した高級仕様で、セカンドシートにはベンチレーション機能を持たせるなど上質さを追求したモデルでした。3.5Lエンジン車とハイブリッド車にラ追加され、価格は492〜595万円と最も高額に設定されました。

もうひとつは、スポーツコンバージョン車シリーズと呼ばれる「G’s」の追加です。チューニングはトヨタのレース部門「トヨタGAZOOレーシング」が手がけ、意のままに操れるハンドリング性能を実現するために、30mmローダウンの専用サスペンション、ボディ剛性アップ、専用空力パーツなどをふんだんに用いています。240Sと350Sがベース車となり、価格は404〜442万円に設定されました。

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【アルファードのおすすめモデル#1】2011年9月マイナーチェンジ以降のハイブリッド

2トンを超える場合もある巨体のアルファードですから、燃費は少しでも良くしたいと思うのは当然かもしれません。そう考えると、自然にハイブリッドへ向かうものです。おすすめはやはり、マイナーチェンジ以降のハイブリッドモデルとなります。

一番の問題は、10年以上前のクルマであるにも関わらず200万円を超える個体がまだまだ多いということかもしれません。そもそも新車価格が500万円以上するようなクルマで、なおかつ人気車種ですので安くないとは思いますが、それを差し引いても相場は異常な高さです。購入するときは、走行距離と使用感、そして金額とのバランスをよく考えて決めるようにしましょう。

【アルファードのおすすめモデル#2】激レアな存在のG’s

プレミアムシート仕様と迷ったのですが、よりレアな存在として選びました。足回りを固めて走りを楽しむ方向へ振ったラージミニバンなんて、なかなか出会えるものではありません。しかも、トヨタのワークスであるGAZOOレーシングがチューニングしているのです。走りを忘れられない人たちへは、特におすすめできる仕様です。

問題は、圧倒的に数が少ないということ。全国で探しても数台出てくればいい方です。好みのボディカラーや、いい条件の個体などは見つかったらすぐに決めてしまった方がいいでしょう。

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【まとめ】唯一無二の高級ミニバンだからこそ

キング・オブ・ミニバンのアルファードですが、2代目でもその豪華さや贅沢さが十分に味わえるクルマです。特に3.5Lは、280馬力のパワーを味わえる数少ないミニバンでもあります。購入できるうちに一度味わってみたいものです。

しかし中古車で狙うとなると、その異常な価格に驚くかもしれません。いわゆる過走行といわれる走行距離の個体でも、まだまだいい値段がついていることがほとんどです。気に入ったクルマが見つかり、なおかつ買ってもいい金額だと思えるのなら、即決してもいいかもしれません。

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※この記事は、2023年2月時点での情報を元に執筆しています。

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